不動産取引における土地調査問題研究会報告書

更新日:平成22年5月19日

校区差別問題について
 校区差別の問題については、アンケート・ヒアリング調査を通じて以下の実態把握に努めた。既に校区差別問題については、2008年3月の「同和問題解決に向けた土地差別問題研究会」報告書において取組みの方向性が示されているが、今般の調査結果も踏まえ、検討を進める必要がある。
  マンションではファミリー層を対象にすることが多いことから、小中学校の情報は一定必要であるということがわかった。これは、子どもを評判のいい学校に入れたいという親心が反映している。一方、いわゆる同和地区を含む校区の学校はファミリー層から敬遠される傾向があり、マンション開発に影響が出ることもありうる。学校の情報はなんら検証されることなく、差別的に利用されていることは問題である。

【アンケート結果】
−「学校区などの学習環境が重要である」を回答−
◆リサーチ会社:11社/25社(44%)
◆広告会社:26社/43社(60%)
◆不動産会社
周辺の小中学校の配置状況:32社/44社(73%)
校区の小中学校の評判:10社/52社(19%)
【ヒアリング結果】
□必要な情報か
◆リサーチ会社
・親が子どもを転校させたくないという理由で、校区の表示は必要。
・評価については詳しくないので、根拠もなく低いとかは言えない。
◆広告会社
・ファミリー層は学校を変わりたくないと思っているので学校名は必ず載せる。評価することはない。
・高額物件であるマンションを買える高収入者は人気のある校区かどうかを知りたがる。
・人気校区や教育レベルが高い低いなどについては関心が高い。
・学校の評価が悪いと言う情報は不要。求めているのは進学のための良し悪し。同和地区を校区に含む学校でも多様な生徒がいる。公立トップ校に行く中学校であれば報告は必要。
◆不動産会社
・校区情報は重要であり、ファミリー向けマンションであれば、親が子どもを転校させたくないため、学校区を気にするお客が多く、聞かれることがよくある。
□評価
◆リサーチ会社
・同和地区の学校区は人気がない、評判が良くない、荒れている、ファミリー層が嫌がる。
・所得階層と学力には強い相関関係がある。格差の問題がある。国の統計調査等を活用すれば、地域の所得水準がわかる。同和地区は貧しいと認識している。
・学習塾が多い地域は学力が高いと判断する。
◆広告会社
・学校を建て替えれば、人気が出るケースもある。
・評価が低いというのは、校内暴力など荒れていると思っていた。
◆不動産会社
・小中学校が良い悪いは企業では決められない。表示は学校名と距離だけ。
・小中学校では毎年生徒が入れ替わり、評判も変わるので、評判には関心がない。
□情報の検証
◆リサーチ会社
・ヒアリング結果を報告しているだけで、検証はしていない。
・予算や人員の関係で、情報の検証はできていない。
□高校の情報
◆リサーチ会社
・高校の場合は、インターネットで学区を調べる。
◆広告会社
・高校は自由に選択できるので、記載する必要はない。不要である。
◆不動産会社
・高校は自由に選択できるので、よほどの有名校でない限り記載することはない。
□情報の入手先
◆リサーチ会社
・学校区については、地域住民や知り合いに聞いて調べる。
・学習塾に進学率が高いとか人気の学校を聴くことがある。塾業界は成長産業であり、お金持ちの多い地域に学習塾ができるそうだ。
◆広告会社
・学校の評判を親が気にしており、近所の人(父や兄など)に聴く。
・学校の評判などは現場の販売担当者と来場客との間で情報がやりとりされる。
・地域や学校の評判は、周辺住民へのアンケート調査でわかる。学習塾でも教えてもらえる。
◆不動産会社
・学校の評判は、地域の人や不動産屋、タバコ屋等に聴くことがある。
□影響
◆リサーチ会社
・学校のレベルがマンションの売行きには関係しない。
・学力調査結果の低い地域でのマンション開発は難しい。
・同和地区を含む校区でも、大規模マンションを開発すれば将来、小中学校の学力は良くなる。
◆広告会社
・人気のない校区にはファミリーは呼び込めないので、単身者向けマンションを提案する。
・同和地区の校区だと、ファミリー層のキャンセルが多いと聞いた。

このページの作成所属
府民文化部 人権局人権擁護課 人権・同和企画グループ

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