平成25年2月委員会会議会議録

更新日:2013年4月5日

大阪府教育委員会会議会議録

1 会議開催の日時

平成25年2月15日(金曜) 午前9時30分 開会

                  午前12時02分 閉会

 2 会議の場所

  大阪府教育委員会委員会議室

3 会議に出席した者

     

委員長隂山 英男
委員長職務代理者小河 勝
委員中尾 直史
委員立川 さおり
委員木村 知明
教育長中西 正人
教育監川村 幸治
教育次長藤井 睦子
教育総務企画課長見浪 陽一
教育振興室長津田 仁
高等学校課長和田 良彦
支援教育課長三ツ石 浩幸
保健体育課長真野 正道
市町村教育室長箸尾谷 知也
小中学校課長吉美 学
地域教育振興課長吉原 孝
教職員室長山本 讓
教職員企画課長秦 光広
教職員人事課長中野 伸一
施設財務課長福本 芳次
文化財保護課長荒井 大作
   

4 会議に付した案件等

第1号議案知事からの意見聴取に対する回答の承認について
第2号議案知事からの意見聴取について
報告事項1大阪府教育振興基本計画(事業計画)(案)について
第3号議案平成25年公立小・中学校、高等学校及び特別支援学校教職員定数配分方針について
報告事項2平成24年度優秀教職員等表彰の被表彰者について
報告事項3体罰の根絶に向けた取組みについて

5 議事等の要旨

(1) 会議録署名委員の指定

小河委員を指定した。

(2) 前回までの会議録について

全員異議なく承認した。

(3) 議案の審議等

 

◎ 第1号議案 知事からの意見聴取に対する回答の承認について

【議案の趣旨説明(教育総務企画課長)】

地方教育行政の組織及び運営に関する法律第29条の規定により知事から意見を求められた平成25年2月定例会に提出される次の議案について、異議がない旨を回答したことを了承する件である。

    事件議決案

    不当労働行為に係る大阪府労働委員会の命令の取消請求に関する訴えの提起の件

◎  第2号議案 知事からの意見聴取について

【議案の趣旨説明(教育総務企画課長)】

  地方教育行政の組織及び運営に関する法律第29条の規定により知事から意見を求められた平成25年2月定例会に提出される次の議案については、異議がないものとする件である。

1 予算案

(1) 平成25年度大阪府一般会計予算の件(教育委員会関係分)

(2) 平成24年度大阪府一般会計補正予算の件(教育委員会関係分)

2 事件議決案

(1) 工事請負契約締結の件(大阪府立泉北・泉南地域支援学校(仮称)及び大阪府立泉北・泉南地域高等支援学校(仮称)施設整備工事(第2工区))

(2) 工事請負契約締結の件(重要文化財(建造物)大阪府立中之島図書館本館ほか2棟耐震補強工事)

(3) 大阪府教育振興基本計画を定める件

3 条例案

(1) 大阪府立学校条例一部改正の件

(2) 府費負担教職員の人事行政事務に係る事務処理の特例に関する条例一部改正の件

(3) 府費負担教職員定数条例一部改正の件

(4) 大阪府文化財保護条例一部改正の件

(5) 職員の退職手当に関する条例等一部改正の件

(6) 職員の給与に関する条例及び職員の特殊勤務手当に関する条例一部改正の件

(7) 大阪府附属機関条例一部改正の件

 

◎  報告事項1 大阪府教育振興基本計画(事業計画)(案)について

【議案の趣旨説明(教育総務企画課長)】

大阪府教育振興基本計画(事業計画)(案)について、パブリックコメントの結果を踏まえ報告する件である。

 

【委員の質問及び意見】

(隂山委員長) 第1号議案については、前回までのものと同様に裁判をやっていくということか。

(見浪教育総務企画課長) そうである。

(隂山委員長) 第2号議案の条例案のうち、退職手当に関する条例についてであるが、他県で起こったような教員の駆け込み退職の問題は、大阪府では4月1日施行であることから起こらないということか。

(中西教育長) そうである。

(隂山委員長) 経過措置で10月に調整率が変わるが、このときに早期退職などの問題は発生しないか。

(中西教育長) 給与と退職手当を合算した額で考えるとあまり変わらず、影響はないものと考える。

(隂山委員長) 最後まで頑張った先生の退職金が減るというような制度設計にしたことが不道徳を生むこととなり問題である。

(中尾委員) 退職手当の問題については企業でも見直しが検討されている。今後、人材確保のため外部から人材を入れることを考えるならば、勤続年数だけで額を決める制度は見直すことを考えていかなくてはならない。

(木村委員) 他県で起こった駆け込み退職の問題については残念である。多少退職金が目減りしても最後まで責任をもって子どもたちを送り出すべきであり、仕事にもっと誇りを持って欲かった。私であれば年度途中に辞めることはしない。

(中西教育長) 予算について補足をしたい。財源不足の中でスクールエンパワーメント推進事業や校長マネジメント強化として管理職手当の改善について予算をつけることができた。残念なのは国の教員定数改善がされなかったことである。

(隂山委員長) 国の財政状況を考えれば仕方のない面もある。現場は人手が足りないと言い過ぎている。国全体を見ても不満なく良い待遇で働いている人はいない。教員の給与は高い方なのだと自覚しないといけない。危惧しているのはしっかりと働いて結果を出していかないと教員の給与は高いということで最終的に給与が減らされてしまうことである。教員と塾講師のパフォーマンスを比べて給与の差ほどの差があるのかと言われると持ちこたえられない。

(木村委員) そのとおりだと思う。教員は安定しており好待遇だと思う。私たち塾業界は給与も低く、不安定で危機感があるので、生徒や保護者のケアなど精一杯やる。教員は恵まれていると自覚すべき。

(中西教育長) 頑張った先生は報われないといけない。大阪府の教員志願者は減少し、合格者の中から辞退する者が増えている状況を考えると処遇改善は必要である。

(隂山委員長) 学校での指導の効率性ということを考えてほしい。一生懸命やっても成果が出ないのであれば、今までのやり方をすべて変えるくらいの取組みが必要。学力向上のためには授業改善だけではなく、生活改善も必要である。外国のやり方などをそのまま取り入れて「授業改善だ。授業改善だ。」と言っているが、それだけではだめである。教育の世界は政治から独立し、自分達の中で研究モデル校の授業に近づけることだけを目指して、効果があったのかどうかを考えない。それではいけない。また、自民党政権において学力調査結果の公表が問題になっているが、公開は良いが競争のための公開となってほしくない。競争のための公開になるとみんなが一番を目指そうとして混乱が起きてしまう。

(小河委員長職務代理者) スクールエンパワーメント事業について、予算がついたことはよかったと思う。学校現場にとっても有り難いことだと思う。委員長がおっしゃった指導の効率の話をすると、勉強のつまずきを上の学年、上の学校に行ってから解消することはものすごく非効率である。つまずきをその場で解決して下からカバーしていくことが大切。制度全体として中学だけでなく、小中など縦の連携を考えてほしい。箕面市の彩都の丘は小中連携の一番のモデルである。

(中尾委員) 小河委員の意見に賛成である。問題を小さな芽のうちに把握して取り除く事前管理の点からも、学力のつまずきを後で取り戻すのではなく、その場その場でフォローしなければならない。また、高校の話をすると、大阪府のセンター試験の受験率が他府県と比べて低いがそれはなぜなのか。進学特色校は上手くいっているが、他の学校は志願者が伸びていない。なぜ、伸びないのか、子どもたちはどこに行っているのか。これらについて分析が必要である。

(小河委員長職務代理者) 指導要領が難しくなって、つまずきが増えるのではないかと懸念しているが、つまずきが続いたまま中学校へ進むことが増えていると思う。データを調べて対応すべきである。

(隂山委員長) 高校や大学では制度設計ができていて挑戦もできるし、拾ってもくれるので危機感が薄いのではないか。

(川村教育監) 委員長がおっしゃるとおり、指定校推薦など早く決まる方法を求めてしまう傾向にある。

(木村委員) 3年生は現役で合格したいという思いが強い。なぜ、大阪はセンター試験の受験率が低いのかについては、センター試験に関西の私立大学の入試にはない漢文があるから。また、地方では生徒が興味を持つ私立大学がなく、国公立が目指す大学とならざるを得ないが、大阪には有名私立大学がある。

(隂山委員長) 確かに、AO入試などで有名私大に入るケースは多い。つまずきについて言うと、小中連携の第一歩として中学1年生の学力テストの結果を小学校の管理職と6年生の担任、中学校の管理職や先生が一緒に見合うことが大切。次に教育振興基本計画についてであるが、事業計画の基本方針1−3ページの「「全国学力・学習状況調査」において、「授業研究を伴う校内研修を7回以上実施している」学校の割合」の目標数値については、小学校、中学校ともに100%でなければならない。研修を7回以上するのは計画して実行すればよいだけである。ここが100%にならなくして小中の学力は上がらない。なぜ、100%ではなく、小学校で70%以上、中学校で60%以上なのか。ここに大阪の学力の問題がある。ここは100%にすべき。再考してもらいたい。

(立川委員) 自殺の問題について、先日NPOの講演で自殺年齢は小学校4年生ぐらいからということであった。基本方針4−11ページの「いじめや不登校等の生徒指導上の課題解決に向けた対応」に関連するが、教員のいじめの問題解決能力が意外と低いのではないか。いじめている子やいじめられている子にいじめの有無を直接聞く先生がいると聞く。すると子どもは、大人はいじめを解決してくれないと思い、信頼しなくなる。校内で学校の児童生徒の実態に合わせた研修を行って、意識改革を促すべきである。また、中退については、小学校4年生の段階でつまずきが始まると言われている。中退防止のための取組みはもちろんのことであるが、中退後の受け皿について関係する健康福祉部や商工労働部などとの連携が必要。いじめについては、いじめる子を無くし、いじめをさせないという観点もいる。いじめる子も家庭などに問題を抱えていることが多いので、その対応も必要である。

(隂山委員長) いじめ対応についてはマニュアルを作成してしっかりやっていると思う。中退については、滋賀県の中学校の先生が高校の中退者の状況を調べたところ、小学校高学年のときに欠席日数が年間10日ほどあったとのことである。その時点では問題視されないが、なにかあったら休んでしまうという癖がついてしまう。休まないという風土を作ることが必要。

(立川委員) いじめの問題については、自殺予防の観点も考慮しなければならない。

 

【採決の結果】

原案どおり承認及び決定した。

 

 

◎  第3号議案 平成25年度公立小・中学校、高等学校及び特別支援学校教職員定数配分方針について 

【議案の趣旨説明(教職員人事課長)】

平成25年度公立小・中学校、高等学校及び特別支援学校教職員定数配分方針を次のように定める件である。

   〔趣旨〕

    府内の公立小・中学校、高等学校及び特別支援学校の教職員を適正に配置し、もって教育水準の維持向上を図るため、平成25年度の教職員定数配分方針を定める件である。

    〔前年度からの改正点〕

     ・栄養教諭の配置の進捗に伴う文言修正(小中学校・特別支援学校)

     ・高等学校の学科改編に伴う文言修正及び特別支援学校の学級数の増加に伴う教員配置基準数の増設等

 

【委員の質問及び意見】

     なし

 

 

◎  報告事項2 平成24年度優秀教職員等表彰の被表彰者について

【議案の趣旨説明(教育総務企画課長)】

平成24年度優秀教職員等表彰の被表彰者について、次のとおり教育長が専決したことを委員会に報告する件である。

1 個人  148名

2 団体   15団体

 

 

【委員の質問及び意見】

(木村委員) 現場では減点法だと聞くが、大人も子どもも褒められると嬉しいのでどんどん表彰して欲しい。

(中尾委員) 平成20年度から被表彰者が増えているのはなぜか。

(中西教育長) 教育委員会会議において委員からご意見があり、被表彰者数を増やした。

(中尾委員) 教員は個人での活動が多いので、できればみんなで学校を変えた先生方を団体で表彰することを増やしてほしい。

(立川委員) 昨年、表彰式に出席して、団体で表彰されているところはみんなで喜びを分かち合い雰囲気も良かった。

(木村委員) 提案として、生徒が良い先生を選ぶようなものがあってもよいと思う。

(隂山委員長) NPOなどが実施するものを後援するのはよいが、教委としてやることは難しいと思う。また、人事権移譲を行った豊能地区の市町については各市町で教職員に対する表彰制度があるのか。

(藤井教育次長) 各市町で表彰制度はある。

 

 

◎ 報告事項3 体罰の根絶にむけた取組みについて

【議案の趣旨説明(高等学校課長・教職員人事課長)】

体罰の根絶に向けた取組み、府立学校における体罰に係る状況調査及び体罰事案に係る懲戒処分について報告する件である。

【委員の質問及び意見】

(隂山委員長) 本日付けの懲戒処分4件は、今回の調査により発覚したものか。

(中野教職員人事課長) いずれも調査以前から発覚していた件である。

(隂山委員長) 調査により判明した体罰事案の中で深刻なものはあったか。

(中野教職員人事課長) 生徒に怪我をさせたという事案が数件ある。

(隂山委員長) その事案については、我々はそれまで把握していなかったということであり、反省しなければいけない。大塚高校と摂津高校で部活動における体罰はなかったということで間違いないか。

(和田高等学校課長) 桜宮高校の事件後すぐに教職員や生徒から聞き取りを行い、調査を行い、体罰はなかったということであった。

(隂山委員長) 桜宮高校の件は体罰事案ではないと思う。一生懸命取り組んでいる子どもに対して教師が気に入らなかったから暴力を行った件と、今回の処分案件のように子どもが教師に対して反抗的な態度をとり、その際に教師が指導を間違えて体罰をした件とは異なる。桜宮高校の件で一生懸命やっている教育委員会や教師が生徒のことを考えていないなどと批判を受ける。今回の件のようなことがないように頑張っている教員が大多数だとメディアの方々も含めて知っておいて欲しい。桜宮高校の体育科の入試中止の決定は、周辺の府立高校にも影響する。合格できる子が落ちるかもしれない。入試中止でも普通科があるというのは、桜宮高校を受験しようとしていた生徒がそのまま桜宮高校を受験してくれるという前提に立ったものである。その前提が崩れないように受験生にメッセージが送られていなければならず、その点において大阪市教委にしっかりとした対応をして欲しかったので、厳しく言った。そのことを茶番だとか子どもを無視していると批判するのはどうなのか。報道一つで全員の努力が誤解されてしまう。府教委は全力で子どもたちを守る。だからこそ、大阪市教委にも厳しいことを言う。

(中西教育長) 今後の対応であるが、本日の午後から府立学校長会において私から今回の調査結果を踏まえて体罰根絶について改めてお願いをするとともに、体罰を申告した先生が過度に委縮しないように配慮してほしいことをお願いする。また、桜宮高校の件で校長の指導が徹底できなかった背景として、当該教諭が一つの学校に長期に在籍していたことがあったことから、一気には解消できないが、少なくとも3年くらいかけてこれを解消できるようしていきたい。

(中尾委員) 学校はやはり危機管理が弱いと思う。いじめ、体罰、薬物など子どもを取り巻く環境に対して、小さな芽のときにどれだけ把握できるか。随時生徒の様子を確認して教員全員で共有すべきである。

(隂山委員長) うちの子は叩いてもらってもいいと言う保護者もいるが、絶対にそれに乗らないこと。叩いてしまうのは指導力がないからである。叩いてしまうと校長や保護者からブレーキがかかるはず。桜宮高校ではそのブレーキがかからなかった。子どもに対してその一瞬で解決しようとするから指導力がないと体罰をしてしまうことになる。その一瞬は飲み込んで、時間をかけて組織で指導していく。筋道をたてて指導ができるように組織で取り組むべき。

(木村委員) 日々の放課後に先生方が集まって、生徒の様子など話し合う場はないのか。

(中尾委員) 行っている学校はあると思う。

(木村委員) なぜ、全ての学校でできないのか。

(小河委員長職務代理者) 多忙化が弊害になっている。一言でも子どものことを話し合える心のゆとりがあるかどうか。教員間がぎすぎすしているとできない。

(木村委員) 校長のマネジメントで週1回でもそういう機会を持つことはできないのか。

(中尾委員) トップダウンで話し合いをさせるのではなく、先生同士が自然に話し合いを行える環境を作ることが大切である。

(木村委員) 先生もガス抜きができていないから体罰という形になってしまうのではないか。先生同士がケアをし合う風土が必要なのではないか。

(隂山委員長) 木村委員がおっしゃるとおり、校長マネジメントでできないことはないと思う。今回の調査結果を踏まえて生徒全員へのアンケートは行わないとしたが、アンケートをしようとすると学校に仕事を増やすことになる。日々の努力を怠っていなければ、余計な仕事を増やさないことを伝えたい。

(小河委員長職務代理者) 隂山委員長がおっしゃったとおり、その場で解決せず、みんなで時間をかけて考えて対応することはとても大切なことである。少し離れて大きなステージで教育を考えないと人は育たない。

(立川委員) 桑田真澄さんの講演を聞いて印象に残ったことは、小中高で先輩からの体罰もあるということ。上の学年においても下の学年に対する指導力の向上を考えるべき。テレビのニュースで智弁和歌山の監督が指導者こそ謙虚に学ぶべきと言っていたがその通りだと思う。質問であるが、府の公益通報制度は機能しているのか。

(和田高等学校課長) 公益通報により体罰案件1件が上がってきており、機能していると思う。

(木村委員) トップアスリートの力をどんどん借りて、良い指導法を指導者に伝える仕組みがあればよいと思う。

(隂山委員長) トップアスリートは体罰によらない指導で育成されていることを知ってもらうことが必要。ナショナルトレーニングセンターなどで指導者は指導法を学んでほしい。

(川村教育監) 指導者は国代表の指導法を参考にした指導講習を受けている。

(小河委員長職務代理者) 部活動が監督の王国になってしまうような状況は問題である。部活動のあり方については、社会教育の分野に位置づけるなど大きな枠組みからどういうあり方が一番よいのか考えないといけない。

(川村教育監) ウエールズでは学校の部活動の代わりに地域密着のクラブチームがあり、そこで選手が育成されている。スポーツ選手の育成に学校がどこまで関わるのかという問題がある。

 

このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ

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