大阪市平野区の大阪府営瓜破東一丁目住宅の建て替え工事に先立って、平成23年度に発掘調査をおこないました。
調査範囲は、南から張り出した瓜破台地段丘面とその東側の谷部にあたります。台地から谷に傾斜する地点において、古墳時代後期(6世紀)の船の部材がかたまって出土しました。木材の再利用のために、不要となった船の解体作業をおこなった痕跡と考えられます。
残存状態の良い部材としては船べり部(残存長119.0センチ)があり、船体を高くするための舷側板を固定する長方形の孔が穿たれています。井戸枠などに転用するために船底部(刳り舟部)は切り落とされていますが、元の船体は長さ10メートルを越えていたものと考えられます。
このような船を用いて、河内湖や周辺河川での漁撈、人や物資の運搬のほか、外洋へも航海していた可能性があります。
古墳時代の船 船べり部(内面)
古墳時代の船 船べり部(外面)
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教育庁 文化財保護課 保存管理グループ
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