第8回近畿6府県議員交流フォーラム開催結果報告

更新日:平成23年12月14日

  平成23年11月21日月曜日、京都府において、「第8回近畿6府県議員交流フォーラム」(近畿6府県:京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県、大阪府)が開催されました。
 大阪府議会からは、浅田均議長、横倉廉幸副議長、置田浩之議員(維新)、小林雄志議員(維新)、林啓二議員(公明)、加治木一彦議員(公明)、しかた松男議員(自民)、冨田健治議員(民主)の計8名が参加し、近畿6府県議会の超党派議員57名が一堂に会し、近畿各府県が直面している共通課題(地方自治、防災、産業振興の3分野)について意見交換を行い、連携・交流を深めました。   

全体会議写真

    まず、午前の全体会議では、開催地を代表して京都府議会の近藤議長の挨拶があり、続いてコーディネーターを務める、新川達郎 同志社大学大学院教授(「地方自治1」分科会)、佐藤満立命館大学教授(「地方自治2」分科会)、室崎益輝関西学院大学教授(「防災」分科会)、中森孝文龍谷大学教授(「産業振興」分科会)からそれぞれ論点の説明をいただき、午後の分科会では議員による熱心な議論が交わされました。

    分科会の議論の後、再度参加者全員による全体会議で会議総括が行われ、各コーディネーターによる分科会の報告がなされ、「地方自治2」「産業振興」の分科会の報告の中では、熱心な質疑応答も行われました。
 そして、今後も、近畿6府県議会が連携し、交流を深めてゆくことを確認し合い、兵庫県の加茂議長から、来年度は兵庫県で開催されることが表明され、フォーラムが締めくくられました。 

分科会の様子

第1分科会写真

第2分科会

第3分科会

第4分科会写真

第1分科会(地方自治)

第2分科会(地方自治2)

第3分科会(防災)

第4分科会(産業振興)

 各分科会のまとめ

「地方自治1」分科会では、「住民代表機能を担う議会のあり方」をテーマに、二元代表制のあり方、議会の住民代表機能、住民投票制度について以下の議論がなされました。

二元代表制のあり方の議論では、長と議会の存在そのものが問われている中で、その力の差がとても大きい現実を踏まえ、二元代表制をよりよく機能させていくためには、議会側の政策分野での専門性を考えていく必要がある。そのためには、議員の資質とともに議員に対するサポート体制をしっかりと組み立てていく必要がある。また、政策形成、あるいは行政チェックという点では、議会の存在、その権威を高めていくような工夫も必要なのではないかという意見が出されました。

一方では、この二元代表制という仕組み自体が今日において、制度疲労を起こしているのではとの観点から、国の法改正まで見据えた制度改革の議論もしていくべきでは、という意見もありました。

2つ目の重要な論点である住民投票制度については、本質的に望ましくないという意見もありましたが、最後は、直接民主制に委ねざるを得ない、そうした住民投票の必要性というのはやはりあるのではないかということが、大方の意見でした。

ただし、住民投票には人気投票的な側面が常に付きまとうため、住民投票の対象や手順、手続き、当該問題を判断する住民との情報共有が大事であり、また、住民の理解が「住民責任」という観点からも大事との意見が出て、厳格な手続きの下で導入する仕組みを考えられないだろうか。という意見が出されました。

住民代表機能に関しては、住民代表機関としての議会が、議会広報などに努めても多くの住民の方には伝わっておらず、特に府県議会については市町村議会に比べて関心が薄いとの指摘も出されました。そうした中でできることは、各議員がそれぞれ住民との関係を強化し、情報共有をしながら、住民意見を議会に反映をさせていくという議員の役割を果たし、住民のための議会として活動している姿勢を見せ続けていく努力が大事である。また、それ以外に住民の理解を得るために議会としても、もう少し各種団体とタイアップするなど、色々な住民参加の工夫をしていってはどうかとの意見が出されました。

そして、こうした議論が、今後の各議会の長との関係では、よい緊張関係をもたらし、また、住民との関係では、より住民の理解を得て、そして、住民の意思を的確に反映する議会運営に繋がるものであるとの認識のもと、分科会が終了しました。 


「地方自治2」分科会では、「広域自治体としての都道府県の役割」をテーマに、基礎自治体が合併や大都市制度の充実によって、力を付けてくる中での府県がすべき対応と、関西広域連合のように広域に向けて動き出している新しい制度が見える中、府県はどのように対応するべきかという議論がなされました。

まず、基礎自治体と府県のあり方は、その基礎自治体がそれなりの行政力量を付けてくるのであれば、基礎自治体がやれることをやり、府県はバックアップに回れば良くて、基礎自治体に対する支援のあり方は、その市町村によって濃淡があってしかるべきであるという考え方が、大きな反対のない意見でした。

一方、京都府からは、基礎自治体に直接手を入れるような府民力活性化施策を実施していて、基礎自治体と少し距離を置くだけではないような、府市協調のモデルもあり得るという話を聞くことができました。

それから、合併の見方では、財政基盤が弱小なために合併に追い込まれたという側面も強くあり、過疎の問題を抱えている自治体などは、合併によってかえって周辺部の寂れを生んでいるというようなデメリットが目立っている側面もあるので、自治省及び総務省のラインで進めてきた行財政力強化という点だけで、評価をするわけにはいかず、その地域に住む住民の方々の視点からの検証が絶対に必要だという意見が出されました。

ただ、合併は、それなりに行財政力の強化という政治的、行政的資源を手に入れたわけなので、リーダーシップを振るえば色々なことができる可能性があるということも言えるが、本当に過疎に苦しんでいて、合併に追い込まれたところは、人材の供給自体が非常に厳しくなっているため、新たな制度設計がいるのではとの意見も出されました。

関西広域連合に関しては、国土交通省や経済産業省の国の出先機関を関西で引き受けるという体制ができれば、ある意味では関西広域連合の政治的目標は達するのではないかという議論がなされました。

広域連合という枠組みを創ったのはよいが、広域連合は(ある意味では)地方公共団体なので、議会もあるわけですが、その議会が議論の場とはなっておらず、知事達の政策協働の場にしかなっていなくて、現状から見れば広域連合に否定的な見解が多く出てこざるを得ないけれども、経済基盤の強化や新展開の問題など、広域でないとどうしようもない問題については、どうしても広域連合でやるべきだという強い意見もありました。

まだ日の浅い広域連合の歴史の中で、そのメリットになる部分、期待する部分とデメリットになるかもしれない部分、あるいは道州制の一里塚になりかねない危惧とかいったものも含め、色々と意見が出ました。

最後に、府県独自の政策領域とはいったい何なのかという議論では、府県の元々のプロパー領域と重なった議論になりましたが、より広域のところと府県のところとを分けた議論を真剣にしていくためには、将来的には道州制を展望しているという一方の議論もあるものですから、それが住民のために良いこと、あるいは住民の納得できる形での政策遂行という形に繋がるためには、議員が努力して、確実にそれが住民にとって良いものであることを検証して、さらに従来の二層性の限界を突き破ってさらなる前進を築いていければよいのではないかという、前向きの結論で議論を終えました。 


「防災」分科会では、「次の巨大震災への備え」をテーマに、東日本大震災から学んだ教訓や課題を明らかにし、その教訓を次の災害に活かし備えるということについて、以下の議論が行われました。

まずは、地震だけでなく、集中豪雨、土砂災害、山崩れ、原子力発電所のリスク問題など、多様なリスクに対する備えを必要とする一方、色々なリスクを想定していても、やはり想定外がどうしても起きることを考えておかないといけない、という意見が出されました。

そして、減災という考え方をしっかり貫くことが必要で、減災は、総合性と戦略性という2つの点で整理できることが示されました。つまり、総合性というのは多様な対策を効果的にうまく組み合わせていくということで、ハードとソフトの関係、安全性と利便性、災害の頻度(百年に1回、千年に1回)に合わせた柔軟な考え方と対処方法の違いなどについて、様々な意見が出されました。

また、戦略性の問題とは、例えば復興の時に住宅か産業のどちらを優先するかといった災害によって優先すべきことが異なることも考えながら、トータルとして被害を少なくするという視点をもって、対策の組み合わせを考えないといけないということでした。

また、巨大災害における避難対策としては、民間のマンションや施設を避難ビルに代えるという考え方やその運用方法、子どもやお年寄りなどいわゆる要援護者に対する避難の仕方や訓練について意見交換がなされ、最終的には一人ひとりの人間なり、一つひとつのコミュニティが強くなって、釜石の奇跡の例にみる、地域社会での日頃からの防災教育の必要性について、議論がされました。

また、台風12号の被災地や東日本大震災で、3日間ほど情報が来ず、初動対応が遅れてしまったことでは、災害に強い情報システムの必要性だけではなく、情報を待つだけではなくて、情報を取りにいくようなシステムが必要なのではないかというような話がなされました。

さらに、事前に正確な警報を出すためにも、予測技術を開発する必要性も指摘されました。

防災対策に対して行政のあり方は、一つは、行政庁舎が災害時に機能することが求められていること、二つ目は、縦割り主義が大変弊害となっているため、もっと横につなぐシステムを考えることが必要で、もっと地域や現場を中心にして、対策を考えるような発想法に転換しなければならないのではないか、ということが提起されました。

そして、議員、議会の役割は、議員もある意味で行政の一員であり、行政が動けないのであれば、むしろ行政に代わって先頭に立って情報を取りに行くなどのリーダーシップを取るようなことをして良いのではないかという意見が出されたほか、被災者のニーズや悩みを、一番近いところにいる議員がつかんで、行政に反映させる努力をしないといけないという議論や、そのために議員自身がシミュレーションなどの訓練をもっとする必要があるのではないか、という意見が出されました。

そして、関西における広域的な取組の話では、防災はすべての府県にまたがる重要な問題のため、近畿圏の府県が力を合わせてやっていくことが必要で、被害想定も県域を越えた広域で考えることや、広域訓練の中身をしっかり考え直し、広域レベルの役に立つ訓練計画にしなければならないとの議論がされました。

それから、観光客、帰宅難民など府県域を越えた人たちのために、広域での避難マニュアルを作っておくことが重要で、最終的には関西広域連合の防災部会で、そういうことは検討しないといけないというように意見がまとまりました。 


「産業振興」分科会では、「地域の強み(地域資源)の活用による産業振興」をテーマに、地域の強み、地域資源とは何かとの観点から以下の議論が行われました。

府県共通して、地域 に自慢の産品が多くあるが、付加価値創出に繋がっているようなケースもある一方で、かなり衰退している地域資源も多くある。この地域資源の今後の対応方策等について、農林水産品、鉱工業品、観光資源という形で取り上げ、議論がなされました。

農林水産品では、ブランド化に成功している地域は、住民のまじめさ、気質、文化、歴史などが、うまくストーリーとして繋がることによって、ブランド価値を上げることができており、そういう「価値を上げる努力」をする必要がある。

しかし、そのためには時間がかかるため、例えば農家の方々に、何でもかんでも補助金で解決するというのではなく、時間をかけて付加価値を高めることや価値を伝える工夫の大切さについて、理解いただくことが必要ではないか。

また、農林水産品単独でブランド価値を上げるのではなくて、その地域の観光産業などと一体となって、ブランド価値を上げていくことが重要であるとの議論がされました。

観光では、観光客が必ず しもその地域で消費をしていかないという事象も見受けられ、宿泊客を増やす努力に加えて、地域の強み、農産品などをうまく活用して、そこで地域のご当地グルメみたいなものを出していくことで、観光客の消費を増やしていく、ということも有効ではないかとの話もなされました。その時に大切なことは、農林水産品と同じく、地域の歴史、風土、云われなどの「無形の強み」をうまくPRしていくこと。しかも、そのPRも単なる事象の紹介にとどまらず、わかりやすい魅力的なストーリーとして提供するなど、マスコミが取材したくなるようなPRの方法が重要ではないかとの議論がされました。

鉱工業品では、誘致型の産業振興、いわゆるエコノミックハンティング型の産業振興では、地域に根付かず、円高などの問題が発生すると逃げてしまうため、むしろ、地域の強みを活かした産業を育てていく「エコノミックガーデニング」のような手法が重要ではとの議論がされました。

そのために、自分のところの企業なり、自分の地域の産業は何が強いのか、ということを理解しておく必要があり、単に商品を見るだけではなく、例えばCSR(企業の社会的責任)に取り組んでいる企業をうまくPRすることによって、そこに付加価値を付けることもできるのではないかとの議論がされました。

近畿地域には例えば「近江商人の三方よし」のような立派なCSRもあるので、外国の経営手法を持ち込むだけでなく、足元にある日本の素晴らしい経営手法の価値に気づき、それを上手に紹介していくような産業振興策が、必要ではないかというような議論がされました。

産学官の連携、業界を越えた連携の観点では、産学官連携で取り組むけれども、プレーヤーはやはり「産」であり、民が頑張れるような仕組みづくりが必要である。その時に、地域にどのような強みがあって、どのようなストーリーがあり、それらをうまく組み合わせることによって新しい価値を生むということを、見た人が気付くような情報提供の仕方が必要である。そして、その地域で、その農産品、鉱工業品が育った理由である歴史や風土などをひっくるめて情報 開示をしていく必要がある。

例えば、京都が観光の産業として成功していても、それにあぐらをかいていては駄目で、昔の京都の人たちが良いものをどんどん京都に取り入れてきたように、他地域の利用できる強みをうまく自分のところと連携させて、取り組んでいく必要がある。すなわち、今まで県内、府内で語られていた産業振興は、業界を越えて考えていく必要があり、隣接する地域が県域を越えた連携をやっていくことによって、新しい産業振興というものもできるのではないか。

それが結果的には、痛みや忍耐を伴うような政策を打つ時に、地域が連携をして、また政党の壁を越えたような支援策、本当に役立つ支援策が打てるのではないか。すなわち、もう少し長い視点で 産業振興をやっていくことが、地域の強みを活かしたブランド作りに繋がるのではないかというような議論がなされました。 

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