人権問題に関する府民意識調査報告書(分析編) 「逆差別」意識の構造と教育・啓発の課題 3.教育・啓発の受け止め 3-2肯定的なコメント

更新日:2012年3月28日

人権問題に関する府民意識調査検討会委員
大阪府立大学人間社会学部准教授 西田芳正

3.教育・啓発の受け止め

3-2肯定的なコメント

 今回の調査では、教育・啓発活動に関する自由記述が多数見られた。前節で見た「逆差別」的な意識が多く記されたことを踏まえれば、教育についても上記した否定的なものが多数を占めることが予想されるが、実際には肯定的な受け止めを記すものが数としては多く、さらに、現状の教育や啓発活動のあり方について問題を指摘し、望ましい姿について提言する記述が最も多く見られた。

 ■同和問題、差別への認識が深まった(5例)

 まず、自身の経験を肯定的に評価し、教育、啓発活動がさらに充実したものになるべきだとするコメントを見ていく。

○ 田舎では差別がとてもひどかったが、中学の時、同和教育の指定校となり、人権問題に関する歴史をたどるフィールドワーク等の学習を徹底的に勉強しまして、差別の無意味なことを知り、それからはいっさい差別は持たなくなりました。昔からの偏見や差別意識をそのまま受け入れてしまう人が多いので、若い時に(学校など)学習を受ける事が必要だと思います。〔70歳以上女性〕
○ 中学の時に授業で同和問題、部落問題を教わりました。自分のまわりに同和地区があることを知らずに過ごしていたためビックリしました。差別されている人がいるという事に対してもおどろきました。仲の良かった友人が、授業が終わってから「私は部落に住んでいるの」と告白してきました。その時にその友人から「差別を受けている」とも言われたので話合いました。同じ人間なのに差別をされている人がいる、とても悲しい事だと思いました。その時から差別はいけない事なのだと思い、今まで生きてきました。たまたま同和地区に生まれただけなのに、差別されなければいけないなんてナンセンスです。〔50歳代女性〕
○ 同和問題について、小学校の時、狭山事件の事を学び道徳の時間にはそのお姉さんの暮らしぶりについて学びました。多感な頃の私にはすごく衝撃的で今もずっと心に残っています。「差別は決して許してはいけない」と強く心に思いました。〔40歳代女性〕
○ 子どもの頃に受けた授業の内容が良かったから、今の感情が形成されていると感じています。大人はもちろん、子供への教育が最も大事だと思います。〔30歳代男性〕
○ 小さい時(小学校)での教育はとても効果が大きいと思います(自身も小学校でいろいろと同和問題について教えてもらいました)。純粋にまっすぐ受けとめることができると思います。〔30歳代女性〕

 ■教育は必要、しないことがおかしい(17例)

○ 小、中学生時代から差別ということを教育として特別視せず、自然に教育の中に取り入れること、むつかしいとは思いますが、弱い者扱い(病気、その他)をさせない気遣いが出来る子供を育てることは、家庭の中での教育が大切だと、このことを記入しながら思っています。〔70歳以上女性〕
○ 同和教育も進んできましたが逆差別についても考える必要があります。人権教育・啓発についても今後続けていく必要があります。〔70歳以上女性〕
○ 民主主義から言っても、すべての人は平等であるべきで差別されるべきではありません。それは学校教育の場でもっと教えるべきだと思います。〔70歳以上女性〕
○ 昔の人々から受け継がれた何かが根強く残っているのではないでしょうか。人種差別、人権差別をよくないことだと小学校の低学年から、もっと小さな幼稚園から教育していくことも大切な問題だと思います。〔60歳代女性〕
○ 教育が大切だと思います。長い目で見て解決される事、短期で解決される事があると思います。正しい教育が人の心を正しく成長させると思います。〔50歳代女性〕
○ 府内のすべての学校で人権教育にとりくむ必要がある。〔40歳代男性〕
○ 差別は無知から起こるものと思います。生命尊厳が軽視される今の時代、もっともっと生命の尊さ、平等etcを学んでいく機会、特に学校教育の中でとりくんでいく事がこれからの子どもたちにとってすごく大事であると思います。本当の事を知る事、学ぶ事が、必ず差別をなくしていく、理解しあう事へとつながると信じます。〔40歳代女性〕
○ 学校の授業で人権問題を取り上げ、良くないという事を教えていく事が望ましいと思います。〔30歳代男性〕
○ 幼い時からのふれあいを通じて、大人達が差別なんてする必要すらないことを教え、人間の平等などを政府や学校等が何度も教えるべき。〔20歳代女性〕
○ 小学校とかもう少し子どもの頃から教えたらどうでしょう。〔20歳代女性〕
○ 子供に聞いたら、小学校の授業で同和地区や差別について考える授業がまったくなく、同和という言葉自体知らないと言っている。主人の出身地では小学校のころから道徳で教えてもらってたらしい。やはり、子供の頃から教育していかないと、いつまでも差別はなくならないと思う。〔年齢不明女性〕
○ 人権問題は国家の基本であり、豊かな社会とは弱者を擁護しうる社会であると考えます。子供達への人権教育の充実を期待します。〔年齢性別不明〕

 ■子どもへの教育こそ必要(2例)

○ 人権問題については行政がどれだけ力を注いで活動したとしても、今後改善されるという簡単な問題ではないと思う。それぞれの問題に対して、親が子供の小さいころから教育の一環として教えこまないと、人は自然と差別しているという意識はなくともそういう目で見ている人は多いと思う。〔40歳代男性〕
○ 親には気持ちが根付いていると思うので、子供にそういった教育をしていき、子供の意識を変えていく事でその下の代からなくなっていくのでは。〔20歳代男性〕

 ■教育も大人への啓発も必要(14例)

○ 人は一人では生きてゆけない事を基本として、わかり易く啓発すれば良いと思っています。身近な生活の中から例題を見つけてゆけば良いと思います。〔60歳代女性〕
○ 学校教育の場だけでなく、社会全体で考えていく必要があると思う。年に最低1回は考える機会をつくり、無関心な人が一人でも少なくなり、多くの人が考えていけるようにしていく必要があると思います。学校教育で教えても、その親、祖父母などの意見が入り浸透しないと思います。数人の考えより、多くの人の知恵や意見は大きな力になると思います。〔40歳代女性〕
○ 社会人や成人になってからは人権問題に対しての教育が無いに等しい。企業や行政(町や市)で研修会(ビデオ観賞等)を積極的に行えば良いと思う。〔40歳代男性〕
○ あらゆる人にわかりやすく、問題点、改善点など伝えていってほしいです。〔30歳代女性〕
○ 学校で子供たちを教育するより、大人や年寄りを教育する必要があると思います。〔30歳代女性〕
○ 同和問題自体を知らない世代もいます。私も会社で研修を受けて今もまだこういう差別があるのだと感じたことがありました。知らないですませたら同和問題自体が風化すると思うのですが、まだまだ問題として取り組まなければならないことが問題なのでしょう。〔年齢性別不明〕


 
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このページの作成所属
府民文化部 人権局人権企画課 教育・啓発グループ

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