再編基本構想全文

更新日:平成23年12月20日

府立高等職業技術専門校

再編基本構想

平成14年12月

大阪府商工労働部

目      次

1 技術専門校が行う職業能力開発施策

2 技術専門校の沿革 

3 府立高等職業技術専門校の現状
 (1) 求職者訓練 
  ア 訓練科目・定員の設定
  イ 訓練対象者及び訓練期間の設定
  ウ 就職率の状況
  エ 施設・設備の状況
 (2) 在職者訓練

4 基本構想策定の背景
 (1) 社会経済情勢の変化
  ア 経済の停滞
  イ 厳しい雇用情勢
  ウ 少子高齢化の進展
  エ 民間における教育訓練の拡大 
  オ 雇用施策における地方分権の進展 
 (2) 産業施策と労働施策の一体的な展開
  ア 産業構造の転換
  イ 産業クラスターの形成
 (3) 労働者や事業主のニーズ
  ア 産業界の人材ニーズ
  イ 労働者の職業能力開発ニーズ 
 (4) 大阪府の財政状況

5 技術専門校の将来像(目指すべきこれからの技術専門校像)
 (1) 個々のニーズに応じた特色ある技術専門校 
 (2) 中高年離職者の再就職を支援する技術専門校
 (3) 若いものづくり技能者を養成する技術専門校
 (4) 産業の振興を支える人材を育てる技術専門校
 (5) 働く人々のキャリア形成を支援する技術専門校

6 再編の基本的な考え方
 (1) 訓練に係わる諸項目
  ア 訓練科目の再編
  イ 短期訓練の充実
  ウ 訓練定員の拡大
  エ 少子化や雇用失業情勢を踏まえた訓練対象者の設定
  オ 就職困難者等への職業能力開発
  カ 受益者負担の適正化
 (2) 指導体制の充実
  ア 指導員配置基準の見直しと外部講師の積極的な活用
  イ 教科担任制の実施
  ウ 職業訓練指導員の資質の向上
  エ 相談機能・就職支援機能の充実・強化
 (3) 地域との関係
  ア 地域の施設との連携
  イ 地域に開かれた技術専門校

7 技術専門校の再編後のすがた
 (1) 7校を5校に再編・統合
 (2) 移転先の選定


1 技術専門校が行う職業能力開発施策

 大阪府では、職業に必要な労働者の能力を開発、向上させることにより、職業の安定と労働者の地位の向上を図るため、職業能力開発促進法に基づき、各種の職業能力開発施策を実施しています。
 施策の推進にあたっては、昨年9月に策定した「第7次大阪府職業能力開発計画」に従って、施策を3つの柱(1 企業・労働者が行う職業能力開発の支援 2 時代の変化に対応した公共職業訓練の推進 3 技能の振興・継承)に分け、労働者の職業能力の開発、向上を通じた府民の安定した職業生活の確保という目的の達成に向け、総合的、計画的な事業展開を図っています。
 公共職業訓練は、職業に必要な高度の技能や知識を習得させる高度職業訓練と基礎的な技能や知識を習得させる普通職業訓練に分かれますが、大阪府の職業能力開発行政の中核をなす府立の高等職業技術専門校7校で実施している職業訓練は、このうち普通職業訓練にあたります。平成14年度は、府立高等職業技術専門校において求職者向けの訓練を定員1,440名で、在職者向けの訓練を定員3,919名で実施しており、府民が職業に必要な知識、技能を学ぶ場として大きな役割を果たしています。

2 技術専門校の沿革

 公共職業訓練は戦後の混乱した世情の中で、戦災者、復員者、引揚者等の失業対策事業(職業安定法に基づく職業補導事業)として出発しましたが、現行の職業訓練の礎となる職業訓練法(昭和33年法律133号)の施行により、技能労働者の養成へと転換されました。
 大阪府の公共職業訓練は、昭和22年の大阪府労働部職業補導課の発足と昭和23年の「公共職業補導所」(府内の12か所)の名称統一により、実施体制が整備されました。
 昭和30年代には、昭和33年の職業訓練法の施行と同時に職業補導課を職業訓練課に改め、各公共職業補導所を職業訓練所と改称し、基本的に新規中卒者を対象に、第2次産業に従事する技能工養成に大きな役割を果たしてきました。
 昭和40年代には、職業訓練の種類の体系化に伴い、各職業訓練所は、専修職業訓練校を経て、松原・堺・守口の各校については昭和47年4月から高等職業訓練校へと名称変更され、翌4月には、東淀川高等職業訓練校と夕陽丘女子高等職業訓練校が誕生しました。また、同和問題の解決のためには、地区住民の生活と職業の安定を図る必要があるため、昭和47年10月、芦原専修職業訓練校が新設されました。
 一方で、高度成長期においては、労働力不足、高学歴化の進展、技術革新の進展に伴う技能労働者の質的・量的変化や産業構造の変化に伴う離転職者への職業転換訓練の必要性などを背景に、訓練の対象者は高卒者、離転職者や在職者にも拡大する実施体制が整備されてきました。この間、昭和54年4月には、芦原専修職業訓練校を芦原高等職業訓練校に名称変更するとともに、職業訓練法が職業能力開発促進法に改正されたのに伴い、昭和61年4月から職業訓練課が能力開発課と改称され、地域の企業や労働者に対する職業能力開発に係る助言、相談、情報提供等のサービス機能を備えた、地域に開かれた職業能力開発に関する中核的施設として、高等職業訓練校が高等職業技術専門校に名称変更されました。
 その後、平成元年には、若年のものづくり技能者の養成を中心とした東大阪高等職業技術専門校が設置され、平成3年には、地域における労働者の職業生活を通じた教育訓練機関として新たに設置されたA´ワーク創造館との連携を踏まえながら、芦原高等職業技術専門校が建て替え整備されました。さらに、平成12年には、夕陽丘女子高等職業技術専門校を男女共学化して、夕陽丘高等職業技術専門校として建て替え整備し、現在に至っています。

3 府立高等職業技術専門校の現状

(1) 
求職者訓練
ア 訓練科目・定員の設定(14年度)
 44科目 1,440名定員(科目名及び科目ごとの定員は次表のとおり)

訓練科目・定員の設定(14年度)表

校 名

科目数

定 員

科   目   名

松原校8科目230
(210)
Ncエンジニアリング゙ 電気施工技術 自動車整備(2級)
溶接 木工 建築 グリーンエクステリア ディスプレイ塗装
堺校4科目100
(100)
自動車整備(3級) エアコンシステム 溶接 建設機械整備
守口校8科目170
(170)
測量設計 建築設計製図 インテリアサービス 広告デザイン 
建築設備設計 木工 建築 タイル施工
東淀川校6科目140
(120)
自動車整備(2級) 情報通信 機械メンテナンス 溶接 塗装
ITエレクトロニクス
芦原校6科目170
(150)
情報処理 コンピュータ制御 機械 一般事務 ビル管理 
OAビジネス
東大阪校5科目270
(150)
情報処理 機械 金属加工 電気電子 自動車整備(3級)
夕陽丘校7科目360
(360)
アパレル 建築内装設計 グラフィックデザイン
CAD製図 経理ビジネス OAビジネス 福祉サービス
合  計 44科目1,440
(1,260) 

( )内は年間募集定員

イ 訓練対象者・期間の設定(14年度)

普通課程
  

2年制

1年制

15歳以上の求職者
(機械・金属系)
自動車整備      60名
機械(2)        100名
金属加工        60名
(電気・電子系)
電気・電子        60名



18歳以上の求職者
(機械・金属系)
自動車整備(2)     80名
(機械・金属系)
自動車整備      30名
Ncエンジニアリング 30名
(建築系)
エアコンシステム   20名
建築設計製図     20名
インテリアサービス     20名
建築設備設計     20名
建築内装設計     20名
(電気・電子系)
電気施工技術     20名
コンピュータ制御    20名
情報通信        20名
(事務系)
情報処理(2)       50名
OAビジネス      10名
(その他)
測量設計        20名
広告デザイン      30名
グラフィックデザイン   30名
アパレル         30名
合   計7科目   360名17科目   390名

短期課程
 

1年制

6月制

15歳以上の求職者
(機械・金属系)
溶接(3)          60名
建設機械整備     30名
機械メンテナンス    20名
(建築系)
木工(2)          40名
建築(2)          40名
タイル施工        20名
塗装            20名
(電気・電子系)
ITエレクトロニクス    20名
(機械・金属系)
CAD製図          60名
(建築系)
ディスプレイ塗装    40名
(事務系)
一般事務        40名
経理ビジネス       60名
OAビジネス       60名
(その他)
福祉サービス      100名
中高年離職者
(建築系)
ビル管理         40名
(その他)
グリーンエクステリア   40名
合   計12科目   250名8科目   440名

ウ 就職率の状況

単位:%

 

校名

科目名

平成11年度

平成12年度

平成13年度

松原校Ncエンジニアリング゙77.371.486.4
電気施工技術84.293.868.8
自動車整備(2級) 100.0 100.0 100.0
溶接100.0100.0100.0
木工90.084.294.7
建築100.0100.078.6
グリーンエクステリア62.576.479.2
ディスプレイ塗装85.088.9100.0
小計82.585.688.4
堺校自動車整備(3級) 70.053.879.2
エアコンシステム88.294.188.9
溶接60.075.093.3
建設機械整備81.387.580.0
小計76.274.684.7
守口校測量設計66.766.792.3
建築設計88.275.075.0
インテリア76.950.050.0
広告デザイン83.347.665.4
建築設備設計94.780.091.7
木工88.295.589.5
建築 95.293.3100.0
タイル施工72.780.072.7
小計84.373.277.8
東淀川校自動車整備(2級)83.380.093.3
情報通信100.0100.0100.0
機械メンテナンス 81.894.7
溶接76.9100.093.3
塗装75.0100.088.9
ITエレクトロニクス  93.3
小計82.789.994.5
芦原校情報処理68.488.995.0
コンピュータ制御50.046.782.4
機械81.8100.083.3
一般事務54.148.663.2
ビル管理41.769.075.0
OAビジネス50.075.055.6
小計53.265.775.3
東大阪校情報処理90.985.791.3
機械95.7100.095.0
金属加工100.0100.0100.0
電気・電子93.8 100.092.3
自動車整備(3級) 72.2100.093.8
小計90.496.694.1
夕陽丘校アパレル 81.575.0
建築内装設計  73.794.7
グラフィックデザイン 40.0 80.8 83.3
CAD製図 46.275.9
経理ビジネス59.667.285.2
OAビジネス 64.957.666.1
福祉サービス79.173.580.9
小計68.866.478.8
技術専門校75.675.682.9

エ 施設・設備の状況

 
 建築年次

敷地面積

延床面積

用 途 地 域

松原校S4426,099平方メートル10,665平方メートル第1種中高層住居専用地域
堺校S3620,196平方メートル4,468平方メートル第1種住居地域
守口校S4010,027平方メートル5,551平方メートル第1種住居地域
東淀川校S3919,891平方メートル9,010平方メートル第2種中高層住居専用地域
芦原校H 34,314平方メートル4,783平方メートル第2種住居地域
東大阪校H 111,479平方メートル9,243平方メートル準工業地域
夕陽丘校H121,760平方メートル5,792平方メートル第2種住居地域

(2) 在職者訓練
  レディメイド講座   130コース 2,475人(14年度)
  期間:12時間から57時間(日数にして2日間から10日間)
  オーダーメイド講座  57コース 1,444人(14年度)
  期間:カリキュラムの内容による(企業や事業主団体等の要望に基づき独自のカリキュラムを編成して実施)

  レディメイド講座の状況  平成14年度

機械・金属系
・ 普通旋盤技能習得
・ マシニングセンタ技能習得
・ CAD製図(基礎)/(応用)
・ ガス溶接技能習得
・ TIG溶接技術    等 含む35講座 定員610名
建築系
・ 木材加工技術(基礎)/(応用)
・ 建築大工技能検定受験対策(学科)/(実技)
・ 建築CAD
・ インテリア施工    等 含む27講座 定員435名
電気・電子・通信系
・ 第二種電気工事士受験対策(学科)/(実技)
・ 第一種電気工事士受験対策(学科)/(実技)
・ 有接点シーケンス制御
・ シーケンスコントローラー(入門)
・ TCP/IPの基礎  等 含む15講座 定員245名
事務系
・ Windowsの操作(基礎)/(応用)
・ Word2000(基礎)/(応用)
・ Excel2000(基礎)/(応用)
・ C++プログラミング(入門)/(基礎)/(応用)
・ Visual Basic(基礎)/(応用)
・ PowerPoint2000の基礎
・ インターネット活用  等 含む26講座 定員605名
その他
・ Mac Osの基礎
・ グラフィックデザイン作図編集/画像編集
・ ホームページ作成
・ 造園管理
・ 品質管理の基礎技術
・ 業務管理のデータベース
・ ホームヘルパーに求められる調理法
・ 測量技術(基礎)   等 含む27講座 定員580名
全130講座 定員2,475名


4 基本構想策定の背景

(1) 社会経済情勢の変化
ア 経済の停滞
 日本の経済は、バブル経済崩壊後、10年もの長きにわたり低迷を続けてきました。平成11年初からの回復は短命に終わり、企業の過剰債務、過剰設備、過剰人員の整理や不良債権の処理など金融システムの建て直しがまだ途上にあることや、産業構造の変革が思うように進まず新しい産業が十分に育っていないことなどから、現在、景気は悪化を続けています。
 国においては、こうした状況を乗り越えるため、国民1人1人が自らの個性と能力を十分に発揮し、新たな創造を行うことを可能にする経済社会の構築を目指しています。
 これからは、「人」は新たな付加価値を生み出す競争力の源泉であるとの認識に立って、経済成長を担う人材育成に努めていく必要があります。

イ 厳しい雇用情勢
 大阪産業の構造転換の遅れなどによる雇用吸収力の低下や、労働力需給のミスマッチの拡大による構造的な失業の増加などから、平成13年の府域の失業率は7.2%まで上昇しています。こうした厳しい雇用失業情勢の改善に向け、今般大阪雇用対策会議において、官民一体となって進める75のアクションプランを盛り込んだ「12万人緊急雇用創出プラン」を取りまとめたところです。その中でも、雇用のミスマッチ解消に向けた重要な取り組みの1つとして、職業能力開発の充実が掲げられています。

ウ 少子高齢化の進展
 我が国においては、平均寿命の伸長、出生率の低下等を背景に、諸外国に例をみない速さで高齢化が進んでおり、特に、大阪府においては、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は、全国を上回るスピードで拡大し、平成27(2015)年には、府民の4人に1人が高齢者となる見込みです。
 こうした人口構成の急激な変化を踏まえて、労働力の有効利用や長期の職業生活における雇用の安定のため、労働者が継続的に職業能力の蓄積を図っていく機会を確保していくことが極めて重要になってきています。

エ 民間における教育訓練の拡大
 職業能力開発の分野において、専修学校・各種学校等民間教育訓練機関の専門性や、企業や事業主団体の実践的なノウハウを活かしていこうとする動きが広がっています。さらに、即戦力となる人材や高度職業専門人を求める企業ニーズに対応して、大学や大学院といった学校教育機関においても職業教育の分野への進出がみられるなど、職業に関する知識、技術、技能を学ぶ場は、今後一層広がっていくものと予想されます。
 こうした状況の中で多様な訓練ニーズに対応していくためには、公共職業訓練機関内での連携はもとより、民間教育訓練機関等との適切な役割分担やその活用により、総合的に職業能力開発を進めていくことが求められています。

オ 雇用施策における地方分権の進展
 平成12年の雇用対策法の改正により、「地方公共団体は、国の施策と相まって、当該地域の実情に応じて、雇用に関する必要な施策を講ずるように努めなければならない。」という規定(第5条中)が追加され、大阪府はもちろんのこと、市町村も雇用施策の実施主体として位置づけられました。これにより、大阪府内では、身近な行政である市町村が就職困難者等の雇用・就労を支援する「地域就労支援事業」を実施しています。
 職業能力開発面でも、市町村が地域のニーズに応じたきめ細かな施策を実施できるよう、商工会議所等地域に密着した他の機関との連携も一層強化しながら、市町村を支援していく必要があります。

(2) 産業施策と労働施策の一体的な展開
ア 産業構造の転換
 大阪経済は、消費や設備投資の低迷、生産の減少、雇用情勢の悪化にみられるように依然厳しい状況が続いています。このような中、大阪の産業を再生していくためには、中小企業を中心に、その独自性・機動性と、大阪ならではの進取の気風を活かし、高付加価値型の産業構造への転換を進めていくことが求められています。
 大阪府では、こうした観点から、平成12年9月に「大阪産業再生プログラム(案)」を策定し、新たな産業の創出や新技術の開発に向けて各種施策を実施していますが、大阪産業のさらなる構造転換に向けて、より高度の技能・知識の習得を目指した職業能力開発を進めていく必要があります。

イ 産業クラスターの形成
 「創都・大阪の再生」に向けた産業再生プログラム(案)関連の施策の推進に加えて、大阪府では、北大阪地域におけるライフサイエンス拠点、東大阪地域におけるものづくり支援拠点、南大阪地域におけるハイテク拠点など、産業クラスター形成に向けた取り組みを進めています。
 今後は、職業能力開発施策などの労働施策と産業施策とが連携を図りつつ、施策を一体的・効果的に展開していくことが必要です。

(3) 企業や労働者のニーズ
 大阪府では、企業の人材ニーズや労働者個人の能力開発ニーズなどを把握するため調査をしております。ここでは、これらの調査結果をもとに、企業や労働者のニーズを整理することにします。

ア 産業界の人材ニーズ
(職業能力開発のニーズに関する調査)(12年)
・「専門的・技術的職種」(特に建築・土木関係や情報関係など)で資格を重視する企業が多い(全体の6割)。
・能力・技能の重視度では、「業務分野の実務経験」、「業務分野の基礎技術・技能の学習経験」、「業務分野の専門技術・技能の学習経験」など、即戦力となる具体的な技術を重視している。
・具体的に企業がどのような技術を求めているかということについては、一般事務や経理など汎用性の高いもののほか、情報関係やCAD、機械設備メンテナンスといった技術が比較的多くなっている。
(製造業の技能労働者に関するアンケート調査)(14年)
・製造業のものづくりの現場で特に重要な技術、今後強化したい技術は、工程管理や品質管理をあげる割合が高い。
・企業が具体的にどのような技術者を求めているかという点では、1つの技術のみでなく、工程管理、設計・製図、メンテナンス、OA関係など幅広い能力を持った技術者という像をあげる企業が多い。
(経営革新や人材ニーズ等に関する調査)(14年)
・正社員の採用にあたって、思ったとおりの人材が確保できていない企業 22.6%
・企業がよりよい人材を確保するための重要な対策として、求職者の能力開発をあげる企業 61.5% 

イ 労働者の職業能力開発ニーズ
(職業能力開発のニーズに関する調査)(12年)
・技術専門校において今後充実すべきこととしては、「現在の科目の訓練内容をもっと高度で専門的なものにする」の割合が高く、年齢の高い層では、中高年向け訓練の充実への期待が大きい。

(4) 大阪府の財政状況
 大阪府の財政は、府税収入の大幅な落ち込みによって全国都道府県の中でも最も厳しい状況が続いています。こうした直面する財政危機を乗り越えるため、施策・組織構造、行政運営システムなど、これまでの府政の殻を打ち破り、府政の全面的な構造改革、府政の再生に向け、昨年9月、大阪府行財政計画(案)をとりまとめました。
 技術専門校の再編にあたっては、行財政計画(案)のさらなる推進に取り組むとともに、限られた財源のもとで真に必要な府民サービスは何かを改めて問い直し、技術専門校の効率的・効果的運営に向け検討していく必要があります。

5 技術専門校の将来像(目指すべきこれからの技術専門校像)

ア 個々のニーズに応じた特色ある技術専門校
 技術革新の急速な進展、産業構造の変化等に伴い、産業社会において高付加価値化や新分野展開が進むとともに、労働者に求められる職業能力の内容も変化し続けるものと見込まれます。
 こうした時代の変化に対応して、働く人々や企業の個々のニーズに応じた訓練を展開していくため、特色ある技術専門校づくりに取り組みます。
 また、就職にあたって困難な課題を抱える方に対しても、就職に結びつきやすい訓練機会を提供していきます。

イ 中高年離職者の再就職を支援する技術専門校
 厳しい雇用情勢が長引く中で、職業能力面でのミスマッチが拡大しており、安定した雇用の確保が可能となるよう、労働者の適性や職業経験等を踏まえた職業能力開発施策が不可欠です。
 このため、技術専門校において、特に厳しい状況にある中高年離職者を中心に円滑な再就職を促進するための多様な職業訓練を行います。

ウ 若いものづくり技能者を養成する技術専門校
 若年者を中心としたものづくり離れにより、ものづくり基盤技術を担う人材の不足が懸念されています。大阪経済が製造業の発展を通じて今後とも健全に発展していくためには、ものづくり基盤技術の積極的な振興を図ることが不可欠です。
 このため、技術専門校において、将来の産業経済の発展を担う創造性に富んだ若いものづくり技能者を養成します。

エ 産業の振興を支える人材を育てる技術専門校
 大阪府内の中小企業は府内総事業所の9割以上を占めており、その機動性、柔軟性の高さから、経営革新や業種転換により大阪の産業構造の転換がより進むことが期待されています。
 このため、新しい経済社会の基盤を支え、新たな産業分野を担う中小企業の人材育成に向け、より高度な新しい分野での訓練を展開していきます。

オ 働く人々のキャリア形成を支援する技術専門校
 技術革新の加速やIT化の進展によって個人の能力は激しい新陳代謝の波にさらされ、また、産業構造の変化や長期雇用システムの変化で労働移動の増大が見込まれており、働く人々のキャリアアップ志向が高まっています。
 このため、長期化している職業生活の全期間を通じて各人がその能力を発揮できるよう、キャリア形成を支援する職業能力開発を推進します。

6 再編の基本的な考え方

(1) 訓練に係わる諸項目
ア 訓練科目の再編
 技術革新の進展や産業構造の転換、雇用のミスマッチの拡大といった社会経済情勢の変化を踏まえつつ、「新たな挑戦を支え、意欲と能力に応じて多様な働き方を可能とする職業能力開発」、「安定した雇用を確保し、大阪産業の活力を創造する職業能力開発」に向け、7校全体の訓練科目の抜本的な再編を行います。
 訓練科目の再編にあたっては、これまで各技術専門校が果たしてきた役割や歴史的な経緯に配慮し、その機能がより効率的・効果的に発揮されることにより今までの成果が発展・継承されるよう努めます。
 また、北大阪地域におけるライフサイエンス拠点、東大阪地域におけるものづくり支援拠点、南大阪地域におけるハイテク拠点など産業クラスター形成に向けた産業立地施策を踏まえ、産業界のニーズに適応できる人材を育成していきます。

イ 短期訓練の充実
 学卒未就職者やフリーターといった若年者、離職を余儀なくされた中高年齢者、母子家庭の母をはじめとする就職困難者など職業訓練の対象となる方は多岐にわたっており、こうした府民の多様なニーズに対応した訓練を行っていくため、6月訓練の拡大など短期課程の充実を図ります。

ウ 訓練定員の拡大
 厳しい雇用失業情勢のもと、職業能力のミスマッチを解消し、更なる雇用の創出と安定を図るため、府民の増大する職業訓練ニーズに応えた充分な訓練機会の確保に向け、訓練定員を拡大します。

エ 少子化や雇用失業情勢を踏まえた訓練対象者の設定
 訓練の対象者については、引き続き若いものづくり技能者の養成という役割を担いながら、今後の新規学卒者の推移や厳しい雇用失業情勢を踏まえ、中高年離職者など就職にあたって困難な課題を抱える方の再就職を支援する訓練に重心を移していきます。
 また、職業内容の多様化・高度化や労働者個人の自己実現意欲の増大などに対応するため、在職者訓練の拡充を図ります。

オ 就職困難者等への職業能力開発
 本年度から、雇用・就労を妨げるさまざまな阻害要因を抱える就職困難者等を対象に、身近な行政である市町村が、あらゆる雇用・就労施策や福祉施策などを活用し雇用・就労を支援する、「地域就労支援事業」を実施しています。
 この事業を通じてひとりでも多くの働く意欲のある人が雇用に結びつくよう、市町村に対する相談、訓練情報・ノウハウの提供などを行うとともに、雇用・就労にかかる地域の相談機関などとの連携を強化します。

カ 受益者負担の適正化
 現在、受益者負担の観点から、教科書代や作業服代、工具代等の実費を生徒から徴収していますが、厳しい大阪府の財政状況のもと、限られた財源の中で、技術の高度化に対応して技術専門校の訓練環境及び実習用機器設備等の整備・充実を図っていくため、さらなる受益者負担の適正化を図っていきます。

(2) 指導体制の充実
ア 指導員配置基準の見直しと外部講師の積極的な活用
 技術革新や産業構造の激しい変化、それに伴う人材ニーズの多様化や高度化に機動的に対応していくため、現行の指導員配置基準を見直し、先端分野における企業からの講師派遣など民間の人材の活用に向け、外部講師の積極的な活用を図ります。

イ 教科担任制の実施
 各指導員の専門的な知識・技能等がより訓練の中で発揮できるよう、各々が相互に連携、協力を図りながら、担当する科目の範囲を超えて、可能な限り他の科目の教科も担当する指導体制として、訓練指導効果の向上や指導の効率化、あるいは多様な訓練機会提供の拡大等を目的とする、教科担任制を実施します。

ウ 職業訓練指導員の資質の向上
 技術革新や高度情報化の急速な進展に対応した効果的な職業能力開発を展開していくため、高度でかつ関連分野間の複合的な知識・技能等を指導できる職業訓練指導員を養成するとともに、指導員としての経験を踏まえ、外部講師や地域の事業主、民間教育訓練機関等の連携を図る職業能力開発のコーディネーターとして、その資質の向上に努めます。

エ 相談機能・就職支援機能の充実・強化
 労働者が職業生活の全期間にわたるキャリア形成(労働者が自らの職業生活設計に即して職業訓練や実務経験を積み重ね、実践的な職業能力を形成すること)を図ることができるように、相談機能を充実するとともに、企業の人材ニーズと生徒の求職ニーズを結びつけるため、入校相談、職業能力開発、就職相談・斡旋に至るまでの一貫した就職支援機能の強化に向け、組織体制の拡充・強化を図ります。

(3) 地域との関係
ア 地域の施設との連携
 府内の雇用・能力開発機構立の近畿職業能力開発大学校、関西職業能力開発促進センター、A´ワーク創造館といった施設や認定職業訓練校等との連携を進めるとともに、公共や民間の高度・専門教育機関や研究・研修機関と連携・協力を強化し、多様な教育訓練機会の確保や訓練の高度化に対応していきます。

イ 地域に開かれた技術専門校
 中小企業や事業主団体等の職業能力開発ニーズに対応するため、技術専門校の施設・設備やノウハウの蓄積を活かした民間支援機能を充実させます。

7 技術専門校の再編後のすがた

(1) 7校を5校に再編・統合
 現在、大阪府では、職業能力開発促進法に基づく職業能力開発校として、松原校、堺校、守口校、東淀川校、芦原校、東大阪校、夕陽丘校の7つの高等職業技術専門校を設置しています。
 このうち、老朽化・狭隘化している松原校、堺校、守口校、東淀川校については順次廃止することとし、当面、堺校及び松原校に代わる校を、平成18年度を目途に大阪府南部に設置し、その後、東淀川校及び守口校に代わる校を平成20年度以降に大阪府北部に設置します。
 7校を5校に再編・統合することにより、
・効率的・効果的な訓練の実施 ・多能工的技能者の養成 ・指導員相互の応援・補完体制づくり ・効率的な校の管理運営 といった効果が期待できます。

(2) 移転先の選定
 移転先は、府域における技術専門校の配置上のバランスを考慮しつつ、大阪府の財政状況や産業立地施策、関連施設との連携、通学の利便性などを踏まえて選定します。
 このうち南部については、南大阪地域をハイテク拠点にするという産業クラスター構想を踏まえつつ、大阪産業の振興につながる科目の検討などでの既存研究機関との連携、高度な職業訓練の実施に向けた近畿職業能力開発大学校との連携、今後期待される産業集積などの観点から、テクノステージ和泉を移転先とします。
 北部については、南部の開校状況をみながら、北大阪地域をライフサイエンス拠点とするクラスター構想等を勘案し、今後、適当な候補地を選定します。

私たちは職業能力開発と人材育成に取り組んでいます

このページの作成所属
商工労働部 雇用推進室人材育成課 

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