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平成29年度第3回組合事業向上支援事業評価審議会議事概要
平成29年度大阪府中小企業組合事業向上支援事業評価審議会の概要
1.評価審議会の開催
日時:平成30年2月14日(水曜日)午後2時から午後3時40分
場所:マイドームおおさか4階 会議室1
出席委員:池田会長、河本委員、森口委員、山下委員(五十音順)
2.議事概要
【議題1】平成29年度事業評価(4月から11月まで 事業完了分)について
事務局から評価(案)について説明。
- 平成29年度4月から11月に支援を終えた57件の内、組合事業計画策定支援3件の中から2件及び組合活性化支援54件の中から9件(約2割)を無作為抽出して評価を実施。
- 評価平均点は、組合事業計画は15.0点(満点32点)であり、昨年度の平均点(16.0点)より1.0点低下。組合活性化支援は10.3点(満点22点)であり、昨年度の平均点(10.6点)より0.3点低下。
- 利用者満足度調査は、支援を終えた全事業者57件に府からアンケートを送付し実施。(回収率85.9% 49組合)
- 合計点は、42.7点(満点50点)であり、昨年度の合計点(42.4点)より0.1点向上。
審議会委員からの主な意見要旨
(1)「課題把握」
- ビジョンからの深堀りが不十分であったり、ビジョンの踏襲に留まっているなど、課題の深堀りが十分と言えないものがある。これらは評価点が低い。
- ビジョン策定から事業計画に進める場合、継続性と一貫性が必要であり、同じ専門家が関わり、課題をより具体的に把握することが期待される。
- 昨年度に比べると、記載の仕方が項目ごとに整理された点は評価できる。
(2)「サービス提案」
- 課題分析が十分でなく、一般的なものや組合の要望にとどまっている提案が多い。
- 提案の理由や裏付け、到達目標を明確にすればなおよい。
- 教育情報支援では、課題分析につながっておらず、時流的なテーマを提案していた案件があった。セミナーそのものには満足しているが、組合が本質的に持つ課題解決につながっていないと思われる。そういう意味から、組合が持つ課題からのテーマ選定が大事であると思われる。
- 課題との連動性を重視し、次の支援につながるような内容を提案して欲しい。
(3)「支援実施」
- 「いつ」「何を」という記載に留まり、「支援・アドバイス内容」「組合等からの反応」「その日の到達点」等の記載が不十分な案件が多い。
- 教育情報支援の記載は概ね画一化されてきて、開催する研修の講師選択に関しては内容をまとめられているが、組合の反応や研修内容の要望などを聞き取っているのであれば記述すべき。
- 専門家と講習内容や日程の調整が行われた記述があるが、課題把握から分析した組合の課題や支援提案の過程で出された組合からの要望など、専門家にどう伝えたのかも記述すべき。
- 教育情報事業では、その他特記事項欄にセミナー内容、参加率等の記載が統一化され、分かりやすくなった。
(4)「支援結果把握」
- 事業計画作成支援について、組合ビジョンをベースにした課題分析が不十分であり、成果として「事業計画ができた」に留まっている感が強く、成果が分かりにくい。
- 組合の課題との関連性に触れながら結果の報告を行っている案件が少ない。支援成果のカッコ書きにある成果を活かす取り組みやフォローを具体的に記述する指導が必要。
- 最初の課題把握に対して実施された支援がどのように効果が得られたのか、プロセスについて、より分かりやすく記述すれば、さらに改善される。
(5)「議事録作成」
- 事業計画作成支援について、どちらも組合員数20名以上の組合であるが、組合をどうするのかというビジョン作成や事業計画作成など、組合の方向性を決めていくプロセスにしては、組合員の参加がやや少ないと感じた。
- 各回に何が検討されたのか、参加者の発言もわかりやすく要点が記載されている上に、参加した専門家の指摘も記載され、専門家が支援の中で果たしている役割が記載から読み取れた。
(6)「事業計画作成支援」
- 事業計画については、具体的に行動できるレベルにするため、担当者・責任者や具体的スケジュールまでの落とし込みが必要。
- 2案件ともに何に取り組むのかが絞り込まれ、ロードマップ化されていたが、計画の実行に際しての収支計画が不足していると感じる。提示された計画案を実行するのか否かの意思決定に関わる投資額や収支計画を示す必要がある。
(7)審議結果
委員審議の結果、評価について承認。
(事務局)委員の皆様からの組合指導機能向上につながる貴重な意見をいただいたので、支援機関にフィードバックしていきたい。
前の委員からもいろんなコメントをされたと思うが、意見は蓄積されていっているという理解でいいのか。
(事務局)平成28年にマニュアルを全面改訂し、各様式の記載等について、審議会での指摘を全面的に盛り込んだ。その後の意見も年度当初にマニュアルを改訂して盛り込んできており、今年度の意見も30年4月改訂版として反映し、支援機関に周知していきたい。
課題の掘り下げというのは毎回出ており、今回もそこが弱いと感じている。
連続性の話が今回あった。ビジョンからどうつなげて事業計画にもっていくのか、実行段階でもフォローできる中身になっているのか、という連続性の流れについて意見をいただいたので、引き続き支援機関と連携して取組みを進めていきたい。
【その他】平成30年度中小企業組織化対策事業について
- 中小企業組織化対策事業の概要及び重点取り組み方針(事業承継)、組合による事業承継取組み事例及び事業承継アンケートについて説明。
- 審議会委員からの主な意見要旨
- 商工中金の取組みについて紹介
現状把握は、営業担当が顧客から情報収集。
中小企業の場合、ある程度顧客とのリレーションシップが出来てないと入り込みにくい。
後継者の選定について、事業承継は株を移して、経営権を移せば終わるわけではなく、承継を受けた方が会社をしっかり経営する能力があるのかが大事。後継者を育てるという支援も必要になってくる。
商工会議所の事業承継引継ぎ支援センターはあまり活用せず、税理士と連携している。
最近、相談数は増えている。 - 平成30年度に事業承継絡みの税制が大きく変わるので、企業はかなり注目している。
- 組合での取組みとなると事業承継の税制などのセミナー、事業承継支援の専門窓口の紹介から入ることが考えられる。
- 商工中金の取組みについて紹介
(事務局)商工会、商工会議所に窓口を開けているが、ほとんど来ない。センシティブな問題で自発的にというものはまずない。
府は来年度補助金を増額して、プッシュ型、経営指導員が事業所を訪れて事業承継診断をし、確認しながら相談にのってもらう事業を府内で1500社を実施予定。掘り起こしの結果、必要なものはセミナー等に誘導する。
もう一つは、大阪商工会議所の事業承継相談の専用窓口を設ける。どこに相談したらいいか判らない場合も含めて連絡してもらおうと思っている。
つないでいくためにはネットワークを形成する必要がある。それを金融機関や中小企業団体中央会、よろず支援拠点などとネットワークを結んで、どこに相談があってもネットワーク内で共有し、集中的に支援が出来るようにしたい。
組合としては入口でのセミナーが考えられるが、それ以外に後継される人の育成が組合事業として必要ではないか。セミナーは後継する人がいかにうまく承継出来るかが主眼に置かれているが、後継された人を軌道に乗せていくためのサポートが薄いような気がするので、組合としてはそこをセミナーという形でやっていただけたらと思う。
(事務局)事業承継に取り組んでいる奈良県の協同組合も、青年部の活動が活発になってきており、事業を引き継がれる方の活動が重要。
- 組合で事業承継事業を実施する時には、奈良県の協同組合のように、後継者育成塾というようなものを組合主導ですると、ある程度集まりやすい。
- 製造業を念頭に置いているが、会社の持つ技術が廃業とともになくなる、という話は結構あるが、大切な技術は次につながないといけない。それは一企業だけではなく業界としても大事であり、交渉のスキームみたいなものを考えられないかと思う。
- 団地組合は、組合の必要性から青年部活動を行っている。また、組合員が団地内なので集まりやすい。企業団地でモデルをつくることも考えられる。
3.今後のスケジュール等説明後、閉会。