平成23年11月教育委員会会議会議録

更新日:2011年12月20日

大阪府教育委員会会議会議録

1 会議開催の日時

   平成23年11月17日(木曜日) 午前 9時30分 開会
                       午前10時40分 閉会

2 会議の場所

   大阪府教育委員会委員会議室

3 会議に出席した者

委員長生野 照子
委員長職務代理者小河 勝
委員川村 群太郎
委員隂山 英男
教育長中西 正人
教育監川村 幸治
教育次長藤井 睦子
教育総務企画課長見浪 陽一
教育振興室長津田 仁
高等学校課長和田 良彦
支援教育課長三ツ石 浩幸
市町村教育室長角野 茂樹
教職員室長大西 弘之
教職員企画課長秦 光広
 

4 会議に付した案件等

第1号議案知事(知事職務代理者)からの意見聴取について
第2号議案平成24年度大阪府公立高等学校の募集人員について
第3号議案平成24年度大阪府立たまがわ高等支援学校の募集人員について

5 議事等の要旨

(1)会議録署名委員の指定
隂山委員を指定した。
(2)前回の会議録について
全員異議なく承認した。
(3)議案の審議等
 ◎ 第1号議案 知事(知事職務代理者)からの意見聴取について
【議案の趣旨説明(教育総務企画課長)】
地方教育行政の組織及び運営に関する法律第29条の規定により知事職務代理者から意見を求められた平成23年9月定例会に提出される次の議案(平成23年12月追加提出分)については、異議がないものとする件である。
条例案
府費負担教職員の給与の支給等に関する事務に係る事務処理の特例に関する条例一部改正の件
【委員の質問及び意見】
なし
【採決の結果】
原案どおり決定した。
 第2号議案 平成24年度大阪府公立高等学校の募集人員について
【議案の趣旨説明(高等学校課長)】
府内公立中学校卒業見込み者数の動向を踏まえ、標記募集人員を次のとおり定める。
一 昼間の高等学校(全日制の課程及び多部制単位制1・2部)
 1 受入れ計画
   (1) 府内公立中学校卒業者数を74,800人(前年度比2,502人増)と推計。
   (2) 計画進学率93.9%、他府県等への進学者を2,860人(前年度比160人増)として、府内進学予定者数を67,380人と算出。
   (3) 公私合わせて府内進学予定者数を上回る募集人員を設定するため、公立高等学校の募集人員については、他府県等からの進学者を
            含めて、45,320人とした。
   (4) 募集学級数は、1,133学級とした。
   ・府立高等学校の全日制の課程(クリエイティブスクールを除く。)において、普通科を25学級減、総合科学科を1学級増。また、全日制の
          課程総合学科(クリエイティブスクール)並びに多部制単位制1部及び2部(クリエイティブスクール)については、増減なし。
   (5) (3)の募集人員とは別に、知的障がい生徒自立支援コースの募集人員を33人(前年度に同じ。)とした。
 2 学科の改編及び募集停止
  ・府立咲洲高等学校の多部制単位制(1部・2部)普通科を全日制の課程総合学科に改編する。
  ・府立成城高等学校、府立東住吉総合高等学校及び府立和泉総合高等学校の多部制単位制(1部・2部)総合学科を全日制の課程総合学科
       に改編する。
  ・大阪市立天王寺商業高等学校の商業科及び情報システム科、大阪市立市岡商業高等学校の商業科及び情報会計科、大阪市立東商業
        高等学校の国際経済科、会計科及び総合ビジネス科を募集停止し、大阪市立大阪ビジネスフロンティア高等学校にグローバルビジネス科
        を設置する。
二 多部制単位制3部及び定時制の課程
 1 募集人員
  (1) 募集人員 2,200人(前年度に同じ。)
  (2) 募集学級数  55学級(前年度に同じ。)
 2 学科等の改編及び募集停止
  ・府立成城高等学校及び府立和泉総合高等学校の多部制単位制(3部)総合学科を定時制の課程総合学科に改編する。
  ・大阪市立第二工芸高等学校の建築科を募集停止する。
三 通信制の課程
  募集人員 650人(前年度に同じ。)
【委員の質問及び意見】
(中西教育長)
今月初め、来年度の募集人員が進学予定者数より2,000人下回るとの新聞報道がされ、各方面にもご心配をおかけしたが、その数字は調整途上の数字であった。これについては、公立でも最大限努力するので、私学に対しても実態に合わせた募集をすることを求め、公立で1,500人、私立で2,400人以上増やすことで、公私協で合意した。また、公私協の場では、私立の「以上」とは募集人員を増やすという意味で、募集人員を大幅に超えてとらないことについても重ねて要請した。
(生野委員長)
私学が募集人員を訂正したり、上積みしたり、具体的な数字を出して、申入れに応じたということだが、十分な調整時間はあったのか。
(中西教育長)
私学団体からも、また、中尾委員からももっと早く調整すべきだと指摘を受けた。選抜環境の変動期ということもあり、手探りでやってきたが、もっと早くすべきだったと反省している。今後はもう少し早期に協議していくこととするので、ご理解をいただきたい。
(隂山委員)
最終的には、受検者や保護者に心配をかけることはなくなったと理解している。リーマンショック後の経済情勢等の変化や公立高校の授業料無償化の影響を考慮し、公立が追加募集してきたことについては、よかったと考えている。公立は、セーフティネットで支えていくという心構えを持って、地域や保護者、生徒に情報発信していくことをお願いしたい。
(生野委員長)
いろいろな要因が不安要素としてあるし、調整等でなかなか決まらないということもある。子どもの数の増加がここ数年のうちに見られるし、知事等の大勢の問題もあり、先が読みにくいと思うが、今回、一番苦労したことは何か。
(和田高等学校課長)
志願者の動向をつかむことが最も難しかった。私学志向がさらに高まるのか、また、高校入試では志願状況が前年度と反対になるという「揺り戻し」の例もある。今年度については、市町村教委に依頼し、例年11月に実施する進路希望調査を10月に前倒しで実施した。
(生野委員長)
調査の時期としては妥当か。動向をどう把握するかとか、個別の進路指導のやり方、それらを含めて日程を考えないといけない。また、私学にも余裕をもって検討してもらわないといけない。そういう方法論についてはどうか。
(和田高等学校課長)
調査はもう少し遅らせた方が精度は上がるが、募集人員の決定が遅れてしまうため、10月の時期がギリギリのところだと思う。また、今後の方法論については、まだ個人的な考えの段階であるが、春ごろに大枠の協議を私学団体と行うこととし、いったんそれで進めた上で、この時期に微調整を行えばもう少しスムーズにいくのではないかと考えている。個別の進路指導の問題については、中学校での対応になるが、生徒や保護者が私学展や学校等を見て進路を決めていく時期のことも考えると、やはりこの時期になると思う。
(生野委員長)
報道を見て、生徒が不安に思うようなことのないよう、努力していただきたい。
(川村委員)
柏原東等の中高連携校の状況はどうか。
(和田高等学校課長)
柏原の中学校には、書道を中心に高校の教員が行き、指導をしている。書道の授業は1年生が中心であり、特に、1、2年生の間ではかなり親近感が生まれていると思う。
(川村委員)
要望だが、国際教養科については、民間人の方に活躍してもらうのが良いのではないか。今まで理工系の分野で活用を進めてきたと思うが、こういう分野も良いと思う。また、募集人員の設定については、私はこれだけの期間でよくやったと思う。私学に募集人員のことを申し入れた意義は大きいし、高校入試については授業料無償化で公私の自由化が起こったのだから、公私がともに大阪の子どもたちのためにという視点でいい方向に行っている。他にも、通学区域の調整についても緻密に検討されているし、英語教育の充実や中高連携、たまがわ高等支援学校の取組等これらをもっとアピールしないといけない。昨年と比べてどうかではなく、府立でしかできないことがいっぱいあるということをアピールしていくべきである。トータル的に言えば、志願割れに動じないで、どんと構えていればいいと思う。
(中西教育長)
公私協では、募集人員のことを申し入れたが、私学からは反論もあった。この時期に増員の要請をしたことについては私学側にお詫びしたところである。私学は併願もあり、募集人員との乖離が一定程度出るのは仕方ないが、極端な乖離が出ることのないように努力してほしいと申し上げた。公私で立場の違いはあるが、同じテーブルで議論はしっかりしていくこととする。春の選抜結果が出れば、また議論を早期にしていきたい。
(隂山委員)
この議論で思い出したのだが、受験する側からすると、安定・安心を求めている。受験者としては、土俵が固まらないと勝負できない。年によってデコボコがあると心配になる。先日もある私学関係者との話で、授業料無償化で学級数が減ったり増えたりして大変ということだったが、受験制度は安定が大事である。私の子どもが大学受験をするとき、私は教育再生会議の委員をしていて、あるべき大学入試論というのが議論になった。大学入試は毎年変わるのが問題であり、親からすると塾や予備校等情報を持っているところに入らないと受験できない。高校で何百とある大学の学科の情報を把握して進路指導をするというのは現実的に無理である。そういう訳で、教育再生会議の時、「あるべき大学入試というのもいいが、とにかく安定させてもらいたい、親の立場からすると切実だ」という意見を述べた。そういう点でいうと、いい方向には行っていると思うが、入試制度を安定化させるということを強く願う。
(小河委員長職務代理者)
公立には公立の役目がある。その時々の状況に右往左往するのではなく、大きな展望をもって、揺るぎない制度の構築をしていくべきである。
(生野委員長)
商業や農業、工業など、学科名も多様化しているが、募集人員を検討するに当たって、生徒のニーズ等をとらえて対応できているか。
(和田高等学校課長)
商業関係については、府立にはなく、基本的に市に任せているが、再編等により減少傾向にはある。工業関係については、例年とほぼ同様の志願動向であり、募集人員は変えていない。また、設備の問題もあるので、簡単には増やせない。
(生野委員長)
こういう学科については、流行もあるし、社会的な流れによって変動させていってもいいように思う。
(和田高等学校課長)
工科高校については、再編時に地域性を見ながら学科を設定してきた。工科高校の特性として、なかなか機動的に対応しづらい面がある。また、変更していくことがいいかどうかの問題になると、その業界の関係者にも意見を聴かなければならない。その学校のニーズが低いということであれば、対応をどうするかという検討はしていかなければならないと考えている。
(生野委員長)
あまりにも融通が利かなければ問題である。学科の傾向をつかんで柔軟な対応を考えていく必要がある。
(川村教育監)
平成16年度に工業から工科に再編し、「専門分野の深化」と「高等教育機関への接続」という考え方のもと、生徒が技術を深めることと、進学を考えることとに対応してきた。また、現在は機械や電気などの分野でも非常に融合傾向にあるので、一年次は総合募集とし、基礎的な内容を学習し、二年次以降は生徒が希望に応じて「系」を選択し、クラス分けをして電気や機械に進めるようにしているので、校内での融通性や適応性は確保している。
(生野委員長)
大学においては、科同士で切磋琢磨するシステムがある。高校もそのようなことを考えてはと思う。あと、私学は私学展を開催するなど早期に取り組んでいるが、公立については切磋琢磨の一環として広報の取組はどうか。
(和田高等学校課長)
今年度については、公立は8月末から9月始めにかけて学区ごとに合同説明会を実施しているが、その後学校ごとでも実施している。次年度に向けては、私立学校展に並ぶような、公立学校展のようなものを企画していきたい。学校と教育委員会の両方の広報の取組を融合させながらやっていきたい。
(生野委員長)
募集人員を毎年変えるような不安定さは避けなければならないが、活性化はいくらあってもいいわけだから、広報に力を入れていくべきである。ところで、今回学級を減らしたところは、定員割れした学校なのか。
(和田高等学校課長)
定員割れした学校42校のうち、一学級減らした学校は23校、変わらない学校は19校である。また、施設面から減らした学校などもある。
(生野委員長)
教育基本条例案で3年連続定員割れをした学校は統廃合との規定があり、一般の方はそれとの関係で予防線を張っていると思いがちだがそういうことではないということか。
(和田高等学校課長)
定員割れした学校でも、次は絶対大丈夫だということでそのままにしているところもあり、定員割れだけを考慮して減らしたのではない。
(小河委員長職務代理者)
基本的に、前年に定員割れしたからどうこうするというのは時代に合わない。学問的体系というものが決められており、それをいかに生徒に教えていくかという問題があるが、現場での状況や大学のニーズも含めたグランドデザインで検討しないといけない。もっと大きなスパンで見た時代の流れで検討する必要がある。定員割れの問題を無視していいと言うわけではないが、もっと大きな視野での論議が必要である。公立としての見通しや戦略的な学校経営を考えていただきたい。そういう意味で、現在は曲がり角にあると思う。ただ、やはり年ごとで募集人員が変わるのは問題である。どんと構えて、必要であれば投資していけばいい。
(中西教育長)
工科高校については、今年の9月にかなり議論をして、補正予算で各学校別の方針も出したところである。それを中長期の視点でやっていくということと、その時々の状況にも対応していくということの両面をうまくバランスをとっていくことだと思う。
(小河委員長職務代理者)
最近の経済状況の論議を聞いていると、日本の技術はやはり重要で、生産拠点を海外に移しただけではダメで、日本での生産技術が命だということである。それは大学の研究レベルでの技術だけではなく、工科高校で教えられる実際の生産技術が非常に重要な位置関係を持っていると思う。
(生野委員長)
小河委員の意見に同感である。そのためにも、時々の状況を把握、分析しながら、グランドデザインを描いていくべきである。質を伸ばすことが重要で、数の議論ではない。
(津田教育振興室長)
ものづくり教育については、バイオなど新しい分野を取り入れてやってきている。ご指摘いただいた点については検討する時期に来ているので、また、ご議論をお願いしたい。
(隂山委員)
生徒募集や広報活動に教員が関わってもらうことが大事である。教員は授業だけすればいいというような感覚を持ちがちだが、時代の風や生徒・保護者のニーズを肌で感じてもらえるし、学校で行われていることを実際に指導している先生が語るというのが安心感や信頼感を生む。各学校への指導をよろしくお願いする。
(生野委員長)
こういう時期であるからこそ、公立としての基盤をよりしっかりさせ、安定性とともに融通性の確保についても検討をお願いする。不安定要素が多いが、広報や日程等の改善に取り組んでいただきたい。大変だと思うが、公立の良さを維持し、長期的な視野をもってやっていただきたい。
【採決の結果】
原案どおり決定した。
 第3号議案 平成24年度大阪府立たまがわ高等支援学校の募集人員について
【議案の趣旨説明(支援教育課長)】
平成24年度大阪府立たまがわ高等支援学校の募集人員を次のとおり定める。
1 大阪府立たまがわ高等支援学校本校の募集人員を64人、学級数を8学級とする。(前年度に同じ。)
2 大阪府立高等学校に設置する共生推進教室の募集人員を12人、学校数を4校、学級数を4学級とする。(前年度に同じ。)
【委員の質問及び意見】
(生野委員長)
支援学校については、応募数の増加に対応した検討をしてきているが、今回はこれで十分なのか。
(三ツ石支援教育課長)
志願倍率は1.98倍で、高等学校の前期選抜に比べても高い。たまがわタイプの高等支援学校についてはあと3校増やす方向で進めているが、自立支援校や共生推進教室への志願倍率も3倍と高い状況である。そうした中で、まずは、高等学校に在籍する障がいを持った生徒へのノウハウを広めていきたいと考えている。また、たまがわタイプの学校の設置に併せて、トータルとして、障がいのある子どもたちの学びの選択肢をどう充実させていくか検討していきたい。
【採決の結果】
原案どおり決定した。

このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ

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