第24回男女共同参画審議会概要

更新日:2017年4月6日

第24回 大阪府男女共同参画審議会 概要

 

 開催日時:平成22年7月20日 火曜日 10時から12時

場所:国民会館・住友生命ビル12階 武藤記念ホール(小ホール)

出席委員:

会   長徳矢 典子弁護士
会長代理伊藤 公雄京都大学大学院文学研究科教授
加納 恵子    関西大学社会学部教授
株本 佳子日本労働組合総連合会大阪府連合会女性委員会委員長
清野 博子 前大阪府立男女共同参画・青少年センター館長
中田 理恵子財団法人大阪府人権協会評議員
畑  律江      毎日新聞社編集局学芸部編集委員
深堀 昭吾 シャープ株式会社人事本部副本部長
古久保さくら   大阪市立大学大学院創造都市研究科准教授
山野 則子    大阪府立大学人間社会学部社会福祉学科教授
                                                                                                                                                                                                                                                                                     

【会議の概要】

1 開  会

2 議  事

(1) 男女共同参画関連施策の検証・評価について

◆事務局より資料説明 (資料1) 

(2) 新たな大阪府男女共同参画計画の基本的な考え方について

◆事務局より資料説明 (資料2−1、資料2−2、資料2−3)

◆主な意見等(注:文中○印は委員、●印は事務局によるもの)

○国の答申では、目指すべき社会で「1 固定的性別役割分担意識をなくした男女平等の社会」が最初にきているが、これより「3 男女が個性と能力を発揮することによる、多様性に富んだ活力ある社会」を前面に出すべきではないかと考えている。男女共同参画を推進することで、多様性を持った活気ある社会にしていく、そうしなければ21世紀の府や日本はダメになってしまうという方向付けを明確にした方がよい。

○他国が1970年代以降、女性の社会参加・参画により大きく変わってきたのに日本はこの40年ほとんどそういう動きを取らず、それが日本の沈滞に繋がっている。大阪ではいろいろなデータが全国的に低いからこそ、国以上に厳しい現状を踏まえ、大阪の未来みたいなものをきちんと提案することがあってもよいのではないか。

10年前国の基本法ができたときから、制度または慣行についての「配慮」という言葉が使われているのが疑問。もっと積極的な意味合いを含めることはできないか。

○慣行についての配慮とは、慣行を大切にしましょうということではなく、慣行が制度的にできるだけ中立的になるように対応しようという趣旨であり、そう解釈すればよいのではないか。説明をわかりやすく変えればよい。

10年間、様々な施策を推進してきたが、男女共同参画への理解は浸透していないのではないか。基本理念は素晴らしい文面だが、実践と少しかけ離れてしまったかもしれない。国の評価の中では個々の人々の参画というより、特定の人の参画になっていたのではないかとあった。それぞれにとって男女共同参画が必要であるが、その点が理解されてこなかったのでは。今一度、基本理念からの再評価が必要と考えている。

○正しいことではあるが、決まり切った文言を言い回しを少し変えて形だけ創りだしたというのではほとんど意味がない。世界や日本での動きが激しい中、現場の中から何が問題でそれが基本理念との関係でどうつながっていくのかを議論しないと新計画はできないのではないか。

○そもそも「男女共同参画」の「男女」という2つの性を議論していく時代ではなく、セクシャル・マイノリティはじめ多様な人々の存在を認めながら生きやすい社会を目指していく、ということが本来の方向性だと理解すると、「男女」に固執している基本法になっているのは抵抗感がある。表現をもう少し変えていけないか。また、それが難しければ、多様な人々ということをどう評価していくかが大切である。

○「男女共同参画」という言葉は、男女共同参画社会基本法で定められた概念である。
セクシャル・マイノリティの問題は大切な問題であり、国の3次計画の答申(案)にも入っているが、ぜひ府の方の計画にも入れてもらいたい。

○計画期間については、社会経済情勢の目まぐるしい変化を考えると、その変化に対応できる範囲として、10年では長すぎるので5年を念頭に進めていきたい。

M字カーブ問題では大阪がなぜ低いのかについて大阪府としてはどう考えているか。
意識が低いのか、男性()の通勤時間や拘束時間が長いから家庭が性別役割分業的戦略を取らざるを得ないのか。

M字型就労については、都市部では一般に通勤時間や拘束時間が長いということはあげられている。また保育所の待機児童数など保育所整備の問題、女性も長時間労働の中で家庭との両立が困難ということもあると思う。

○労働について、確かに京阪神地域と奈良県は専業主婦比率が高い。明らかに大阪へ通勤する男性片働き世帯が多く結構豊かということ。一方、大阪府では北部はそうでも、南部だと状況は変わってくるのではないか。

○府内の女性が、学校卒業後、就職し短期で離職してしまう理由を知りたい。例えば、社会制度の中で扶養家族になった方がよいと考えたためなのか、あるいは、パートで働く人が就業率に入っていないのかなど。

○大阪府の男性の自殺者が東京に次いで多いことも気になっている。3次評価で対策が求められるとなっていたが、やはり次につながないといけない。

○府の自殺者は人口比でみると全国的には高くないのではないか。秋田県などの方が上位。東京や大阪が多いのは人口が多いからである。もちろん、数が多いのだから対策は必要である。

○仮に男性の長時間労働が女性の雇用者割合を減らしているとしても、男性に対し遠くに働きに行くなとはいえない。現状で女性が働こうと思えば職住接近の雇用をNPO活動やコミュニティビジネスなどで生み出すのはどうか。今の状況をどうとらえるかというデータを踏まえ、取り組むべき方向性を考えるべきではないか。

10年前と比べて経済的にとても痛んでいるのではないか。就業の問題も中小企業がつぶれていく中で女性にしわ寄せが来ている可能性もある。貧困問題は、データを含めてきちんと調べて対応していく必要がある。それを男女共同参画の視点で考えていくことが大事。男性の高齢者問題が今後5年間にすごい事態になる、70代近くになる日雇い労働者の方たちがどうなるかは深刻な問題。無年金者も結構いるのでは。

○数年前、大阪府の被差別部落女性の実態調査を行った。その際出た数値はM字型にならず、台形のように男性同様ずっと働き続けるというものであった。理由は世帯収入が圧倒的に低く家族全員働かないと生計が成り立たないからである。また実際働けるのは保育所を網の目のように造っていったからである。保育所をつくるには行政の支援が必要。また、企業の社会貢献の視点からも促進していくことが必要。

○マイノリティの視点については、国の報告でも入っているが、大阪府でも基本的な視点、新たな視点にマイノリティの視点をいれないといけない。

○大阪府は貧困の問題を抱えている。特にマイノリティとしての貧困という問題がある。ただ、大阪では同和行政の中でどうやって地域を再生、自立化するかということに取組んできたこと蓄積がある。こうした取組みを再評価すべき。大変な問題を克服するためにやってきた行政の積み重ねを基本的視点に入れていったほうがよいと思う。

○学校では地域の支援人材と共に家庭教育を支援していくという取組みをやっているが、政策的にボランティアベースでなかなか広がらない。国の事業仕分けで「家庭教育支援サポーター」の事業補助がカットされたが、府内の8つくらいの市町村が自費で継続してやっている。素晴らしい取組みなので、今の成果を活かしながら、どう継続支援していくのかを大阪らしい行政的なものとして考えてはどうか。

M字カーブがなぜ継続しているかの原因のひとつに、大阪府は子育ての孤立の問題が非常に大きい。乳児の母親が誰とも話さずに暮らしているという実態がある。手助けがなく、助けてと言えないお母さんたちが仕事を辞めていったりしているのでは。

 また外に出ず、閉じこもってしまっているという側面もあるのではないか。

○きつい言い方になるが、本気でやるのかなと思った。企業では、テーマがあれば、まず課題を潰す。トップダウンでやっていく。2005年、ダイバーシティの視察で米国企業に行った際、日本には本音と建前があるが、本音でやらないと進みませんと言っていた。企業では女性を優遇するのでなく、戦力化するためいろいろ施策をつくっていく。現状をよく分析し、テーマをしっかり浮彫りにするというのが大事。体系的にシナリオを創って課題を潰していくのがアプローチの仕方かと思う。

●国のデータでも男女別や都道府県別のデータがないことがある。特に労働分野ではほしいデータがない状況。しかも一番使える国勢調査が今年度行われ、5年前の数字しかなく変化も見えにくかったりする。今後は民間のシンクタンクのデータも参考にさせていただくことも必要かと思っている。

○確かにデータはない。だから事例などで言うしかないだが国ではジェンダー統計、 ジェンダー予算というのをかなりはっきり組み入れているので、府もジェンダー統計の視点に立った調査という概念を持ち込んでいってほしい。

3 閉  会

 
【配付資料】

・資料1     男女共同参画関連施策の検証・評価(3次評価)(案) [Wordファイル/83KB] 

・資料2−1   審議会答申のポイントについて(案) [Wordファイル/24KB] 

・資料2−2   新たな大阪府男女共同参画計画の基本的な考え方について(案) [Wordファイル/56KB]

・資料2−3  大阪府における男女共同参画の現状 [Wordファイル/27KB]

・参考資料   ・NEWSWEEK記事「女性パワーが世界経済を救う」
         ・日韓・男女共同参画のまちづくりフォーラム
         ・国連婦人開発基金(UNIFEM)日本事務所の開設

このページの作成所属
府民文化部 男女参画・府民協働課 男女共同参画グループ

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