今月の事例解説(R3.1 R3.2)

更新日:令和3年3月1日

今月の労働相談事例解説(Q&A)

Q1 労働者から、テレワークに関する費用負担についての相談

 テレワークが導入され、自宅で仕事をするために会社からパソコンが貸与されました。
  しかし、通信費や電気代等の支払については会社から何の指示もありません。この場合、全て自分で負担しなければならないのでしょうか。

 A 

 テレワークを行うことによって生じる通信費等の費用については、通常の勤務と異なり、労働者が負担することがあり得るため、まずは会社と十分に話し合うことが必要です。

 特に、労働者に費用負担をさせる場合は、就業規則に規定しなければなりません。(労働基準法第89条第5号)。就業規則や、「テレワーク勤務規程」といった個別の規定を確認し、費用負担について記載があるかどうかも確認しましょう。

 一般的には、通信費や光熱費は私的使用分と業務使用分の峻別が困難なため、「テレワーク勤務手当」として定額支給をしているケースもあります。

 以下のホームページもご参照ください。
〇厚生労働省「自宅でのテレワークという働き方」
 https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/dl/pamphlet.pdf

〇厚生労働省 テレワーク総合ポータルサイト
 https://telework.mhlw.go.jp/

 また、当課では「大阪府テレワークサポートデスク」を開設していますので、ぜひご利用ください。
 
(相談無料)http://www.pref.osaka.lg.jp/rodokankyo/telework_support/index.html

 Q2  使用者から、育休を取得している社員の雇止めについての相談

現在、育児休業を取得している契約社員がいますが、復帰に伴い、雇い止めを検討しています。なお、契約期間は1年で、これまで3回更新しています。どのようなことに留意が必要でしょうか。 

A 

 本件の場合、有期労働契約を3回以上更新されていることから、厚生労働省が策定している「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」を確認する必要があります。当該基準では以下のことを定めています。 

1 雇止めの予告
 使用者は、有期労働契約(有期労働契約が3回以上更新されているか、1年を超えて継続して雇用されている労働者に係るものに限ります。なお、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除きます。)を更新しない場合には、少なくとも契約の期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければなりません。

2 雇止めの理由の明示
 1に記載の有期労働契約において、使用者は、雇止め予告後に労働者が雇止めの理由について証明書を請求した場合は、遅滞なくこれを交付しなければなりません。
 
また、雇止めの後に労働者から請求された場合も同様です。

3 契約期間についての配慮
 
使用者は、契約を1回以上更新し、かつ、1年を超えて継続して雇用している有期契約労働者との契約を更新しようとする場合は、契約の実態及びその労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするよう努めなければなりません。 

 したがって、ご相談の内容では、30日前までに雇止めの予告をする必要があり、本人からの請求があれば雇止めの理由の開示が必要になります。

 なお、雇止めについては、労働契約法第19条に「雇止め法理」が規定されています。
 
有期労働契約が反復して更新され、その雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められる場合、また、労働者が有期労働契約の契約期間の満了時にその有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由が認められる場合、当該雇止めが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、雇止めが認められず、従前と同一の労働条件で有期労働契約が更新されることになります。
 
 
また、婚姻・妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いは禁止されており、妊娠中及び出産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、事業主が妊娠及び出産等が理由ではないことを証明しない限り無効(男女雇用機会均等法第9条第4項)とされ、妊娠・出産、育児休業等を「契機として」(※)降格や解雇など不利益な取扱いを受けた場合は、原則として「理由として」いる(事由と不利益取扱いとの間に因果関係がある)と解され、違法となります。
 (※)原則として、妊娠・出産、育休等の事由の終了から1年以内に不利益取扱いがなされた場合は「契機として」いると判断されます。
 さらに、雇止めを示唆することが、育児休業制度の利用に対する嫌がらせであり、育児休業と嫌がらせの間に因果関係がある場合、育児休業に関するハラスメントにあたる可能性もあります。
 
 以上の点をご確認いただき、雇止めをする場合には、労働者に対して納得ができるよう説明をされてはどうでしょうか。

このページの作成所属
商工労働部 雇用推進室労働環境課 相談グループ

ここまで本文です。