○大阪府建築物に附属する特定の設備等の安全確保に関する条例
平成十七年十月二十八日
大阪府条例第百一号
大阪府建築物に附属する特定の設備等の安全確保に関する条例をここに公布する。
大阪府建築物に附属する特定の設備等の安全確保に関する条例
(目的)
第一条 この条例は、建築物に附属する特定の設備等において事故が発生した場合の届出について必要な事項を定めるとともに、その届出に係る情報を基に事故の原因を明らかにし、事故に関する情報の共有化を図るために必要な措置を講ずることにより、事故の再発及び同種の事故の発生を防止し、もって府民生活の安全の確保に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この条例において、「建築物」とは、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号に規定する建築物をいう。
2 この条例において、「特定設備」とは、次に掲げる設備をいう。
一 エレベーター(建築物に附属する建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号。以下「令」という。)第百二十九条の三第一項第一号に規定するエレベーター(物を運搬するためのもの及び自家用のものを除く。)及び建築物に附属しない観光のためのものに限る。)
二 エスカレーター(建築物に附属するもの及び建築物に附属しない観光のためのものに限る。)
三 遊戯施設(令第百三十八条第二項第二号及び第三号に掲げる工作物をいう。)
一 人の死亡を伴う事故(当該死亡者又は第三者が事故を発生させることを認識して行った行為に起因して発生したと認められるもの及び修理、点検その他の維持管理に伴い発生したものを除く。)
二 人の負傷を伴う事故(当該負傷者が医師又は歯科医師による治療を受けたものに限り、当該負傷者又は第三者が事故を発生させることを認識して行った行為に起因して発生したと認められるもの及び修理、点検その他の維持管理に伴い発生したものを除く。)
2 前項の規定により届け出なければならない事項は、次に掲げる事項とする。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 事故が発生した日時
三 事故が発生した場所
四 事故が発生した特定設備の名称及び種類
五 特定設備が建築物に附属している場合は、その建築物の名称
六 事故の状況及び特定設備について講じた応急措置の内容
七 前各号に掲げるもののほか、知事が必要と認める事項
3 第一項の規定による届出を行った管理者等は、事故が発生したことを知った日から起算して三十日以内に、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を知事に届け出なければならない。
二 把握した事故の原因
三 講じた又は講じようとする事故の再発防止対策の内容
四 前三号に掲げるもののほか、知事が必要と認める事項
(事故の調査及び分析)
第四条 知事は、前条第一項の規定による届出に係る事故(以下「届出事故」という。)について、当該届出に係る特定設備における事故の再発防止及び当該特定設備と同種の特定設備における届出事故と同種の事故の発生の防止のために必要な調査及び分析を行うものとする。
(平二三条例一六・一部改正)
(事故の再発防止対策の実施)
第五条 特定設備の管理者又は所有者は、第三条第一項に規定する事故が発生したときは、事故の再発防止のために必要な措置を講じなければならない。
(事故情報の提供等)
第六条 知事は、届出事故と同種の事故の発生を防止するため必要があると認めるときは、当該届出に係る特定設備と同種の特定設備の管理者又は所有者に対し、届出事故の原因、届出事故と同種の事故の発生の防止対策その他の届出事故に関する情報を提供するものとする。
2 知事は、届出事故に関する情報のうち、一般に周知させることにより、届出事故と同種の事故の発生の防止に資すると認めるものについては、これをインターネットの利用その他の方法により公表するものとする。
(立入調査)
第七条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、特定設備若しくは特定設備が設けられている建築物の管理者若しくは所有者に対し、報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、特定設備若しくは当該建築物に立ち入り、事故の状況その他必要な事項を調査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 知事は、その職員に前項の規定による立入りをさせるときは、あらかじめ、当該特定設備又は建築物の管理者又は所有者にその旨を通知しなければならない。
3 第一項の規定により職員が立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
2 知事は、第七条第一項の報告を求められた者がその報告を行わないときは、当該報告を行うべきことを勧告することができる。
3 知事は、特定設備の管理者若しくは所有者が第五条第一項の措置を講じないとき、又はその管理者若しくは所有者が講じた措置によっては事故の再発防止をすることができないと認めるときは、当該特定設備の管理者又は所有者に対し、当該特定設備の除却、改修、修理その他事故の再発防止のために必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
(公表)
第九条 知事は、前条の規定による勧告を受けた者が、正当な理由なく当該勧告に従わず、かつ、事故の再発防止のために必要があると認めるときは、当該勧告に係る次に掲げる事項を公表することができる。
一 特定設備の管理者又は所有者の氏名又は名称
二 事故の発生場所
三 特定設備の設置場所
四 前三号に掲げるもののほか、知事が必要と認める事項
3 知事は、前二項の規定による公表をしようとするときは、当該公表に係る者に、あらかじめ、その旨を通知し、その者又はその代理人の出席を求め、釈明及び証拠の提出の機会を与えるため、意見の聴取の手続を行わなければならない。
(事務処理の特例)
第十条 この条例及びその施行に関する事項を定めた規則に基づく事務のうち、次に掲げる事務であって、府の区域内に存する市、町及び村の区域に係るものは、それぞれ当該市、町又は村が処理することとする。
(平一八条例五五・追加)
(規則への委任)
第十一条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(平一八条例五五・旧第十条繰下)
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成十八年四月一日から施行する。
(大阪府附属機関条例の一部改正)
2 大阪府附属機関条例(昭和二十七年大阪府条例第三十九号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附則(平成一八年条例第五五号)
この条例は、平成十八年四月一日から施行する。
附則(平成二三年条例第一六号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成二十三年四月一日から施行する。
別表(第二条関係)
項 | 用途 | 建築物の種別 |
一 | 体育館 | 階数が三以上であり、又は床面積の合計が二千平方メートルを超えるもの |
二 | 公会堂、集会場 | 床面積の合計が三百平方メートルを超えるもの |
三 | 劇場、映画館、演芸場、観覧場(屋外にあるものを除く。) | 床面積の合計が三百平方メートルを超えるもの |
四 | ホテル、旅館 | 床面積の合計が三百平方メートルを超えるもの |
五 | 児童福祉施設等(要援護者の入所施設があるものに限る。) | 床面積の合計が三百平方メートルを超えるもの |
六 | 病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る。) | 床面積の合計が三百平方メートルを超えるもの |
七 | 百貨店、マーケット、展示場、物品販売業を営む店舗 | 階数が三以上であり、床面積の合計が五百平方メートルを超えるもの又は床面積の合計が千平方メートルを超えるもの |
八 | 公衆浴場 | 床面積の合計が五百平方メートルを超えるもの |
九 | キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、待合、料理店 | 階数が三以上であり、床面積の合計が五百平方メートルを超えるもの又は床面積の合計が千平方メートルを超えるもの |
十 | 飲食店 | 階数が三以上であり、床面積の合計が五百平方メートルを超えるもの又は床面積の合計が千平方メートルを超えるもの |
十一 | 七の項から十の項までの用途区分のうち二以上の用途区分にわたる用途 | 階数が三以上であり、床面積の合計が五百平方メートルを超えるもの又は床面積の合計が千平方メートルを超えるもの(七の項から十の項までの用途区分に掲げる用途に供する建築物で、当該用途区分に応じ下欄に掲げるものを除く。) |
十二 | 博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スケート場、水泳場、スポーツの練習場 | 床面積の合計が二千平方メートルを超えるもの |
備考
1 「床面積」とは、この表の下欄の区分に応じそれぞれ同表の中欄に掲げる用途に供する部分の床面積をいう。
2 「児童福祉施設等」とは、令第十九条第一項に規定する児童福祉施設等をいう。
3 階数の計算については、地階及び床面積の合計が百平方メートル以下の三階以上の階を算入しない。