泉州普及だより 令和6年3月発行 第112号 大阪府のきくな(しゅんぎく)の収穫量が4年連続全国1位※となりました! ※参照:農林水産省 野菜生産出荷統計(令和元年~令和4年) 当事務所では、管内3JA(大阪泉州、いずみの、堺市)と連携し、「泉州きくな」の認知度向上、生産体制の強化、ブランド化を目指す「泉州きくなプロジェクト」の取組みを進めています。 今年度実施した内容について紹介します。 〇農業関係イベントでのPR 来場者に泉州きくなSNSフォローの御礼として泉州きくなをプレゼントし実際に食べてもらったり、きくなの種を配布して自宅できくなを栽培してもらうなど、きくなを身近に感じられるようPRを行いました。 今年度は11件のイベントに参加し、1500人以上の方に泉州きくなの魅力を直接お伝えすることができました。 ○きくな加工品開発への挑戦 (地独)大阪府立環境農林水産総合研究所と連携し、年間を通してきくなを楽しんでいただけるようにきくなの加工品作りに挑戦しました。 フルーツ大福で有名な有限会社一心堂にご協力いただき、「きくな大福」の試作品開発に取り組みました。大福は、岸和田市農業祭で府民の皆様にご試食いただきました。 ★ご試食いただいた方の感想 ・きくなの香りが活きていておいしい ・よもぎ大福より好みの味 ・草餅のようで見た目が綺麗 ・きくなとあんこの親和性に驚いた ・販売されたらぜひ購入したい ○民間企業と連携したSNSでのPR 「キッコーマン食品株式会社」の公式X(旧 Twitter)で実施された究極のすき焼きをつくる「キッコーマン食材探しの旅」にて、美味しいきくなを探していた同社に泉州きくなをプレゼントしました。 公開された泉州きくなの投稿は延べ12万人以上の方にご覧いただくことができました。 ○きくなアンケートの実施 泉州きくなの認知度などを調査するため、約800名の方にアンケートを実施しました。 きくなは大阪府が誇る農産物の一つですが「大阪府が全国1位」の認知度は20%ほどでした。  一方、「全国1位の農産物をどう思うか」のアンケートでは、「おいしそう」・「食べてみたい」といった意見が多く、中には大阪府のきくなに対して、「誇らしい」「応援したい」「頑張ってください」といったうれしい応援の声も聞かれました。 「OEMとつながる交流会」、「いちご生産者の6次化勉強会」を開催しました 地元農産物を活用した加工品の製造・販売につなげるため、 (地独)大阪府立環境農林水産総合研究所と連携し、12月7日に農林漁業者とOEM事業者との交流会を、1月24日にいちごを活用した商品開発や加工のポイントを学ぶ勉強会を開催しました。 【OEMとつながる交流会】 第1部では、イマイシス株式会社 代表取締役 今井学士氏より、OEM事業の流れや事業者の選び方などについて講義いただきました。第2部では、OEM事業者4社(株式会社近鉄リテーリング、はぐるま共同作業所 和の杜、株式会社ミールファーム、PICCORESTA GELATO)に事業内容や開発商品などを紹介いただいた後、農林漁業者18名との交流会を行いました。第3部はフリータイムとし、個別にOEMについての相談・商談など情報交換を行いました。 交流会では、「冷凍した農産物を乾燥させることができるか」「最小ロットはどの程度か」などの質問があったほか、OEMを活用した新商品の開発に向けて積極的な意見交換が行われました。 【いちご生産者の6次化勉強会-商品開発の考え方と加工技術-】 一般社団法人日本フードラボ&トレーニング協会 理事長 太地由美氏を講師に迎え、府内いちご農業者11名にいちごを活用した商品開発や衛生管理など製造加工における基礎知識について講義いただきました。また、乾燥時間や冷却速度による品質の違いや加工機器の活用方法などについて実演いただきました。受講者からは、「加工に使用するいちごの冷凍方法が参考になったので、自分の加工品の改善につなげたい」「講師の経験に則した話が聞けた」などの感想が聞かれました。 地域計画策定に向けた集落座談会を熊取町成合地区、高田地区で開催 農業経営基盤強化促進法に基づく地域農業の将来のあり方を示した「地域計画」を策定するため、熊取町の成合地区(2月18日)と高田地区(2月20日)で集落座談会が開催されました。 農地所有者の半数近くが参加する中、数人のグループに分かれ、農地利用の現況地図や意向調査の結果を元に、地区の課題やその解決策、地区の将来像について話し合いました。また、地区外の担い手も参加し、引受け可能農地が示されました。 今後、町が話し合い結果を取りまとめ、農地利用の将来像をイメージする「目標地図」などを含む地域計画の案を作成し、再度、集落座談会で検討される予定です。