人権学習シリーズ わたしを生きる 自分のセクシュアリティを考えよう/4.わたしはゲイじゃない

更新日:2016年2月12日

 

「自分のセクシュアリティを考えよう」(めやす90分)

4.わたしはゲイじゃない

 

詳細な手順

ポイント

(30分)
ロールプレイ8分、グループで感想の共有8分、全体で感想の共有8分、コメント6分

•人数調整のためにファシリテーターが参加することはしない。

グループ分けをして、ロールプレイを実施する

★これからグループを作ってもらいます。3人もしくは4人でグループになってください。

●グループになって座ったら、ワークシート3を1人1枚配付する。

★それでは、ワークシートを読んで各グループ内で役を確認してください。役が決まったら、ロールプレイを始めてください。
わたしがAさんの役をやります。わたしのセリフが終わったら、Bさん、Cさんとセリフを続けて言って、Dさんは自分の思いでセリフを言ってください。

●ファシリテーターがAさんのセリフを読む。

* 全部3人グループの場合は3回、4人グループがある場合は4回ロールプレイを繰り返す。

グループで感想を共有する

★各グループで感想を話し合ってください。
Bさん、Cさんは、なぜ「ゲイじゃない。」と言ったのでしょう。Dさんの立場に立ったとき、なにを感じましたか。それぞれの気持ちや、発言が生んだ結果を話し合ってください。後で発表してもらいます。

全体で感想を共有する

★各グループで話し合った内容を出してください。

発表内容にコメントする

●「カミングアウト」「アウティング」と板書する。

★まず、今のワークに関連する言葉として、「カミングアウト」と「アウティング」について、説明します。カミングアウトとは、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の活動の中で生まれた言葉で、同性愛者が自分の性指向を言えずにいる状態を押入れ(クローゼット)にいる状態と見なして、そこから出てくること、すなわち、自分の性指向を表明することを「coming out of the closet」と言い、これを短縮して、カミングアウトと言うようになりました。
また、セクシュアル・マイノリティの場合、カミングアウトには2段階あると言われています。1つ目は、自分に対するカミングアウト。すなわち、自分のセクシュアリティを自分で認めることで、これは多くのセクシュアル・マイノリティにとって、困難をともなうことなのです。
2つ目のカミングアウトが、他者に対するカミングアウトで、この場合、全方位的に一気にカミングアウトする場合はまれです。友人にはカミングアウトしたけれど、会社にはしていないとか、姉妹・兄弟にはカミングアウトしたけれど、親にはまだしていないというケースは多くあります。

カミングアウトが自分が自分の意思で行うのに対し、アウティングは、他者が本人の意向とは関係なく行うものです。
先のロールプレイの例で言えば、Aさんがやったのがアウティングです。Bさん、Cさんは、自分のセクシュアリティを、否定形ではありますが、表明しました。これはカミングアウトです。BさんもCさんも、自分のセクシュアリティを言っただけですが、結果として、Dさんに圧力がかかったのではないかと、わたしは想像します。もし、Dさんが、「わたしはゲイです。」と言ったとした場合、それはカミングアウトではあるのですが、自由意志によるものではなく、AさんのアウティングやBさん・Cさんのカミングアウトにより圧力を受け、強制されたカミングアウトになると、わたしは思います。

 

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このページの作成所属
府民文化部 人権局人権企画課 教育・啓発グループ

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