奔潮 はやしお  『大阪府市医療戦略会議 提言』 -健康寿命の延伸と関連産業の振興のための新たな戦略-

更新日:平成26年3月27日

『大阪府市医療戦略会議 提言』 -健康寿命の延伸と関連産業の振興のための新たな戦略-

 1.はじめに  

 大阪府・大阪市では、平成25年4月に「大阪府市医療戦略会議」を共同で設置し、府民の健康寿命の延伸、生活の質(QOL)の向上、幅広い関連産業の振興による経済成長の実現の観点から議論をいただき、7つの具体的戦略を柱とする提言をいただきました。
 大阪府市医療戦略会議 提言(平成26年1月) :URL http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/19411/00000000/teigen.pdf
 大阪府市医療戦略会議(各回の資料、議事録など) :URL http://www.pref.osaka.lg.jp/kikaku/iryosenryakukaigi/index.html

 2.提言の概要 その1.現状分析

 提言は、現状分析と現状分析をふまえた戦略の提言の大きく2つから構成されています。
 現状分析では、大阪府民の健康状態、医療資源の状況、いわゆる「団塊の世代」がすべて75歳以上となる2025年を見据えた医療・介護ニーズとそれに伴う財政需要の予測、大阪における医療関連産業のポテンシャル、医療関連産業に関する行政(大阪府・大阪市)のこれまでの関与などについて、各種統計資料などを元にまとめています。  

[現状分析のポイント]

・大阪府民の健康状態をみると、健康寿命、検診受診率など、全国的に見ても低い。
<例>平均寿命:男性78.99歳(全国41位)、女性85.93歳(全国40位)
     健康寿命:男性69.39歳(全国44位)、女性72.55歳(全国45位)
     平均寿命と健康寿命の差:男性9.6歳、女性13.38歳   など
・府民にとって医療費負担は重く、国民健康保険財政も厳しい状況である。
・さらに、大阪は、三大都市圏(大阪・東京・愛知)で、最も早く超高齢社会(※)に突入しており、現状のまま推移すれば、高齢化に伴う医療・介護ニーズの増大は不可避と考えられ、府民の健康状況の悪化や経済的負担のさらなる増加などが予測される。
 (※)超高齢社会:世界保健機構(WHO)や国際連合の定義によると、高齢化率が21%を超えた社会を「超高齢社会」という。
・一方で、大阪の医療資源は比較的充実し、学術研究機関、医療関連産業、中小を含め高い技術力を持つものづくり企業も集積している。
・府民の医療や健康づくりへの関心の高まりや、ニーズの拡大・多様化は、周辺関連分野も含めた成長産業の創出・振興につながる絶好の機会ととらえることもできる。
・以上のことから、先行して府民の健康寿命の延伸とQOLの向上のための新たな仕組みを構築することにより、関連産業の振興など、成長の好循環を生むことが可能であると考えられる。


 3.提言の概要 その2.健康寿命の延伸と関連産業の振興のための7つの具体的戦略

 現状分析をふまえ、府民の健康寿命の延伸・QOLの向上と課題解決型の裾野の広い生活総合産業の育成をめざした7つの具体的戦略が提言されました。
 

[ 各戦略の概要]

◆戦略1◆『予防・疾病管理、府民行動変革』
 「がん」「高血圧症」「糖尿病」などの疾患を対象に、戦略コミュニケーションなどの民間のノウハウを活かした働きかけにより府民の行動変革を促進する。学術研究機関等と連携したデータ分析に基づく具体的なプログラムの実施や、ICTや健康管理アプリ、スポーツジム等民間事業者が提供するサービスの活用により、府民の健康状態を底上げする。
◆戦略2◆『レセプトデータの戦略的活用』
 保険者や自治体が、病気の重症化の予防や保健指導の充実、後発医薬品の利用促進などに、レセプトデータの比較・分析をこれまで以上に活用する。さらに、医療経済や疫学などの学術研究機関による解析により、診療プロセスの改善等標準化、効率化に活用することで、一層の医療費の適正化・高額化防止につなげる。
◆戦略3◆『医療情報と電子化とビッグデータの戦略的活用』
 医療関連ビッグデータは貴重な情報資源。住民の健康状態の改善、治療の質の向上、医薬品・医療機器等の研究開発や、保健衛生政策の充実、疫学・医療の進歩など、多くの効果をもたらす可能性がある。大規模で網羅的なデータを共有し、活用できる仕組みを構築する。
◆戦略4◆『地域密着型医療・介護連携最適モデル実現』
 市町村が中心となって高齢者を取り巻く様々な主体のシームレスな連携を進める。厚生労働省主導の取組みをさらに進めることで、健康管理から医療、介護、ヘルスケア、さらには生活支援まで、高齢者が必要かつ多様なサービスを利用できる環境を整備し、地域で生活する上での課題解決をめざす。
◆戦略5『民間病院の高度化・経営基盤強化』
 大阪では、民間医療機関が医療提供体制において大きな役割を果たしているが、中小規模病院が多く、経営環境は厳しい。将来にわたり、安定的に良質で効果的・効率的な医療提供体制を確保できるよう、日常の経営改善による増益モデル転換や戦略的な病院機能の再編・建替え等を進めるなど、民間病院の経営基盤強化を側面支援する。
◆戦略6◆『スマートエイジング・シティ』
 府民が住み慣れた地域で安心して生活できるまち、新たな住民や民間投資も呼び込み、多世代が循環しながら住み続けられるまちのモデルを実現する。医療・介護にとどまらず、土地利用や移動手段などを含めた都市・住宅政策などにも、「ヘルスケア」や「エイジング」をコンセプトに新たな視点を取り入れる。
◆戦略7◆『スマートエイジング・バレー構想(産業振興)』
 戦略6のまちづくりと併せて、課題解決型の裾野の広い生活総合産業を創出、振興、成長させる。研究開発の促進、新しい製品やサービスの実証的マーケティング環境の整備、認証の仕組みの構築などにより、健康・医療・生活関連の科学とビジネスの集積拠点を形成する。


 

 4.提言をふまえた、大阪府の対応

 大阪府では、提言をふまえ、施策の充実や新たな取組みを進めます。
 平成26年度は、新たに、医療関連のビッグデータの利活用(戦略3)、「ヘルスケア」や「エイジング」をコンセプトに超高齢社会に対応した課題解決と地域の活性化を両立できる「新しいまちづくり」(戦略6)、課題解決型の新たな生活総合産業の創出・集積・振興のための新製品・サービスの実証環境の構築(戦略7)等について、企業や大学・研究機関、医療機関など、取組みの主体となりうる関係者による研究会・ワーキンググループを設置し、研究・協議を行う予定です。
 また、住民に身近なサービスを提供し、健康づくりやまちづくりを行う市町村の積極的な取組みも不可欠です。
 提言がめざす、人口減少・高齢化への対応、健康・予防施策の充実やまちの再生などは、いずれの市町村にも共通する課題です。一方で、地域特性やより切実な課題など、市町村の実情に合わせた取組みを進めることも重要です。
 従来から取り組んできた健康づくりや医療・介護連携の取組みに新たな視点での工夫や民間のノウハウを活用していただく、また、健康づくりや福祉のみならず、産業振興やまちづくりまでを含む行政横断的な取組みを進めていただくなど、市町村においても提言を活用していただきたいと考えています。大阪府は、様々な情報の共有や府における検討内容についての情報提供、大学等の学術研究機関やサービスを提供する事業者とのマッチングなど、市町村の取組みをサポートしてまいります。

 5.まとめ

 最終目標は、「健康で長生きできる大阪」を実現することです。
 住民が健康になる。産業が活性化し、企業が成長発展する。自治体にとっては財政支出の抑制と税収の増加にもつながる。すべてが「Win-Win-Winの大阪モデル」をめざしてまいります。

新たな戦略

(大阪府政策企画部企画室政策課政策グループ)

このページの作成所属
総務部 市町村課 振興・分権グループ

ここまで本文です。


ホーム > 府政運営・市町村 > 市町村・選挙 > 自治大阪 > 奔潮 はやしお  『大阪府市医療戦略会議 提言』 -健康寿命の延伸と関連産業の振興のための新たな戦略-