平成30年4月委員会会議会議録

更新日:2018年5月18日

大阪府教育委員会会議会議録

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1 会議開催の日時

   平成30年4月27日(金曜日)  午前10時00分 開会

                       午前11時22分 閉会

2 会議の場所

   災害対策本部会議室(新別館北館1階)

3 会議に出席した者

教育長酒井 隆行
委員竹若 洋三
委員井上 貴弘
委員岩下 由利子
委員良原 惠子
委員岡部 美香
教育監橋本 光能
教育次長中野 伸一
教育センター所長木村  雅則
教育総務企画課長村田 幸正
教育振興室長向畦地 昭雄
高等学校課長網代 典子
高校再編整備課長大武   基
支援教育課長柴田 尚彦
保健体育課長田中    実
市町村教育室長坂本 俊哉
小中学校課長桝田 千佳
地域教育振興課長大野  広
教職員室長田村 真二
教職員企画課長柳生 国良
教職員人事課長伊庭   亨
政策アドバイザー向井 正博

4 会議に付した案件等

◎ 議題1 平成30年度大阪府教育庁の運営方針について

◎ 報告事項1 平成31年度大阪府立学校校長及び公立小・中・義務教育学校任期付校長の公募選考について

◎ 報告事項2 平成29年度3学期(平成30年1月20日以降)における教職員の懲戒処分の状況について

5 議事等の要旨

(1) 会議録署名委員の指定

 井上委員を指定した。

(2) 3月28日の会議録について

 全員異議なく承認した。

(3) 議題の審議等

◎ 議題1 平成30年度大阪府教育庁の運営方針について

【議題の趣旨説明(教育総務企画課長)】

標記について、決定する件である。

 

【質疑応答】

(井上委員)府民の皆さんにとって分かりやすくするため、いくつかこうしたらいいのではないかという点がある。まず、資料1ページの「SDGs」という箇所に日本語訳を入れたほうが分かりやすくなるのではないか。また、「成果指標」の横にアウトカムと書いてあり、「活動指標」の横にアウトカムと書いてあるが、カタカナ語の訳を書くのは、府のルールなのか。

(村田教育総務企画課長)アウトカム等の用語については、政策企画部が取りまとめている作成要領があるため、それに則って作成している。「SDGs」については、用語解説の箇所に表記する。

(井上委員)22ページ、教員の時間外勤務の縮減については、「成果指標(アウトカム)」に具体的な数値目標が書いていないが、これは前回か前々回に説明されたように、文科省から目標が提示されるのを待っているということなのか。

(中野教育次長)前回申し上げたのは、教職員の時間外勤務の全体時間数について文科省等から指針が示された際、それを参考にするということである。全体時間を抑制するとの目標をもっているが、ここは部活の関係だけのところなので、時間数は今のところ入れていない。

(井上委員)すると、記載していないのは、時間外勤務を減らすという目標がないからなのか、それとも目標はあるが記載していないだけなのか、どちらなのか。

(田中保健体育課長)モデル校については、現在、事前調査で各学校から部活動指導員の配置を希望する学校を集計している段階で、10校を選定しているところである。各学校で一定の時間外勤務等があるので、モデル校を決定する際には、どれくらいの削減をすべきかも含めてヒアリングをしたいと考えているので、現時点では数値を明記できないためにこのような表記にした。

(井上委員)ここはかなり大きなテーマだと思うので、どこかの時点で目標を明確にし、ここに記載するのは難しくても、目標は掲げていただきたい。また、27ページの、「家庭教育に困難を抱え孤立しがちな保護者への支援の促進」のところで、「アウトリーチ型家庭教育支援モデル事業」という用語は、初めて目にする方には分かりにくいので、解説を載せたほうがいいと思う。

(酒井教育長)分かりやすい表記という視点からは、他にも該当箇所があると思われるので、全体的に確認する。

(岩下委員)5ページ「スクール・エンパワーメント推進事業」について、昨年、この委員会会議のときに、中学生の地域人材サポート予算を設けていると言われた。昨年は2700万円を計上していたが、今年も同じ額の予算を計上しているのか。

(桝田小中学校課長)今回の予算は2000万円程度だが、資料に記載があるように、これは中学校だけではなくて、82小学校・41中学校の人材配置と、府域全体での研修交流等も含めて2000万円ということで進めていく。

(岩下委員)ということは、昨年より予算は低くなったのか。

(桝田小中学校課長)総額は低くなっている。ただし、この82小学校と41中学校が市町村の旗艦校という位置づけとなっており、地域それぞれの課題に応じて府がそこへアドバイスをしながら進めていくという形をとるため、学校数は減るが、より市町村の協力体制を強化し、一緒にやっていこうという体制で進めていく。

(岩下委員)事業の内容について、福祉部局と地域と協力していくと聞いているが、主にどのような活動をするのか。

(桝田小中学校課長)資料に記載はされていないが、今言われている主体的、対話的で深い学び等は別事業としているが、ここはとにかく今の課題、それぞれの地域で学力の底上げを図るために何をしていくか、というのを各学校に授業改善、それから学校体制としてどうしていくかなどを、まずはその地域で研究してもらう。府全体で良い知恵をもち、全体の学校でこういう教材は是非やってほしいというようなものを開発し、昨年は国語を開発したが、今年は英語等を考えており、それを府として全校に撒いていく、そういう予算も計上している。 

(竹若委員)教育振興基本計画の後期5年にかかってくるのだから、この10年間で、子どもたちの学力がどれだけ向上したのかが問われる大変な時期である。子どもの体力向上について、外部の人材を派遣したら子どもたちが運動が好きになるというのは、確かにそうかもしれないが、教育庁としての柱、つまりこれだけは最低やってほしいということが、どの外部人材にも共有できるものでなかったら続かないと思う。その人材に任せてしまうと、そのときはいいときがあるかもしれないけど、いつかその反動が返ってくる。継続してはじめて子どもたちに力がつく。特に小学校1年生から6年生までの6年間、さらにいうならば中学生、高校生と考えたときに、派遣する人材にそういう柱をどう構築して派遣していくかということを特に検討してほしい。口で言うのは簡単だが、ここが欠けてしまうと、いつの間にか5年経ってしまうことが心配である。それと同じことが言えるのが、小中学生の学力である。当初と比べると、確かに全国の平均に比べて差は縮まっているものの、全国を上回るものがない。さまざまな要因があると思うが、そこは体力・運動と同じように、大阪府教育庁としての根本的な柱を、事業実施校に浸透するようにやっていただきたい。特に、子どもたちの学力向上は一にも二にも授業改善にあると思う。そうなると授業改善の柱は何なのか。当然学校によって課題や状況は違うかもしれないが、府として柱のもとに進めてもらわないといけないと思う。これから新しい学習指導要領が実施されていく中で、アクティブラーニングなど根本的なことは何なのかということを示していただきたい。また、学力を保障することが不登校の減少につながるという点も含めて事業実施校に趣旨を説明してもらいたい。今、国の研究所あたりでは、継続して不登校状態である子への対応よりも、新たに不登校になる子の数の抑制に力を入れ始めている。子どもたちにとって学校に魅力があれば、勉強がわかる、友達がいる、先生が信頼ができる、という学校をつくることができれば、新たな不登校を生まないと私は思う。そういう観点でも学力保障を実施校に浸透していただきたい。

(田中保健体育課長)ご指摘のように、外部人材の派遣だけで子どもたちの力がすべて向上するものではないと考えている。これはあくまで学校の先生方にさまざまな気付きをしてもらうためのきっかけである。そういう意味では派遣校だけではなく、学校全体で、その市全体で子どもたちの体力などが向上する取組を、市町村とも連携して行っていきたいと考えている。

(桝田小中学校課長)学力向上について、柱としては主体的対話的で深い学び、つまりアクティブラーニングだが、それを目指しつつ、子どもたちがどれだけ力がついたのかを短いスパンでしっかりと見ていくこと、簡単にいうと評価なのだが、そこを柱に挙げて、それぞれの学校でどの時点でどのような授業を目指すのか、今は経験の少ない先生も増えているので、共通理解する形でやっていこうというのが一つ、これが学力向上である。もう一つ、不登校について、魅力ある学校づくりということで、これはいろいろな授業で子どもたちが活躍できること、それから行事などの中でそういう視点で子どもたちにとって魅力ある活動になっているのか、活躍できる場面があるのか等を別途研究している学校もあるテーマなので、その成果を広げることでじっくりやっていきたいと考えている。  

(岩下委員)20ページの「優秀な教員を確保」について、「受験者を対象に英語の資格所有者の加点対象を拡大します。」とあるが、もう少し具体的に分かりやすく説明してもらいたい。

(伊庭教職員人事課長)32年度から学習指導要領における小学校中学年の外国語活動及び高学年の教科として外国語が導入されることを踏まえて、教育の推進に素養を持った方を採用したいと考えた。そういうことを踏まえ、英語資格を持った方の加点対象を拡大した。

(岩下委員)私の考えでは、英語はすごく必要なので、優秀な教員を集めるにあたって、あらかじめ最低でも何か英語の資格をもっているという形をとれれば、と思う。というのは昨年DREAMという英語教育の授業を視察したが、小学校の低学年、もちろん高学年でもとても楽しく授業をしていたが、高学年になると授業のレベルも上がるので、ある程度レベルの高い英語力をもった先生の方がより楽しく授業できると思うので、小学校の先生にはもう少し縛りをつけたほうがいいのではないか。

(伊庭教職員人事課長)必要な教員の確保と水準の向上という観点から、どういった採用方法がよりふさわしいのか検討を続けていく。

(岩下委員)ぜひ水準を上げてもらいたい。

【採決の結果】

賛成多数により、原案どおり決定した。

(賛成者 酒井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、良原委員、岡部委員)

 

◎ 報告事項1 平成31年度大阪府立学校校長及び公立小・中・義務教育学校任期付校長の公募選考について

【議題の趣旨説明(教職員人事課長)】

標記にかかる要項及び今後のスケジュールについて、報告する件である。

 

【質疑応答】なし

 

 

◎ 報告事項2 平成29年度3学期(平成30年1月20日以降)における教職員の懲戒処分の状況について

【議題の趣旨説明(教職員人事課長)】

教育長が専決した標記状況について、報告する件である。

 

【質疑応答】

(岩下委員)前年度と比べて人数が増えたのがとても残念である。特に免職が昨年に比べて3倍の人数になっている。ただ、改善ではないが、前回は同じことを繰り返す教員が何人かいたが、それはなくなった。また、初めて、メールやLINEのやりとりで、という言葉がここに出てきたため、新しい対策をしなくてはならないと思う。教育センターで資質向上の研修をかなり綿密にしていると聞いており、校長・准校長に対してもそういった教育をしていると聞いた。体罰に関するものが資料に載っていたが、クラブ活動だけではなく授業でもパワハラの問題がある。体罰の場合、どこまでが本当に体罰なのかを教員がきちんと把握していればよりいい教育ができると思う。あまり萎縮するのも駄目だと思うが、教育センターでの研修の内容に新しいものを取り入れていった方がいいのではないか。例えば法律に詳しい方を講師に招いて講習会を行ったり、ここまでは大丈夫だというのを皆が頭の中では分かっているとは思うが、ただ詳しいところまでは知らないと思うので、そういった強化をしてほしい。こうした数字は0にはならないとは思うが。年代的には20代後半から30代前半、50代後半から60代の方が多い。40代の方はここ3年間くらいの資料を見ても少ない。教育センターで新しい研修を進めてもらいたい。

(木村教育センター所長)資質向上研修の研修生については、まずは自分の行為に対してしっかりと向き合ってもらうということ、そして教員として有すべき資質、知っておかなければならないこと、これらを基盤として研修を行っている。それに加えて、研修生によってそれぞれの状況、背景に違いがあるので、個別の研修内容を作り、可能な限りきめ細かく計画し、現場復帰ということを目標に取り組んでいる。専門分野の講師を招へいするということについては今後ケースによって考えていきたい。

(酒井教育長)LINEなどについても研修があるのか。

(木村教育センター所長)研修生の状況によって、児童・生徒に対してコミュニケーションツールとして使っていた場合には、社会的規範も含め個別に研修を行っている。

(岡部委員)2−4ページ、公金公物関係の着服について、他の件に関しては研修などが効果を発揮していくとは思うが、前にもクラブ活動で着服があったが、それが起こらない環境作りもできると思う。働き方改革にも関わるが、人件費の削減に伴って、多忙な中で、金銭の管理を学校の先生がしなくてはならないという現実がある。意図的に着服するのはもってのほかだが、管理が甘くなってしまう状況にある中で、一人が負担を背負わずに皆で管理を行う体制をどう取っていくのか。これが管理職の責任となってしまうと、管理職が忙しくてすべきことができなくなる状況に追い込まれるのも良くないと思う。文科省のいう働き方改革もこういう事務的なところをどのように分散していくかということが一つ、主要な課題になっていると思うので、そこと絡めながら今後こういうことが起きないような環境づくりも考えてほしい。

(中野教育次長)教職員が多忙な状況にあるので、さまざまな仕事を分散し助け合っていくということは必要だと考えている。ただ、着服の関係で言うと、少なからぬケースにおいて担当者以外の人がチェックしていないということが結構ある。校長先生が任せっきりで中身を確認せずにハンコを押しているという状況があるので、そこは責任感をもって見てもらう必要があると思っているので、その指導は併せて行っていきたい。

(井上委員)2−2ページ、体罰のアで、28年4月以降、常態的に体罰を繰り返していたとあるが、校長先生含めて学校の中でまったく分からなかったのか。

(奥野教職員人事課補佐)事案発覚までは、学校として、把握していなかったと聞いている。

(井上委員)他の先生は全く把握できなかったということか。

(奥野教職員人事課補佐)顧問が複数おり、副顧問はその状態を認識していたものの、体罰をした主顧問に対して何も言えず、学校にも報告をしなかった。

(井上委員)校長先生も含めて監督責任を問われるべきなのではないか。また、こういう状況になったときに生徒が被害を訴えることができるように、先生のことをどこかに言いに行くというのは非常に勇気がいると思うので、何か仕組みがあってもいいのではないか。ただ、そういうものを用意しすぎると先生が萎縮することもあるので非常に難しいとは思うが、先生から指導を受けた中で、特に体罰はあってはならないので、訴えることができるような、何か生徒に不利益が被らない仕組みが必要ではないかと思う。1年半というのはかなり長いことなので、こういう状況が他の学校でも続いているのではないかと思うのでお願いしたい。また、2−4ページ、公金公物関係のアで、1年6か月間自家用車で通勤していたことはわからなかったのか。

(伊庭教職員人事課長)通勤手当の確認において、届出通りに定期券を購入しているかを確認するが、前年の調査の時に提出書類を改ざんしてすりぬけていた。

(井上委員)電車で通っていることになっていたのに、実際は車で通っていたことがわからなかったのか。

(伊庭教職員人事課長)校内の駐車を禁止しているので、学校から離れたとところに駐車場を借りて、通常のようにそこから徒歩で出勤してくると外形的な点からは分からないという実態がある。

(井上委員)着服について、私は岡部委員と少し意見が違い、PTA会費について働き方改革はあまり関係がないと考えており、チェック体制の問題だと考えている。複数でチェックするとか、何か府内の全体的なルールで行わないと、今後頻繁に起こると思う。これは先生が忙しいからこういうことが起きるというのではなく、世の中民間で働いている人も忙しい人は多くいて、その中でみんなこういった不正を起こすのかといえばそうでもないと思う。チェック体制の問題だと思う。PTAは学校の業務と直接関係があるのか、先生の本来の仕事なのかと思うところはあるが、先生が管理するのなら先生に対してチェックする体制を作ってあげないと先生もなかなか自分で管理しにくいと思うので、これはこの案件だけではなく府内の小中高で、こういったPTA関連の経費管理をどうチェックするのかということをアドバイスしてほしい。

(酒井教育長)いくつか問題提起いただいたが、まず児童生徒の校内の相談、直接的に体罰を受けている場合に相談しにくい、ということについてはどうか。

(橋本教育監)校内でセクハラや体罰についての窓口は、養護教諭や相談担当の教員であることが多いが、この先生であるという周知をしている。ただ、その先生に言いにくい場合は他のどの先生に言ってもいい、保健室の先生に言ってもいいよ、という周知をしている。教育センターでも電話相談窓口、LINEも先般実験的にやったが、そういう窓口を設けているので、言いやすい、言えるような環境整備に努めているとは思っている。

(向畦地教育振興室長)府立高校においては、年に二回、安全安心のアンケートという形で、もし何か自分が嫌なことがあれば、例えば対教員であっても生徒であっても、匿名・記名どちらでも構わないので記入できる目安箱みたいなところを設けるなど、生徒が言える体制を作っている。教育相談の体制とあわせてそういった形でサポートもしていくように心がけている。

(井上委員)目安箱は学校の中にあるのか。

(向畦地教育振興室長)学校の中にある。事務室とか、他の生徒たちが集まる場所から離れたところに設置しているところが多いと思う。

(井上委員)保健の先生とか目安箱とか一定の効果はあると思うが、やはり学校の中なので、先生から被害を受けていると言うと、何か自分に不利益を被るのではないかと言いにくいところがあると思うので、教育センターへのホットラインをしっかり活用するよう周知をしてもらいたいと思う。1年半というのはかなり長い期間だと思う。そうなってくると、こういうことを言いたくはないが、心ない生徒が気に入らない先生の悪口を言いに行くという場合も考えられるので、おそらく整理されているとは思うが、しっかり調査して変な言いがかりがあればそれは違うと否定しないと、先生が萎縮するのはよくないと思う。そのあたりのバランスも見ながら、しっかりと整備されたホットラインの周知をしてほしい。学校と民間企業では違うが、民間企業ではホットラインをどこの会社でも用意している。最近になって日本の会社もセクシャルハラスメントやパワーハラスメントは問題だという認識を皆がもってきたが、まだまだホットラインに上司のことを電話するとか、不正があった場合に内部告発をするとかには、非常に二の足を踏む社員が多い。外部の弁護士、第三者の人たちへのホットラインだといっても二の足を踏むと思う。そうなると高校生とかだと、世の中のことがわかっていないと、先生のことを訴えて自分が不利益を被ることになるなら黙っておこうということになると思うので、ホットラインがあるということは今一度周知してほしいと思う。

(良原委員)今のことに付け加えて、体罰についてはアンケートも、被害者救済システムもあるので、ある程度のことはしているとは思うが、それでも何故起こったのかということをもう少し丁寧に分析をしてほしい。たとえばこの体罰についてはクラブの指導中のことであるということから、学校の中、特にクラブの場合は、自分が訴えたことが絶対に分からないという環境であっても、それを自分が訴えたり、友達が訴えたりしたことで優秀な指導をしている顧問の先生がいなくなったら困るとか、公になって自分たちの学校がクラブの試合に出られなくなったらどうしようという、子どもならではの視点もあると思う。その辺りも踏まえて、なぜこのようなことが起こって1年以上もオープンにならなかったのか、子どもたちの気持ちに沿った視点も加えて分析をお願いしたい。

(岡部委員)子どもたちの権利保護も大事だが、言いやすい先生に言いに行ったときに、その先生がどう動けるかということも非常に大きいと思う。先ほどの、副顧問の先生は知っていたがその先生が言いにくい状況にあったのは、大きな問題である。内部告発となると言いにくくなってしまい、若い先生が言われても、子どもたちのケアには努めても、それを解決するというのは難しい状況があると思うので、そういった点、校長先生をはじめとして学校の教育体制を改善するとか、研修の中で教えるとか、若い先生が間に立たされた時にきちんとその人をサポートしていくような体制であるとか、そういったことを整えていくということが子どもたちを助けていく方向になると思うので、検討してほしい。

(橋本教育監)そういう場合は管理職、特に校長の役割が大きい。被害者を守るという立場にどれだけ立ちきれるかということが大事である。これまでも研修してきたが、これからもさらに力を入れていきたい。

(井上委員)学校の先生が相談できる第三者の窓口というものはあるのか。

(橋本教育監)基本は校長だと思う。

(井上委員)組織内だと、校長に言いに行くのはためらうのではないか。

(伊庭教職員人事課長)教職員人事課のグループに、パワハラ・セクハラ等の申し出を受け付ける窓口を設置し、各学校の教員に周知している。

(井上委員)パワハラ・セクハラ以外で、たとえば先程の案件ように、副顧問の先生が本来であれば校長先生にしっかり言いに行くべきだが、なかなか言いにくいという時にどこか事務局内に連絡できるような、第三者的に聞いてもらえるところはあるのか。

(木村教育センター所長)「教職員しなやか相談」というホットラインを設けている。相談内容により、必要に応じて教職員人事課と連携し、対応する体制をとっている。

(竹若委員)2−3ページの「不適切な出勤簿管理」で、出勤簿の未処理が522件発生した、とは具体的にどういうことなのか。

(伊庭教職員人事課長)府立学校ではタイムカードのように出退勤管理をしているので、たとえば8時30分が出勤時刻の場合、8時35分にスリットするとその時点で遅参状態になる。そのとき病院に行くために年休を取得したとすると、後にそれが遡って出勤簿が是正されるということになる。たとえば出張しているとき、自宅から学校へ出勤せずに直接教育庁に来たという場合、事前に手続きをしていると、宅発出張と表示されるが、手続きをしていなかった場合は一旦遅参になる。本来は事前に手続きをしっかりしておくべきだが、諸々の事情で事後に手続きをするということもあるが、そういった事後の手続き、あるいは単純に教員がスリットを忘れていた、そういった確認をして出勤簿を是正していなかった。そういった件数がこの件数に積みあがった。

(竹若委員)厳密に言えば、タイムカードをしていなかったら勤務しなかったということにつながらないのか。

(伊庭教職員人事課長)スリットしていなければ、電子上では勤務していることを確認することができない。もし単純にスリット忘れの場合、先生の場合1時間目の授業をしていたとか、ほかの隣に座っている教員が出勤を現認していたとか、ちゃんと出勤していたけどスリットの単なる忘れだったということはそういった確認を経て電子データ上整理をするということになっている。

(酒井教育長)勤務実態がないということではなく、この教員が失念してスリットをしていなかったということである。

(竹若委員)私が言いたいのは、大阪府の職員もタイムカードをする。それをすることによって勤務をした証になる。忘れていたら勤務をしていないとみなされて減給の対象になる。それだけの期間にわたって未処理だったということ自体が、公務員としての自覚がないし、教頭、校長もあまりにもその自覚がなさ過ぎたということが言いたかった。市町村の小中学校であればタイムカードが設置されてなくて未だに出勤簿を使っているところもある。府立学校においてはすべて管理しているのだからそういう意識をもってもらいたい。大阪の学校の先生方は努力をし頑張っている中で、懲戒免職が10件も増えたということが残念でならない。以前の教育委員会会議で、全校長、全教育長が集める場所で前年の処分件数や、具体的な事例を報告したらどうか、と申し上げていたが、府立学校の方は私は出席できなかったが、全教育長の集まる場では全くこの話がなかった。こういった場ではこういうことは話がしづらいのかなと思ったが、これは全体の問題としてそういう場を積極的に活用してほしいと思う。また、性的なもの、セクハラ的なものが若い教員に多い。若い教員を対象にした研修を考えていただきたい。また、2−4ページの公金公物関係では、対象者が62歳62歳61歳とあるが、この人たちは60歳以前にも同じことをしていないか、疑問を持たざるを得ない。通勤手当は前から言われていることであって、チェックできないのではなくて学校がチェックしていないのではないか。その辺も校長、教頭だけに負わせるのではなく学校組織として点検できるようにしなくてはいけないのではないか。

(酒井教育長)大変由々しき事態であり、府民から見て不信感を抱かれてしまうような大変な事態であると思っている。ご指摘のとおり、教員に対する指導を徹底する。

(橋本教育監)教育委員会会議でもこのことを聞くのが一番つらいというのが正直なところである。全体の周知について府立学校ではやっている。市町村についてはできていなかったので周知するように工夫する。性的な非違行為について若い人に多いことについて厳しい状況だと思っている。もちろん採用したのが我々なので我々の責任で教育していく必要があるが、若い人が多いということから教員を育成する大学と我々とが連携しなくてはならない。大学にも最近のこういう実態を伝えている。どうしたらこうした性的犯罪を防げるのかということもあるが、大学にもこういう実態を認識してもらい、一緒に問題意識をもって取り組みたい。

(竹若委員)教員も研修の機会があるので、あなたがたと同じ年代でこういった事例があるのですよ、と示していったらいい。市町村の小中学校長も集まる機会がある。機会があるごとにこういった事例をだして皆で頑張っていかなければ減らないと思う。

(井上委員)今我々に説明したようなことを先生方が知る機会はあるのか。

(中野教育次長)府立学校の校長を集めた研修で、今日のような具体的な事例を含めて資料として配って校長に説明をしている。併せてその資料を活用して校内で研修するよう指示している。今後さらに徹底するようにしたい。

(井上委員)資料を活用してとは、例えば府立高校33歳がこういうことをした、というのを教員の定例の会議で校長が説明するのか。

(中野教育次長)やり方は各学校で考えてもらっているが、本日配付した資料の内容そのものを校長に示している。残念ながらこういった事案が起こっている、ということを示して、校内でも資料を活用して、ごく一部の教員ではあるがこういうことをしてしまった人がいるので気をつけましょう、と周知をしている。

(向畦地教育振興室長)現場で校長をしていた経験から申し上げると、年に2、3回教職員人事課からこのような資料が送られてきて、それを職員会議でスライドに映しながら一件一件こういうことがありました、慎んでください、我々も身を引き締めてやりましょう、という話とか、アプリケーションの中には盗撮に使われるようなものもあるのでそういうものはすぐに削除するように指示するなど、現場の職員会議の中でやっている。

(井上委員)民間企業では一斉メールで「こういう不祥事が起こりました。この人はこういう処分です。」と全社員に告知するという会社が多い。民間と公務員で違うが、こういうことがあったらこういう処分が下されるのだと、起こるたびに、そんなに頻繁ではないが、まずい事案は知らせてきている。やはり校長先生から皆さんに伝えてもらうことが抑止力になると思うので、ぜひやってもらいたい。

 

 

このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ

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