令和4年大阪府労働委員会の活動概況(令和4年大阪労委年報より)
・調整事件の概説
・不当労働行為事件の概説
・個別労使紛争事件の概説
令和4年の調整事件の申請件数は24件で、前年より8件減少した。内訳は、すべてあっせんであった。
申請件数(24件)が各都道府県労働委員会の総申請件数173件(前年比60件、25.8%減)に占める割合は、13.9%であった。
また、同年中の取扱件数は、前年からの繰越し8件とあわせて32件であり、そのうち23件が終結し、9件が翌年に繰越しとなった。なお、調整員を指名して調整活動を開始し、終結した15件において開催した調整回数は、47回であった。
取扱状況 [Excelファイル/15KB] [PDFファイル/21KB]
※「調整」とは、労働関係調整法に基づき、当委員会における労働争議の調整活動(あっせん・調停・仲裁)を通じて、労働争議の円満な解決の援助を行うことをいう。
月別の申請件数は、4月と7月が4件(16.7%)で最も多く、次いで、11月と12月が3件(12.5%)であった。
月別申請件数 [Excelファイル/14KB] [PDFファイル/14KB]
申請者の内訳は、組合が21件(87.5%)、使用者が2件(8.3%)、双方申請が1件(4.2%)で、職権はなかった(0件)。
組合の加盟系統別にみると、「連合系」が8件(33.3%)で最も多く、次いで、「全労連系」と「上部団体なし」が7件(29.2%)であり、「その他の上部団体」は2件(8.3%)であった。
申請者別申請件数 [Excelファイル/15KB] [PDFファイル/14KB] ・ 組合系統別申請件数 [Excelファイル/15KB] [PDFファイル/18KB]
企業規模別にみると、従業員数49人以下が13件(54.2%)と最も多く、次いで、50〜99人と500〜999人が3件(12.5%)であり、300人未満の企業が占める割合(75.0%・18件)が前年(53.1%・17件)より増加した。
企業規模別申請件数 [Excelファイル/15KB] [PDFファイル/18KB]
産業分類別にみると、「サービス業」が8件(33.3%)、次いで、「医療,福祉」が5件(20.8%)であった。
産業分類別申請件数 [Excelファイル/17KB] [PDFファイル/43KB]
調整事項別にみると、「賃金等」が16件(25.0%)と最も多く、次いで、「経営・人事」が14件(21.9%)、「団交促進」が13件(20.3%)と続いている。
また、申請1件当たりの平均調整事項数は前年(1.8項目)より多い2.7項目であった。
調整事項別申請件数 [Excelファイル/18KB] [PDFファイル/42KB]
組合員が個人加入している合同労組からの申請事件は18件(75.0%)で、全体の4分の3を占め、前年(75.0%・24件)と同比率であった。
また、駆け込み訴えによる申請は、10件(41.7%)であり、同一企業内に併存する複数組合がある申請は4件(16.7%)であった。
合同労組・複数組合併存下事案の申請件数 [Excelファイル/14KB] [PDFファイル/21KB]
※「合同労組」とは、中小企業の労働者などが、所属する企業や産業にとらわれず、同一地域等において個人で加入することができる労働組合をいう。
年内に23件が終結した。その内訳は、「調整による解決」が10件、「取下げ」が8件、「不調・打切り」が5件であった。
申請日から終結までの平均係属日数は、申請日から終結までの平均係属日数は、122.7日、調整員指名日から終結までの平均所要日数は、139.9日であり、ともに前年より長くなった。
終結態様別終結件数 [Excelファイル/15KB] [PDFファイル/23KB] ・ 平均係属日数 [Excelファイル/11KB] [PDFファイル/19KB] ・ 平均所要日数 [Excelファイル/11KB] [PDFファイル/19KB]
令和4年の不当労働行為事件の新規申立事件数は59件で、前年より15件の減少となった。新規申立事件数(59件)が各都道府県労働委員会の総申立件数227件 (前年277件)に占める割合は、26.0%であった。
また、同年中の取扱件数は、前年からの繰越件数73件とあわせて132件であり、終結件数は61件で、71件が翌年に繰越しとなった。終結率は46.2%となり、前年の42.1%を上回った。
なお、審査の過程において実施した調査、審問、和解の回数は、調査338回、審問65回、和解13回の合計416回であった。
取扱状況 [Excelファイル/12KB] [PDFファイル/16KB] ・ 審査状況 [Excelファイル/66KB] [PDFファイル/14KB]
※「不当労働行為の救済」とは、労働者の団結権を保障するべく、簡易、迅速な審査手続によって、労働組合法第7条の不当労働行為の事実の存否を判断し、使用者による不当労働行為があった場合は、原状回復のための救済措置を行うことをいう。
新規申立事件59件を申立人別にみると、組合申立てが57件(96.6%)、個人申立ては0件(0.0%)、組合・個人連名申立てが2件(3.4%)である。
組合申立事件(組合・個人連名申立てを含む)59件について、組合系統別にみると連合系が7件(11.9%)、全労連系が5件(8.5%)、その他の上部団体が37件(62.7%)、上部団体なしが10件(16.9%)であった。前年と比べて、連合系、上部団体なしは、件数及び比率ともに減少し、全労連系は、件数及び比率ともに増加し、その他の上部団体は、件数は減少したものの比率は増加した。
申立人別申立状況 [Excelファイル/14KB] [PDFファイル/16KB] ・ 組合系統別申立件数 [Excelファイル/15KB] [PDFファイル/17KB]
企業規模別にみると、例年と同様に、従業員299人以下の中小企業を被申立人とするものが39件(73.6%)と過半数を占めており、従業員1,000人以上の大企業を被申立人とするものは、8件(15.1%)となっている。
企業規模別申立件数 [Excelファイル/14KB] [PDFファイル/20KB]
産業分類別内訳は、多いものから「教育,学習支援業」が15件(25.4%)、「医療,福祉」が10件(16.9%)、「製造業」が9件(15.3%)であった。
産業分類別申立件数 [Excelファイル/20KB] [PDFファイル/45KB]
労働組合法第7条各号ごとに、これを申立事項として含む事件数でみると、1号事件が19件(21.8%)、2号事件が45件(51.7%)、3号事件が23件(26.4%)、4号事件が0件(0.0%)である。
具体的内訳をみると、1号事件では、組合員であることによる不利益取扱い(解雇を除く)が10件(11.4%)と最も多く、次いで、組合に加入したことによる不利益取扱い(解雇を除く)が7件(8.0%)であり、解雇事件は2件(2.2%)と前年の2件(1.9%)に比べ、件数は同数であったものの比率は増加している。3号事件では、組合運営に対する支配介入が23件(26.1%)であった。
また、第7条内容別にみると、2号だけの事件が31件(52.5%)と最も多く、続いて、1・3号事件が10件(16.9%)等となっている。
労働組合法第7条各号別申立件数 [Excelファイル/13KB] [PDFファイル/19KB] ・ 労働組合法第7条内容別申立件数 [Excelファイル/13KB] [PDFファイル/16KB] ・ 労働組合法第7条各号内容別申立件数 [Excelファイル/16KB] [PDFファイル/33KB]
※労働組合法第7条の不当労働行為の種別
1号:労働組合員であること等を理由とする不利益取扱い
2号:正当な理由のない団体交渉の拒否
3号:労働組合の運営等に対する支配介入等
4号:不当労働行為救済の申立て等を理由とする不利益取扱い
新規申立事件のうち、合同労組の申立件数は56件(94.9%)、このうち駆込み訴えは15件(25.4%)である。
合同労組の申立件数 [Excelファイル/12KB] [PDFファイル/20KB]
取扱件数132件のうち終結した61件を終結態様別にみると、命令26件(42.6%)、決定(却下)1件(1.6%)、関与和解18件(29.5%)、無関与和解6件(9.8%)、取下げ10件(16.4%)である。
令和4年中に命令・決定により終結した事件数は27件であるが、併合事件を含むため、命令・決定書の交付は23件(全部救済7件、一部救済6件、棄却10件、却下0件)であった。
命令・決定書交付数23件については、令和4年中に再審査申立て及び行政訴訟提起がともになされたものが1件、再審査のみが申し立てられたものが8件、行政訴訟のみが提起されたものが2件であり、再審査申立て及び行政訴訟提起がなされず当委員会の命令が確定したもの(再審査申立て及び行政訴訟提起の期間中のものを含む)が12件であった。
終結態様別終結件数 [Excelファイル/21KB] [PDFファイル/21KB] ・ 命令書・決定書交付本数 [Excelファイル/51KB] [PDFファイル/19KB] ・ 再審査・行政訴訟提起件数 [Excelファイル/14KB] [PDFファイル/27KB]
当委員会は、労働組合法第27条の18に規定する不当労働行為事件の審査期間の目標を550日と設定している。
令和4年中に終結した事件(61件)のうち、命令・決定事件が27件、和解・取下事件が34件である。その平均処理日数は、全終結事件で384日であった。終結態様別にみると、命令・決定事件では582日、関与和解事件では270日、無関与和解事件では211日、取下事件では157日となっている。
終結態様別終結件数(再掲) [Excelファイル/21KB] [PDFファイル/21KB] ・ 平均処理日数 [Excelファイル/49KB] [PDFファイル/17KB]
令和4年の労働組合の資格審査申請件数は26件であり、これを申請事由別にみると、不当労働行為の救済申立てに係るもの25件、法人登記を目的とするもの1件である。
申請事由別申請件数 [Excelファイル/20KB] [PDFファイル/22KB]
令和4年に知事から依頼のあった個別労使紛争のあっせんは2件であった。また、前年からの繰越しはなく、終結件数は1件で、翌年への繰越しは1件であった。
取扱状況 [Excelファイル/27KB] [PDFファイル/17KB]
※「個別労使紛争解決支援制度」とは、労働者個人と使用者との話合いによる自主解決が困難な個別労使紛争について、知事部局の労働環境課と当委員会の連携による「調整」及び「あっせん」制度を設けることにより、実情に即した迅速かつ適正な解決を図るための紛争解決システムをいう(申請の受付は労働環境課)。
個別労使紛争処理の申請者は、2件とも労働者側であった。また、産業分類別では、「製造業」、「卸売業,小売業」が各1件であった。
産業分類別申請件数 [Excelファイル/29KB] [PDFファイル/38KB]
あっせん事項は、いずれも「解雇」に関するものであった。
あっせん事項別申請件数 [Excelファイル/20KB] [PDFファイル/44KB]
終結状況は解決が1件で、1件が翌年に繰越しとなった。終結した1件において開催したあっせん回数は1回であった。知事からのあっせん開始にかかる依頼日から終結までの係属日数は42日であった。
このページの作成所属
労働委員会事務局 労働委員会事務局総務調整課 総務グループ
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