SSTでは社会生活を送る中で必要となるスキルを学んでいきます。人間関係、コミュニケーション、集団行動、自己コントロール、問題解決など学校や職場ではたくさんのスキルが求められます。そのためにSSTは、そういったスキルを時間をかけながら1つずつ順序だてて身につける機会を提供しています。
どんなことをしているのか?
年に1、2回はグループ形式でも実施していますが、基本的には個別で子どもたちが今すぐ必要とするスキルを学びます。学校および就労先(アルバイトを含む)での対人関係を潤滑にし、さらに自己管理もできるようになるために(感情コントロール、ストレス対処等)、個人に合わせて適切なタイミングに導入をします。
具体的な導入時期や、そのときに学ぶスキルの内容としては、以下が基本となります。
これ以外にも、感情コントロールスキル(例:イライラする気持ち・落ち込む気持ちとつきあう)など、児童が身につけたいと思うスキルを取り上げることもあります。
当センターで実施しているSSTの効果測定をしたところ、1、他者評定(職員から見た評価)において社会的スキル、特に友達関係をつくるスキルとコミュニケーションのスキルが向上した。2、自己評定(参加児童自身が評定)において社会的スキルが向上し、対人不安が低下した。という結果が得られています。また、これらの変化は統計学的にみても有意な変化であることが確認されています。
SSTを受けることですぐに対人関係がうまくいくという訳ではありませんが、社会的養護の必要な子どもたちが自立のためにスキルを身につける働きがあると考えられます。
SSTにはどうして効果があるのでしょうか。その理由として以下の4つが挙げられます。
それぞれのスキルについて、どうして大切なのか、どんなポイントに気をつけるかなどについて教わります。なるべく視覚化することで、より理解しやすくなるよう心がけています。
これは職員がある場面をモデルとして実演してみて、参加児童がそれを観察して学習するというものです。良いやり方と良くないやり方の両方を見てもらい比較してもらいます。
聞いて学習、見て学習するだけではなく、実際にやってみることがとても大切です。また、職員や参加児童同士が積極的にほめたり、具体的にどこが良かったか、どういう行動をすればさらに良いかなどを伝えることでさらに効果が高まります。
行動や気持ちは考え方の影響を受けます。そのため、自分の偏った考え方や癖に気づき、新しい考え方を取り入れることも重要です。
子どもライフサポートセンターには様々な背景を持つ児童がいます。社会経験が少ない、不適切なやり方が身についている、不安や緊張のために力が出せないといった共通した傾向や様子がみられます。そのような児童にSSTは貴重な機会になると考えています。
このページの作成所属
福祉部 子どもライフサポートセンター 自立支援課
ここまで本文です。