不動産取引における土地調査問題研究会報告書

更新日:平成22年5月19日

(2) 今後の方向性について

業界における人権意識向上に向けた自主的な取り組み

□業界団体の自主規制の確立

 今後、「土地差別調査をしない、させない」をキーワードに、三業界がともに協力・連携しあいながら、主体的に取り組んでいくことが重要である。

 リサーチ業界や広告業界においては、「土地差別調査」問題に対する取組姿勢を示した自主規制の制定が求められる。その際の参考となる考え方を以下に示す。
 また、不動産業界においては既に自主基準を策定しているが、今後は「土地差別調査をしない、させない」という考えを明記し、リサーチ業界や広告業界に対してもきちんと示していくべきであり、三業界における守るべきルールとして共通認識を持っておくことが重要である。


【考え方の指針】

部落差別につながる調査・報告はしない
≪自社調査≫
a.今後の情報について
・今後、部落差別につながる調査はしない。
・部落差別につながる調査とは、調査報告書を作成している者が、調査の結果、当該地域がいわゆる同和地区であると判断し、その情報を調査報告書またはそれ以外の方法で他者に報告することである。

b.現在保有する情報について
・現在保有している地域情報の全てについて、特定地域を差別的に表現している箇所がないかどうかを確認する。
・疑われる箇所があれば、作成意図をその作成者に確認する。
・確認の結果、当該表記がいわゆる同和地区のことを表現していると考えられる場合は、行政、業界団体に連絡し、そこに至った経緯・背景等を明らかにする。
なお、当該情報の消去等の処分を行うに当たっては、行政との協議を踏まえる。
・不明な点等については、業界団体を通じ行政に相談する。

部落差別につながる調査・報告をさせない
≪他社調査(報告書が他社から提供された場合)≫
a.今後の情報について
・取引先から提供された報告書について、特定地域を差別的に表現している箇所がないかどうかを確認する。
・疑われる箇所があれば、作成意図を取引先に確認する。
・確認の結果、当該表記がいわゆる同和地区のことを表現していると考えられる場合は、取引先に指摘し、改善を促すとともに、行政、業界団体(作成側、受取側)に連絡し、そこに至った経緯・背景等を明らかにする。
 なお、当該情報の消去等の処分を行うに当たっては行政との協議を踏まえる。
・不明な点等については、業界団体を通じ行政に相談する。

b.現在保有する情報について
・現在保有している地域情報の全てについて、特定地域を差別的に表現している箇所がないかどうかを確認する。
・疑われる箇所があれば、作成意図を取引先に確認する。
・確認の結果、当該表記がいわゆる同和地区のことを表現していると考えられる場合は、取引先に指摘するとともに、行政、業界団体に連絡し、そこに至った経緯・背景等を明らかにする。
 なお、当該情報の消去等の処分を行うに当たっては行政との協議を踏まえる。
・不明な点等については、業界団体を通じ行政に相談する。

【未加盟事業者への対応】

 業界全体が「土地差別調査」問題に毅然と取り組んでいくためには、業界団体に加盟していない事業所についても、上記の考え方を遵守させる必要がある。
 リサーチ業界や広告業界においても、業界団体に未加盟の事業所は一定存在するため、必要な対応が求められる。
 まずは、未加盟事業者のグループ化を図る必要があるが、そのためには、これらの事業所を束ね、中心となって動いてくれる事業者の存在が不可欠である。行政としては、その事業者への協力要請を行うとともに、グループ化された事業者集団に対して、行政や業界団体などが行う人権研修への参加を促したり、情報提供をするなどして、「土地差別調査をしない、させない」取組みに参画できるような条件整備に努めるべきである。
 なお、業界団体に加盟していない宅地建物取引業者については、大阪府が主体となった人権研修を実施することにより、宅地建物取引業人権推進指導員の養成に努めていくこととしている。(2008(平成20)年3月「同和問題解決にむけた土地差別問題研究会報告書」より)

 □事業者における人権啓発推進体制の整備と人権研修の推進

「土地差別調査をしない、させない」取り組みを進める上で重要なことは、人づくりと人権啓発推進体制の整備を進めることである。

  不動産業界における「宅地建物取引業人権推進指導員制度」は、大阪府の独自の制度であり、大阪府知事免許を有するすべての宅地建物取引業者(約13,300者)に設置することとしてスタートした。今後、この目標が着実に達成できるよう、業界団体や市町村との連携・連絡を密にし、計画的な推進に努める必要がある。(2008(平成20)年3月「同和問題解決にむけた土地差別問題研究会報告書」より)

 また、リサーチ業界や広告業界においては指導員制度がないが、「土地差別調査」問題を契機に、まずは社内における人権啓発推進責任者の養成、設置など人材育成が急務の課題であり、そのためにも人権研修は大きな意義を持つ。
 しかしながら、中小零細事業者によっては、人権研修の重要性は認識しつつも、業務との関係から実施が困難なところも多いものと考えられ、これを支援するため、業界団体自らが人権研修を企画・立案、実施し、受講を促していく必要がある。

 また、リサーチ業界、広告業界の業界団体である(社)日本マーケティングリサーチ協会、(社)日本広告業協会については、ともに全国組織の団体であるため、その手法については、今後検討していく必要がある。
 なお、業界団体が人権研修を実施する際には、行政や幅広い人権問題に関する研修を行っている人権啓発団体(大阪同和・人権問題企業連絡会、大阪企業人権協議会、財団法人大阪府人権協会)などの関係機関と連携・協力しあいながら進めていくことが、効果的かつ効率的である。

【イメージ図】
□人権啓発の推進体制
人権啓発総括責任者(代表取締役社長)−人権啓発推進責任者−人権啓発推進員(各社員)
日々の業務の中で人権に対する「気づき」を育成し、相互にチェックできるような体制

このページの作成所属
府民文化部 人権局人権擁護課 人権・同和企画グループ

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