不動産取引における土地調査問題研究会

更新日:平成22年4月20日

3 マンション建設に係る土地調査報告書について

 ヒアリング調査などから入手した土地調査報告書を参考に、土地調査報告書の内容、構成などの標準的なパターンをまとめたものを以下に示すとともに、差別につながる表現がどのように入りこんでいたのか、その実態を明らかにする。

(1) 土地調査報告書の目的

 土地調査報告書は、マンション建設事業化に向けた検討材料を提供し、かつ、具体的な販売戦略を提案するものであり、企業の営業活動の一環として作成されている。

(2) 土地調査報告書の内容
 報告書の構成は、大きく「マーケティング」分野と「プロポーザル」分野に区分。
□マーケティング
ア 周辺地の物件情報
○物件建設予定地の所在する市のマンション供給状況
・物件所在市のマンション市場の動向をマクロ的に分析。
・供給戸数、平均面積、平均価格、坪単価を5年くらいの推移で調査。
・さらに、主要駅ごとに駅周辺の既存マンションの建設動向を調査。
○建設予定地周辺の既存マンションの販売状況
・近隣既存マンションについて個々に供給戸数、平均価格、平均面積、坪単価を調査するとともに、残戸数や販売から何月経過している
なども調査。
・さらに、報告書の中には、既存マンションの立地特性、評価点、人気傾向、集客動向なども分析している。
(参考)
既販売物件の評価基準→交通の利便性、商業施設の多寡、価格の高低、事業主の信頼性、学校区の人気

 近隣既存物件の販売状況の分析は、価格、面積のデータに加え、評価できる点(長所)
と、懸念される点(短所)、また、購入者の前住地や職業、年収などの動向も分析しながら、建設予定マンションの具体的な販売イメージを作り上げる重要な基礎資料となっている。

○建設予定周辺の発売予定物件の動向
・今後の販売予定物件についても事業主、戸数、間取り、発売予定日、坪単価、最多価格帯などを調査。

 建設予定周辺で、今後発売される予定の物件を調査し、競合対象となる物件を明らかにしている。当該物件の価格、間取りを考える上での参考資料となっている

イ 計画地の立地特性

 立地特性は、建設予定地周辺の現況調査のようなものであり、交通アクセスや利便施設、学校などの所在地情報のような客観的事実に基づき報告されている。
 しかし、一方で、地域特性や学校区の中では「地域下位地域」、「問題のある地域」などの意味不明な内容も見られた。ヒアリング調査で、リサーチ会社の報告書作成者に、これらの表現は何を意味しているのか聞いたところ、いわゆる同和地区を意味する隠語として使用していたことを認めている。

報告書における立地特性は、概ね次のような視点で評価。
○交通環境(最寄り駅へのアクセス、都心部へのアクセスなどの利便性)
○生活環境(公共施設、商業・医療施設の立地状況などの利便性)
○立地環境(地域の用途、周辺のマンション、戸建ての状況、騒音、日照などの状況)
○地域特性(周辺エリアの歴史、町並み、雰囲気など町のイメージや評価、人気度)
○学校区 (進学率の高い人気の学校かどうか)
→立地特性は、建設予定地周辺地の現況を地図を用いて表現したもの。
→立地特性の評価形式は、市販の地図上に「計画地」「小学校・中学校」のみを明示しているものや、エリアを丸囲いし、どのような地域なのかを明示している。

ウ 民力データ
 「民力データ」とは、物件所在市の人口、世帯の推移、流入人口、流出人口などを「国勢調査」、「住民基本台帳要覧」「数字で見る市区町村の姿」などを参考にグラフで示したもので、あくまで、当該市のバックデータとして使用。

□プロポーザル

周辺不動産市場、既存マンションの販売価格や売れ筋事例などを調査・勘案し、価格設定を
シュミレーションするとともに、有効な販売戦略を提案している。

ア価格の検証
・当該市の直近の供給戸数、平均面積、価格帯の分析
・既販売物件の平均面積、価格帯や購入者の年齢層、年収を分析
・当該物件の面積や、日当たり状況、階数などを比較検討し売り出し価格帯を設定。
イ販売戦略
 物件のイメージ戦略や宣伝媒体(新聞広告、テレビのコマーシャルなど)を提案
ウ参考データ
 「不動産経済調査月報」は、マンションの事業主、最寄り駅、分譲戸数、平均価格、平均面積、坪単価、用地地域、公庫融資の有無を市単位で一覧表にしたもので、ほとんどの報告書に参考資料として添付されている。


 

このページの作成所属
府民文化部 人権局人権擁護課 人権・同和企画グループ

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