講演2 糖尿病と歯周病 講師 茨木市歯科医師会 静波 好弘氏 歯周病とは? 歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。 歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し(歯垢の蓄積) 歯肉の辺縁が「炎症」を帯びて赤くなったり、腫れたりします(痛みはほとんどの場合ありません)。 そして、進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて 歯が動くようになり、最後は抜歯をしなければいけなくなってしまいます。 代表的な症状として 朝起きたとき、口の中がネバネバする。 ブラッシング時に出血する。                               口臭が気になる。 歯肉がむずがゆい、痛い。 歯肉が赤く腫れている。(健康的な歯肉はピンク色で引き締まっている) かたい物が噛みにくい。 歯が長くなったような気がする。 前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間がでてきた。食物が挟まる。 といったことが挙げられます。 歯周病を進行させる因子については 歯ぎしり、くいしばり、かみしめ、不適合な冠や義歯、不規則な食習慣、喫煙、ストレス、 全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常)、薬の長期服用があります。 歯周病の影響で、糖尿病、細菌性心内膜炎、早産・低体重児出産、心血管系疾患、誤嚥性肺炎、関節リュウマチが現れます。 大阪府歯科医師会雑誌1,2月号、 医歯薬出版から「糖尿病療養指導士に知ってほしい歯科のこと」、 昭和薬品化工のホームページに国民と医科への歯科啓発動画があります。 2型糖尿病では、歯周治療により血糖が改善する可能性があり、歯科受診が推奨されています。(2016年版「糖尿病診療ガイドライン」)