不動産取引における土地調査問題研究会

更新日:平成22年4月20日

差別につながる調査・報告を無くすための方策

   差別につながる調査報告をなくすためには、どのような手法を取ることが効果的なのか、リサーチ会社、広告会社ともに割合が高かったのは、一般市民の意識改革や業界内部の自主規制であった。市民の忌避意識が依然として根強く、このような調査を行わせる要因の一つとなっていることを伺わせる。また、そのような市民ニーズに安易に同調するのではなく、業界自ら襟を正していく必要性から業界内部における自主規制を望む意見も多く見られた。そして、業界による取組みと行政による啓発の強化とがあいまって、さらに効果的な取組みにつなげられるとの意向が伺える。なお、行政による法令規制も、一定のニーズがあった。

【アンケート結果】※重複回答有
−差別につながる調査・報告をなくすにはどうすればよいと思うか。−
◆リサーチ会社(対象91社)
業界内部での自主規制:51社(56%)
一般市民の意識改革:43社(47%)
行政による啓発の強化:34社(37%)
法令による規制:22社(24%)、
わからない:13社(14%)
その他:8社(9%)
◆広告会社(対象102社)
一般市民の意識改革:63社(62%)
行政による啓発の強化:50社(49%)
業界内部での自主規制:49社(48%)
法令による規制:21社(21%)
わからない:7社(7%)
その他:6社(6%)
【解説】
○それぞれの項目について、「当該調査を行っている企業」、「差別的な表現があった企業」、「当該調査を行っていない企業」の3つに分けて割合を見たが、それほど顕著な差は見られなかった。
【ヒアリング結果】
◆リサーチ会社
自主規制
・自主的に業界内でルール・基準を作ればよい。
・法的に規制しても新たな隠語ができてしまう。部落差別は根本的にはなくならない。業界での自主規制を強めるほうがよい。
・表現の判断が難しく、グレーゾーンがありはっきりしないので、表現の指針、ルールが必要。
啓発
・行政の頑張りもあって、同和地区を問い合わせたり、答えたりすることが非常に恥であると感じるようになった。
・川上のデベロッパーを啓発しないと川下のリサーチ会社がかわいそう。
・改善するにはクライアントの指摘が一番効果的。
法規制
・差別の実態を止めることは可能だが、意識をなくすことは難しい。法律の罰則があって犯罪がなくならないのと同様に、差別禁止法などを作っても差別をなくすことはできない。
その他
・同和地区がらみで売ろうとすれば、インフラが決め手。同和地区の影響をなくすにはインフラが大事。同和地区でも大成功した物件もある。
・同和地区のことを書かないようにしても、クライアントから電話で聴いてくる。意識はなくならない。研修をしたら、逆に意識させてしまう。差別は一生なくならない。
◆広告会社
一般市民の意識改革
・最終は消費者の意識を変えないとどうしようもない。
自主規制
・自主規制、啓蒙啓発、企業の姿勢が一番である。
・自主規制などは業界団体に任せたい。
・グレー表現はやめて根拠を記述するなど自主基準を作ろうと調査会社とやりとりしている。
法令による規制
・それぞれの会社に注意しても統一できない。宅建業法などの法律で規制すべき。
・デベロッパーに対する規制をするべき。
その他
・差別意識が薄まるようなまちづくりが良いのではないか。
・最終はデベロッパーの判断である。古い体質の会社が多い。
・土地は風土であり歴史である。大規模マンションに地元以外の人が流入すれば記憶が薄れる。
・若い人は同和地区のことを気にしない。今回の件で、逆に気にするように仕向けられている。広告戦略を狂わすことになる。
・同和問題の認識は全然ない。寝た子を起こすなというふうに感じる。地区の人も固まっていないほうがよい。
・同和問題はみんな意識していないので、自然と忘れ、馴染んでいくことがいい。
・関西と関東では同和問題とぶつかる確率、度合いが違う。
・同和問題は歴史的な経緯が違う。東京では開発で同化している。関西もそうすべき。
◆不動産会社
自主規制
・自主規制では、実効性のある対策は困難だと思う。土地の評価は地域評価・分析なしにはできない。
・どこまでの表現が許されるのか、何をもって問題表現とするのか難しい。前後の文脈で差別なのか単なる事実なのかを単語だけで判断するのは難しい。基準があいまい。
啓発
・同和地区について、購買者から聞かれて答えなくても、購買者が後から知ったときは、我々
 は手が付けられない。府民の意識を啓発していくしかない。
その他
・同和問題を知らない人に伝えることが本当にいいのか。どうしてわざわざ教えるのか。逆に差別意識を芽生えさせるのではないか。
・一等地しかマンションを建てないので、差別問題は起こらない。

このページの作成所属
府民文化部 人権局人権擁護課 人権・同和企画グループ

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