第9回近畿6府県議員交流フォーラム開催結果報告

更新日:平成25年2月7日

  平成24年11月20日火曜日、兵庫県において、「第9回近畿6府県議員交流フォーラム」(近畿6府県:京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県、大阪府)が開催されました。
 大阪府議会からは、浅田均議長、岩下学副議長、上島一彦議員(維新)、藤原敏司議員(維新)、竹下隆議員(維新)、やまのは創議員(維新)、大山明彦議員(公明)、釜中優次議員(自民)、上の和明議員(民主)、宮原威の計10名が参加し、近畿6府県議会の超党派議員58名が一堂に会し、近畿各府県が直面している共通課題(地方自治、環境・エネルギー、防災、産業振興の4分野)について意見交換を行い、連携・交流を深めました。   

  まず、午前の全体会議では、開催地を代表して兵庫県議会の藤原議長の挨拶があり、続いてコーディネーターを務める、新川達郎同志社大学大学院教授(「地方自治」分科会)、鈴木胖公益財団法人地球環境戦略研究機関関西研究センター所長(「環境・エネルギー」分科会)、沖村孝神戸大学名誉教授(「防災」分科会)、佐竹隆幸兵庫県立大学大学院経営研究科長(「産業振興」分科会)からそれぞれ論点の説明をいただき、午後の分科会では議員による熱心な議論が交わされました。
 分科会の議論の後、再度参加者全員による全体会議で会議総括が行われ、各コーディネーターによる分科会の報告がなされました。
そして、今後も、近畿6府県議会が連携し、交流を深めてゆくことを確認し合い、和歌山県の山下議長から、来年度は和歌山県で開催されることが表明され、フォーラムが締めくくられました。

 各分科会のまとめ

「地方自治」分科会では、 「議会機能の充実について」をテーマに、監視機能や政策提案機能のあり方について、各府県のこれまでの改革への取り組み状況、運営上の課題、現実の成果などを中心に議論がなされました。

 第1点目として、政策立案機能の強化については、議会が主体的に政策立案に関わっていくことが大きなテーマであり、議決事件の追加、住民生活に影響のある条例の提案、実現など、各議会において努力されている状況の報告がありました。
 制定した条例や議決した重要な計画等の後の状況について、各議会としては、請願、陳情、意見書等と併せて議決責任としてフォローしていく必要性があるとの意見が出されました。さらに、フォローしていくにあたり、政策を検討する組織や立案、実施、その後の監視、成果の検証を含めた政策のフローを明らかにしているとの報告もありました。

 2点目に、審議する会議の活性化について、これまでの一括質問一括答弁方式から、一問一答方式や分割質問分割答弁方式への質問方式の選択制の導入など、各議会における取り組みの状況が報告されました。一問一答方式等を導入したにもかかわらず、想定したような議論の活性化が図られておらず、質問者の質問内容を充実させ、緊張感のある理事者側との質疑をいかに実現させていくかが課題であるとの意見が出されました。
 会議の活性化に関連して、通年議会の運営の検討では、議会が常に議論する準備体制を整えていくことが必要であることや、委員会での委員間討議のあり方について検討していく必要があるとの意見が出されました。委員間での自由討議については、将来的には本会議における自由討議も視野に入れて、取り組んでいくべきとの意見も出されました。

 3点目に、住民参加をどのように行い、住民意見をどのように府県政へ反映させていくかについて、既に実施している出前講座・出張委員会、管内調査における地域住民との意見交換などの取り組み状況や参加型の委員会運営のあり方についての報告などがありました。しかしながら、意見交換の方法については、会議形式、懇談形式いずれの方が適切なのかなど、工夫を要する点もあるとの意見も出されました。

 4点目として、政策に関わる議論を行う際の会派のあり方、会派間での議論のあり方について意見が出されました。会派間の議論をオープンにしていく必要がある一方で、それを宣伝として使われる場合もあることから、公正さ、透明性を確保しつつどのような形でオープンにしていくのか、これからの議会のあり方を検討していくうえで重要なポイントであるとの意見が出されました。

 5点目として、政策に関わる議論の進め方について、これまで、ある意味言いっ放し、やりっ放しだった面もあり、どのような具体的な組み立てで議論をしていくべきか試行錯誤しており、今後も試行錯誤を重ねながら、討論重視型で政策の議論をしていく必要があるとの意見が出されました。

 6点目として、政策の議論において、討論を重視すると、討論を支える仕組みが必要となってくることから、議会事務局機能の強化について意見が出されました。特に法務部門においては、庶務的な役割だけではなく、調査研究や法令実務の補佐機能を強化していくことが必要であり、監視機能の充実に繋がっていくとの意見が出されました。
 また、既にいくつかの議会では、内閣法制局、衆参両議院法制局と人事交流を行い、事務局員の能力向上に努めている事例報告があった一方で、僅かな職員で法務問題を解決することができるのかという意見もあり、法務を担当する機関の共同設置等、広域的な処理の仕方も検討していく必要があるのではないかとの意見も出されました。

 7点目として、議会基本条例について、先行事例の多くが、理念的なものにとどまっていることから、条例化する意義について疑問を呈する意見が出されました。その一方で、議員のあり方、職責について明確に定められる数少ない機会であること、長や執行機関との関係について、他の法令ではなかなか踏み込めない部分についても、議会基本条例では規定できること、さらには住民参加の基本的な方向づけができることなど、議会基本条例の基本的な意義について確認されました。より意義のあるものとして単にお題目としてではなく、実際に効果のあるものにしていく工夫の必要性が指摘されました。

 8点目に、府県の議会は、議会が執行機関と住民の間を取り持っている姿が非常に見えにくいことから、住民に議会をどのように知ってもらうのか問題提起があり、議会の権能、議会の役割についてもっと住民の皆様に知ってもらうことが必要であるとの意見が出されるとともに、既に広報・広聴の役割を重視した改革を進めようとしているとの報告がありました。

 全体を通じて、政策立案機能であれ、監視機能であれ、様々な議会機能の改革が進められているが、改革自体が目的ではないこと、よりよい自治の実現、住民福祉の向上のための手段であることを、改めて考えて改革を進めていく必要があるとの認識を共有して分科会を終了しました。


「環境・エネルギー」分科会では、「再生可能エネルギーの活用促進について」をテーマとして、参加議員より各地域での具体的な取組事例の紹介を行った後、将来的な再生可能エネルギーの導入可能性などについて、コーディネーターとの間で質疑応答を中心とした意見交換
が行われました。

参加議員からの取組事例紹介の概要

(京都府)京都府の一部が若狭原発30km 圏内に含まれるため、安全対策や今後のエネルギー政策に関する議論が活発化している。ペレットなどの木質化エネルギー、水力発電、温泉熱などの発電事業で地域を活性化させることができれば理想的である。身近なエネルギーと産業の組み合わせを推進したい。

(和歌山県)メガソーラーが県内で稼働し始めた。県内には太陽光発電の適地も多く、未利用地を企業に安価に提供している。また、林業県という特性を活かし、15 年ほど前から木質バイオバスにも力を入れている(28 施設、38 ボイラー)。また、海洋県でもあるため、潮流、波力発電も今後の検討対象としている。

(兵庫県)兵庫県では、市民参加型、県民出資による太陽光発電事業、県有地や県の施設の屋上などへの太陽光パネルの設置、間伐材、地熱、小水力発電、さらには、他府県と協力して調査研究中のメタンハイドレートなど多様な再生可能エネルギーの取り組みを進めている。とりわけ特区(あわじ環境未来島特区)の指定を受けた淡路島では、積極的に進められているが、普及促進には採算性が課題である。

(大阪府)主要なエネルギー源は、時代とともに変遷してきた。これからの主役となるべきエネルギー源について関心がある。

(奈良県)奈良県は、地理的条件から小水力発電に適している。今年からバイオマス発電が予算化され、放置されている間伐材の利用など、具体的な取り組みに着手したところである。普及には採算性の確保が課題である。また、奈良県立工業高校では、風力、太陽光発電の実験をしている。学校全体のエネルギーを賄うまでには達していないが、将来のエネルギーの地産地消の可能性を研究している。そのような生徒が卒業後に地域の実践リーダーになってくれれば有り難い。

(滋賀県)県内の自治体では、市民協働型の太陽光発電事業や小水力発電を実施している。また、風力発電については、信頼性等に問題があり、採算性も悪く、再生可能エネルギーによる大規模発電は困難だと感じている。エネルギーを大量消費する便利な生活様式を維持するか、原発への依存度を減らしエネルギー消費を抑えたライフスタイルに転換するかを検討していく必要がある。また、市民参加型発電事業に、高校生以下のこどもの参画を促すための取り組みは考えられないか。

主な質疑応答

Q:原子力発電の安全性、再生可能エネルギーの活用について、どう考えているか。

A:これまでの原子力発電の安全神話は、新幹線が過去に大きな事故を起こしたことがないことと同レベルで語られることもあった。しかし、新幹線の安全が確保されてきたのは常に最新の技術を取り入れてきた結果であり、基本的に建設時のまま運転されてきた原発とは大きく異なる。原子力発電についても、常に最新の技術を導入することで一定の安全性は担保されると考えているが、原子力の危険性は長期的にはゼロではなく、一度大きな事故を起こすと、世論が原子力の活用に消極的になる。先進国でも、既にドイツ、イタリアなど数カ国が脱原発を明確にしている。安全性を考えるとやはり再生可能エネルギーに行き着くが、在来のシステムに比べて高コストであり、企業の参入が難しい。そのための仕掛けづくりとして始まったのが固定価格買取制度である。

Q:休止中の原子炉でも、内部には燃料棒が残っており、原子炉の運転・休止に関係なく、事故のリスクは同じではないのか。また、廃炉のためのコストは誰がどのように負担するのか。

A:休止中のリスクは、冷却さえできれば運転中ほど高くない。廃棄燃料のコストは通常は電力会社が負担するが、最終的には利用者負担とならざるを得ない。

Q:再生可能エネルギーの開発について、各府県で様々な試行錯誤が行われているが、非効率であり、国が中心となりリードすべきではないのか。

A:再生可能エネルギーは、地域の特性を考慮した最適なエネルギー源を見つけることがその特徴であることから、国が主導したものを地方に押し付けるとかえって非効率となる。

Q:再生可能エネルギーを導入する目的は環境を守ることである。ライフスタイルの選択のほか、発電・節電、発電効率のアップといった望ましい組み合わせを地域単位で考えることが必要ではないのか。

A:その通りである。世界的にも温暖化の切り札としては、エネルギーの効率的利用と再生可能エネルギーの利用が二本柱となっている。機械、自動車といった単体での省エネではなく、地域ぐるみで節電や発電の取り組みを行っていくことが必要である。また、再生可能エネルギーは電源の安定化が不可欠で、需要と供給を見ながら最適運用を図り、供給不足時には化石燃料や揚水発電との併用や他地域との間で電力の融通を図ることが望ましく、蓄電、送電の技術の検討と併せて行っていく必要がある。

Q:エネルギーの供給には送電網が必要だが、民間主導だと必要な場所で整備が進まない恐れがあり、国が主導するべきではないか。

A:諸外国でも同様であるが、電力会社は不採算な投資を避けることから、ネットワークの整備には公正な第三者の判断と命令権限が求められる。日本では、海上、洋上の風力発電が有力で、本格的に技術開発をすれば原子力発電を代替できる可能性もある。全世界では原子力発電400 基が稼働しているが、風力発電の出力容量は世界の原子力発電所の半分の規模まで増えてきている。

Q:費用対効果の高いエネルギー源は何か。

A:まずは太陽光、次に風力だが、農地に建てられないなど立地の制約がある。その他はバイオマス。小水力は水害の恐れがなく十分な水量を確保できる適地が少ないため、難しい。

Q:家庭の太陽光発電への関心は高まったが、コストと耐久性が課題だと思う。広く普及するためにはどうすれば良いだろうか。

A:IGES(公益財団法人地球環境戦略研究機関)では国に対し、太陽光発電設備設置費用を生前贈与の対象とするなどの提案を行っている。

最後に、コーディネーターより、将来再生可能エネルギーが量的に原子力発電を代替することができるのかという問題提起がなされ、日本は海で囲まれているうえ、洋上では陸上よりも風力が強く、十分なポテンシャルがあることから、ヨット上に設置する洋上浮体風力発電に期待しているとの紹介がなされ、分科会を終了しました。


「防災」分科会では、 「自然災害への対応について」をテーマに、想定される巨大地震への備えや台風等の局地的な自然災害への対応、さらには府県間、他の圏域との連携のあり方などについて、議論がなされました。議論に先立ち昨年の台風12 号による集中豪雨の体験談が和歌山県の参加議員より披露されました。

平成23 年台風12 号による集中豪雨の体験談

体験談の中に「瓦が割れるのではないかという恐怖感があった」という表現がありました。「滝のような雨」「バケツをひっくりかえしたような雨」という表現はよく耳にしますが、時間雨量80−100mmという雨では、このような表現になるのかと、コーディネーターより大変感動したとのコメントがありました。

集中豪雨から一夜明け、道路ががけ崩れにより寸断されていたが、住民が率先して道路啓開作業を行い、道路の通行確保を行ったとの報告がありました。道路の通行確保は災害時における重要な課題の一つであり通常、道路啓開作業は、国土交通省の仕事ですが、共助の仕組みが働いた好例となりました。

危険情報の伝達手段の一つに、エリアメールがあるが、情報を住民が受け取れるかどうか、さらに受け取った情報を住民がどのように扱うかが問題であるとの意見が出されました。

加えて、情報を受け取ったら、受け取った情報をだれかに伝えることも重要であるとの意見が出されました。情報を自分だけの情報とするのではなく、受け取れなかった人に情報を伝えることが望ましく、実際にそのような動きがあったとの報告がありました。

以下、議論概要

南海トラフへの備えについて、現状のインフラの弱点を知る必要があり、老朽化により多くのインフラが寿命に近づいていることを踏まえた現状インフラの再点検の必要があることや、長周期による超高層ビルの共振運動への対策を進めていくべきとの意見が出されました。また、防潮堤について、津波の勢いを弱めていく対策、自立運転機能がついた防潮門扉の整備の必要性があるとの意見も出されました。

減災対策について、日常時の減災対策としての建築構造物の耐震化に加え、防災緩衝帯として、公園、上流の山地、田んぼ等の緑地等を防災空間として活用していくことに加え、避難空間や避難路を整備していくことが必要であるとの意見が出されました。

避難路の整備については、和歌山県より避難路を積極的に作っていく新たな条例を制定したとの報告がありました。条例は、一般と特例に区分され、特例の場合には、道路の中心から両側20mの空間を避難路として確保するよう住民に協力を求め、場合によっては収用してでも避難路を確保していくというものとの報告がありました。

避難路については、空間の確保が重要となるが、確保できない場合には、各自が自分の避難路をつくることが大切であり、和歌山県の那智勝浦町では、自分の避難路を作っているとの報告がありました。また、高速道路、駅舎の避難空間としての活用を積極的に進めていく必要があるとの意見や災害文化と呼ばれる防災教育、防災訓練などが減災に効果があるとの意見も出されました。

緊急時の減災対策として、危険度情報をどのような形で発信していくのか、エリアメール、防災無線、拡声器を使った情報伝達などの方法があるが、先にも述べたとおり、発信側は発信したことをもって情報が伝わっていると思いがちであり、案外伝わっていないものである。情報を伝達する仕組みを入れていく必要があるとの意見が出されました。

次の集中豪雨に向けて河川整備を進めていく必要があり、特に山間部における三面張りと称した河床にもコンクリートがあるような河川は水を早く流す効果がある一方で、強い雨が降ると洪水を引き起こしやすいことから、環境面も考慮しできる限り三面張りを減らしていくべきであるとの意見が出されました。また、森林農地の保全による保水力の確保や水系一貫対策を行っていく必要があるとの意見も出されました。
さらに、コーディネーターより、兵庫県が4月に制定した総合治水条例の概要について参加議員に対して紹介がありました。

日常時の減災対策としては、ハザードマップの作成や施設を日常的に維持管理していく仕組みが必要であるとともに、特に集中豪雨の場合は、避難時間の確保のために、防災コミュニティーの強化を図っていく必要があるとの意見が出されました。

広域連携については、日常的な連携・協議の場が必要であるとともに、何のために連携するのか問題意識を共有していくことが大切であること、広域的な援助と受援体制の内容について予め検討しておくことが必要であるとの意見が出されました。

最後に県と市との関係がギクシャクして思うようにいかないとの意見に対しては、連携には垂直連携と水平連携があり、国と県と市町村の連携である垂直連携は、特定の課題が起きたときのみの連携となり、情報を受ける側の市町村に不満が残る面があるとの指摘がありました。そのため、日常的な連携体制の構築を近隣や遠方のカウンターパートナーとつながる水平連携と併せて考えていく必要があるとの意見が出されました。


「産業振興」分科会では、「産業集積と海外移転への対応について」をテーマに、産業集積の強みと弱み、企業誘致のメリット・デメリットや企業の海外展開が国内産業の振興に与える影響について議論したほか、中小企業が地域に根ざしていくためには地域貢献が必要であることについて、先進事例紹介を交えながら議論が交わされ、下記のとおり、コーディネーターより総括されました。

尼崎のパナソニックのプラズマ工場は、2009 年の創業以来1万人規模の雇用があったにもかかわらず、2011年10 月には尼崎の地から順次撤退を余儀なくされたことに対して、雇用も派遣が中心で、下請企業は地元の企業とはほとんど繋がりがないうえ、地元の金融機関とも繋がりがほとんどなかったことから、地元尼崎への経済的な影響は「ほとんどない」とのことでした。

さらにシャープの亀山工場についても、創業から10年以上経過しており、ある程度地域に根ざしてはいるが、雇用、連鎖倒産、不良債権化など、ヒト、モノ、カネに与える影響はさしあたってなく、この点について大企業を誘致することによる地域活性化一つの限界があるのではないかとの問題提起がありました。

次に、地域にとってなくてはならない企業として地域に貢献していくには、ヒト・モノ・カネのつながりができ、ヒト・モノ・カネを地産池消することができ、地域内経済循環が雇用と税収という形で円滑的に地域活性化に反映していく要素が重要であるとの問題提起がありました。

また、産業クラスターづくりについて、地産地消型の商業クラスターテーマパークになっている伊勢の赤福のおかげ横丁は、観光客は増えており、このような成功事例から学べるところがあるのではないかとの問題提起がありました。

さらには、コミニティビジネスからソーシャルビジネスへの脱却について問題提起がありました。ボランティア中心で阪神淡路大震災以降、NPO がブームになり、活性化や雇用の受け皿としてコミニティビジネスが謳われたが、残念ながら自立できているところは極めて少ない。
自立していても、毎年補助金を投入しているか、完全にボランティアに依存しているという状態では、社会的活動ではあっても、事業ではない。そのようなこともあり、最近ではソーシャルビジネスや社会企業家をキーワードした、いわゆる事業性と社会性が共存できるような活性化が求められているのではないかとの問題提起がありました。

産業集積については、福知山市、守山市、三田市、大阪市の事例について意見が出されました。大企業の集積や海外進出による地域産業の空洞化はおそらく今後も続くことが見込まれるが、地元の中小企業を育成・振興による活性化を実現させていくことにより、なんとか補うことはできないか。小規模でありながら地産地消、学問的には地域内再投資力をつけるというという戦略を取っていくことが必要であるとのことでした。

中小企業のグローバル化は、兵庫県の調査では多くの企業で考えている。最近は生産拠点ではなく、大きな市場、販売拠点を求めてのグローバル化が多くなってきている。逆にいうと、日本は、先進国中海外からの企業誘致が最も進んでいない国である。賛否両論はあるが、企業を受入、外国人も受け入れること、そういう社会を日本が受け入れるかどうかは人口減少社会の日本では、大きな課題となるとの問題提起がありました。

選挙後の新しい政権の中で、TPP が現実のものとなってくる可能性があり、TPP が導入されれば農業が壊滅するのではないかとの意見が出されました。この点、競争と規制のどちらを優先させ、日本の財政力として、農業を保護するのか育成するのか非常に難しいテーマであり、活性化のためにはTPP が必要ではあるが、社会問題として多くの失業者が発生し、地域が完全に疲弊し、問題を残すのでその選択は非常に難しく、農業のみならず、中小企業あるいは創業ベンチャーも含め自活していく、競争に立ち向かっていく姿勢が必要であるとのことでした。

1999 年に改定された中小企業基本法は、経営革新、連携、経営品質の向上など、強い企業、努力している企業、成長可能性のある企業を伸ばしていくことに主旨があり、国は規制緩和のなかから、自助努力をしている競争力をめざしている企業を育成していく必要があり、潰れかけている企業・地域に対しては産業政策的な視点ではなく、所得保障をはじめとする社会政策的な施策が中心となるべきであるとの紹介がありました。

経営の質を測るにはCSR(社会的責任)、ES(社員満足度)、CS(顧客満足度)3つの視点が必要である。CSRは、ブランド力を高め、競争力を高めていくために進めていく必要がある。企業は、営利企業であり、地域というのもどれだけ綺麗事をいってもカネを稼がないと地域活性化はできない。そのベースにはESとCSがあり、ESの尺度はあいさつができるかどうかであり、その企業の社員であることに対して満足できるようモチベーションを高めていくことが、ESを高めていく唯一の活性化の方法であると考えている。

先ほども紹介したように、中小企業基本法の1999 年の改定は、個別企業の成長力、努力、経営者の学ぶ姿勢を重視したものだったが、それだけではなく地域や文化を守り、それをベースに活性化という視点を取り込もうとしていた。全国各地で中小企業振興基本条例を制定しようという動きもあるが、国が作った中小企業憲章そのものが、そのような動きの現れの一つであり、地域という視点、日本という視点、場合によっ
ては日本文化という視点を守ってこそ、グローバル化のなかで日本の強みが発揮できるのではないかと考えている。

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