所在地:枚方市宮之阪(ひらかたしみやのさか)3丁目
種類:集落跡
時代:古墳、奈良、平安、中世
調査期間:平成24年4月5日から平成24年7月4日
主な遺構:奈良、平安時代:柱穴(内、建物2棟)、溝、穴、瓦細片(かわらさいへん)敷きなど
中世:穴、溝など
主な遺物:瓦、土師器、須恵器、瓦器(がき)、陶磁器
大阪府立精神医療センター敷地内の丘陵部で、病棟のたてかえ工事にともなって調査しました。本遺跡の北側には奈良時代から平安時代の百済王(くだらのこにきし)の氏寺(うじでら)である百済寺跡(くだらでらあと)とその一族が住んでいた禁野本町遺跡(きんやほんまちいせき)があります。
(写真1)調査区南側の遺構です。左側に建物の柱を立てるために掘った穴が密集しています。その中の四角い柱穴の建物1棟は、りっぱなものです。中央上半は南北方向に掘られた溝2条です。中央奥では、溝2条と同じ方向に瓦の細片を敷いた遺構が見つかりました。
(写真2)瓦を敷いた遺構です。性格は不明ですが、瓦には百済寺(くだらでら)が最初に建てられた時代の瓦を含み、高温で瓦どうしが融けて接合したり、まがった失敗品がふくまれます。近くに瓦をつくる窯(かま)があったようです。
(写真3)調査区北側の遺構です。丘陵に上る道が埋まってみつかりました。道を埋めた土の下方には奈良時代の瓦や須恵器が、中ほどより上には中世の瓦器(がき)が埋まっていました。
以上のように、百済寺(くだらでら)が建てられた時代の瓦を含む瓦の出土、建物の確認された事から、本遺跡は百済寺(くだらでら)、禁野本町遺跡(きんやほんまちいせき)と密接な関係のある集落遺跡であると考えられます。
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教育庁 文化財保護課 調査事業グループ
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