大町遺跡は、府営岸和田大町住宅の敷地にほぼ該当する範囲の遺跡です。これまで4ヵ年度にわたって発掘調査を実施し、縄文時代後期や弥生時代後期から古墳時代初頭に埋まった河道跡(かどうあと)などが見つかりました。
今回の発掘調査は、1、2号棟の北側で行っています。道路部分の調査なので、細長い調査区になっています。調査の結果、中世から近代の耕作痕跡や溝などを発見し、その下層で縄文時代後期(006河道跡(かどうあと):約3700年前)、弥生時代後期(002河道跡(かどうあと):約1900年前)、そして古墳時代初頭(001河道跡(かどうあと):約1800年前)にそれぞれ埋まった河道跡(かどうあと)を発見しました。002河道跡(かどう)では、壁際に沿って流れ込むような状態で土器がまとまって出土しました。土器には、煮炊きするための甕(かめ)、物を盛る高杯(たかつき)、容器である壺(つぼ)などがあります。
河川の洪水とそれによって運ばれた土砂の堆積が繰り返される中にあって、河川周辺では断続的ながら人々が生活を営んでいたと考えられます。自然と人々の暮らしとの関わりを知る上で、貴重な調査成果です。
(1)001河道跡(かどうあと)
002河道跡(かどうあと)を切り込んだ河道跡(かどうあと)です。1号棟や3号棟部分を調査した時に見つかった河道跡(かどうあと)につながります。
(2)002河道跡(かどうあと)の土器出土状況(じょうきょう)
002河道跡(かどうあと)では、東岸から流れ込んだよう状態で土器がまとまって出土しました。
(3)サヌカイト剥片(はくへん)の出土状況
河道跡(かどうあと)間に堆積した地層から、石器の材料になるサヌカイトの剥片(はくへん)5点が出土しました。
河道跡(かどうあと)の位置
調査区の位置
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教育庁 文化財保護課 保存管理グループ
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