第30回 審議会

更新日:2023年3月8日

第30回大阪府人権施策推進審議会

〔日   時〕平成28年3月25日(金曜日)10時30分から12時
〔場   所〕プリムローズ大阪 2階 鳳凰西
〔出席者〕上田委員、大谷委員、高田委員、竹中委員、谷田委員、前田委員、森田委員、山本委員

〔議事概要〕
1 開会
  大阪府府民文化部人権局長あいさつ
2 議題
  人権問題に関する府民意識調査について  

〔配付資料〕

  資料1 人権問題に関する府民意識調査 調査結果の概要(グラフ版) [Wordファイル/583KB]

  資料2−1 分析の一例(認知と意識の間におけるズレについて) [Wordファイル/271KB]

  資料2−2 分析の一例(住宅を選ぶ際に重視する立地条件) [Wordファイル/77KB]

  人権問題に関する府民意識調査報告書

〔質疑応答の概要〕

≪議題「人権問題に関する府民意識調査について」 事務局説明≫ 

委 員 経年比較はしないのか。

事務局  問2は前回も同様の質問をしている。問7・問9も、質問の仕方は前回と変えているが、傾向の把握は可能と思う。

委 員   経年比較をするのは3項目のみとのことだが、あまり大きく作り変えてしまうと、5年ごとに行う意味が薄れてしまうようにも思う。大きく変えた理由を

             教えてほしい。

事務局  数次にわたり質問し、取組の方向がある程度確立されていると考えられるものについては、調査時点の社会の状況を踏まえつつ、不断の見直しを

             行うことが不可欠と考えている。また、人の意識は生い立ちや受けた教育、人間関係等、周囲の様々な関わりの中で形作られていくもので、

             「直線的に」変化するものではないと思われる。推移を把握することの必要性を否定するものではないが、限られた質問数の中で、調査時点における

             どのような意識を把握するかについては、実施の都度、審議会の御意見を伺い、検討したい。

委 員   今後も5年ごとに実施するのか。

事務局  5年ごとに実施してきたのは、実績としてはある。

会 長  先のことなので分からないがそういう計画でやりたい、という趣旨だと思う。

委 員  問1で挙げられている様々な人権問題に係る個別・具体的な事象と、問3の女性、子ども等個別の人権問題の認知度とをクロス集計するという試みに

            関して、特に子どもの人権について乖離が見られるという説明があったが、問1の(2)の事象が、果たしてどこまで子どもの人権に対する重大な事案で

            あると認識されているかということで、この乖離は出てきていると思う。                               

      例えば、いじめや児童虐待を取り上げていれば、相関関係はもっと高くなっているのではないか。 問1の、各人権問題に対応して作られた事象は、

            どのような形で設定されたのか。

事務局  問3で挙げているような、個別の人権問題ごとに対応したものを、ということで作っている。前回は、子どもの人権問題については、しつけととらえるか

             体罰ととらえるかという観点での質問としたが、「人権上問題」という回答がかなり多かった。今回は、一目で「人権上問題」というような質問だけではなく、

             少し自分に引き寄せて考えてもらった方が、ある意味、もっと本音のような意識があぶり出せないかという視点もあり、「人権上問題」という割合が高い

             ものばかりが並ぶよりも、「中学生の携帯電話やスマートフォンの使用を親の判断で制限する」というような、それぞれの違いが出る質問とする方が

      分析に生かせるのではないだろうかということで、このような設問とした。

委 員  様々な狙いがあり、設問もその後の分析も難しいのは大変理解できる。が、子ども以外の女性、高齢者、ホームレスとか、それぞれに対する意識の

      ズレをあぶり出すための設問の仕方と、この、子どもについての質問とは、同じ論理で作られたものだろうかと思う。論理関係がそれぞれバラバラで

      あれば、読み解き方も変わってくるのではないかと感じた。今後継続していく中で幅広い検討が必要になってくる部分、と感じた。

委 員  前回から総入替えに近いということで、経年比較はきちっとした形では難しいと思う。代わりに年代別に分析することによって、経年比較に代わるような

      分析ができるのではないかと思う。問3の「次の人権問題を知っていますか」で非常に面白いと思ったのは、女性の人権問題を知っている人は70歳以上

      は少ないが、ほぼ世代差はない。子どもの人権も大きな違いはない。

      一方、同和問題のように40歳代、50歳代、60歳代あたりが高く、20歳代が非常に少なくなっているものもある。学齢期に人権問題について学校で

      習ったかどうか、成人してから職場研修や地域の人権啓発でこういう問題に接したことがあるかどうか、といった経験の差ではないかと思う。

      一例だが、世代別に見ることにより、近年どういう問題について関心が高まっているか、あるいは薄れてしまっているか、推測ができるのではないかと思う。

      同和問題が20歳代で非常に減っているということは、個人的には非常に気になる。

会 長  年代ごとに注目している人権問題というのは大変面白いかもしれない。年代ごとに使っているメディアもおそらく違っているから、それとの関係も見てみたら

      面白い結果が出るかもしれない、という趣旨と理解する。

委 員  国の同対審廃止後に意識がどのように変化してきているのかといったことを経年で追うようなことはしているのか。また、障がい者については、差別解消法が

      本年から施行され意識がどのように変化したのか、設計を今のうちからしておくことが、次の調査を考えるときに非常に役立つのではないのか思っている。

      政策、施策、意識と、どれくらいのズレがあるのか、効果が出てくるのは10年後、20年後ということになるので、そういったところを押さえて報告をいただくと

      非常にありがたいと思う。

会 長  今後の調査設計のあり方はどうなのか。

事務局  経年変化を追うことを否定するわけではないが、5年後の社会の状況により、どのような形で調査するのは、その時点で改めて審議会で御議論いただくことに

      なると思っている。

会 長  「障がい者差別解消法」に関連しての御指摘は、今取っておけば随分良いデータになるのではないか。可能であればそういうプランも立てていただきたいと

      いう御要望として伺っておきたい。

委 員  「分析の一例」についてだが、世代、メディア、認識の相関関係のようなものがあぶり出せれば面白いものが出てくるのではないかと思う。過去に年度年度に

      よって重点的に施策としてやっていたものがあると思うので、学校でそれを受けたような世代が何歳代だったらどうなっているか、そういうことを現段階で何か

      できるのであれば面白いものがあるのではと思う。行政の施策でどういうものが認知されていて役に立ったかという質問で、啓発広告が一番認知度が高い

        という結果になっていたが、新聞とインターネットが一括りの媒体として扱われている。次回は分けてすれば何か出てくるのでは、という印象を持った。

事務局  問14でよく利用するメディアについて尋ねているが、年齢別に確認したところ、「新聞」を選んだ方は、60歳以上で77%だが、20歳代、30歳代では11.7%で、

      ほとんど読んでおられない。「インターネット」は、20歳代、30歳代はほぼ9割が普段よく利用しているが、60歳以上になると14.8%で、お示しのように、よく利用

      するメディアの年齢分布がきれいに出ていると思う。

委 員  回収率が下がっている。「男性」「女性」で調査するかどうかについては慎重に検討すべきと思うが、一方、男性・女性の比率に大きな差が出てきている。

      そして、世代ごとの回答者数に大きな差異が見られるということになると、基本的な諸条件、属性が異なるということを踏まえて、どのような形で調査結果を

      説明するのか配慮が求められると思う。私の認識するところ、若い世代は新聞離れがかなり進んでいると推測され、一方で我々と同世代、それより上の世代は

      新聞などがメディアの中心と思うので、そのあたりをしっかり配慮することが求められるかと思う。私が関心を持ったのが問5。「人権問題の解決に向けた次の

      ような施策を知っていますか」という問で、啓発ポスター、新聞・雑誌等の啓発広報、啓発冊子、講演会、研修会、イベント等の人権施策が挙げられている。

      これまで様々な形で苦心して取り組んできたと思うが、メディアの環境が変わったり、講演会や研修会の持ち方も、アクティブ・ラーニングではないが、様々な

      手法が求められたりすることから、さらに一歩進んだ、参加型への一層の工夫が今後求められるのではないのかと思う。

会 長  最初の指摘は、世代ごとの割合の違いがあるので全体的傾向を見るときは少し注意をしなければならない、経年比較をする場合もそういう違いを含めて

      処理してほしい、ということだったと思う。2点目は、啓発活動の現代化というか、インターネットを使うような、そういった新しい手法が考えられるのでは

      ないか、ということだったと思う。

委 員  基本属性ごとの集計は社会調査の基本中の基本。この報告書には年齢別、性別別しか載っていないが、例えば暮らし向きについて尋ねているので、

      これまでの人権意識調査でも、良い意味でも悪い意味でも人権意識に影響すると言われているので、暮らし向き別に集計する。あるいは、地域活動への

      参加についても、マイノリティとマジョリティの交流は人権啓発に大きな効果があることが分かっている。こういうことを踏まえて、基本属性ごとの集計は

      きちんとやってもらいたい。

委 員  人権問題は多様化しているが、地域、コミュニティーとの関係によって意識は全然変わってくると思うので、クロス集計というのは非常に重要と思う。

      それと、テレビは編集次第でどのようにでも見せられるので、どこまで影響があるのかと思う。

事務局  地域の活動への参加についても尋ねている。しっかりと分析したい。

会 長  経年比較するのであれば、そこにも重点をおいて頂きたい。

委 員  府民意識調査も重要な人権施策の一つと考えるのであれば、どれだけたくさんの方に回答いただくか、という工夫が必要だと思う。例えば、20歳代の回答は

      大阪府民の中でたった100人。予算の都合や手間の問題もあると思うが、これだけ若い世代がネット環境に親しんでいるのだから、ホームページから入力

      できるようにするとか、工夫が必要ではないか。長期的に見れば、同じ予算でもっと多く回収できる調査ができるのではないか。引き続き検討してほしい。

事務局  前回の設問がたくさんで多岐にわたり、回答者はものすごく負担に感じておられるのではないかとの視点から、設問もできるだけコンパクトにした。

      特に、自分自身の経験ではなく、世間はどうかというようなことまで、前回は聞いていたが、今回は自分自身の経験を答えていただくということで、負担が

      かからないようにした。個々の設問についても、できるだけ考えていただけるようにと、例えば「中学生の携帯電話やスマートフォンの使用を親の判断で

      制限する」では、最初は「子ども」としていたのを人権問題というよりも子どもを守らないといけないというバイアスがかかったりするので、人格がちゃんと

      できていく年齢ということで「中学生」にして、自分でも判断できる世代だったらどうでしょうか、という問にした。できるだけ回答者に迫っていこうということで

      企画した。

委 員  私が申し上げたのは回答の方法。郵送方式で紙媒体という話だったので、前回の審議会で、スマホから入力できる方が手軽で回答しやすいという方も

      多いので、紙と同時にインターネットツールを使ったらどうか、っていう意見が出ていた。回答率や回収率を増やすことを考えると、実施方法についても検討の

      余地があるのではないかと思う。

事務局  回収率を上げることを目標に設問を減らすなり工夫をしたが、蓋を開けてみると、残念ながら前回を下回っていた。5年先ということになるが、できるだけたくさん

              の方に回答していただくことは非常に重要なこと。昨年の国勢調査もインターネット回答がかなりの割合を占めていたので、そのあたりも充分研究して、

      次の機会に何かできるような工夫はしていきたい。

委 員  人権課題を明らかにするということも一方で必要と思うが、他方で、課題の解決に向けてこういう改善の方向性がある、こういう形で進めるとこのような効果が

      見られた、今こういう取組がなされているというようなことを質問事項の中に入れることも考えてもらえれば、と思う。

会 長  今後の課題ということで、記録に残していただきたい。事務局におかれては、各委員の意見を十分踏まえて人権施策を推進されるよう、お願いする。

このページの作成所属
府民文化部 人権局人権企画課 企画グループ

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