人権問題に関する府民意識調査報告書(分析編) 2.(6)結婚排除意識の尺度作り

更新日:2023年5月24日

人権問題に関する府民意識調査検討会委員
神戸学院大学文学部教授 神原文子

2.人権意識、差別意識を測る尺度作り

(6)結婚排除意識の尺度作り 

 上記の分析結果から、「階層排除否定意識」、「同和地区・国籍等排除否定意識」、「離婚歴排除否定意識」、「経済力排除否定意識」、「宗教排除否定意識」、「障がい排除否定意識」、「ひとり親家庭排除否定意識」をまとめ、一つの「結婚排除否定意識」尺度を作成しようと思います。
 回答者自身の結婚相手を考える際に気になること(なったこと)について、因子分析の「寄与率」が高く、なおかつ「クロンバックの信頼性係数」が高くなるように、何度か因子分析を行った結果、表2-6のような結果を得ることができました。これらの項目を気にしない人ほど人権意識が高いと解釈できることから、「結婚排除否定意識」因子と名付けることができます。クロンバックの信頼性係数α=0.733であり、これらの項目を用いて尺度を作成することは問題ないと判断できます。

表2-6 結婚相手を考える際に気になること 因子分析結果

結婚相手の気になること

第1因子

問3i(14)同和地区出身者かどうか

0.628

問3i(10)国籍・民族

0.618

問3i(11)相手やその家族に障がい者の有無

0.586

問3i(8)家柄

0.559

問3i(9)離婚歴

0.500

問3i(12)相手やその家族の宗教

0.448

問3i(6)学歴

0.411

寄与率

29.3

クロンバックの信頼性係数α

0.733

因子解釈

結婚排除否定意識

因子抽出法: 主因子法

 

回転法: Kaiser の正規化を伴うバリマックス法

 そこで、これら7項目それぞれについて、「気になる」として選択した場合を1点、選択しない場合を2点とし、各回答者の得点合計を「結婚排除否定意識度」とみなします。得点合計は点から14点に分布し、平均点は12.4、標準偏差は1.7です。
 「結婚排除否定意識度」が低いほど差別意識が高く、高いほど反差別意識が高いということになります。以下では、この尺度を用いることにします。

 

 

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このページの作成所属
府民文化部 人権局人権企画課 教育・啓発グループ

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