第1回家庭教育スキルアップ研修

更新日:2011年10月27日

第1回家庭教育スキルアップ研修を開催しました。

1. 日  時

 平成23年8月5日(金) 午前9時45分 から 12時45分

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2. 会  場

 大阪城スクウェア 大手前ホール C、D

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3. 研修内容

 (1) 開講式

       開講のあいさつ  大阪府教育委員会事務局

 (2) 施策説明

       「今年度の家庭教育支援の取組みの推進について」  大阪府教育委員会事務局

 (3) 講演

       テーマ:「家庭教育支援の現状と課題」    講演の内容はこちら

       講 師:和歌山大学 地域連携・生涯学習センター 村田 和子  准教授

 (4) 実践報告

       テーマ:「大阪狭山市家庭教育支援チームの取組み」

       報告者:大阪狭山市家庭教育支援チーム員 内藤 多惠子  さん

            大阪狭山市家庭教育支援チーム員 谷 真弓  さん

            大阪狭山市教育委員会学校教育グループ指導主事 寺下 憲志  さん

 (5) 班別学習

       テーマ:「つながりをつくる−受講者それぞれの活動状況を知る−」

       ファシリテーター:和歌山大学 地域連携・生涯学習センター  村田 和子  准教授

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4. 受講者数

    47人 (親学習リーダー15人、家庭教育支援チーム員12人、学校園教職員8人、行政11人、民生委員1人)

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5. 研修の様子

開講あいさつ   府の取組み説明   村田先生の講演             

開講あいさつ             府の取組み説明                村田先生の講演

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大阪狭山市の事例発表   大阪狭山市家庭教育支援チームリーダーの事例発表   村田先生による班別学習

                                 大阪狭山市の事例発表        大阪狭山市家庭教育支援           村田先生による班別学習
                                                                             チームリーダーの事例発表         「つながりをつくる−受講者
                                                                              それぞれの活動状況を知る−」

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6. 村田先生の講演より

○家庭教育の現状

・地域における人間関係の希薄化や核家族化の進展により、子育て中の保護者の孤立化が進み、子育てへの負担感が増大していることから、地域ぐるみで子育てを応援する必要性が高まっている。

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○家庭教育支援の課題

 1 子育ては母親がするものという風潮が未だに残っているが、父親が子育てを学ぶ機会を設けることが重要。乳幼児期から青年期までの家庭教育環境をどのように整えるか。

 2 子育て家庭における子どもの虐待をいかに防ぐか。

 3 子育てについて、様々なパンフレットや広報誌等が作られているが、必要な情報を本当に必要な人に届けることができているか。

 4 地域で親どうしが寄り合って気軽に子育ての話ができるような場所が求められていることから、行政がいかに条件整備をしていくか、取組みを継続していくか。

 5 「やってあげる、してもらう」というようなやり方ではなく、いかに子育ての当事者を後押しするような支援を行い、主体的な力を引き出していくか。

 6 常に子育ての当事者が活動の中心となり、その者が次の支援者となることに繋がるか。

 7 実践を通じて、男女共同参画社会の理念を伝えられるか。

 8 行政や企業とNPOがいかに協働できるか。

 9 子育てについて、互いに支援し合える地域ネットワークを構築できるか。

10 子育て中の保護者の「声」を街づくりに活かせるか。

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○貝塚市の子育てネットワークについて

・親が育つためには親がつながるということが不可欠であることから、1988年に設立されて、今も続いている。今日的な虐待の未然防止のためのアプローチと考えて良い。

・特徴は、乳幼児を持つ親から中高生を持つ親まで縦のつながりがあって、子どもの発達段階に応じて親が親になるための講座を当事者が先生と一緒に企画するというもの。ある時は親学習リーダーが先生になり、またある時は子育ての先輩が先生になる。家庭教育支援のポイントは、仲間といかにつながり、ネットワークを作り上げて学び合い育ち合うか、そういう力をいかにつけていくのか、ということ。

・月に1回、乳幼児部会や高校生部会等の各部会が様々な講座を行っている。

・例えば、中学生に乳幼児との交流体験をさせたいという企画が親から出てきた。教育委員会が乳幼児との交流体験を進めるからではなく、当事者から出てきた。そして、親が中学校に働きかけて実現したプログラムである。ただ、これは優れたリーダーがいる場合の話であって、なかなか継続できることではない。

・私は当時、教育委員会社会教育課の職員で、この第一中学校のプログラムをすべての中学校でやりたいと思ったが、担い手がなかなかいない上、学校の理解と協力が得にくいので、現在は継続できていない。

・当時、プログラムに参加した親は、中学生を見て、すぐに自分の子もこのようになるということがわかったし、町で「おばちゃん」と言って中学生から声をかけられたときに、これがすこやかネットでいう「顔と名前が一致する地域づくり」なんだということがわかった。ところが、学校の先生方のsw転勤があり、このプログラムの良さはなかなか伝承されず、だんだんと負担になってしまったようだった。こうした取組みはやはり、担い手とのマッチングが重要。地域教育の中で、皆さんにも考えていただきたい。

・このネットワークがなぜ23年間も続いているのか。それは、乳幼児や中学生、高校生を持つ親が年に1回、一堂に会して学びの会を持っているから。その日は、1日保育をして、中高生や様々な人が協力して関わる。社会人になった人や大学生も来てくれる。その人たちにインタビューすると、「やはり楽しいし、自分の学びになる」とおっしゃる。中高生に保育をさせるということではなく、自らすすんで来てくれて保育を担ってくれるようになっている。

・その地域は、父親どうしもつながる機会を設ける必要があるということで、日曜日の午前中、10時頃に公民館に集まって、よその子どもとも一緒に出かけて行って遊んでいる。そして、自分の子とよその子が一緒に遊ぶところを見る。終わってからは、一緒にお茶でも飲みましょう、ということになる。

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○和歌山県橋本市教育委員会の家庭教育支援について

・2人の家庭教育支援員と支援チームの存在があって、訪問型の家庭教育支援や様々な事業を行う。そして、様々な相談やアドバイスをするというしくみ。これは、学校支援地域本部や放課後子ども教室や家庭教育支援という取組みを進めながら、学校支援だけを行うのではなく、学校も地域もともに学び合い、育ち合おうという和歌山県の特徴。そういう学校づくり、地域づくりを重視していこうということ。

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○新潟県のマミーズネットについて

・父親の家庭教育支援を進める際に、企業と行政、NPOと行政がタイアップしている事例。日本一子育てがしやすい町をつくろうという考えの市長がおられたことが出発点。そこにはマミーズネットという子育てネットワークがあって、市との委託契約のなかで子育て支援センターを受託している。そこはスーパーマーケットの跡地の建物を活用している。メンバーは、自らの子育てサークルリーダー経験を生かし、学習機会には出て行きにくい、集団は苦手、というような人たちに対しても、「こんなグループができているんですよ」とやさしく接し、受けとめておられる。

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○社会教育主事の役割について

・みんなが学び合う場をつくるためには、第一にリーダーを発見することが大事。社会教育主事は、仲間のなかにリーダーを発見し、育てる役割が重要。これは古くて新しい課題。第二に、社会教育施設を活性化することが必要であるということ。第三に、なぜネットワークが必要なのかというと、子育ての時期に励まし合い、育ち合った人たちとのつながりというものは、それ以後も長く続いていくから。

・「3つのワーク」と言われる。1つめは、じっと座って業務に取り組んでいるのではなく、アンテナを高く掲げて活動する「フットワーク」。2つめは「チームワーク」。3つめは「ネットワーク」。これを自らも実行し、コーディネートするのが社会教育主事の役割。

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このページの作成所属
教育庁 市町村教育室地域教育振興課 社会教育グループ

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