街路空間における緑化手法

更新日:2016年3月18日

街路空間における緑化手法

街路空間の温熱環境は、太陽の直達日射、路面や壁面の反射日射及び赤外放射で構成されます。夏季の街路空間の温熱環境改善には、これらを遮蔽することが重要です。道路形状、方向、街路樹の形状や間隔等を考慮した日影シミュレーション、観測結果(緑化の効果検証)等により、歩道の温熱環境改善に有効な緑化手法を以下のとおりまとめました。

街路

優先度

緑化手法と狙い
(強・中・弱は、効果の強弱を示す)

備考

東西道路
北側歩道

強 歩道と車道の間の高木植栽
   →南からの直達日射を遮蔽【終日】
弱 歩道と車道の間の低木植栽
   →車道の反射日射及び赤外放射を遮蔽【終日】
弱 北側建物壁面近傍の中低木植栽
   →壁面の反射日射及び赤外放射を遮蔽【終日】
東西道路北側歩道は、一日中建物の影が生じず、優先順位が高い。
南北道路
東側歩道

強 歩道と車道の間の高木植栽
   →西からの直達日射を遮蔽【午後】
中 東側民有地の高木植栽
   →東からの直達日射を遮蔽【午前/歩道に建物の影が生じない場合で有効】

弱 歩道と車道の間の低木植栽
   →車道の反射日射及び赤外放射を遮蔽【終日】
弱 東側建物壁面近傍の中低木植栽
   →壁面の反射日射及び赤外放射を遮蔽【午後】

南北道路東側歩道は、午後の温熱環境が厳しいため、午後の温熱環境緩和につながる緑化の優先順位が高い。特に、西日を遮蔽する歩道と車道の間の高木植栽は重要である。

東側民有地側の高木植栽は、午前の温熱環境緩和を狙ったものであり、歩道が広い場合や建物がセットバックしている場合など、歩道に建物の影が生じない場合で有効である。

南北道路
西側歩道

強 歩道と車道の間の高木植栽
   →東からの直達日射を遮蔽【午前】

中 西側民有地の高木植栽
   →西からの直達日射を遮蔽【午後/歩道に建物の影が生じない場合で有効】
弱 歩道と車道の間の低木植栽
   →車道の反射日射及び赤外放射を遮蔽【終日】
弱 西側建物壁面近傍の中低木植栽
   →壁面の反射日射及び赤外放射を遮蔽【午後】

西側民有地の高木植栽は、午後の温熱環境緩和を狙ったものであり、歩道が広い場合や建物がセットバックしている場合など、歩道に建物の影が生じない場合で有効である。

東西道路
南側歩道

中 南側民有地の高木植栽
   →南からの直達日射を遮蔽【終日/歩道に建物の影が生じない場合で有効】
弱 歩道と車道の間の低木植栽
   →車道の反射日射及び赤外放射を遮蔽【終日】

民有地側(南側)の高木植栽は、歩道が広い場合や建物がセットバックしている場合など、歩道に建物の影が生じない場合で有効である。

調査結果と既存の知見(道路の緑化範囲、道路構造、交差点付近の熱環境シミュレーション結果等)を踏まえ、適応策として効果のある緑化手法の例は以下の通りです。

○東西道路夏至南中時の日射条件を考慮した緑化手法

東西道路
※上図の拡大はこちら

○南北道路の日射条件を考慮した緑化手法

南北道路

※上図の拡大はこちら

このページの作成所属
環境農林水産部 脱炭素・エネルギー政策課 気候変動緩和・適応策推進グループ

ここまで本文です。