平成24年度第8回文化振興会議議事要旨

更新日:2013年3月8日

平成24年度第8回大阪府文化振興会議 議事要旨

 

1.日時  平成25年1月28日(月曜日)午後1時から午後3時

 

2.場所  さいかくホール(大阪府庁新別館北館1階) 

 

3.議題  大阪府文化振興計画の策定について

       芸術文化振興補助金審査部会について

       アーツカウンシルについて

         

<大阪府文化振興計画の策定について>

事務局が資料1を説明

 

(委員)

・次期文化振興計画の答申案について議論する。新たな展開としては、アーツカウンシルの仕組みを提案すること、また、府市連携という大きな変化の中で議論してきたこと。

・副題について、事務局からいくつか案が出されているので議論したい。

 

(委員)

・理念の「未来に伝え、育まれる文化」については、本文では「つねにチャレンジする志を受け容れ、新たな文化を育てる」とあり、府民が一体となって育んでいくという意思を強調するには、「未来に伝え、育む文化」といった能動形がふさわしいのでは。

・施策8の「未来を担う次世代の育成」については、現行計画策定の際、専門部会で「発達段階にあわせた文化振興のあり方」について十分な議論をしてきた。現行計画を継承して、「発達段階に合わせた芸術の鑑賞、文化体験の機会を通じ」という表現を文章中に盛り込んでもらいたい。

・掲載写真には、脚注をつけてはどうか。

・インパクト評価は、聞きなれないが、一般的な手法があるのか。

 

(事務局)

・表現には手直しする。インパクト評価は、統計学の用語としてある。

 

(委員)

・「未来へ伝え、育まれる文化」の本文において、「伝統」「文化」が繰り返されており、「文化は先人が培ってきた伝統を継承し、発展させるものであり、今あるものを守り」というふうに整理してはどうか。

・「めざす将来像」における落語の「百年目」の引用については、「難莚草(なんえんそう)は赤栴檀(しゃくせんだん)が下ろす露で育っている」などと改めてはどうか。

 

(委員)

・全体を通して、例示の引用は、落語「百年目」と温故知新の2つだけであり、これらの背景にある意味が強調されすぎる恐れはないか。古いものを守ること、新しいものにチャレンジすること、両方とも大切だが、全体として予算が削られる中で、果たして、どちらかを優先せざるを得ないのか、我々が答申の中で何か言うべきなのか。

 

(委員)

・「百年目」を入れることは、当初違和感が少しあったが、結果的に、文章で上手くまとまっている。また、温故知新は、将来よりも守ることの比重が大きいとは読めないと思う。答申の中で、あえて説明する必要はないのではないか。

 

(委員)

・古いものを強行に守っていく、とまでは読まれないと思う。むしろ、最低限の言い方で、外せないものであり、そうした基盤がなければ、新たなものも生まれないという考え方は盛り込まれていると思う。

 

(委員)

・両方とも大事でも、限られた予算の中では、やはり、どちらを優先するかという考え方も必要になるのではないか。

 

(委員)

・アーツカウンシルにおいて、新たな指標を設けて、評価を行う中で、予算の傾斜配分についても、課題として認識していけばいいのではないか。

 

(委員)

・文化にとって予算がどれほど厳しいか、答申の内容を遂行していくためには、ある程度の予算が必要であることを、敢えてわからせるよう、答申に盛り込んではどうか。

 

(事務局)

・答申において、行政として進めるべき取組みへのご意見をいただき、必要な予算が措置できるよう努力していきたい。

 

(委員)

・答申は、文化振興のあり方や取組みなどについて、文化振興会議として大阪府に出すもの。傾斜配分などを、この場で議論するものではない。

・現行計画は、その前の計画から大きく舵を切った理念を掲げ、次期計画では、現行計画の理念を継承する。現行計画の「攻める文化」についても、伝統を継承しながら、それを礎として、新しいものを創っていかなければ停滞してしまう、絶えず文化は、創造していかなければいけない、という意味。守ること、創ることの対立ではなく、伝統の上に新たな創造をしていくことが、現行計画の「攻める」よりも、次期計画でよりクリアになる、という理解でいいのではないか。

 

(委員)

・サブタイトルについては、できるだけシンプルな方がいい。例えば、新聞記事で、そのまま使われても、次期計画の「売り」がわかるようなタイトルがいい。アーツカウンシルを、新たな取組みとして使ってもいいのではないか。

 

(委員)

・今回の計画で、新しいものを掲げるのか、そもそも、現行計画で目指したものであったのか、まず、そこを議論すべき。今回の新しいものはアーツカウンシルだが、もともと、大阪は、文化がまちをつくっていくという本質的な考え方を示すべきではないか。

 

(委員)

・答申につけたサブタイトルは、行政の計画にも、そのまま、つけられる傾向があることも念頭に議論いただきたい。

 

(委員)

・現行計画を継承するとともに、次期計画で新たな仕組みを設けていく、という考え方はどうか。

 

(委員)

・「文化自由都市」では、何でも使えて、大阪のイメージがわかりにくいかも。例えば、「上方文化百年」なら、大阪にとってインパクトがある表現ではないか。

 

(委員)

・現行計画を継承するなら、「文化自由都市」は外せないのではないか。幅広く使っていくことで、大阪のイメージとしても固まってくるのではないか。

 

(委員)

・現行計画の「文化自由都市」そのものは継承することとし、何をつけ加えるかを議論してはどうか。

 

(委員)

・「文化自由都市、大阪」として、一つのパッケージで考えてはどうか。

 

(委員)

・サブタイトル案としては、新たな仕組みをイメージする表現をつけてはどうか。

 

(委員)

・例えば、「新たな仕組みを用いて、文化自由都市、大阪の開花宣言」はどうか。

 

(委員)

・「開花に向けた9つの仕掛け」はどうか。

 

(委員)

・「文化自由都市、大阪」はそのまま維持することとし、「新たな仕組みによる開花」というニュアンスをつけた形でどうか。最終は会長と事務局で調整。

 

(委員)

・4つの理念について、「アーティストがめざす都市」ではなく、「アーティストがあこがれる都市」としてはどうか。「住みたくなる」では具体的すぎるのか。

 

(事務局)

・創作と発表の場として、「めざす」という表現が適当と考えたもの。

 

(委員)

・活動拠点としては、「あこがれる」と「めざす」のどちらがふさわしいか。

 

(委員)

・「めざす」には、「住む」以外の目的も入っていると解せるのでは。

 

(委員)

・シンプルに「集う」という表現がふさわしいのではないか。

 

(委員)

・本日のご意見を踏まえ、会長一任で修正した上で、近日中に、文化振興会議の答申として大阪府知事へ提出する。

 

 

<芸術文化振興補助金審査部会について>

事務局が資料2を説明

 

(委員)

・部会を設置し、委員の指名は会長に委ねるということでよいか。今回は、平成25年度上半期の芸術文化振興補助金のみを審査する限定的な部会ということになる。

 

(委員)

・下期は、アーツカウンシルで審査することとなるのか。間に合わなければ、この部会での審査ということか。

 

(委員)

・チラシをみると、子ども向けの事業だけが対象となるようだが、子ども向け以外も支援しているのか。

 

(事務局)

・芸術文化振興補助金は、平成20年度から次世代育成を中心に実施している。チラシの裏面の対象事業の記載にあるように、主たる目的が次世代育成ということ。子どもたちが自ら演技するケースと、子どもたちのために大人がパフォーマンスを見せるなど文化活動をするケースにも補助をしている。

 

(委員)

・どういうものを優先的に支援するのか、審査基準を見れば目的もわかるだろうが。

・将来アーティストになるようにという次世代育成と、子ども達が芸術を楽しみ、鑑賞できるようにすることの2つの意味が次世代育成にはあるということか。

 

(委員)

・芸術家などプロの育成は、この芸術文化振興補助金でいう次世代育成に含まれる、という認識はしていなかった。広く子ども達が文化的環境に馴染んで育っていく、その一つの過程で、芸術家などの育成にもつながっていくということなのではないか。

 

(委員)

・部会で審査基準を設定する際には、もともとの目的を明確にした方がいいのでは。

 

<審査部会を設置すること、部会の委員の選任は会長に一任することを了承>

 

 

 

<アーカウンシルについて>

事務局が資料3を説明

 

(委員)

・アーツカウンシルの部会長の解任条件は。

 

(事務局)

・文化振興会議で解任の決議があった場合、部会長の任を解かれる。

 

(委員)

・審議会の下部組織として、アーツカウンシルに部会の位置づけをすることに問題はないのか。

 

(委員)

・日頃から、アーティスト、文化団体との情報交換も重要な役割。今、何が求められるのか、どう変えていくのか、つねに意識を持っておくこと必要ではないか。アーツカウンシルとのコミュニケーションのため、日頃から職員が関わり、組織を動かせるよう、相応の報酬も必要となるのでは。

 

(委員)

・文化庁や東京都は、審査業務の外部委託にすぎず、アーツカウンシルとは言えないと思う。助成される側のアーティストなど、当事者が参画できることがアーツカウンシルの条件であり、行政が公的出資することのタックス・ペイヤー(府民)への説明責任を果たせるには、現行の自治法上可能なシステムは、審議会のような第三者機関でしかありえないと考える。

 

(委員)

・文化振興会議が当事者になることなく、客観的に責任が担保できるよう、独立化がふさわしいのではないか。

 

(委員)

・それでは外郭団体への丸投げになってしまう。公金の判定を丸投げするのは無責任。

 

(委員)

・アームスレングスの考え方は、外部に審査・評価権限を完全に出すのではない。イギリスのモデルは世界標準ではなく、行政がある程度入っているものが多い。アーツカウンシルの暴走を防ぐため、手の届くところに置く、というのが正しい意味。

 

資料1 第3次大阪府文化振興計画のあり方について(答申案) [PDFファイル/699KB]

資料2 芸術文化振興補助金審査部会の設置(案) [PDFファイル/47KB]

資料3 アーツカウンシルの設置 [PDFファイル/287KB]

このページの作成所属
府民文化部 文化・スポーツ室文化課 文化創造グループ

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