泉州普及だより 令和7年3月発行 第117号 省力的な水稲除草剤の展示ほを実施  水稲栽培においては、除草剤散布の省力化が求められており、ジャンボ剤などの省力製剤が普及しています。近年、FG剤などの自己拡散性を有した省力製剤が注目を集めています。 今年度は5つの新農薬展示ほを実施し、効果を現地で評価しました。 水稲除草剤の省力製剤とは? ・水田の中に入らず、畦畔から使用するだけで、ほ場全体での効果が期待できる除草剤 ・水田に使用すると、農薬成分が水面で溶けて広がる ・使用後3日~4日ほどでほ場全体に処理層をつくり、この処理層に雑草の芽が触れることで効果が発揮される 種類 農薬名:カラットジャンボ、種類:ジャンボ剤、剤型:パック、拡散:水面下、使用量(10aあたり):10個(400g)、使用方法:水田に小包装(パック)のまま投げ入れる、実施場所:堺市 農薬名:ウィードコアジャンボ、種類:ジャンボ剤、剤型:パック、拡散:水面下、使用量(10aあたり):10個(200g)、使用方法:水田に小包装(パック)のまま投げ入れる、実施場所:堺市 農薬名:ラオウジャンボ、種類:ジャンボ剤、剤型:パック、拡散:水面下、使用量(10aあたり):10個(250g)、使用方法:水田に小包装(パック)のまま投げ入れる、実施場所:和泉市 農薬名:カラット400FG、種類:FG剤、剤型:粒剤、拡散方法:水面・自己拡散、使用量(10aあたり):400g、使用方法 湛水散布、湛水周縁散布、無人航空機による散布、実施場所:堺市 農薬名:ルンバ楽粒、種類:楽粒、剤型:粒剤、拡散方法:水面・自己拡散、使用量(10aあたり):250g、使用方法 湛水散布、湛水周縁散布、水口使用、無人航空機による散布、実施場所:堺市 結果  今回の展示ほ試験では、いずれも慣行の除草剤と同等の効果を確認することができました。また、展示ほ設置農家からは「作業が非常に楽だった」、「水田に入らなくて水田の中心まで効いた」などの感想も聞かれました。  水稲除草剤の省力製剤の使用を検討されている方は次の注意点を参考にしてください。 使用上の注意点 ・苗の植え付けが均一となるように、代かき時の均平化および植え付け作業は丁寧に行うこと ・本剤は、水の出し入れを止め、やや深め(5~6cm)の湛水状況に保った状態で使用すること ・使用後は、通常の湛水状況(3~5cm)を保ち、7日程度は落水しないこと ・使用時期を逃さず、適切に使用すること 新たな販路開拓を探る 岸和田市でOEM事業者とつながる交流会を開催 府内の農産物生産者(以下、生産者)とOEM事業者(以下、事業者:農産物を材料として加工する業者)をつなげる場を設け、新商品を生み出すことを目的として1月20日に(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所と共同で、「OEM事業者とつながる交流会」を開催しました。 交流会では、魚森清恵さん(一般社団法人 味付けアドバイザー協会 代表理事)を講師として、「食品OEMとは?~思いを商品化するために知っておきたいこと~」をテーマに、消費者目線で商品コンセプトを明確化していく手法や、顧客ターゲットの設定等、商品化を進めるにあたって重要な考え方について講演していただきました。次に、各事業者による事業内容等の説明後、生産者(15名)と事業者(4社)が意見交換を行い、有意義な交流会となりました。 参加した生産者からは、「講演を聞いて、頭の中の考えを整理できた」「加工品で成功するための心構えを理解できた」「良い事業者に出会えた」といった声が上がりました。 農林水産大臣賞 受賞おめでとうございます! 第72回大阪府花き園芸連合会品評会 農林水産大臣賞 川口彰規(てるき)さん(泉南市)  本品評会では、大阪府内から136点の花きが出品されました。受賞された川口さんのグラジオラス‘ピンクパーロット’は、草丈が110cmを超え、葉と花付きのバランスが良く、ボリュームがあり、非常に優れた品質であったことから農林水産大臣賞に選出されました。 第54回大阪府果樹品評会表彰式 農林水産大臣賞 井阪光一さん(和泉市) 本品評会では、大阪府内から102点のみかんが出品されました。本年度は猛暑が続き、雨が少なかったことから非常にみかんを作りにくい環境でしたが、その中でも井阪さんの温州みかんは色つやが良く、果実の形も大変揃っていたことから農林水産大臣賞に選出されました。