政務調査費(結果文1)

更新日:2015年10月28日

第1 監査の請求

1 請求人

 

2 請求書の提出

平成19年2月22日

   なお、次の事項について、平成19年3月1日付で請求書の補正を求めたところ、所要の補正が行われた。(同月26日に「4 監査請求書の補正」のとおり、補正書の提出があった。)

  監査請求されている大阪府の損害額について、違法不当である理由、根拠を明らかにすること。

 

3 請求の内容

本件の住民監査請求の内容は、次のとおりである。

『(1)大阪府議会議員は、各会派あてに議員一人あたり月額10万円を会派人数分、また、議員個人には一人月額49万円の政務調査費が交付されている。これは、東京都、大阪市(月額60万円)に次ぐ全国第3位の高額である。しかしながら、議員の活動内容は公開されるべきでないとの考えから、長年にわたりその使途については不問にされてきた。ようやく平成13年度に地方自治法が改正され、100条13項、14項に基づき各地方公共団体の条例で交付することが定められた。ところが、急速な条例づくりは全国議長会の準則まる写しが多く、使途基準など具体的な内容については、法・条例の目的とは矛盾し、議員にとって都合よく定めたものが多く、不備なものになっている。最近では東京都目黒区議会議員の政務調査費が報道されるなど、その実態が明らかになり、市民の批判の的となっている。

 (2)ところが、大阪府議会はこれら時代の要請にも耳を貸さず、旧態依然として全国3位の高額政務調査費の使途について出納簿の公開や領収書添付を義務づけるなどの条例改正を行わず使途詳細を明らかにしていない。これでは議員報酬93万円に加えて事実上第2報酬といわれて然るべきである。従って、府の裏金追及をはじめ行政のチェックや議員本分の責務を十分に果たせるとは言いがたい。政務調査費は、毎年全国市民オンブズマンが行っている「自治体の情報公開度ランキング」対象項目のひとつになっているが、大阪府はワースト8位(平成16年度)で、総合ランキングは37位(前年度29位)となっている。

かつて、情報公開の先進自治体を誇っていた大阪府は最高5位を占めたこともあることを考えると、その転落は急激なもので、地方公共団体の透明度を示すメルクマールとなっている。ちなみに、総合ランキングの上位は、鳥取県、宮城県、岩手県、山口県である。

(3)さて、自主的な条例改正や公開に期待できないことから、既出の判決などを参考に、府議会・議員の政務調査費について点検した結果、まず、議員らに議員の本分である「政務調査」の認識が極めて希薄であることと、「政務」を調査し自らの研究課題や行政テーマに取組む姿勢が見えにくいことを実感した。高額の政務調査費を全額消費するための辻褄合わせに工夫を凝らしているのではないかとさえ思われる。

    収支報告書の「主たる支出の内訳」欄の説明を検討した結果、そのほとんどが「通常の議員活動」の範疇にあたる支出か、または共通の活動であってもその割合を考慮して「按分」すべき内容がそのまま全額支出されている。会派と議員個人について違法判定額の一覧表を作成した。

「按分」については、議員活動との共有と考えて2分の1としたが、私的あるいは議員活動以外にも利用の可能性があるものは、4分の3の返還を求めた。また、報告書の説明から明らかに目的外のものは、全額を違法として返還請求した。共産党議員の調査研究費は、金額の多さも含め同額支出され「上納金」の疑問もあるが、2分の1を議員活動費と按分して返還を求めた。

    その結果は、別紙一覧表のとおりである。総合的な結果は、平成16年度約51.3%、平成17年度約51.1%が政務調査の目的外支出である。

(4)今回は、平成16年度、17年度の議員個人および会派の収支報告書を対象とした。

その結果、会派分については、平成16年度82,533,856円、17年度は82,002,929円を府の損害額として返還請求した。議員個人については、平成16年度344,285,997円、平成17年度は342,224,525円に上る。これらの金額は大阪府の損害である。

府の交付条例第11条は、議長にたいして「適正な運用を期すため、収支報告書が提出されたときは、必要に応じ調査を行うものとする」と定め、さらに知事は交付決定権(第7条)をもち、「残余額について返還を命ずることができる」(第12条)との権限をもっている。従って、提出された収支報告書について、議長および知事はその適否について責任がある。ところが、精査された形跡もなく是正も怠ったままになっている。

 (5)請求人らは、府監査委員にたいし、別紙一覧表の違法不当な支出の返還を求めるなど必要な措置を講ずる勧告をされるよう、地方自治法242条1項に基づき事実証明書を添付して監査請求する。

  なお、住民監査請求の要件である1年の制限については、多額の公金支出について、監査・検査も行われず是正を怠っていることから、期間徒過に正当な理由がある。

なお、本件の監査請求は監査委員4人のうち、議員選出の二人が当事者で除斥されるほか、代表監査委員は元府議会議員経験者のため当事者同等の関係であり4人中3人が欠格という異常な状況である。従って、本件は外部監査で監査されるよう合わせて請求する。

(6)事実証明書

ア 政務調査費収支報告書 平成16年度、平成17年度分(会派、個人分)

イ 府議会議員政務調査費支出内訳の違法不当支出リスト 平成16年度、17年度(会派および議員分)            』




4 監査請求書の補正

 平成19年3月26日に以下の内容の補正書が提出された。

『(1)会派の違法支出について

【平成16年度】        

ア 自由民主党    違法額      (内訳)       違法理由

(ア)会議費 (全額)1,756,089円 (幹事会・議員団総会等開催経費) 政務調査以外の目的外支出。

(イ)資料作成費 (全額)163,380円 (資料印刷代) 詳細不明で政務調査目的に反する。

(ウ)資料購入費 (全額)963,618円 (図書等購入経費、新聞・雑誌等購読料) 図書名不明、新聞雑誌購読料は目的外支出。

(エ)広報費 (全額)25,415,477円 (会派広報紙発行経費、会派広報委託費) 内容不明、府の使途基準にも合致せず違法。

(オ)事務費 (全額)6,461,610円 (事務機器(リースを含む)、消耗品・通信費等) 使途基準の調査研究に係る事務の遂行に必要な経費に合致せず違法。事務機器リース料は目的外。

(カ)人件費 (全額)4,961,079円 (会派雇用職員人件費(社会保険料等を含む)) 会派の常時固定雇用である。調査研究を補助する職員の雇用と定めた使途基準にも反する。

   *違法総額39,721,253円

 

イ 民主党・無所属ネット

(ア)会議費 (1/2)829,582円 (勉強会、団総開催費(昼食代含む)等) 勉強会の詳細不明。団総費用(食事代)は目的外支出。

(イ)資料作成費 (全額)1,441,069円 (知事要望、議会報告印刷代等) 政務調査の目的外支出で違法。通常議員活動経費。

(ウ)資料購入費 (全額)675,750円 (書籍購入代、新聞購読料等) 書籍名不明。新聞購読料は日常経費。目的外支出で違法。

(エ)広報費 (全額)10,646,000円 (会派ホームページ運営費、議会報告等送付代等) 使途基準にも反し、政務調査費の目的外支出。

(オ)事務費 (全額)3,915,018円 (消耗品、備品購入代、通信費(ファックス)等) 備品購入など日常経費で政務調査費に合致せず違法。

*違法総額17,507,419円

 

ウ 公明党      違法額       (内訳)      違法理由

(ア)会議費 (1/2)1,647,819円 (議員団総会開催経費、政調会勉強会開催経費等) 議員団総会費用は使途基準違反で目的外支出。

(イ)資料作成費 (全額)4,481,245円 (要望書、資料作成印刷代等) 詳細不明、要望書は使途基準に合致せず目的外支出。金額も社会通念上異常に多額。

(ウ)資料購入費 (全額)3,167,045円 (書籍等購入代、新聞、雑誌購入代等) 書籍名不明。新聞、雑誌購入代は調査研究に合致せず目的外支出。

(エ)広報費 (全額)2,044,050円 (ホームページ更新代、会派広報委託料等) ホームページ更新代、会派広報は使途基準に反し目的外支出。

(オ)事務費 (全額)8,736,470円 (消耗品・備品購入代、通信費代等)使途基準に反し、備品購入代など政務調査費に合致せず目的外支出。

(カ)人件費 (全額)3,870,000円 (説明なし) 詳細不明で全額違法。

   *違法総額23,946,629円

 

エ 主権おおさか

(ア)会議費 (全額)340,470円 (議員団総会開催費等) 議員団総会は使途基準違反。

(イ)資料作成費  (全額) 440,668円 (要望書・資料作成印刷代) 通常活動費使途基準違反。

(ウ)資料購入費 (全額)794,212円 (新聞購読料、書籍等購入代) 新聞購読料は目的外。

(エ)広報費 (全額)210,000円 (報告書等印刷) 詳細不明、政務調査費の目的外支出。

(オ)事務費 (全額)2,148,511円 (事務機器リース代、備品・消耗品購入費) 政務調査費の目的外支出、府規程の使途基準違反。

   *違法総額3,933,861円

 

オ 日本共産党

(ア)会議費 (全額)24,672円 (府民団体との懇談会) 懇談会は政務調査の目的外。使途基準にも反し違法。

(イ)資料作成費 (全額)1,208,895円 (コピー印刷費、府政資料製本代) 目的外支出。

(ウ)資料購入費 (全額)1,274,047円 (新聞、「大阪府例規集」「地方自治関係実例判例集」「六法全書」など) 新聞は調査研究費外。通常の議員活動に必要な範疇の資料購入。

(エ)広報費 (全額)6,202,590円 (府政資料、府会報告ビラ作成、インターネット管理費など) 「府政資料」は、資料作成費と重複。詳細不明。府会報告は、使途基準の政策等の広報活動に合致しない。

(オ)事務費 (全額)1,917,672円 (パソコン保守契約料、文具費、ファクス電話代、ファクスリース代など) 政務調査の事務に合致せず違法。 

(カ)人件費 (全額)23,255,801円 (事務局員給料、通勤定期代、社会保険料など) 通常の固定雇用。政務調査費の目的外で違法。

   *違法総額が33,883,677円となり、政務調査費総交付額を超えるため、返還請求額は交付額全額の10,800,000円となる。

 

カ 社会民主党    違法額      (内訳)      違法理由説明

(ア)資料購入費 (全額)361,511円 (新聞・書籍等購入費) 書籍名不明。新聞購入費は目的外支出。

(イ)広報費 (全額)484,200円 (ホームページ作成費)使途基準に合致せず、通常の議員活動費で目的外。

(ウ)事務費 (全額)715,063円 (事務用品、通信費等)詳細不明。通常経費。

   *違法総額1,560,774円

 

キ 富田林市民クラブ

(ア)広報費 (全額)449,100円 (ホームページ作成料) 使途基準に反し違法。

(イ)事務費 (全額)435,399円 (事務用品費、通信費等) 日常経費で目的外支出。

   *違法総額884,499円

 

 

ク 無所属府民クラブ

(ア)会議費 (全額)288,000円 (議員団総会開催費等)  使途基準に反し違法。

(イ)事務費 (全額)146,286円 (事務機器リース代、消耗品購入費)リース代等目的外支出。

   *違法総額434,286円

 

ケ さわやか大阪

(ア)広報費 (全額)5,250円 (ホームページサーバー利用料) 目的外支出。

(イ)事務費 (全額)37,093円 (事務用具等) 通常経費で目的外支出。

   *違法総額42,343円

 

コ 中央区民クラブ

(ア)事務費 (全額)169,158円 (事務用具等) 通常経費、政務調査費目的外支出。

   *違法総額100,000円

 

サ 摂津市民クラブ

(ア)資料購入費 (全額)50,000円 (新聞・雑誌購読)   目的外支出。

(イ)事務費 (全額)93,093円 (電話料金、デジタルカメラ)目的外支出。

(ウ)人件費 (全額)240,000円 (事務員給料) 調査研究補助の雇用か詳細不明。

   *違法総額383,093円 政務調査費総交付額を超えるため、返還請求額は300,000円

 

平成16年度会派違法支出総額は、

    自由民主党 39,721,253円

    民主党・無所属ネット 17,507,419円

    公明党  23,946,629円

    主権おおさか  3,933,861円

    日本共産党  10,800,000円

    社会民主党  1,560,774円

    富田林市民クラブ 884,499円

    無所属府民クラブ 434,286円            総合計:98,788,721円

 

【平成17年度】収支報告書の記載より

ア 自由民主党

(ア)会議費 (全額)989,085円 (幹事会・議員団総会等開催経費) 目的外支出で違法。

(イ)資料購入費 (全額)902,670円 (図書等購入経費、新聞・雑誌等購読料) 図書名不明。新聞・雑誌の定期購読は政務調査費目的外。

(ウ)広報費 (全額)26,540,934円 (会派広報紙発行経費、会派広報委託費) 政務調査以外の一般議員活動経費。使途基準にも反する。

(エ)事務費 (全額)4,764,813円 (事務機器(リースを含む)、消耗品・通信費等) リース代は目的外、消耗品・通信費の詳細不明。

(オ)人件費(全額)5,350,070円 (会派雇用職員人件費) 固定雇用の人件費は目的外。

   *違法額38,547,572円

 

イ 民主党・無所属ネット

(ア)会議費 (1/2)811,174円 (勉強会、団総開催費(昼食代含む)等) 目的外支出。

(イ)資料作成費 (全額)1,384,106円 (議会報告印刷代等) 議会活動費で目的外支出。

(ウ)資料購入費 (全額)509,286円 (書籍購入代、新聞購読料等) 書籍名不明、新聞購読料は通常経費。

(エ)広報費 (全額)10,791,819円 (会派ホームページ運営費、議会報告等送付代)ホームページ運営は政務調査費に合致せず、金額的にも疑問。議会報告送付代は目的外支出。

(オ)事務費 (全額)4,209,075円 (消耗品、備品購入代、通信費(ファクス)等) 詳細不明。通常経費で目的外支出。

   *違法額17,705,460円

 

ウ 公明党

(ア)会議費 (1/2)2,499,813円 (議員団総会開催経費、政調会勉強会開催経費等) 政務調査勉強会以外は目的外支出。

   (イ)資料作成費 (全額)2,976,855円 (要望書、資料作成印刷代等) 詳細不明。要望書は政務調査費に合致せず目的外支出。

   (ウ)資料購入費(全額)1,720,011円 (書籍等購入代、新聞、雑誌購入代等) 書籍名不明。新聞、雑誌購入代は目的外支出。

   (エ)広報費(全額)9,163,530円(ホームページ更新代、会派広報委託料等)目的外支出。金額的にも疑問。

  (オ)事務所費(全額)463,900円(事務所修繕費)政務調査に無関係。目的外支出。

(カ)事務費(全額)6,547,486円(消耗品・備品購入代、通信費代等)詳細不明。備品購入代は目的外支出。

   *違法額23,371,595円

 

エ 主権おおさか

(ア)会議費 (全額)414,227円 (議員団総会開催費等) 政務調査と無関係。目的外支出。

(イ)資料作成費 (全額)402,349円 (要望書、資料作成印刷代) 作成資料の詳細不明。

                          要望書は政務調査費の目的外。

(ウ)資料購入費 (全額)940,635円 (新聞購読料、書籍等購入代) 書籍名不明、新聞購読料は目的外支出で違法。

(エ)広報費 (全額)475,200円 (ホームページ制作費) 政務調査と無関係。目的外支出。

(オ)事務費 (全額)1,948,974円 (事務機器リース代、備品・消耗品購入費) 通常議員活動費。事務機器リース代は目的外支出。

   *違法総額4,181,385円

 

オ 日本共産党

(ア)会議費 (全額)25,840円 (府民団体との懇談会) 懇談会は政務調査費の目的外。

(イ)資料作成費 (全額)1,143,300円 (コピー印刷費、製本代) 詳細不明。

(ウ)資料購入費 (全額)1,211,340円 (新聞、「大阪府例規集」「地方自治関係実例判                           例集」「逐条地方自治法」など) 例規、判例、法律書などは通常議員活動の必読書。政務調査費と合致せず。

(エ)広報費 (全額)6,292,735円 (「府政資料」「府会報告」ビラ作成、インターネット管理費など) 領収書不明であるが、一般の議員活動の範疇。インターネット管理費は目的外。金額からも疑問。

(オ)事務費 (全額)1,802,284円 (パソコンサーバー保守契約料、文具費、ファクス電

      話代、ファクスリース代など) 政務調査費に合致しない。目的外。

(カ)人件費 (全額)23,647,036円 (事務局員給料、通勤定期代、社会保険料など) 会派の固定した雇用人件費。政務調査の目的外で違法。

    *違法総額10,800,000円

 

カ 社会民主党

(ア)資料購入費 (全額)502,388円 (新聞・書籍等購入費) 書籍名不明。新聞購入費は目的外支出で違法。

(イ)広報費 (全額)487,200円 (ホームページ作成費) 政務調査目的外支出。

(ウ)事務費 (全額)954,703円 (事務用品、通信費等) 詳細不明。通常活動経費で目的外。

   *違法額1,944,291円

 

キ 富田林市民クラブ

(ア)資料購入費(全額)238,827円 (書籍購入代、新聞購読料) 書籍名不明。新聞購読料は通常経費で目的以外支出。

(イ)広報費 (全額)210,000円 (ホームページ作成料) 政務調査の目的外支出で違法。

(ウ)事務費 (全額)285,828円 (事務用品、通信費等) 日常活動経費。

   *違法額734,655円

 

   平成17年度会派違法支出総額は、

    自由民主党 38,547,572円

    民主党・無所属ネット 17,705,460円

    公明党 23,371,595円

    主権おおさか 4,181,385円

    日本共産党10,800,000円

    社会民主党1,944,291円

富田林市民クラブ 734,655円       総合計:97,284,958円

 

* 返還請求額を修正します。

    平成16年度会派返還請求額98,788,721円

    平成17年度会派返還請求額97,284,958円     合計:196,073,679円

  * 違法、目的外支出の判断根拠は、地方自治法100条、府政務調査費交付条例、規程。

    支出の説明が「政務調査」の使途に合致していないものを目的外で違法と判断。

100条が求める「立法事務」に関する検査・調査か。政策・立案についての調査・研究に支出されているか。府規程の使途基準に合致しているかについて、各会派のホームページなどを検討。

     第1に、事務所費、人件費の固定支出は政務調査費の目的に合致したものでないから、全額違法である。会派が日常的に雇用している人件費である。

広報費は、通常議員活動か、後援会活動、政党活動の報告であり、政務調査費による報告は見られない。インターネット管理費などは明白に目的外支出である。

     事務費の、備品購入費や機器のリース代、通信費、パソコンの保守契約料、電話代、デジタルカメラ購入費などへの政務調査費支出はもってのほかである。

     資料購入代についても、政務調査のための資料や書籍を特定すべき。日常の議員活動に必要な書籍、法令集などは政務調査費の目的外である。

 

      その他、平成18年10月20日の青森地裁判決、平成19年2月9日札幌高裁判決なども参考にした。また、日本共産党のしんぶん赤旗や民主新報の府議団の声明などからも政務調査費の目的外支出が証明される。3月11日付朝日新聞でも、議員提案条例について自治体の濃淡が報じられている。府議会・議員は、「政務調査」を議員活動である「行政事務」への調査研究と捉えている向きが強く、政務調査費が求める「政策立案」のための調査研究にまでは及ばず、議員の力量を高め議会を活性化するための支出となっていない。

     政務調査費交付条例制定にあたって、「政務調査費については、情報公開を促進し、その使途の透明性を確保することも重要であるとされていることから、・・・透明性確保に十分意を用いること」との行政通知が平成12年5月31日付けで出されている。

      しかるに、全国一高額に次ぐ大阪府議会・議員は、その使途詳細や内訳を記載せず、領収書等も公開していない。詳細を記載していないことがまず、違法である。

* 府条例第11条により、政務調査費の適正な運用について議長が調査すべきところ、これを怠っている。

* 知事に交付権および返還請求権があるから、監査委員は知事にたいして、損害賠償請求権あるいは不当利得返還請求権を行使して、府の損害を回復するなど、必要な措置を講ずるよう勧告することを求める。     

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監査委員事務局 監査委員事務局総務課 企画グループ

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