泉州普及だより 令和5年7月発行 第109号 DIYによるスマート農業への取組みを支援しました 大阪府では、JAグループ大阪と連携し経営強化チャレンジプロジェクト事業を実施しています。その一環である「令和4年度大阪府スマート農業機器自作支援事業補助金」を活用し、泉州管内の2つの農業者団体が、スマート農業機器を自作するために必要な工具や材料等の経費の補助、及び電子工作やプログラミング等の知見を有するアドバイザーから指導を受け、DIYによるスマート農業に取り組みました。 泉南市の花き栽培農業者3名は、ハウスに温度センサーを設置し、スマホで栽培環境を常時モニタリングできるシステムを製作しました。これにより、自宅や遠方にいるときも常にハウス内の環境を確認することができ、適切な栽培管理が行えるようになりました。 また、ハウスが停電した場合、スマホへアラートを送信するシステムも導入し、トラブル発生時に速やかな対応が可能になりました。遠隔監視が可能となったため、離れたところにいる時も安心です。 岸和田市及び貝塚市の野菜農業者3名は、これまで目視でしか確認できなかった土壌水分計(pFメーター)の数値をスマホで遠隔監視できるシステムを製作しました。 季節によっては、数値を確認するため、日に何度もほ場へ出向いていましたが、どこでも確認できるようになったことから効率的な栽培管理が可能となりました。 また、かん水装置もスマホから遠隔操作ができ、pFメーターの数値を確認して、自宅に居ながらでも水管理ができます。 今年度も、本事業を実施します。自分の栽培管理に合ったスマート農業技術を導入したい方は是非ご相談ください。詳細は経営強化チャレンジプロジェクト事業のQRコードからご覧ください。 大雨や台風に備えましょう!! 台風や大雨等のシーズンを迎えます。6月2日の大雨では、泉州管内でも土砂崩れやハウスへの浸水などの被害が発生しました。予期せぬ自然災害には、日ごろから対策を欠かさないようにしましょう。 また、農業共済や保険に未加入の方はこの機会に加入を検討しましょう。 なにわの伝統野菜に「馬場なす」と「貝塚澤茄子」が追加されました!! 大阪府は江戸時代「天下の台所」と呼ばれたように、古くから食文化が栄え、その食文化を支える大阪独特の野菜が多数ありました。しかし、戦後、農産物の生産性を上げるための品種改良や農地の宅地化、食生活の洋風化が進み、地域独特の歴史や伝統を有する品種が次々に店頭から消えていきました。 こうした伝統ある野菜を見直そうという機運の高まりを受け、昔ながらの野菜を再び味わってもらえるよう、大阪府では関係機関と協力し、各地域の農業者が守ってきた「なにわの伝統野菜」の発掘と復活に取り組んできました。 令和5年5月に、なにわの伝統野菜として、新たに水なすの一種である「貝塚澤茄子」 と「馬場なす」が仲間入りし、現在、伝統野菜は21品目となりました。 「貝塚澤茄子」は巾着系で縦溝があり、果皮は薄赤紫色。 「馬場なす」は中長で皮が非常に薄い。 どちらも果肉は緻密で、水分を多く含んでいます。 受賞おめでとうございます! 令和5年度憲法記念日知事表彰 中出 成幸(なかで しげゆき)さん(貝塚市) 貝塚市で水なす栽培を中心に、栽培技術の向上に取り組んでこられました。また、新規就農者及び農業大学校学生の新規就農希望者の実習受け入れや現地指導を行い、技術習得を支援し、新たな担い手の育成に貢献されています。これらの取組みが評価され、知事から表彰されました。