平成28年9月臨時委員会会議会議録

更新日:2016年11月22日

大阪府教育委員会会議会議録

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1 会議開催の日時

  平成28年9月5日(金曜日) 午前 9時57分 開会

                    午前10時33分 閉会

2 会議の場所

   大阪府公館大サロン 

3 会議に出席した者

教育長向井 正博
委員小河  勝
委員井上 貴弘
委員岩下 由利子
委員竹若 洋三
委員良原 惠子
教育監和田 良彦
教育センター所長山崎 政範
教育総務企画課長後藤 克己
教育振興室長橋本 光能
高等学校課長松田 正也
高校再編整備課長土佐 邦之
小中学校課長坂本 暢章
教職員室長河西 陽三

4 会議に付した案件等

◎ 議題1 大阪府立学校条例及び大阪府立高等学校・大阪市立高等学校再編整備計画に基づく実施対象校及び再編整備の手法の案について

5 議事等の要旨

(1) 会議録署名委員の指定

 岩下委員を指定した。

(2) 議題の審議等

 

◎ 議題1 大阪府立学校条例及び大阪府立高等学校・大阪市立高等学校再編整備計画に基づく実施対象校及び再編整備の手法の案について

【議題の趣旨説明(高校再編整備課長)】

標記について、以下のとおり実施対象校及び再編整備の手法の案の周知を行うことを決定する件である。その上で、様々な意見を踏まえ、11月の教育委員会会議において決定する。

1 再編方針(案)

 平成28年度は、統合整備による新校の設置、エンパワメントスクールへの改編、普通科総合選択制から総合学 科又は普通科専門コース設置校への改編に着手する。

 また、平成27年度に再編整備の手法を検討することとした能勢高校については、他の府立高校の分校への改編に着手する。

2 実施対象校及び再編整備の手法(案)

 ○ 統合整備によりエンパワメントスクールとして開校する学校

  ・西淀川高校

  ・北淀高校

 ○ 統合整備により総合学科高校として開校する学校

  ・大正高校

  ・泉尾高校

 ○ エンパワメントスクールへの改編

  ・和泉総合高校

 ○ 普通科総合選択制から総合学科への改編

  ・成美高校

 ○ 普通科総合選択制から普通科専門コース設置校への改編

  ・北摂つばさ高校

  ・緑風冠高校

  ・金剛高校

 ○ 能勢高校の再編整備の手法

  ・豊中高校の分校とする。

 

【質疑応答】

(岩下委員) 参考資料1「大阪府立能勢高校の再編整備手法について(最終まとめ)」の7ページのアンケートの結果のところで、中学2年生の保護者の回答が96名のうち42名とある。この中学2年生というのは来年度高校に進学される生徒だと思うが、保護者でアンケートを提出をされていない方は、何かお考えがあって提出をしていないのか、何か理由はあるか。アンケートを提出されていない方の理由が少し気になった。

(土佐高校再編整備課長) アンケートの実施については、6ページにあるとおり、今年の3月9日から14日までが実施期間である。そしてアンケートの様式そのものは28ページ、29ページにお付けしている。裏表1枚ものぐらいならあまり負担もないということで、これぐらいの期間内でも回収は上手いくのではないかと能勢町さんも考えられたが、結果としては50パーセントを少し切る回答率となった。もう少し期間を置いたり、実施時期が年度末ギリギリではなくもう少し早ければ、もう少し回収率は上がったかもしれないと、調査担当と話しあっているが、出さなかった理由まではつかめていない。

(岩下委員) とても残念である。私たちも一生懸命動いている。保護者のお子さんたちのことを思って考えている。出さない理由は何なのか。何かお考えがあるのか。

(土佐高校再編整備課長) このアンケートは保護者に、ご自分のお子さんの「高校卒業後の進路をどうお考えですか」とか、「能勢高校がどのような教育を重視すれば同校への進学を考えますか」「どのような科目をお望みですか」など、選択肢で答えられる簡単なものだったので、委員が仰るように、我々ももう少し高い率がほしかった。答えにはならないかもしれないが、半分の方は積極的な意味で出されているので、それを集計したということは、半分以上の意味はあると思っている。今後、このようなことがあるならば、もう少し工夫をして率を上げなければいけないと考えている。

(岩下委員) うちはアンケートを出さないが問題はない、など理由をお聞きしたかった。

(向井教育長) 岩下委員の仰ったところだが、2ページの検討の経緯にあるとおり、プロジェクトチームで検討を15回行っており、その間に能勢町主催の住民説明会も行っている。またプロジェクトチームのメンバーに、教育長、学校教育課長も入っている。できるだけ小中学校の多くの生徒のニーズ等について、教育委員会を通じて聞いた面もある。仰るように、アンケートもパーセンテージが少し低いかという気はしたが、その辺をフォローができるようなかたちにはなっていると思っている。

(竹若委員) 28年度の募集ということで、一つには、統合整備でエンパワメントスクールへ、二つめには総合学科へ、三つめは専門コースの設置。一つ聞きたいのは、過去にエンパワメントスクールに変更していった、その学校の成果はどうだったのか、説明をしてほしい。それと同じように、総合学科に変えていった学校もあると思うが、総合学科に変えた成果はどうなのか。そして、その総合学科にからんで、エンパワメントスクールの府内の配置図があるが、同じように総合学科もこのような配置図で示してはどうか。続けてもう一つ。普通科総合選択制の学校から専門コースに設置する、どう違うのかがもうひとつ分からない。普通科総合選択制から専門コースに変えることによって、生徒たち、高校生にこういうメリットが出てくるのだと、もう少し具体的な事例が分かればありがたい。

(土佐高校再編整備課長) 普通科総合選択制の高校は平成10年ぐらいの統合整備により合計19校作った。それぞれ資料1−9ページに記載のとおり、例えば北摂つばさ高校であれば、普通科としての5教科の教育を行う以外に7つのエリア、緑風冠高校は6つのエリア、このようなエリアを設けて、2年生で2科目ぐらい、3年生で2科目ぐらい、合計8単位ぐらいを5教科以外でとる。そのエリアを各生徒は7つのエリアから必ず選ぶ、という教育を行ってきた。例えば、ある生徒は、北摂つばさでアートのエリアをとって、アートのことを8単位くらい学習してから卒業していく。そのような学校だったが、これをもっと効果的に教育していこうということで、専門科目をたくさん設けて、2年生・3年生から選択科目を増やそうというふうに変えていくというのが総合学科である。むしろそういうエリアをもっと狭めて、1つか2つの専門コースを残そうというのが普通科専門コース設置校である。そのように、はっきりと、明確に分けていこうという意図で整理をしてきた。19校の中では、福井高校は平成27年スタートで総合学科になったし、次の春からは、門真なみはや高校や伯太高校が総合学科になる。それ以外に西成高校はエンパワメントスクールになった。その他の学校は、今回の3校以外にも9校が普通科専門コース設置校に既になったものもあれば、これからなるものもある。一言でいうと、メリハリをつけるということである。

(竹若委員) いわんとするところはわかる。ただ府民の目線から見たときに、こうして高等学校再編整備を続ける中で、なるほどこういう手法を使って子どもたちの教育活動を充実させてくれたのだな、とそういう観点で説明が果たせたらいいかと思う。今、課長が仰っていただいたような、過去にこうありましたよ、とそういうものをもっと大々的に出したらいいと思う。例えば、府立学校で一番課題になっている、中退の問題とか、それから不登校の問題とか、それから進路に関わって、そういう面にメリットがあって再編整備をするのだ、という説明が必要だと思う。

(和田教育監) その点でいうと、特に進路について調査して、より進路を明確にできる学校にしようということで、今回の再編整備をさせていただいている。各学校で、就職や幅広い進路を選ばれている学校については総合学科。大学、短大に進んでいる生徒が多い場合には専門コース。そういう形で集中していこうということで今回の再編はさせていただいている。

(土佐高校再編整備課長) 各学校の成果をPRするというのは、事務局でも頑張らないといけないが、各校でのホームページや学校説明会等、色々な形で学校ごとにPRには努めてきている。

(竹若委員) なぜこのようなことを言うかというと、先だって公立高校の進学フェアに初めて参加させていただいて、会場に入場制限ができるくらい非常に盛況だった。府内の子どもたちにとって公立高校の魅力があるようだし、保護者の方もいっぱいいた。会場に入ってみると、説明のブースがあるものの、狭いところなので先生方が立ちながらタブレットをもって説明しておられる熱気そのものを感じとられた。それだけに、教育委員会が将来に向けて再編整備を進める際に、今、仰ったことも含めて大々的に、学校も説明責任を果たしていくし、教育委員会も説明責任を果たしていくということが、大事だと思ったので申し上げた。

(向井教育長) 仰るように、府立の再編整備計画を進める中で、今までの総合選択制の効果が中々見えないところがあったので、普通科専門コースの方へシフトしていくというかたちで今回作り上げたが、その後、どのような具体的効果が出てきたかということを、今後、前に出せるよう、やっていきたい。

(井上委員) 能勢高校が豊中高校の分校、能勢キャンパスになるということで、府内で、今までこういった形で分校にしてうまくいった例があれば、教えていただきたいのが一つ。もう一つは、参考資料1の22ページにもあるように、こういう時代なので、インターネットなど新しい技術を使って授業をやっていこうというのは、豊中高校の生徒にも能勢高校の生徒にもいいと思っている。遠隔授業がうまくいった事例を研究されたということがあれば、他府県でもいいので、教えてほしい。

(土佐高校再編整備課長) 分校については、府立高校でも過去にあった。富田林高校の千早赤阪分校、春日丘高校の泉原分校が、平成の初めの方にあった。平成10年度の末をもって、その千早赤阪分校はなくなった。そこからは分校はないのだが、その時代も40人と小規模であったが本校と連携していたというのは、具体的な中身までは調べきれていないが、連携して教育活動を行っていた。現在、全国にも81の本校分校の事例があると聞いている。22ページの「ネット教室」のような事例だが、実験的に離島と別の高校をつなぐということが始まっているらしいが、うちでやろうとしているような恒久的な形でやろうというものはまだないと聞いている。

(井上委員) 初めてか。

(土佐高校再編整備課長) はい。

(井上委員) これは当然、お金のかかることだが、上手くいくと、本校と分校の間だけでなくて、色々な高校で、色々な先生の授業を受けたり、高校間でディスカッションするようなことができるのかと思う。これは非常に期待できる新しい方法だと思っているので、ぜひとも、うまくいくようにしていただきたいと思う。

(小河委員) 井上委員のご指摘と重なるが、編成されていくベースには考え方がいる。これまでの委員会会議でも申し上げた記憶があるが、大阪の特色とどう結び付けていくか。私は色々なところを見てきて、大阪というのは中小企業として優れた技術を地場産業として持っている地域だということを自負している。海外から見たらよだれが出るようなすごいことを、小さな町工場がやっているという現実がたくさんあるわけだから、そういう力と学校教育がきちんと結びついていく体制というのを踏まえた編成をやっていくことが大事だと思う。そういうものがなかったら、場当たり的な時流に流されて、マイナスイメージをなんとかエンパワメントスクールというような名前でカバーしているのではないかなどという間違ったイメージが拡がることを避けなければいけない。むしろ積極的に大阪の力というものを教育として活かしていくという大きな展望が、社会的にアピールされていくことがとても大事だと思っている。その中で、一番つらいのは募集停止の問題である。担当されている方はご苦労されているということを目の当たりにしているが、それが伝わっていない。大きな意味で、7校はいらなくなっていくのだというようなことが、かなり前から決まっている。そういう流れの中でどこにそれが落着していくかという流れがあるわけだが、そういうことを府民は結構忘れていってしまっている。担当者で背負ってしまった課題を、結局は、結論をどこに持っていくのかというところで、四苦八苦している様子、その苦労はなかなか伝わらない。現場の先生方もすごくご苦労されて、いい教育をやりながら、募集定員もクリアさせていきたいということを考えたりがんばってこられている、いいものがいっぱいあるというのもわかる、それを結局、泣く泣く募集停止に持っていかざるを得ないという事情も見えてくる、という狭間の中で、どのようにするといいのか。今後もそういったことはあると思うが、その辺のことも、社会的な経緯を丁寧に説明していくというのは、とても大事だということを感じた。

 

【採決の結果】

賛成多数により、原案どおり決定した。

(賛成者 向井教育長、小河委員、井上委員、岩下委員、竹若委員、良原委員)

このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ

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