令和3年度 広域監視活動報告

更新日:2022年4月1日

令和3年度 広域監視活動報告

令和3年度大阪府食品衛生監視指導計画に基づき、広域的に流通する食品等の製造施設や大量調理施設等に対し、専門性の高い監視指導を重点的に行いました。また、監視指導に伴う食品衛生指導のための試験、検査等を行いましたので報告します。

令和3年度大阪府食品衛生監視指導計画はこちら

監視指導

食の安全を確保するため、食品等製造・販売施設、大量調理施設、飲食店、集団給食施設等の監視指導を行っています。
ATPふき取り検査(※)や微生物検査を活用するなどして、事業者が取り組む「HACCPに沿った衛生管理」の効果検証や、根拠ある指導に努めています。
監視指導の実施にあたっては、新型コロナウイルス感染症の発生状況に配慮しています。

※ATPふき取り検査とは、
  多くの有機物に含まれる「ATP」という物質を、汚れの指標とした検査方法です。調理器具や施設設備の汚れをその場で評価することができます。

7月・8月 夏期における食中毒の発生防止等のための重点監視を実施しました

食中毒が発生しやすい夏期における、食品の衛生的な取扱いや適性な食品表示の徹底を図るため、「食品の夏期一斉取締り」を実施しました。
スーパーや大量調理施設等での食品の温度管理や二次汚染対策の徹底について指導を行うとともに、府管内で製造された弁当やそうざい、洋生菓子の微生物検査も行いました。

令和3年度食品、添加物等の夏期一斉取締りの実施結果はこちら

12月 年末における食中毒の発生防止等のための重点監視を実施しました

食品の流通量が増える年末における、食品の衛生的な取扱いや適性な食品表示の徹底を図るため、スーパーや大規模製造施設等において「食品の年末一斉取締り」を実施しました。
とくに冬季に発生数の多いノロウイルス食中毒を防ぐため、食中毒予防の4原則(持ち込まない、拡げない、加熱する、つけない)に基づく啓発も行いました。
また、ふぐを処理する施設に対しては、必要な設備やふぐ処理登録者の有無等についても確認し、ふぐ食中毒予防に努めました。

令和3年度食品、添加物等の年末一斉取締りの実施結果はこちら

1月から3月

新型コロナウイルス感染症の発生状況に配慮しながら、食品製造施設を中心に監視を実施し、食中毒予防や食品表示の指導を行いました。
また、感染流行期間は保健所と連携し、食品営業許可申請に係る立入検査を行いました。

試験検査

監視センターには食品衛生検査施設があり、府管内の食品製造施設が製造した食品や施設のふき取り検査を実施しています。
検査結果に基づき事業者への指導を行うとともに、新たな知見が得られた際には、食品衛生監視員間で共有し、技術の研鑽に役立てています。

検体の採取から検査結果の報告までのすべての工程を正確に行うために、工程毎に手順を定め、これを遵守しています。
また、検査の精度を適正に保てるよう、精度管理(※)に取り組み、信頼性確保部門(※)による内部点検も受けています。
 
※精度管理は、内部精度管理と外部精度管理に大きく分けられます。
  内部精度管理 :自試験検査機関で精度の高い結果を出すことができるかどうかを評価します。
            例えば、濃度が既知の検体について繰り返し測定を行い、測定結果のバラツキを評価する繰り返し検査があります。
  外部精度管理 :同一試料を複数の試験検査機関で測定し、結果を比較評価します。

※信頼性確保部門とは、
  検査部門とは独立し、検査が適正に行われているか第三者として点検・指導を行います。 

7月・8月 検査の精度管理を実施しました(内部精度管理・外部精度管理)

◆内部精度管理
 枯草菌を用いて一般細菌数測定の5回繰り返し検査を行いました。
 結果、検査に携わる職員全員の成績が目標水準を満たし、安定した結果が出せることを確認しました。

◆外部精度管理
 7月には、一般細菌数測定検査の外部精度管理調査を受験しました。

7月・8月 食品の検査を実施しました

管内食品製造所で製造された食品38検体を収去(※)し、一般細菌、大腸菌群、黄色ブドウ球菌の検査を実施しました。
検査結果に基づき、汚染原因の究明と改善のための指導・助言を行いました。

※収去とは、
  食品衛生法・食品表示法に基づき、食品関係営業施設に食品衛生監視員が立ち入り、試験検査をするために必要最小量の食品や食品添加物等を職権で無償で持ち帰ることをいいます。

10月・11月 外部精度管理調査を受験しました

<微生物学調査>
10月には黄色ブドウ球菌検査、11月には大腸菌群検査の外部精度管理調査を受験しました。
なお、11月には一般細菌数測定検査の外部精度管理調査研究(※)に参加しました。

※外部精度管理調査研究
  外部精度管理調査プログラム用適正試料の改善等を目的とし、各検査所間で実施する共同試験

<理化学調査>
11月には食品添加物(着色料)の外部精度管理調査を受験しました。

11月 信頼性確保部門による内部点検を受けました

検査が適正に行われていることを確認するため、信頼性確保部門による記録の確認やヒアリング、検査施設への立入監査を受けました。

11月・12月 食品等の検査を実施しました

管内食品製造所で製造された食品15検体を収去し、また、製造所の施設設備を拭き取り、一般細菌、大腸菌群、黄色ブドウ球菌の検査を実施しました。
検査結果に基づき、汚染原因の究明と改善のための指導・助言を行いました。

1月・2月 食品の検査を実施しました

管内食品製造所で製造された食品11検体を収去し、一般細菌、大腸菌群、黄色ブドウ球菌の検査を実施しました。
検査結果に基づき、汚染原因の究明と改善のための指導・助言を行いました。

2月・3月 検査の内部精度管理を実施しました

<微生物学調査>
監視センターでもサルモネラ属菌の検査を実施できるよう、標準作業書を作成しました。
サルモネラ属菌の標準品等を用いて、標準作業書に基づき検査を行い、正確な結果が得られることを確認しました。

<理化学調査>
漂白剤の5回繰り返し検査を行いました。

啓発・相談事業

「HACCPに沿った衛生管理」について個別相談会を実施しました

衛生管理計画や記録用紙の作成方法などについて相談できる個別相談会を実施しました。
19施設の事業者の方からお申し込みをいただきました。

9月から11月 毒キノコによる食中毒予防啓発を実施しました

毒キノコによる食中毒を防ぐために、食中毒予防啓発ポスターを作成しました。
作成したポスターは、府内の自然公園、野外活動センター等、約90カ所に掲示し、府民への周知啓発を行いました。

12月から2月 ふぐによる食中毒予防啓発を実施しました

ふぐによる食中毒を防ぐために、食中毒予防啓発ポスターを作成しました。
作成したポスターは、府内の釣り場や釣具店や漁業組合等、約65カ所に掲示し、府民への周知啓発を行いました。

調査研究

食品衛生を取り巻く様々な課題をテーマに調査研究を行い、新たな知見が得られた際には、食品衛生監視員間で共有し、技術の研鑽に役立てています。
今年度は、近畿食品衛生監視員協議会において、次亜塩素酸水をテーマとした研究結果を2題発表し、うち1題は全国食品衛生監視員協議会での誌上発表に選出されました。

このページの作成所属
健康医療部 生活衛生室食の安全推進課 監視指導グループ

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