職員ロングインタビュー【林学】

更新日:令和3年3月1日

 

林学

 泉州農と緑の総合事務所 森林課
 須藤 暁史  Sudo Akifumi
 
平成26年 入庁

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【配属歴】
平成26年 環境農林水産部 みどり都市環境室 みどり推進課
平成28年 北部農と緑の総合事務所 みどり環境課
平成29年 北部農と緑の総合事務所 森林課
平成31年 泉州農と緑の総合事務所 森林課

 

ある1日の仕事のながれ

大阪府に入庁した理由を教えてください。

大阪府の林学職は、山地災害から府民の暮らしを守るための治山事業や、林業の普及、国定公園等での自然公園事業、生物多様性の保全、都市緑化など、専門性を活かした幅広い業務があることに魅力を感じました。大学は農学部で樹木生理に関する研究をしていたのですが、もともと山が好きな上、街の緑にも興味があり、その両方に関わることができるということで、大阪府を志望しました。

大学での学びは現在の仕事にどのように役立っていますか。

大学では農学部で米や野菜について学ぶ一方、森林科学の研究室で森林生態学や樹木病理学、里山などについて学びました。卒業研究では樹木の健康状態を調べることを目的に、樹木生理に関する研究を行いました。樹木の内部では、蒸散により道管や仮道管を通じて根から水が吸い上げられますが、樹木が弱ると吸い上げる力も弱くなってきます。水がよく通っている樹木は地下水によりひんやりしていて、通りが悪いとその傾向が弱くなるという熱移動の観点で、樹木の健康診断ができるのではないか、という研究をしていました。

他には、先輩の調査に同行し、屋久島で植生調査をした経験もあります。その山の中の植物の構成や繁殖の程度等を調べるのが植生調査です。山の斜面の10m×10mの区画を標準地と定め、その中の植物(樹木)の種類や本数を調査するというものですが、この経験は今の職場でも役立っています。

入庁後に携わった仕事について教えてください。

最初に配属されたみどり推進課では、2年間都市緑化に携わりました。ビルなどの建築物の新増改築の際、一定の面積を緑化する義務緑化制度の運用や、その緑化の中でも特に優れた取組みを顕彰する「おおさか優良緑化賞」の表彰、「みどりの風促進区域」における緑化補助事業などを担当しました。「おおさか優良緑化賞」では、「中之島四季の丘・ダイビル本館」や「あべのハルカス」などの都市緑化事例を表彰するとともに、優良事例集を作成し、大学や企業などに送付することで幅広い施設や事業者に対して、都市緑化について興味を持ってもらえるよう尽力しました。入庁1年目から自分が興味を持っていた都市緑化に携わることができ、仕事を上手くできず悔しい思いをした場面もありましたが、都市緑化行政のおもしろさ、また大阪府の仕事のおもしろさを感じることができました。

その後、出先事務所である北部農と緑の総合事務所に異動し、より現場に近い立場で仕事をするようになりました。具体的には、森林における開発規制や箕面国定公園等での自然公園事業、また治山ダム設置工事や森林整備などの治山事業に携わりました。現在所属する泉州農と緑の総合事務所でも、引き続き治山事業を担当しています。

これまでの業務の中で、特に印象に残っている仕事について教えてください。

印象深い経験としては、まず入庁1年目で、大阪府の森林環境税事業創設に関する検討会議の運営に携わったことです。有識者を交えて、大阪府の森林行政の最前線の議論がなされる会議は、非常に緊張感にあふれ、大阪府の事業スケールの大きさに驚くとともに、これからの自分の仕事への期待に胸が高まったのを覚えています。1年目でも責任のある仕事ができるのだと、とても嬉しく思いました。

次に、山地災害復旧に携わったことが挙げられます。北部農と緑の総合事務所に所属していた平成30年は7月に豪雨災害、9月に台風21号による被害があり、その現地調査や復旧事業のため、忙しい日々を送りました。特に台風21号では、高槻市では600ヘクタール以上の森林が被害を受けましたが、山一面の木々が倒され、想像できないような光景を目の当たりにしました。近年、豪雨等の異常気象により、土砂崩れや流木災害の危険性が高まる中、災害対策としての治山ダムの設置や山の健全化のための間伐など、治山事業による防災・減災対策の重要性を改めて認識しました。

現在の仕事内容を教えてください。

現在は、泉州農と緑の総合事務所の森林課で治山ダム設置工事や森林整備業務の設計及び発注、また地元の方々との調整などに携わっています。治山事業は治山ダムの設置や森林整備等による森林の維持造成を通じて、森林の多面的機能を高め、山地災害から住民の方々の生命・財産を守るとともに、水源の涵養、生活環境の保全・形成等を図るというものです。ひとつの流域で複数年かけて実施することが多く、長い時間かけて取り組んだ事業が終わると非常に達成感があります。

仕事をする上で、心がけていることを教えてください。

関係者と十分なコミュニケーションを取ること、我が事と思って仕事に取り組むことが大切だと思っています。限られた予算で事業を進める中、どうしたら住民の方々の安全を守れるか、変わりなく生活を続けてもらえるか、ということを考えることが重要です。事業をより良くするために、地権者の方はもちろん、工事関係者の方と相談や様々な議論ができるような信頼関係をつくり、仕事を進めることを心掛けています。

現在感じている仕事のやりがいを教えてください。

地元の方々に喜んでいただいた時には、大きなやりがいを感じます。最近、岸和田市で数年間にわたって実施した事業が完了し、お世話になった地権者の方に報告に行ったところ、感謝の言葉を頂きました。山へ深い思い入れがあり、それまでにも「自分がこの山にこの木を植えたんだ」とお話を伺っていたのですが、現場に案内し、完成した治山ダムを見学していただいたところ、「これで安心です。ありがとうございます。」と感謝していただいたときは、「この仕事に携われてよかった!」と心から思えた瞬間でした。

入庁後は、どのように仕事のスキルを伸ばしてこられましたか?

私は農学部出身で、測量や設計技術などは大学でほとんど経験していませんでした。それでも、入庁後には研修があり、基本的な知識や技術はそこで身につけることができました。治山技術基礎研修という研修で、林学職の先輩職員の方々に教えてもらいながら学ぶことができ、技術の向上はもちろん、先輩方との交流もでき、貴重な機会となりました。

また関係する資格試験の勉強に多くの方が取り組むなど、職場内で専門知識を磨こうという空気があり、自然と勉強に対する意識も高まります。私自身は、現在、技術士や土木施工管理技士などの資格試験の勉強に取り組んでいます。先輩方から情報収集もできるので、スキルアップを目指せる良い環境だと思います。

大阪府で林学職として働くことを考えている方へメッセージをおねがいします。

近年、震災や異常気象などの災害リスクが高まり、今まで以上に、山地災害の防災・減災対策の重要性が増しています。一方、2025年には大阪・関西万博の開催が予定され、都市緑化による都市魅力の向上や猛暑対策への取組みに、より一層期待が高まっています。大阪府の林学職は、そのどちらにも携わることができる、非常にやりがいのある仕事です。また、森林の開発規制や林業振興、自然公園、生物多様性保全など、幅広い分野の事業があるのも魅力です。

個人的には、現場への出張の昼休みに山中の見晴らしの良い場所で美しい景色を眺めながらお弁当を食べられるのも、この職種ならではと思っています。ハイキング道の点検も業務のひとつなのですが、泉州管内では和泉葛城山や岬町の飯盛山が私のお気に入りスポットです。
山が好きな人、街の緑が好きな人は、好きを仕事にできるチャンスなので、ぜひ受験してほしいと思います。

【ある一日の流れ】

  9時00分 メールの確認、現場に出発(主に山中)
  9時30分 現地調査、現場確認
12時15分 昼食(山中で食べることも多いです)
14時00分 地元地権者訪問、事業説明
15時00分 帰所、調査結果等の整理、図面等作成
17時30分 退勤

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※掲載されている職員の職務内容、所属及び所属名称は配属当時のものです。

このページの作成所属
人事委員会事務局 人事委員会事務局任用審査課 任用グループ

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