平成31年2月25日 松井知事府政運営方針説明(要旨) 

更新日:2019年4月8日


 本日、平成31年2月定例府議会の開会にあたりまして、私の所信の一端と今後の府政運営の方針を申し述べ、議員並びに府民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 
(基本姿勢)
 7年3か月前、私は知事として初登庁いたしました。
 有権者の皆様からいただいた一票一票には、「大阪を変えてほしい」「大阪を豊かなまちにしてほしい」という期待が込められていました。
 改革の道のりに、近道はありません。信念と覚悟をもって、ぶれずに正道を進む。
 「変革と挑戦」を基本姿勢に、府市一体となって、目の前の一つ一つの課題に対して、真正面から向き合い、答えを出してまいりました。

 インバウンドの大幅な増加、雇用状況の改善など、大阪経済は変わってきたと実感しています。ここで、歩みを止めず、さらに突き進んでいかなければなりません。
 「成長」と「安全・安心」の良き循環による豊かな大阪の実現に向けて、改革の総仕上げを図ります。

 何よりもまず、自然災害に屈しない大阪を作り上げます。引き続き被災地の復旧に全力を尽くすとともに、昨年の災害の教訓を踏まえ、災害対応力をより強固なものへレベルアップさせます。
 そして、万博、IR、G20サミットをインパクトに、大阪の成長をさらに加速させてまいります。

 大阪・関西の成長の最大の起爆剤となるのが、2025年大阪・関西万博です。これまでの常識を打ち破る圧倒的な万博を皆様とともに作り上げてまいります。
 持続的な成長エンジンとなるのが、IRです。世界最高水準のIRを2024年度中に実現したいと考えております。
 世界の注目が集まるG20大阪サミットまで、あと4か月となりました。オールジャパンで安全・安心の確保に万全を期すとともに、世界最高のおもてなしでお迎えし、「OSAKA」を世界中にPRしたいと考えています。

(平成31年度当初予算)
 それでは、31年度当初予算についてご説明いたします。
 府の財政については、景気の緩やかな回復を背景にした企業業績の堅調な推移などにより、府税収入が増加する見込みです。
 一方、義務的に負担する社会保障関連経費が増え続けており、引き続き厳しい状況にあります。
 こうした状況を踏まえ、31年度予算編成においては、災害対応力の強化や万博など大阪の成長・発展に向けた取組みに限られた財源を重点的に配分しました。

 来年度の主要施策について順次説明いたします。

 昨年は、大阪北部地震や台風第21号など、大規模な災害が頻発しました。来年度は、災害対応をこれまで以上に重視し、成長の基盤である安全・安心に万全を期す所存であります。

 何よりも優先すべきは、一日も早く被災者の日常生活を取り戻すことです。自然災害からの着実な復旧に向けて、住宅や農業者の経営の再建など被災者支援に引き続き取り組んでまいります。
 
 人命被害を限りなくゼロに近づける防災・減災対策を着実に進めてまいります。
 甚大な被害が想定される南海トラフ巨大地震への備えとして、水門の外側で津波を直接防御する防潮堤等の整備が今年度完了いたします。水門の内側等の防潮堤についても、引き続き整備してまいります。

 昨年の台風第21号では過去最高潮位を記録しましたが、三大水門が機能し、市街地の高潮被害を防止いたしました。水門建設から約50年が経過しているため、老朽化対策を含め、津波にも対応できるように更新いたします。

 また、まちの不燃化や延焼遮断帯の整備など密集市街地対策を充実させるとともに、被災した際に与える影響が大きな大規模施設等の耐震化をしっかりと進めてまいります。

 ブロック塀対策については、今年度に引き続き、民間のブロック塀の撤去費用の補助を行います。また、府立学校のブロック塀のうち、最も緊急度の高いものについては、来年度中の撤去等をめざして、引き続き取り組んでまいります。
 
 災害が発生した際の対応機能をさらに強化させてまいります。
 応急災害対策業務の割り振りなど、府職員の人的資源配分を迅速に行うため、全職員の参集可能時間などを一括して管理できるシステムを整備し、初動体制の強化を図ります。

 被災者が長期に避難生活を余儀なくされることで、要介護度が重度化するなどの二次被害の防止に向け、民間の社会福祉施設等で働く福祉専門職のチームを構築し、避難所へ派遣する体制を整えます。

 在宅患者への支援体制を強化するため、地域の拠点となる訪問看護ステーションを指定し、在宅人工呼吸器の稼働に必要な非常用充電設備整備の補助を行います。

 また、一般病院の被災状況の集約体制の構築、災害拠点病院を中心とした合同研修の実施など、災害時における医療体制の機能強化を図ります。

 帰宅困難者対策にも力を入れます。災害時に救命・救急活動を円滑に実施するため、特に企業に対し、一斉帰宅抑制の重要性やオフィス内の転倒対策など、具体的手法について、わかりやすく啓発してまいります。

 訪日外国人の対応については、災害時に交通などの必要な情報を一元的に多言語で発信するサイトを開設するとともに、アプリを開発しプッシュ型で情報を届けます。

 万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を先取りし、イノベーションの促進や10歳若返り、SDGs(Sustainable Development Goals)など、万博を見据えた取組みを加速させます。

 これまでの蓄積を生かし、大阪・関西の強みであるライフサイエンスを中心とする健康医療産業の振興やイノベーションを促進いたします。

 中之島では、再生医療分野における世界的な未来医療国際拠点の形成をめざし、運営法人を立ち上げ、拠点に備えるべき機能の具体化や他拠点との連携について、検討を進めてまいります。

 北大阪健康医療都市・健都では、来年度から運用が開始される国立循環器病研究センターや、健都への移転を予定している国立健康・栄養研究所を核に、地元市等とも一体となって「健康と医療」をコンセプトとしたクラスター形成を推進します。

 大阪が持続的に成長していくためには、ベンチャー企業を次々と生み育てていくことが不可欠です。起業初期段階では起業ノウハウの習得等、成長期段階では成功体験を有する経営者とのネットワークの構築等、成長段階に応じた支援を行います。

 大阪の成長の基盤である鉄道・道路ネットワークを充実・強化し、大阪・関西を活性化させてまいります。

 おおさか東線については、来月16日に全線が開通し、新大阪と奈良が直結します。
なにわ筋線、淀川左岸線延伸については、人・物の流れを支える重要なプロジェクトであり、府市連携により着実に進めてまいります。

 いのち輝く未来社会の実現に向けて、ビジョンの共有・浸透を図るとともに、大学や医療・福祉機関とのモデル事業などを実施し、オール大阪で各主体となる取組みの推進、深化を図ります。

 SDGs(Sustainable Development Goals)達成に向けては、大阪府はもとより、市町村、企業、府民の皆様等と一体となって取組みを進めてまいります。とりわけ、SDGs(Sustainable Development Goals)ビジネスに意欲のある企業と投資家等のスポンサーをマッチングするなど、事業化をサポートいたします。

 府民の皆様や、大阪を訪れる方々の健康を守るため、全国トップクラスの受動喫煙防止対策を実施します。今議会に提案いたしております受動喫煙防止条例に基づき、望まない受動喫煙を生じさせることのない環境づくりを進めてまいります。あわせて、規制対象となる事業者に対して喫煙室設置等の支援を行います。

 府民の健康寿命の延伸に向け、若い世代・働く世代・高齢者までライフステージに応じた健康づくりの取組みを進めてまいります。とりわけ、今年度から試行的にスタートした健康アプリ「アスマイル」を府内全域へ拡大いたします。
また、市町村における保健事業の質の向上をめざし、データの活用支援や有識者の派遣など、市町村への個別支援を強化いたします。

 がん対策を充実させます。経済的事情で重粒子線がん治療を断念することがないよう、今年度から利子補給を実施しています。さらに、来年度からは、小児がんの治療費について、所得に応じて、最大100%の助成を行います。

 内外から人々や投資を引きつける都市魅力の向上をめざし、これまで積み上げてきた取組みを充実・発展させてまいります。

 大阪が成長していく上では、第4次産業革命に対応したイノベーションの創出、中小企業の海外展開などが重要です。

 これまで、府市一体となって、金融・技術支援強化の観点から、大阪信用保証協会、大阪産業技術研究所の設立を実現させました。
さらに、今年の4月には、大阪産業局が発足いたします。世界に打って出たい企業、大阪で創業したい企業、後継者に悩む経営者の支援など、中小企業の成長を強力にサポートいたします。

 スーパーメガリージョンの西の核としてふさわしいエリアづくりを進めていきます。
 リニア中央新幹線、北陸新幹線、なにわ筋線が接続する新大阪駅は、日本、世界とのネットワークの結節点に位置し、その周辺地域は、きわめてポテンシャルの高いエリアです。
官民の知恵をふりしぼり、日本の成長を支える拠点へと発展させてまいります。

 世界に存在感を示す都市としての魅力を一層高めるための取組みを充実させます。
70年万博から50周年を迎える2020年に、日本万国博覧会記念公園に、太陽の塔の初代黄金の顔などを展示する施設を整備いたします。

 また、大阪が世界に誇る歴史遺産である「百舌鳥・古市古墳群」については、本年7月の世界遺産登録をめざすこととあわせて、国や地元3市とともに国内外に魅力を発信していきます。

 スポーツも大阪の都市魅力です。今年9月にはラグビーワールドカップが開催されます。東大阪市などと連携して、大会を成功に導きたいと思います。また、オリンピック・パラリンピックについては、聖火リレーに協力するとともに、小学校等へのオリンピック・パラリンピック経験者の派遣を通じて、機運醸成を図ります。

 こういった大阪の魅力を観光客の皆様が安心して楽しんでいただけるよう、様々なニーズやトラブル等に対応するトラベルサービスセンターを、大阪駅に加え、新たに新大阪駅に設置します。

 また、外国人に対して適切な医療を提供するために、医療通訳コールセンターやトラブルの相談窓口の設置、多言語医療情報サイトの充実など、医療体制を構築します。

 府民の皆様一人ひとりにも、おもてなしの力を発揮していただきたいと考えております。簡単な英語によるコミュニケーションを学べる講座の開催や多言語ボランティアの養成を行います。

 世界に誇れる環境にやさしい都市をめざします。
海洋プラスチックごみについては、世界的にも大きな課題となっております。府といたしましても、企業や府民の皆様とともに、プラスチックごみゼロに向けて、河川や海洋の汚染防止に率先して取り組み、国際社会に貢献していきます。

 次代を担う人づくりや多様な人材の活躍など、誰もが安心して暮らし、活躍できる環境を充実させていきます。

 グローバル人材を育成してまいります。
 府立高校生に、英語を話す力だけでなく、グローバルな視点や主体性を身に着けていただくため、海外の大学生との交流などの機会を提供するとともに、全学校で英語の授業改善の中心的な役割を担う教員を養成いたします。

 就学前の教育にも力を入れます。
 乳幼児期の段階での家庭の教育力向上に向けて、保護者等へ指導助言を行う人材の養成や家庭学習の啓発を行ってまいります。
府立学校の熱中症対策を充実させます。来年度から5年かけて、全府立学校の体育館に空調設備を整備し、教育環境の改善をいたします。

 先日、千葉県では、幼い子どもが虐待により亡くなりました。子どもの命を守るために、児童虐待防止に全力で取り組みます。虐待の疑いがあれば躊躇なく一時保護することをルール化するとともに、一時保護解除の判断を厳格化する体制を整備することなどにより、子どもの安全を最優先に対応してまいります。また、子ども家庭センターの相談体制や警察との情報共有基盤を強化していきます。

 障がいのある子どもの学びを支援します。府立支援学校の医療的ケアが必要な子どもに対して、車両や看護師を確保することで通学体制を整備し、子どもの学習機会の確保と保護者の負担軽減を図ります。

 外国人が活躍できる環境整備を進めてまいります。
新たな外国人材の受入にあたっては、相談窓口の整備や実態把握に向けた調査など、雇用面・生活環境面での課題解決にしっかり取り組んでまいります。

 障がい者をはじめとした就職困難者の雇用・就労支援をオール大阪で推進してまいります。
 就職後も長く安定して働き続けられるよう、ハートフル条例を改正し、就職困難者と事業主との間に立って支援する団体の認定などの環境整備を進めます。

 スマートフォンの普及に伴い、いわゆる自画撮りの被害が増加しています。青少年の安全・安心の確保に向け、取組みを充実させてまいります。警察や教育委員会等と連携しながらSNSに潜む危険性等に関する教育啓発や相談機能の充実強化を行うとともに、青少年健全育成条例を改正し、自画撮り画像の要求を禁止いたします。

 高齢者をターゲットとした特殊詐欺も増加しています。安全なまちづくり条例を改正し、府民、事業者等と一体となり、オール大阪で特殊詐欺の根絶を目指した取組みを推進します。

 犯罪被害にあわれた方々が安心して暮らせるよう、犯罪被害者等支援条例を制定し、支援を充実させてまいります。民間支援団体等と連携した総合支援体制を構築するとともに、新たに無料法律相談等を実施し、経済的負担の軽減を講じるなど、被害者に寄り添った支援を実施します。

 以上、平成31年度当初予算の主要な事業についてご説明いたしました。
 これらの予算を通じて、「成長」と「安全・安心」の良き循環による豊かな大阪の実現に向け、邁進してまいります。

(おわりに)
 これまで、府市が抱える課題を解決し、大阪を発展させるために全力で取り組んできました。
 その結果、私が目指してまいりました「成長」と「安全・安心」の良き循環の道筋がようやく見えてきたと思っています。
 ここで立ち止まらずに、万博やG20サミットなどのインパクトを最大限活用して、大阪を次の成長ステージに押し上げ、世界の課題解決に貢献する国際都市に飛躍させていかなければなりません。
 そのためには、大都市制度が不可欠です。

 あと2か月余りで終わる平成は、ベルリンの壁の崩壊、冷戦の終結とともに、幕を開けました。
 かつて、大阪府・大阪市の間にも、「見えない壁」がありました。
 今の大阪は、私と吉村市長の人間関係により、同じベクトルで、大阪の未来に向かっています。
 しかし、ひとたび、この人間関係が崩れてしまえば、再び、「見えない壁」がこの大阪の未来に影を差します。
 そのような過去の大阪に後戻りさせない。これが、有権者の負託を得た政治家の責務であります。
 将来にわたって、大阪の成長を確固たるものとし、住民の皆様に新たな大都市制度をお示しし、選択していただけますよう、あらゆる手段をつくす覚悟で、全力で取り組みます。

 府議会の皆様、そして府民の皆様におかれましては、私の意のあるところをお汲み取りいただき、今後の府政の推進に一層のご支援、ご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

このページの作成所属
政策企画部 企画室政策課 政策グループ

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