トータル・リハビリテーション(全人的リハビリテーション)について

更新日:令和3年3月4日

脊損ケア手帳 目次に移動します。

トータル・リハビリテーション(全人的リハビリテーション)について    脊損ケア手帳(平成19年3月31日発行)37ページ 

脊損者のためのリハビリテーションについて              社団法人大阪脊髄損傷者協会

残念で悲しいことですが、現状では、脊損のリハビリテーションは、基本的に失くした機能を回復させることではありません。

現在、世界中で最先端の知識と技術で研究が行われていて、将来的には脊髄損傷の治療についてほのかな希望が見えてきましたが、実用化にはまだ十数年はかかるとされています。

したがって、現状では、脊髄損傷の治療は不可能で、基本的には脊髄を損傷した時点で損傷した脊髄の機能回復も不可能とされています。

現在、脊損に行われている整形外科的手術は、損傷された脊椎を安定化させるものです。不全マヒの場合には脊髄への圧迫を取り除いて少しでも脊髄機能の回復を図りますが、共に脊髄の損傷部分の治療として行っているものではありません。

また、完全損傷と判断されたり、脊椎の損壊が激しい場合を除いては、保存療法を選び、整形外科的手術を行わずに薬剤を服用したり、コルセットなどで固定し、安静をとりながら状態の推移を見守ります。

1990年代に救命救急システムが整備されて、救急車による医療機関への搬入の短縮化や受傷者の姿勢の安定保持が適切に行われるようになり、また、早期治療ができるようになって、不完全損傷(不全マヒ)の方が多くなりました。これらの方については、機能回復や改善のために、早期からの短期間の厳しくつらい集中した、そしてその後の機能維持のための継続的リハビリテーションが必要になります。

しかし、大部分の脊損者にとってのリハビリの目的は、まず、「残された機能を使って、どれだけAdl(日常生活動作能力)を回復させるか」という点にあります。残された利用できる筋力を強化し、マヒした機能の代行手段を習得し、日常的な医療的自己管理の方法を身につけ、車いすや福祉機器の操作に習熟し、脊損者としての社会生活に必要なスキル(技法)を習得することが目標になります。

そして、回復できる、獲得できる能力を最短期間で実現するには、早期に集中した適切な訓練を受けることが必要です。

いつまでも病院やリハビリテーションセンターに居るわけには行きません。しばらくは抵抗があるかもしれませんが、脊損という障害があっても、普通の生活にこそ楽しみや生きがいが待っています。そのためにも、できるだけ早期にタイミングを失うことなく訓練を開始しなければなりません。

しかし、受傷後、傷病者になったこと、障害者になったことにとまどい、心が整理できないうちに始まる訓練は、とてもつらくて、苦しくて、理想的な成果を挙げられないものです。

また、動かない身体を動かそうとしたときに、どこをどうすればよいのか、その手がかりや糸口さえも感じられず、とらえようのない、方法がわからない状況に、途方にくれる思いをされることになると思います。

必要だからこそではありますが、押し付けのように強引に始まる前期訓練を乗越えれば、後は余裕を持った対処が可能になります。また、回復が見込まれる方にとってもこの時期の訓練が予後に大きく影響します。

ここはつらくても忍耐と努力です。訓練プログラムをこなすようにがんばってください。1〜3ヶ月後には訓練の効果を実感されると思います。

上に戻る

トータル・リハビリテーション 入院から退院後の社会生活まで

脊損者は、重い障害(後遺症)を持つことになりますが、脊損者としての障害への対処法を身につければ、また、自分自身の本質的な資質やこれまでに築いてきた能力、さらに将来的に獲得する知識や技術や処世の能力を活かすことで、健全者とそん色ない生活を築くことも、それ以上のことも可能になります。

その方法として、脊損者へのリハビリテーションは、医療的リハビリテーションにとどまらないトータル・リハビリテーション(全人的リハビリテーション)としての訓練プログラムがあります。

国内ではこれをシステムとして行なっていませんが、当事者グループの中には既に取り組んでいるところがあります。脊損ピアマネにご相談ください。

図9 トータル・リハビリテーションの流れと内容
この画像は、トータリリハビリテーションの流れと内容です。
上に戻る

脊損ケア手帳 目次に移動します。

このページの作成所属
福祉部 障がい福祉室地域生活支援課 地域生活推進グループ

ここまで本文です。


ホーム > 障がい福祉 各種刊行物 > トータル・リハビリテーション(全人的リハビリテーション)について