安威城跡(あいじょうあと)2

更新日:2017年3月30日

所在地:茨木市安威二丁目

種類:集落跡

時代:弥生時代から中世

調査期間:平成24年10月から12月

主な遺構:屋外の炉跡

主な遺物:弥生土器、須恵器、土師器

 

安威城跡1に引き続き平成24年度調査の成果の一部についてご報告します。

【安威城跡の性格】

安威城跡1でご報告したとおり、本年度の調査では、古墳時代後期後半(6世紀後半)の火を焚いた痕跡が検出されました。

今回の調査区の南側や北側の地点は、過去に発掘調査が実施されており、そこでも同じような火を焚いた痕跡や、建物の跡が見つかっています。このことから、この辺り一帯は、古墳時代後期に多くの人が生活した集落であったことがわかります。

【下層の調査】

今回の調査では、古墳時代の人々が暮らした地面(生活面)の調査を終了した後、さらに古い時代の地層まで掘削を行いました。

その結果、地下から写真1のとおり、たくさんの礫が現れました。細かい石とともに人の頭大以上の礫も含まれています。大きな礫が運ばれてきた理由としては、川の流れによって流されてきたという場合が一般的ですが、この断面には、川の堆積に特有の地層の特徴が認められません。このことから、この礫は付近一帯を広く覆った土石流によるものと考えることができます。

調査区の地層とその年代を示した写真2をみると、古墳時代の人々は、この土石流の堆積の上に集落を営んだことが理解できます。生活面は、写真のとおり礫だらけで建物を建てたり、穴を掘ったりするのにも大変苦労したことと思われます。

古墳時代の技術では、かならずしも住みやすい場所ではなかったと考えられる、この付近に6世紀後半、人々がたくさん住み始めたのはなぜでしょうか?現地の発掘調査は終了しましたが、周辺の地形や発掘調査の事例、古い文献の記録などを利用して、その理由を考えていくことが今後の重要な課題となります。

【写真】あいじょうあとの発掘調査区だんめん

(写真1)安威城跡の発掘調査区断面

【写真】調査区の土の堆積状況とその年代

(写真2)調査区断面の堆積とその年代

このページの作成所属
教育庁 文化財保護課 調査事業グループ

ここまで本文です。


ホーム > 都市魅力・観光・文化 > 文化・芸術 > 埋蔵文化財情報 > 安威城跡(あいじょうあと)2