平成27年4月委員会会議会議録

更新日:2015年5月22日

大阪府教育委員会会議会議録

1 会議開催の日時

   平成27年4月17日(金曜日) 午前9時28分 開会

                 午前10時19分 閉会

2 会議の場所

   大阪府公館 

3 会議に出席した者

教育長向井 正博
委員小河 勝
委員立川 さおり
委員井上 貴弘
教育監和田 良彦
教育次長橋本 正司
教育センター所長津田 仁
教育総務企画課長水守 勝裕
教育振興室長中野 伸一
高等学校課長橋本 光能
市町村教育室長浦嶋 敏之
小中学校課長坂本 暢章
教職員室長河西 陽三
教職員人事課長後藤 克己

4 会議に付した案件等

◎ 議題1 平成27年度大阪府教育委員会の運営方針について

◎ 報告事項1 調査書における目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)について

◎ 報告事項2 平成26年度3学期(平成27年1月22日以降)における教職員の懲戒処分の状況について

5 議事等の要旨

(1) 会議録署名委員の指定

 井上委員を指定した。

(2) 3月27日の会議録について

 全員異議なく承認した。

(3) 議題の審議等

 ◎ 議題1 平成27年度大阪府教育委員会の運営方針について

【議題の趣旨説明(教育総務企画課長)】

教育委員会の運営を組織的、戦略的に行うために、平成27年度の基本的な方針を決定する件である。

 

【委員の質問及び意見】

(井上委員) 昨年度と一番大きく変わっているところは。

(水守教育総務企画課長) 基本的な構成は変わっていない。教育振興基本計画に沿って作成している。今年度の新規事業、たとえば「生徒指導の充実」を書かせていただいたのが一番変わるところ。

(井上委員) ページで言うと。

(水守教育総務企画課長) 12ページ。一番大きく変わるというか、去年なかった項目が12ページの左側、「体罰の防止等」の少し上に新規事業を記載。ほかにも、新規だけではなく拡充したものもあるし、右側の目標も、実績を踏まえて、目標をクリアしたものはさらに上げるなどのマイナーチェンジをさせていただいている。

(小河委員) 3ページの「中学校の学力向上に向けた重点支援」。小学校も同じだろうが、重点中学校への支援として、「学力向上に積極的に取り組む中学校を指定し、学力向上の取組みの中心となる教員を配置します」とある。全般的な感想として、これはすごい有効な政策。現場サイドで取り組んでいる立場から見ると。やらなかったらお金、人を削減するという圧力的な指示よりも、こういう下支えして盛り上げていく政策的な配置の仕方を是非拡充していっていただきたいというのが、ありがたいなあ、と。ものすごいやりやすい。政策的に、ポイントになる予算と思う。そこで重点的な配置ということを見せていただくのが一番わかりやすい。現場の教員にやる気をおこさせるもの。もう一点、後の方で記載があったと思うが、幼児教育の拡充というのはとても大事だと思っているが、これに対する展開というのは、教育委員会だけでは片付かない領域、またがっていて、大きな考え方、政策的な検討をやっていく必要があるのではないか。かなり大問題になるので、ここで解決はできないが、ずっと問題提起だけはしてきたが、なかなか軌道に乗らない。どうしたらよいかと思っている。地域との密着だとか、幼児教育の拡充とかいくつか言葉が出てきてはいるが、独立した項目として、しっかりした政策的な検討をお願いしたい。というのは、去年の10月末に近畿府県教育委員長会議に代理で出席したが、多動性とかLDとか、そのままの教室ではなかなかしんどいという子どもたちが増えているのではないか、ということが話題になって、実際、文部科学省のデータでも増えていっている。全国的な流れであれば、一つの県の教育委員会が議論して解決できるものではないのではないか、ということが大きな論議になった。大きな国レベルで検討していっていただかなければならないと思うが、府県も実態把握と、それに対する具体的な政策を、国任せではなくて、自力で一歩解決していくような打ち出しをやっていく必要があると思っている。現場サイドから言うと、非常に、障がい的な状況を示す子どもが大きな比率を占めている問題があり、通常の人事配置ではなかなか大変だ、と聞いているが、現場では実際、非常に大きな問題が起きているというのが実情。そのへん調査していただき、しっかり検討していく必要があると思う。このへんの問題は、細かな問題として具体策の検討をしていかなければならないが、子どもの育ちの環境全体を改革していくような大きな視点が必要。たとえば自然を増やすとか、あるいは子どもの集団遊びの安全にできるフィールドをどうやって増やすかとか、かなり行政的な側面の問題も増えていくと思うので、独自の課題としていつか検討していただけないかと思っている。

(向井教育長) 小河委員がおっしゃるように、幼児教育の充実についてはこれまでも指摘されてきた。市町村がやる公立の幼稚園、幼小連携などいろいろあって、あと、府民文化部が所管している私立幼稚園、そのへんの関係で、連携してやっていく形になる。委員のご意見を踏まえてきっちり対応していきたい。

(小河委員) 是非、特別な課題として設定して、委員会から提案した内容を協議して取り組んでいく必要がある。

(井上委員) 小河委員の問題意識は、幼児教育の充実が図られていないからある種の発達障がいが増えている、ということか。それともそれとは別個の問題か。幼児教育の質の向上をやりましょうということと、発達障がいが増えているという実態の把握をしましょうと、この二つの問題提起、ということか。

(小河委員) その関係は不明瞭。それも事実調査していかなければならないし、専門家の研究対象となる課題だと思う。しかし、どこの分野が担当するかという問題はあるが、積極的に打ち出して行く必要があるのではないか。私自身、ここに役割を持っている限りは、就任からずっと提案し続けてきているが、なかなか難しい。組織的にも教育委員会から提案すること自体がそう簡単ではないとだんだんわかってきた程度。教育長にはこのあたりの音頭取りをお願いしたい。

(向井教育長) わかりました。

(立川委員) 小河委員がおっしゃった3ページのスクール・エンパワーメント推進事業の件。昨年フォーラムが開催されたが、中学校ばかりかと思っていたら、教育コミュニティの取組みということで、島本町学校支援ゆめ本部ということで、地域の方もパネルディスカッションをしつつ事例報告していただいて、ありがたいというのと、うらやましいというのがあった。中学校の先生ばかりかなと思っていたところに、課というか事業をまたいで、教育に関して地域を巻き込んでいくという取り組みを発表していただいて、これは中学校だけでなく小学校、中学校、また高校も注目しながら、フォーラムで事例を共有していくということだが、どんどんネットワークを広げてほしい。あと、6ページのエンパワメントスクール。キャリア教育と中退防止という点で、以前から申し上げているが、就職内定率は当然大事だが、進路保障という観点から言うと、進路未定率、進路未定のまま卒業する生徒を減らすのが大事と思うので、そこは並行して見ていただきたい。それと、去年、結構、課をまたいでいろいろすごく連携されたと感じていて、昨年8月に支援教育フォーラムをされた際に、神奈川県の田奈高校の元校長先生が講演をされたというケースがあって、中退防止という観点で、田奈高校の取組み、バイターン、キャリア支援センターの、途切れない進路保障ということで非常に注目してきた。支援教育の方でもそのことに注目されているということで、障がいの有る無いにかかわらず、子供たちの進路保障をしていこうという姿勢、取組みが見えてきたなと思って、非常にうれしく思っている。中退防止に関しては、学校でいろいろ取組みしていただいているが、なかなか学校独自でやっているだけでは解決できないことが多々あると思う。あと青少年課が行っている、校内のカフェ事業、居場所づくりということで、そちらも延長していただけるということなので、ここには載っていないが、載せるぐらいの思いで、連携というか外部の力を活用して、エンパワメント、力つけていただきたいな、と思っている。

 

【採決の結果】

賛成多数により原案どおり決定した。

(賛成者 向井教育長、小河委員、立川委員、井上委員)

 

◎ 報告事項1 調査書における目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)について

【報告の趣旨説明(高等学校課長)】

4月10日の教育委員会会議において決定した府立高等学校入学者選抜における中学校3年生の目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)の基準について、その後、高等学校設置市(大阪市、堺市、東大阪市及び岸和田市)教育委員会が、府立高等学校の基準を適用すると決定したことにより、府内の公立高等学校全体に適用されることとなったので報告する件である。

 

【委員の質問及び意見】

   なし。

 

◎ 報告事項2 平成26年度3学期(平成27年1月22日以降)における教職員の懲戒処分の状況について

【報告の趣旨説明(教職員人事課長)】

平成27年1月22日以降において、教育長が専決した教職員の懲戒処分の状況について、委員会に報告する件である。

 

【委員の質問及び意見】

(向井教育長) 研修には力を入れているが、なかなか結果には結びつかない。

(小河委員) 残念な事案がずっと出てくるのは、困ること。大多数の現場の先生方は非常に誠実に頑張っていることを、我々は忘れてはいけないし、その方々の名誉をも傷つけていることをよく知ってほしいと思う。

(井上委員) 2−4ページの7の事案だが、研修を受けることを拒否して戒告をされた後、研修は受けたのか。

(後藤教職員人事課長) 現時点ではまだ研修受講をしていない。

(井上委員) 戒告処分をされても研修を受けないとなると、次の処分、ということになるのか。

(後藤教職員人事課長) それも検討している。

(立川委員) 体罰について申し上げておきたい。部活動に関しての研修は強化していただいたのかなという感じだが、今回もそうだが、クラブ指導中ではなく、教室で、とか、生徒指導中の体罰。あるいは、部活動でもしていて、教室でも、授業の中でも、ということもあるかと思うが、全体としては、体罰に対する認識がまだ甘いのでは。今回あがっていないが、支援学校の体罰事例に関しても、複数の教諭が関わっていた。事実認定はまだ進んでいないということだが。となってくると、それを許す空気ができてきている環境とか職場、学校があるのではと想像する。何回か申し上げてきたのだが、体罰に関しては、小河委員がおっしゃったように、氷山の一角というか、ほんの一部の教師の暴力行為によって、私たち教育委員会の信頼も失っていて、子どもたちのいじめを助長する可能性も当然あるので、体罰は、私は暴力であると思っているが、厳罰化ということで。大阪府教育委員会の処分量定というのは、体罰は明文化されているのは停職までとなっている。他府県、特に東京都は「悪質もしくは危険な暴力行為である場合、傷害の程度が重い場合、緊急や常習性がある場合などを総合的に判断」して、処分の量定の範囲を免職まで規定している。なので、私はできれば免職という言葉を足していただきたい。何度か申し上げてきたが、ここまでくると、提案したい。

(後藤教職員人事課長) 懲戒に関する条例で、委員ご指摘のとおり、体罰については戒告から停職という標準的な量定を示している。ただ、これも従前、以前から委員からご指摘いただいた中で、標準的な量定なので、内容によっては加重もでき、その結果、懲戒免職を阻害するものではない。我々も各事案に適切に対応していきたい。また、桜宮高校の体罰事案以降、我々としても体罰については非常に厳しい態度で臨んでいるので、そこについては引き続きやる、と。また、研修についても、他の支援についても、比較的時間をかけて、十分な研修ができるように努めていきたい。

(立川委員) よろしくお願いします。

(小河委員) この問題は非常に難しい。先生方の努力に対して、教育的制度として整備されていない部分が大きすぎると思う。資格も何もない方にも、クラブをもってくれ、とお願いせざるを得ない状況でお願いしている。反対に、きわめて熱心に、むしろまさにそのために教師になったといわんばかりの方もおられて、その方々が部活動の指導をされるとき、王国になってしまい、外部から手を出せないような現実も残念ながらある。残念ながらと言ったが、場合によってはそれを誇りに思っているような学校もある。事実、本当にすぐれた経験や科学的知識をちゃんと持った方が指導されている例が多いとは思うが、残念ながら、そうではなく、自分の主観や経験だけで、いわゆる根性論で押し進んでいく。そういう状況を見ながら、文句も言えず、下手に何か言えば「代わりにやってみろ」とか「やめたらいいんだろう」と言われて困る、ということもある。なかなかこの問題は、教育現場では処理しきれない問題がある。もっと大きな大所高所から、社会教育的な制度としてもう少し整理していくべき問題、とずっと感じていた。そうしないと、桜宮高校事件が二度とあらわれない、とは決して言い切れない。罰則規定を重くすればよいというわけではない。啓蒙も大事とは思うが、制度的な遅れ、たとえば、専門的な知識をきちんと持って子どもたちを指導されているのか、というと残念ながら現場ではそうではない。たくさんの事実を見た限りでは、もう少し整理しなければいけないのでは、と思う。科学的な知見をもっとちゃんと入れていくということが、特に運動系の部活動については大事では、と感じている。

(向井教育長) 体罰については、文部科学省も昔よりはきっちり、これが体罰、と事例を示すようになっている。府としても、それを受けて、わかりやすく具体例を現場に示すようにしているが、委員がおっしゃるとおり、どこからがというのがなかなか難しい。

(小河委員) 難しいと言って、放っておくわけにはいかない。いつかは切り込んだ行動をおこして、ある程度きちんと方針化した対策を練っていく必要があるのでは。たとえば、地域には、もっと専門的な、すごい経験値の高い、実績を積んだ方がたくさんいる。そういう人たちと相談していくとか、いろんな方法、可能性が広がっているとは思う。それはそれで独自の政策的な検討をしていく必要があるのでは、と思う。

このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ

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