新たな国民負担が伴う地方議会議員の厚生年金加入に断固反対する意見書

更新日:令和元年10月25日

       
 
 

新たな国民負担が伴う地方議会議員の厚生年金加入に断固反対する意見書


 特権的と批判されていた地方議会議員の年金制度は、財政破綻により平成23年6月に廃止されたが、平成27年度より全国都道府県議会議長会等から形をかえて復活しようとする動きが始まり、その法制化に向けての動向は今もなお続いている。
 具体的には、地方自治体を事業主と見なして厚生年金に地方議会議員を加入させるという趣旨の厚生年金保険法などの改正案を、来年の通常国会に議員提案による提出を目指して議論が加速されている。
 地方議会議員年金制度は廃止されたものの、元議員等の既存支給者への給付はこの先約50年続き、公費負担累計総額は、約1兆1,400億円にものぼる巨大な額となる。その原資はすべて税金であり、国や各地方自治体の財政運営に少なからぬ影響を与えている。
 このことを踏まえ、本件については、次の事項を真摯に考えなければならない。
○ 地方議会議員の厚生年金加入を認めると、厳しい財政状況にある地方自治体に事業主負担という新たな公費負担を生じさせることになり、試算では、大阪府議会議員だけでも毎年1億5千万円、全国となると約200億円もの公費負担となる。即ち、地方議会議員年金制度廃止の後始末のために、莫大な税金投入がこの先数十年も続く上に、さらなる税金投入が必要となること。
○ 地方議会議員の年金でこのような動きがある中、国民の公的年金は、近年、現役世代の保険料の引上げが実施され、また、引退世代の給付額の抑制策が続くなど、なお厳しい状況であり、国民の年金制度を安定的に将来世代に引き継ぐには、政府のさらなる年金改革への取組みが求められていること。
○ 消費増税実施をはじめ、今後も国民に負担を求めなければならない時代が来ていること。
○ 法改正の理由に「議員のなり手不足」をあげているが、「なり手不足」と「年金」の結びつけには違和感があり、「議員を志す新たな人材確保」は大事な課題であるものの、これは住民が立候補しやすい環境を整備するなど、別次元で議論すべき課題であること。加えて、農業や漁業、介護など他の分野でも深刻ななり手不足の問題があるなか、地方議会議員だけ特別にその対応策を講じることの正当な理由がないこと。
 以上の事項を考慮すれば、年金制度は国民全体の課題であって、地方議会議員の年金問題だけを、法を改正してまで優先するものではなく、先んじて議論すべきは国民の年金制度の充実についてである。そして、自然に考えるならば、年金制度において議員だけを特別扱いするのではなく、議員も国民と同じ年金制度の適用でよいのである。
 税金の使途について率先して厳しい立場で臨まなければならない地方議会議員について、かつて議員特権と批判され、すでに廃止された年金制度を、形を変えて復活させるようなことは、批判の的となるだけであり、到底国民の理解を得られるものではない。また、新たな公費負担を伴うこの議員年金復活は、国民の判断を仰ぐべき事案であり、決して議員のみで決めるものではない。
 よって、地方議会議員を特別に処遇するような、地方議会議員の厚生年金加入については断固反対する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


令和元年10月25日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣    各あて
総務大臣
内閣官房長官
                                                                                                                                                     
                                                      
        大阪府議会議長
                                                                  三田 勝久                                                                                                                                                                                                
                                                            



 

 

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