人権問題に関する府民意識調査報告書(分析編) はじめに

更新日:2012年3月28日

はじめに

 大阪府では、人権教育・啓発をより効果的に進めるため、昭和55年度以降、「人権問題に関する府民意識調査」を5年ごとに実施し、府民の意識の変化や動向の把握に努めており、第7回調査を昨年度(平成22年度)に実施し、その集計結果を報告書(基本編)として取りまとめたところです。
 第7回調査では、府民の皆様の意識の変化や動向を把握することと合わせて、差別意識の根源を明らかにできるよう工夫を加え、単純集計の段階においても
・「子どもへの体罰」、「野宿生活者を避けること」などについては人権問題としての意識度がかなり低い
・人権や差別に対する一般的な認識を問う質問と、結婚・住宅選定に当たっての行動など、回答者自身に引き寄せた質問とでは、回答傾向にやや乖離が見られる
・同和問題に関して、約67%の人が差別意識は残っていると答え、結婚相手で気になったり、住宅を決める際にも忌避的な意識を持ったりする人が一定数いる
といったことが見えてきました。

 しかし、調査項目によっては、単純集計による数値をどのように解釈すべきか客観的な根拠を得難く、解釈が分かれるようなものもあります。
そこで、調査票の設計や報告書(基本編)の取りまとめに多大なる御協力と御助言を頂いた「人権問題に関する府民意識調査検討会」の3委員に、詳細な分析をお願いいたしました。 

 神原文子神戸学院大学人文学部教授には、多変量解析の一種の「因子分析」の手法を用いて、回答者の人権意識や差別意識を測る『尺度』を作成、「過去の人権問題についての学習経験が現在の人権意識にどのような影響を与えているか」など、7つの視点から、この『尺度』を回答者の属性別、設問への回答状況別に当てはめて分析いただきました。

 中川喜代子奈良教育大学名誉教授には、「日常的に生起している様々な生活領域における人権的問題状況に対する回答者の態度」、「差別や差別に関わる問題の解決についての積極的/消極的意見に対する回答者の態度・意識」という2つのスケールを作成、特に人権問題に関する意識・関心の低い層の特性を分析いただきました。

 西田芳正大阪府立大学人間社会学部准教授には、回答者から得られた自由記述265件について、「逆差別」という言葉に着目し、「逆差別」意識の現われと構造、背景を整理し、同時にその解消に向けた働きかけの方向を探れないか、分析いただきました。

 このように、3委員それぞれの人権問題あるいは社会調査の知見に基づき、データを掘り下げて分析し、単純集計値の奥にある深い次元での客観的な傾向性を明らかにするとともに、今後の人権教育、啓発の内容や方法に具体的な提言を行っていただきました。
3委員とも、報告の最後に分析結果の総括と提言をコンパクトにまとめてくださっていますので、本報告書を手にされる方にはここをしっかりと読んでいただきたいと思います。

 人権問題は、行政だけで解決できるものではなく、行政、当事者、府民、NPOなどの民間団体、事業者、企業などがそれぞれの役割を果たすとともに、協働して取り組んでいくことが重要です。基本編と合わせ、この分析編を庁内はもとより、これら人権教育・啓発の様々な主体と共有し、それぞれの取組みの中で十分活用し、大阪府人権尊重の社会づくり条例が目指す「すべての人の人権が尊重される豊かな社会の実現」を図っていきたいと考えています。

 最後になりましたが、2か年にわたり本意識調査に関わってくださいました検討会の3委員の御協力に対し、厚くお礼申し上げます。

 平成24(2012)年3月

大阪府府民文化部人権室長

 

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このページの作成所属
府民文化部 人権局人権企画課 教育・啓発グループ

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