人権学習シリーズ わたしを生きる 発刊にあたって、冊子の構成と使い方

更新日:2016年2月16日

発刊にあたって

 人権学習シリーズvol.8「わたしを生きる―アイデンティティと尊厳―」では、「自分」、「人間関係」、「尊厳」という3つの人権概念を取り上げ、わたしたちの身近なところから人権問題を考えていきます。
 自分のルーツや身体、社会的立場なども含め、自分自身を認め、自分自身のアイデンティティ(これを欠いては自分ではないと思う属性や特性)を肯定的に受け止めることができることにより、自分を大切に思うことができます(人権概念「自分」)。また、他者との関係の中で、自分のアイデンティティを伝えることができ、かつ、それが共感的理解のもと適切に受け入れられたとき、安定した自尊感情と良好な人間関係が育まれます。逆に、人権に関わる事柄が社会では理解されず、なかなか受け入れられなかったり、時には差別や排除になったりすると、人権侵害につながります(人権概念「人間関係」)。このように、自分が大切にしていることを公表し、それが適切に受け止められるという、お互いの間にある違いを認めあえる関係作りの過程こそが、人権尊重の社会づくりの基礎となります。そしてそれは、人間を個人として尊重することにつながります(人権概念「尊厳」)。
 この3つの概念を考えるテーマとして、「カミングアウト」(公にしていない自分のルーツや身体のこと、社会的立場などを公にすること)を切り口としながら、自分自身のアイデンティティを考え、それを他者に伝えることの意味を考えます。そして、他者からカミングアウトされたときに、それをきちんと受け止め、自分の問題として関われる力を育むことを目標としています。

 自分の社会的背景を気にせず、ありのままに自分のことを誰かに語ることができる。
 伝えられた側は、それを適切に受け止めることができ、そこから新たな関係が育める。
 本書が、そんな社会づくりの一助になることを願っています。

冊子の構成と使い方

◆構成◆
 プログラムの時間はすべて90分で、導入からまとめまでを入れた構成となっています。プログラム「関係性の中に生きるわたし」は、アイデンティティを他者や社会との関わりの中から考え、どのようなアイデンティティも尊重されるにはどうしたらよいかを考えます。各個別人権課題から考えるものとして「自分のセクシュアリティを考えよう」では性的マイノリティの問題を、「名まえ、それぞれの選択」では在日外国人問題を、「告げることから」では同和問題から考える内容となっています。
 また、人権概念を考える切り口として、「アイデンティティ」「カミングアウト」についての論文を掲載し、プログラムを進める上での基礎知識を学べるようにしています。


◆プログラムの表記◆
[時間]
そのアクティビティの所要時間と、1つのアクティビティの中での活動ごとの所要時間、アクティビティの積算時間が書かれています。
[ねらい]なぜそのプログラムを提供し、なにを考えてもらうかが書かれています。
[キーワード]そのプログラムで学んでほしい内容が簡潔に書かれています。
[準備物]そのプログラムを実施する上で必要なものを示しています。
[プログラムの流れ]プログラムを構成するアクティビティ名とその概要と所要時間を紹介し、90分のプログラムの流れをつかんでいただきます。
[詳細な手順]「★」は、ファシリテーターの話す内容を、「●」は、ファシリテーターの動きが書かれています。
[ポイント]アクティビティを進める上での補足説明、会場の形や板書の例、予測される参加者の反応とそこへの対応、ファシリテーターへの助言などが書かれていますので参考にしてください。
[ワークシート、資料]参加者に配るワークシート、資料などをこのままコピーして使ってもらえるように掲載しています。

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このページの作成所属
府民文化部 人権局人権企画課 教育・啓発グループ

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