○大阪府土砂埋立て等の規制に関する条例
平成二十六年十二月二十六日
大阪府条例第百七十七号
大阪府土砂埋立て等の規制に関する条例を公布する。
大阪府土砂埋立て等の規制に関する条例
目次
第一章 総則(第一条―第六条)
第二章 土砂埋立て等の許可等(第七条―第二十五条)
第三章 土地の所有者の義務(第二十六条・第二十七条)
第四章 土砂搬入禁止区域(第二十八条―第三十条)
第五章 雑則(第三十一条―第三十六条)
第六章 罰則(第三十七条―第四十二条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この条例は、土砂埋立て等に関する府、土砂埋立て等を行う者、土砂を発生させる者及び土地の所有者の責務を明らかにするとともに、土砂埋立て等について必要な規制を行うことにより、土砂埋立て等の適正化を図り、もって災害の防止及び生活環境の保全に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この条例において、「土砂埋立て等」とは、土地の埋立て、盛土その他の土地への土砂(混入し、又は付着している物を含む。以下同じ。)の堆積を行う行為をいう。
2 この条例において、「埋立て等区域」とは、土砂埋立て等を行う土地の区域をいう。
3 この条例において、「土砂を発生させる者」とは、建設工事(建設業法(昭和二十四年法律第百号)第二条第一項に規定する建設工事をいう。以下同じ。)の発注者及び請負人であって、その建設工事に伴って土砂を発生させるものをいう。
(府の責務)
第三条 府は、市町村と連携して、災害の防止上又は生活環境の保全上支障が生ずるおそれがある土砂埋立て等が行われることのないよう必要な施策を推進するものとする。
2 府は、土砂埋立て等の適正化を推進する上で市町村が果たす役割の重要性に鑑み、市町村が土砂埋立て等に関する施策を実施しようとする場合には、情報の提供、技術的な助言その他の必要な協力を行うものとする。
(土砂埋立て等を行う者の責務)
第四条 土砂埋立て等を行う者は、土砂埋立て等を行うに当たっては、埋立て等区域の周辺地域の住民の理解を得るよう努めなければならない。
2 土砂埋立て等を行う者は、土砂埋立て等を行うに当たっては、災害の防止及び生活環境の保全のために必要な措置を講ずる責務を有する。
(土砂を発生させる者の責務)
第五条 土砂を発生させる者は、建設工事に伴う土砂の発生を抑制し、発生させた土砂の有効な利用の促進に努めるとともに、発生させた土砂により不適正な土砂埋立て等が行われることのないよう土砂の適正な処理に努めなければならない。
(土地の所有者の責務)
第六条 土地の所有者は、その所有する土地において不適正な土砂埋立て等が行われることのないよう適正な管理に努めなければならない。
第二章 土砂埋立て等の許可等
(土砂埋立て等の許可)
第七条 土砂埋立て等を行おうとする者は、埋立て等区域ごとに、あらかじめ知事の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる土砂埋立て等については、この限りでない。
一 埋立て等区域の面積が三千平方メートル未満である土砂埋立て等(当該埋立て等区域を含む一団の土地の区域でその面積が三千平方メートル以上のものにおいて土砂埋立て等を行うこととなるものを除く。)
二 土地の造成その他の事業の区域において行う土砂埋立て等であって当該事業の区域において採取された土砂のみを用いて行うもの
三 国、地方公共団体その他規則で定める者が行う土砂埋立て等
四 採石法(昭和二十五年法律第二百九十一号)第三十三条又は砂利採取法(昭和四十三年法律第七十四号)第十六条の規定により認可を受けた者が、当該認可に基づいて採取した土砂を販売するために一時的に当該認可に係る場所において行う土砂埋立て等
五 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第八条第一項の規定により許可を受けた一般廃棄物の最終処分場又は同法第十五条第一項の規定により許可を受けた産業廃棄物の最終処分場において行う土砂埋立て等
六 土壌汚染対策法(平成十四年法律第五十三号)第二十二条第一項の規定により許可を受けた者が設置する同項に規定する汚染土壌処理施設において行う土砂埋立て等
七 法令又は条例の規定による許可、認可その他の処分による土砂埋立て等であって規則で定めるもの
八 非常災害のために必要な応急措置として行う土砂埋立て等
九 前各号に掲げるもののほか、規則で定める土砂埋立て等
2 申請予定者は、前項の規定による住民への周知の内容及びその結果を記載した書面を作成しなければならない。
(許可の申請の手続)
第十条 第七条の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を知事に提出しなければならない。
一 氏名、住所及び生年月日(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び生年月日並びに主たる事務所の所在地)
二 土砂埋立て等の目的
三 埋立て等区域の位置及び面積
四 土砂埋立て等の施工を管理する事務所(以下「管理事務所」という。)の所在地並びに当該管理事務所に置く管理責任者の氏名及び職名
五 土砂埋立て等に供する施設の設置に関する計画
六 土砂埋立て等に使用される土砂の量
七 土砂埋立て等の期間
八 土砂埋立て等の土砂の堆積量が最大となる時(以下「最大堆積時」という。)及び完了時の埋立て等区域における土地及び土砂の堆積の形状
九 土砂埋立て等に使用される土砂の搬入に関する計画
十 埋立て等区域外への排水の水質検査を行うために講ずる措置
十一 土砂埋立て等が施工されている間における埋立て等区域外への土砂の崩落、飛散又は流出による災害を防止するために講ずる措置及び埋立て等区域の周辺地域の生活環境を保全するために講ずる措置
十二 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項
二 年間の土砂埋立て等に使用される土砂の搬入の予定量及び搬出の予定量
三 埋立て等区域における土地及び土砂の堆積の形状
四 前三号に掲げるもののほか、規則で定める事項
ロ 第二十四条第一項(同項第二号及び第三号に係る部分を除く。)の規定により許可を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの処分に係る大阪府行政手続条例(平成七年大阪府条例第二号)第十五条の規定による通知があった日前六十日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下同じ。)であった者で当該取消しの日から三年を経過しないものを含む。)
ハ 土砂埋立て等の事業に関し不正な行為をするおそれがあると認めるに足りる規則で定める相当の理由がある者
ニ 暴力団員(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員をいう。)又は暴力団密接関係者(大阪府暴力団排除条例(平成二十二年大阪府条例第五十八号)第二条第四号に規定する暴力団密接関係者をいう。)
二 申請者が、申請に係る土砂埋立て等を的確に、かつ、継続して行うに足りる資力を有しないことが明らかな者でないこと。
三 第八条第一項に規定する同意を得ていること。
四 管理事務所を設置し、かつ、当該管理事務所に管理責任者を置くこと。
五 土砂埋立て等が施工されている間における当該申請に係る埋立て等区域外への土砂の崩落、飛散又は流出による災害を防止するために必要な措置が図られていること。
六 土砂埋立て等の最大堆積時及び完了時の埋立て等区域における土地及び土砂の堆積の形状(当該申請が前条第二項の規定によるものである場合にあっては、埋立て等区域における土地及び土砂の堆積の形状)及び土砂埋立て等に供する施設の計画が、当該申請に係る埋立て等区域外への土砂の崩落、飛散又は流出による災害の発生のおそれがないものとして規則で定める形状及び構造上の基準に適合するものであること。
七 当該申請に係る埋立て等区域外への排水の水質検査を行うために必要な措置が図られていること。
3 第七条の許可には、有効期間その他の災害の防止上又は生活環境の保全上必要な条件を付することができる。
2 変更許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を知事に提出しなければならない。
一 氏名、住所及び生年月日(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び生年月日並びに主たる事務所の所在地)
二 変更の内容及びその理由
三 前二号に掲げるもののほか、規則で定める事項
4 前条の規定は、変更許可について準用する。
(土砂埋立て等の着手の届出)
第十四条 第七条の許可を受けた者は、当該許可に係る土砂埋立て等に着手したときは、着手した日から起算して十日以内に、その旨を知事に届け出なければならない。
(土砂の搬入の報告)
第十五条 第七条の許可を受けた者は、当該許可に係る埋立て等区域に土砂を搬入しようとするときは、規則で定めるところにより、当該土砂の発生場所及び当該土砂の汚染のおそれがないことを確認しなければならない。
(土砂管理台帳の作成)
第十六条 第七条の許可を受けた者は、規則で定めるところにより、当該許可に係る土砂埋立て等に用いた土砂の量その他の規則で定める事項を記載した土砂管理台帳を作成しなければならない。
(水質検査等)
第十八条 第七条の許可を受けた者は、規則で定めるところにより、当該許可に係る土砂埋立て等を施工している間、定期的に、当該許可に係る埋立て等区域外への排水の水質検査を行い、その結果を知事に報告しなければならない。ただし、気象条件その他のやむを得ない事由により当該水質検査を行うことができないと知事が認めるときは、この限りでない。
2 第七条の許可を受けた者は、当該許可に係る土砂埋立て等を完了し、又は廃止したときは、規則で定めるところにより、当該許可に係る埋立て等区域外への排水の水質検査を行い、その結果を知事に報告しなければならない。ただし、気象条件その他のやむを得ない事由により当該水質検査を行うことができないと知事が認めるときは、この限りでない。
3 第七条の許可を受けた者は、当該許可に係る埋立て等区域外への排水が規則で定める水質の基準(以下「水質基準」という。)に適合していないことを確認したときは、直ちにその旨を知事に報告するとともに、その原因の調査その他当該土砂埋立て等により生じ、又は生ずるおそれがあると認める生活環境の保全上の支障を除去するために必要な措置を講じなければならない。
(標識の掲示等)
第十九条 第七条の許可を受けた者は、規則で定めるところにより、当該許可に係る埋立て等区域の公衆の見やすい場所に、当該許可に係る土砂埋立て等が施工されている間、氏名又は名称その他規則で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。
2 第七条の許可を受けた者は、当該許可に係る埋立て等区域について、その境界を明らかにするため、境界標を設けなければならない。
(土砂埋立て等の完了の届出等)
第二十一条 第七条の許可を受けた者は、当該許可に係る土砂埋立て等を完了し、廃止し、若しくは休止し、又は休止した土砂埋立て等を再開したときは、規則で定めるところにより、遅滞なく、その旨を知事に届け出なければならない。ただし、当該土砂埋立て等の休止をした場合であって、当該休止の期間が二月未満であるときは、この限りでない。
3 前項の規定により、土砂の崩落、飛散又は流出による災害を防止するための必要な措置が講じられていない旨の通知を受けた者は、当該通知に係る土砂埋立て等に使用された土砂の崩落、飛散又は流出による災害を防止するために必要な措置を講じなければならない。
2 前項の承認を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を知事に提出しなければならない。
一 氏名、住所及び生年月日(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び生年月日並びに主たる事務所の所在地)
二 第七条の許可を受けた者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名並びに主たる事務所の所在地)
三 申請者が第十一条第一項第一号ホの営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者である場合には、その法定代理人の氏名及び住所(法定代理人が法人である場合にあっては、その名称及び代表者の氏名並びに主たる事務所の所在地)
四 前三号に掲げるもののほか、規則で定める事項
(命令)
第二十三条 知事は、土砂埋立て等に使用された土砂の崩落、飛散又は流出による災害を防止するため緊急の必要があると認めるときは、当該土砂埋立て等について第七条の許可を受けた者に対し、当該許可に係る土砂埋立て等に使用された土砂の崩落、飛散若しくは流出による災害を防止するために、相当の期限を定めて必要な措置を講ずべきことを命じ、又は相当の期間を定めて当該許可に係る土砂埋立て等の停止を命ずることができる。
4 知事は、第七条の許可を受けた者に係る土砂埋立て等が、第十一条第一項第五号又は第六号に適合しないと認めるときは、当該許可を受けた者(前項の規定による命令を受けた者を除く。)に対し、当該許可に係る土砂埋立て等に使用された土砂の崩落、飛散若しくは流出による災害を防止するために、相当の期限を定めて必要な措置を講ずべきことを命じ、又は相当の期間を定めて当該許可に係る土砂埋立て等の停止を命ずることができる。
5 知事は、第七条の許可を受けた者に係る埋立て等区域外への排水が水質基準に適合しないことを確認したときは、当該許可を受けた者に対し、その原因の調査その他当該許可に係る土砂埋立て等により生じ、又は生じるおそれがあると認める生活環境の保全上の支障を除去するために、相当の期限を定めて必要な措置を講ずべきことを命じ、又は相当の期間を定めて当該許可に係る土砂埋立て等の停止を命ずることができる。
二 正当な理由なく、第七条の許可を受けた日から起算して一年を経過した日までに当該許可に係る土砂埋立て等に着手しないとき。
三 第七条の許可に基づき土砂埋立て等に着手した後、正当な理由なく、一年以上引き続き当該許可に係る土砂埋立て等を行わないとき。
四 第十一条第一項第一号ニに該当するに至ったとき。
五 第十一条第一項第一号ホからトまで(同号ニに係るものに限る。)のいずれかに該当するに至ったとき。
六 変更許可を受けなければならない事項を変更許可を受けないで変更したとき。
第三章 土地の所有者の義務
(土砂埋立て等に係る土地の所有者の義務)
第二十六条 第八条に規定する同意をした土地の所有者は、当該同意に係る土砂埋立て等が施工されている間、規則で定めるところにより、定期的に、当該土砂埋立て等の施工の状況を確認しなければならない。
3 第一項の同意をした土地の所有者は、当該同意に係る埋立て等区域の土砂の崩落、飛散又は流出による災害が発生し、又はそのおそれがあることを知ったときは、速やかにその旨を知事に通報しなければならない。
二 前条第二項の規定による報告を怠った者
第四章 土砂搬入禁止区域
(土砂搬入禁止区域の指定)
第二十八条 知事は、埋立て等区域(三千平方メートル未満のものを除く。)及びその周辺の区域において土砂埋立て等を継続することにより、人の生命、身体又は財産を害するおそれがあると認められる場合であって、この条例の目的を達成するため必要があると認めるときは、当該埋立て等区域及びその周辺の区域を、六月を超えない範囲で期間を定めて、土砂の搬入を禁止する区域(以下「土砂搬入禁止区域」という。)として指定することができる。
2 知事は、前項の規定による指定をしたときは、規則で定めるところにより、その旨を公示するものとする。
5 知事は、第一項の規定による指定の準備をするため必要がある場合においては、その職員に、他人の占有する土地に立ち入り、測量させ、又は調査させることができる。
6 知事は、第一項の規定による指定をしたときは、その職員に、他人の占有する土地に立ち入り、土砂搬入禁止区域であることを明示する措置を講じさせることができる。
7 前二項の規定により他人の占有する土地に立ち入ろうとする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
(土砂の搬入の禁止)
第二十九条 何人も、土砂搬入禁止区域に土砂を搬入してはならない。
(土砂搬入禁止区域の解除)
第三十条 知事は、土砂搬入禁止区域の指定の事由がなくなったと認めるときは、当該土砂搬入禁止区域の指定を解除するものとする。
第五章 雑則
(報告の徴収)
第三十一条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、土砂埋立て等を行う者に対し、当該土砂埋立て等について、施工の状況その他必要な事項の報告を求めることができる。
(立入検査)
第三十二条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に、土砂埋立て等を行う者の管理事務所、事業場その他その事業を行う場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、試験の用に供するのに必要な限度において土砂若しくは排水を無償で収去させ、又は関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
2 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該公表に係る者に、あらかじめ、その旨を通知し、その者又はその代理人の出席を求め、釈明及び資料の提出の機会を与えるため、意見の聴取を行わなければならない。
2 知事は、第二十四条第一項の規定による処分をしようとするときは、第十一条第一項第一号ニからトまでのいずれかに該当する事由の有無について、警察本部長の意見を聴くことができる。
第六章 罰則
(罰則)
第三十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
四 第二十九条の規定に違反した者
第三十八条 第二十三条第五項の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第三十九条 第二十七条第二項の規定による命令に違反した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第四十条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第十五条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
三 第十七条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
六 第十八条第三項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第四十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
附則
(施行期日)
1 この条例の施行期日は、規則で定める。
(平成二七年規則第八〇号で平成二七年七月一日から施行)