i-Welcome 「合理的配慮」接客のヒント集 令和5年3月 大阪府 はじめに 平成28年4月に『障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)』が施行されました。この法律では、「不当な差別的取扱いの禁止」とともに、障がいのある人が生活する上で、障がい特性や困り事に対する配慮を求めた場合、必要な変更や調整、工夫などを行なう「合理的配慮の提供」について定めています。 この冊子では、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、レストランといったサービス業の事業者、特にお客様に直接サービスを提供する従業員に向けて「合理的配慮の提供」とは何かについて考えるきっかけとなる事例を掲載しています。 冊子をつくるにあたり、サービスを受ける側としての障がい者と、サービスを提供する側である店舗等の事業者の双方に調査を実施しました。収集した「合理的配慮の提供」に関する事例をもとに、誰でも読みやすいエピソードに編集し、“合理的配慮”接客のヒントとなるポイントを紹介しています。 「合理的配慮の提供」は、一人ひとりによって異なり、時代や技術の進展によっても変わってきます。「こうすればいい」という決まったものはなく、よりよく進化させることができるものです。 障がいのある人が置かれている状況を踏まえ、対話による相互理解を通じて、必要かつ合理的な範囲内で、柔軟に対応することが求められます。 この冊子を一つのヒントとして、それぞれのお店で障がいのある・なしに限らず、あらゆる人たちが利用できるサービスについて考えていただければ幸いです。 事例調査について 調査期間:平成28年9月12日〜11月30日 調査協力団体等:障がい者(大阪府内の障がい者団体、ビッグ・アイ利用の障がい者、共に生きる障がい者展来場者)、事業者(泉ヶ丘専門店会、一般社団法人大阪外食産業協会、近畿百貨店協会、公益財団法人大阪観光局、公益社団法人堺観光コンベンション協会、堺ホテル協会、日本チェーンストア協会関西支部 ※五十音順) 調査結果:障がい者195件、事業者54件より回答をいただきました。 サービスを提供するみなさんへ 接客をしていて、どんなことがうれしいですか? やりがいを感じますか? 笑顔を見ることができる 「ありがとう」と感謝してもらえる またご来店してもらえる 関係性を築いていける…など お客様によろこばれることはうれしいものです。 一人ひとりのお客様と 向き合うことでできること お客様の中には障がいのある人もいます。目が見えなかったり、耳が聞こえなかったり、車いすを利用していたり…対応したことがなければ、「知識が必要だから自分には無理」と決め付けてしまうことや「現状、対応するのは難しい」とあきらめてしまうこともあるのではないでしょうか。 お客様のほうも「こんなことを言ったら、迷惑をかけるのではないか」と遠慮したり、「嫌な表情をされるのではないか」と恐れたりして、言い出せずにいる場合も多くあります。 今回、障がいのある人たちに「こんな接客がうれしかった」というアンケートをとりました。個別の事例を紹介しながら、みなさんの接客に活かせるようにまとめています。 まったく別世界の出来事ではなく、今みなさんが行なっているサービスの延長線上で、気持ちの持ち方やちょっとした配慮、工夫で変えられることです。 配慮や工夫のための 3つのポイント 以下のポイントを踏まえたヒントを紹介しています。 1 わかりやすい 「あらゆるお客様がお店を利用する時に必要な情報は何か?」「それを伝えるコミュニケーションとしてどんな方法があるか?」「誤解を生むような表現はないか?」などを日頃から意識しましょう。わかりやすく提示されていることが安心感につながります。 2 つかいやすい 障がいのある・なしに限らず、「あらゆる人にとってどうか」という視点で、お店の「使いやすさ」を考えましょう。たとえば、商品の配置やレジへの誘導など検討できることはたくさんあります。 3 つたえやすい 不安や困り事があっても「言ってもムダ」「迷惑がられる」とあきらめてしまうケースが多くあります。気を配ることで察したり声をかけたりしましょう。また双方向にコミュニケーションできるよう、お客様と対話できる方法や表現を用意しておくことも必要です。 もくじ はじめに サービスを提供するみなさんへ 事例 ご来店される前 ご来店された時 商品を説明する時 商品を提供する時 おわりに ご存じですか?「障害者差別解消法」 参考資料 ご来店される前 情報発信や店構えから「行きたくても行けない」お店になっていませんか。ちょっとした配慮で、今よりもたくさんのお客様にご来店してもらえるかもしれません。 ご来店前から「行くのが楽しみ!」と思ってもらえるような雰囲気をつくり、新たなお客様をお迎えしましょう。 いくつかの方法で情報提供を充実させる 文字・写真・絵・音声・動画など多様な手段を用意し、表現方法もわかりやすく配慮する 視覚障がい者にとってホームページは音声読み上げソフトで閲覧できるため、貴重な情報源に さまざまな連絡手段を用意する 視覚や聴覚に障がいがあるなど情報提供やコミュニケーションに配慮が必要な方に向けて、メール・電話・ファクシミリなど複数の連絡手段を用意 決めつけや思い込みはNG。ていねいにヒアリング 可能な限り選択肢を用意 わかったふりをせず、不明な点は率直に聞く 要望やその理由など必要な情報について、お客様からヒアリングできるように、ご予約受付マニュアルなどを作成する方法も story 1 事前情報がたくさんあると助かる! 〜お店選びはインターネットで〜 摂食・嚥下(食べ物を口に入れて噛んで飲み込むという一連の動き)が困難なため、飲食店に行く前に、ホームページでどんなお店かをチェックしています。 ある日、見つけたレストランのホームページには「ペーストや刻み食、アレルギー対応」の記載があり、写真も掲載していました。最後に「そのほか、不安なことがありましたら、ご相談ください」の一文も。 電話で「再調理(食材をフードプロセッサー等で細かくする)をしてもらえますか?もしくは器具を持ち込んでいいですか?」と問い合わせると、衛生面の都合上、器具の持ち込みは不可でしたが、こちらの要望をていねいに聞いて、「それなら、こちらのほうがいいのではないですか?」と提案を! 行く前から、このお店のファンになってしまいました。 おっ!いいね!ポイント さまざまなお客様を想定した情報発信を バリアフリー情報など利用しやすさを伝える 要望に応えられない場合の代替案を用意・提案 story 2 記念日に障がいのある子どもと家族で外食へ! 〜希望の席で誕生日を〜 娘の誕生日、さまざまなメニューを家族で味わえたら楽しいだろうと思い、レストランのバイキングを利用することにしました。娘に食べたいものを聞いて、私が料理を取りに行くので、電話で予約する時に「もし可能であれば、料理コーナーから娘が見える席に座ることができないか」と相談しました。 誕生日当日、お店に行くと、希望通り、料理コーナーから一番近い席を用意してくれていました。その上、「あちらの席もあります」といくつかの選択肢まで用意してくれていたのです。 最初に案内してもらった席のほうがゆったりと過ごせそうだと思ったので、満足した気持ちで席につくことができました。 おっ!いいね!ポイント 要望の理由を聴き取れば、提案の幅が広がる 希望通りの対応+αの選択肢を用意 「選んでもらうこと」で満足度アップ story 3 車いすでも今、人気のカフェに入りたい! 〜カフェの心遣いで常連に〜 気になっていたカフェですが、お店の前に段差があるので、自力では入ることができず、それまでは前を通り過ぎるばかりでした。 ある時、お店の前に店員さんがいたので、勇気を出して「お店に入りたいのですが…」と声をかけると、「お越しくださり、ありがとうございます!」と笑顔で歓迎。お店からもう1 人の店員さんを呼んできて、店内まで私を連れていってくれたんです。「段差があるから無理」とあきらめるのではなくてお店に入りたいことを伝えてよかったと思いました。 帰りに「またお越しの際はお店の前でお電話ください。いつでもサポートに行きます」と一言。以降、お店の前にも「サポートが必要な場合はお電話を」と電話番号の貼り紙が。そのうれしい心遣いに、今ではすっかり常連になりました。 おっ!いいね!ポイント 歓迎を笑顔、声のトーン、言葉などで多様に表現 お店の前に連絡先を表示など歓迎の気持ちを表す 入店しにくい原因を発見し、改善する ご来店された時 第一印象がポイントです。歓迎されている様子が伝われば、誰でもうれしいもの。お客様とのコミュニケーションがスムーズにできます。 笑顔で出迎え、「何かできることがあれば、お気軽に」と一声かけるなど話しやすい雰囲気を、第一印象で伝えましょう。 歓迎を伝え、話しかけやすい雰囲気をつくる こちらからドアを開ける、笑顔であいさつするなど、歓迎をわかる形で伝える 不安や心配事を取り除くことが重要 困り事を察することができるように気配りを お店全体でお客様情報を共有する 「何度も言わなくていい」安心感を提供する 災害や緊急時の対応にも有効 対応の仕方に幅を持たせる 可能な範囲でサービスの幅を広げることができないか、検討して対応(随時、接客に関するマニュアル等に追加すれば、次回以降、さらにスムーズに対応できる) story 4 安心して、宿泊したい! 〜何度も言わなくていい安心感〜 ビジネスホテルに宿泊した時のことです。1 泊目はシャワーが上に取り付けられていて、バスタオルも上のラックに置いていたので、フロントに連絡してスタッフに来ていただき、取っていただきました。 翌日、「清掃が入るので、またすべて元に戻っているんだろうなあ…」「また連絡しないといけないのかなあ」とゆううつな気持ちでいたら、シャワーは下に取り付けられていて、バスタオルはベッドの上に!それだけでうれしかったんです。 毎回言わなくてはならないというのは、精神的にしんどいもの。1人のスタッフに伝えたことが全体で共有されていることはうれしいですし、一人ひとりの客を把握している証でもあるから安心です。 おっ!いいね!ポイント お客様の要望をスタッフ間で共有する 常連のお客様なら顧客情報を記録しておく チェックイン時に配慮できれば、なおいい story 5 売場にエレベーターがなくても移動をスムーズに! 〜柔軟な対応が行きやすさに〜 視覚に障がいがあり、車いすも利用しています。たまたま友人と一緒に行ったお店には、売場にエレベーターが設置されていませんでした。 私を見かけた店員さんが「バックヤードにある従業員用エレベーターでよければ、ご利用いただけます。必要な時にお声かけください」と声をかけてくれました。 エレベーターは「ありません」「無理です」ではなく、柔軟に対応してくれようとする気持ち。こちらから申し出なくても、客である一人ひとりをちゃんと見てくれているからこそできる声かけに、一気にお店の印象がよくなりました。 自分からは要望を言いにくい場合があるので、率先して声をかけてもらえると申し出しやすいです。 おっ!いいね!ポイント 入店したお客様に気配りを お店側から提案する 柔軟な対応について、スタッフ間で話し合う story 6 知的障がいの娘と気兼ねなく外食したい! 〜不安から安心へ〜 家族でレストランに食事に行きたいと思うものの、中学生の娘は知的障がいのため、静かに座っていることができません。いつも「まわりに迷惑をかけるのでは?」と気がかり。 ある日、個室のあるレストランをインターネットで探して、お店へ行きました。 店員さんに事情を話すと、現在の個室の空いている状況を教えてくださった上で、「どの個室でも問題ありませんが、他のお客様に気兼ねなくお過ごしいただけるよう、一番奥の個室をご用意しましょうか?」と提案してくれたんです。 こちらの立場になって考えてくれていることが伝わってきて、うれしい気持ちに。家族とゆっくり食事を楽しめました。 おっ!いいね!ポイント 不安や心配を取り除くサービスを提供する 対話の中で一緒に最善策を探る 「目の前にいるお客様」を大切にする言葉選びを 商品を説明する時 一人ひとり、異なる人間だからこそ、言葉からイメージするものも異なります。 できるだけ具体的な説明を心がけるとともに、お客様がどのような情報を望んでおられるのか、事前に確認して把握しましょう。 たとえば、お客様が知りたいことを、知りたい順番で説明するといった工夫によって、よりわかりやすい対応となります。 コミュニケーション手段は多様に 言葉だけでは伝わらない可能性もあるため、メニュー等には写真や絵も掲載するのは有効 まずはあいさつだけでも手話でできるように学ぼう ゆっくり、おだやか、ていねい、具体的に話す 口頭でも筆談でも、端的に、わかりやすく 相手が理解しているか確認しながら話す 視覚情報や聴覚情報をどう伝えるかについて考える 視覚障がい者には「これ」など指示語はNG 誰もが具体的に説明できるように、説明内容を全体で統一する 「そのほか、何かございますか?」の一言を 疑問点、不明な点を言いやすくする story 7 メニューはわかりやすくしてほしい! 〜言葉だけではなく、写真でも〜 私は精神障がい者です。体調によっては、メニューが複雑でどう注文すればいいのか、戸惑ってしまうことがあります。 あるお店で「メニューがわかりにくいので、詳しく教えてもらえますか?」とたずねたところ、ゆっくりとていねいな口調で説明してくれた上で、「どんなものをご希望ですか?」と、こちらの希望を引き出してくれました。こちらの希望に合うメニューをいくつか教えてくれたので、選択肢がしぼれてスムーズだったんです。 また私がわかりにくそうにしていると、タブレットで「こんな料理です」と写真でも見せてくれたので、とてもわかりやすい説明だと思いました。 おっ!いいね!ポイント お客様が知りたいポイントを押さえて説明する 写真などさまざまな方法で説明できるようにする タブレットなどの機器を用いるのも有効 story 8 買い物をサポートしてほしい! 〜買い物をスムーズに〜 視覚に障がいがあるため、マンツーマンで買い物をサポートしてくれるアテンドサービスを利用しました。 最初に「今日、同行します○○です」と名乗ってくれて、さりげなく歩調を合わせてくれているのが伝わってきたので、一気に親近感が湧きました。あらかじめこちらの希望商品や特徴をていねいにヒアリングして、各売場に確認した上で移動するので、むだな動きがありません。 商品を選びやすいように、たとえば洋服ならば、どんな色合いで、どんな形で、どんな素材なのかを、触れながらていねいに説明してくれます。 全フロアを同じ店員さんが一緒に巡ってくれるので、スムーズに買い物を済ませることができました。 おっ!いいね!ポイント お客様にとって重要なことを把握する お客様のペースに合わせる 具体的にイメージしやすい説明を story 9 手話で対応してもらえたらうれしい! 〜コミュニケーション方法は多様に〜 スーパーへ行った時のことです。商品について知りたくて、店員さんのところに行きました。私は聴覚に障がいがあるため、手話での対応をお願いしたところ、「手話はできない」ということで、筆談することに。 ただ、店員さんは勉強中らしく、あいさつだけは手話でしてくれたので、それだけでも十分に気持ちが伝わってきました。 その後は、筆談でやりとりしながら、表情豊かに、身振りや手振りを交えて、コミュニケーションができたので、よかったです。 手話での対応ができるお店がさらに増え、コミュニケーションしやすくなる日が来るように期待しています。 おっ!いいね!ポイント 気持ちを伝える表現方法を多様に 聴覚障がい者には「表情」も気持ちを伝える大切な要素 できることから一つひとつ、取り組む 商品を提供する時 商品やサービスをどのように提供することがより良いのか、まずは「考える」ことが大切です。「考える」ことが、お客様によろこばれる工夫の第一歩となります。 「このお店に来てよかった」とお客様によろこんでもらえるように、商品やサービスを提供しましょう。退店されるまで、気配りや心遣いを忘れずに。 特別扱いではなく、一人ひとりへの配慮を みんなに同じように接客するのではなく、一人ひとりに必要なサポートを行う 相手を思うさりげない気配りや心遣い 「どうしたらよろこんでもらえるか」工夫を繰り返す 単にマニュアル通りではなく、工夫を繰り返して、常に改善を心がける 最善策を一緒に考える 要望とその理由を聴き取って、こちらで対応できることも明確にして、最善策を探る story 10 必要なことをわかりやすく説明してほしい! 〜情報をわかりやすく伝える工夫を〜 聴覚に障がいのある友人と3 人で、レストランで食事をした時のことです。 店員さんの心遣いで、コース料理の1品1品に料理名を書いたカードを添えてくれました。料理の特徴や食材の原産地などについても書かれていて、「料理を楽しめるように工夫してくれているのだ!」とうれしい気持ちになりました。「〜でございます」など余計な言葉を省いた端的な内容だったので、わかりやすかったんです。 また「何かご希望があったら、ここにお書きください」と手書きメッセージ付きのメモ帳まで渡してくれました。 友人との久々のディナー、とても楽しいひとときとなりました。 おっ!いいね!ポイント 要望に対して、どんな工夫や追加が必要か考える 柔軟に「端的なわかりやすさ」を優先させる 気持ちを伝える表現方法を多様に story 11 視覚障がい者1人でも焼肉を食べたい! 〜旅行の思い出づくり〜 旅行で北海道へ。行きたい観光スポットの近くの飲食店を予約しておきました。焼肉店で本当だったら焼肉を食べたかったのですが、私は視覚に障がいがあるため、1人で焼くのは困難。あきらめて焼肉以外のメニューを注文したんです。 すると、店員さんから「焼肉はどうしますか?せっかくだから食べていきませんか?」と声をかけてきてくれました。 さらには「今の時間帯なら私がお肉を焼くこともできますよ」と申し出てくれたのです。 「それなら…」と言葉に甘えて焼いてもらうことに。おかげさまで、サプライズ的に焼肉を食べることができました。 おっ!いいね!ポイント お客様の状況を理解して、よりよい提案を 「どうしたらよろこんでもらえるか」を常に考える 今できる最大のサービスを提供する story 12 ゆったり、居心地よく、外食を楽しみたい! 〜さりげない心遣いが居心地のよさに〜 お店に着くなり、こちらに気づいた店員さんが入口のドアを開けて笑顔でお出迎え。歓迎されている様子が伝わってきて、ほっとしたんです。 車いす利用者1 名と子ども連れだったため、席は通常8名席を、4名でゆったりと座れるようにセッティングしてくれました。 中華料理は最初、大皿に盛り付けられていて、別皿に取っていくスタイルだったのですが、取りづらそうにしていたのが伝わったからでしょうか。「一人分ずつお皿に盛り付けましょうか?」と声をかけてきてくれたので、こちらも頼みやすかったんです。車いすの私の目線に合わせて、声をかけてくれ、さりげない心遣いに感動しました。 おっ!いいね!ポイント その時々でできることを判断し、よりよい配慮を お客様にとって何が必要かを考える姿勢を持つ 「〜のほうがいいのでは?」と思っても先に確認を おわりに 日々、たくさんのお客様と接するサービス業で働くみなさんにとって、「似た場面に出会ったことがある」「私の場合はこう対応した」など思い当たることもあったのではないでしょうか。 そんな一人ひとりの「よろこんでもらえてうれしかった!」「こんなことで困った…」などの体験を、経営者から社員、アルバイトまで全体で共有してみてください。 そして、「どんなサービスを提供するとより多くの人たちによろこんでもらえるのか」と考え、一つずつ実践していただければ幸いです。 ご存じですか? 「障害者差別解消法」 すべての国民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく、お互いに人格と個性を尊重し合いながら、ともに生きる社会の実現をめざすための法律です。 法律上、「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮をしないこと(合理的配慮の不提供)」が差別となり、民間事業者では「不当な差別的取扱い」は禁止され、「合理的配慮の提供」をするように求められています。 お店で働くみなさんもこの法律を守る必要があり、この冊子では「合理的配慮の提供」のヒントを掲載しています。 不当な差別的取扱いとは? 「車いすだから入店できない」「障がいがあるから習い事はできない」など「障がいがある」という理由だけで、サービスの提供を拒否したり、制限したり、条件を付けたりするような行為のことです。 合理的配慮の提供とは? 障がいのある人が「この障がいのために、こうしてほしい」など何らかの配慮を求めた場合、負担になり過ぎない範囲で、その人に合った必要な変更や調整、工夫などを行なうことです。 参考資料 大阪府障がい者差別解消ガイドライン 〜「理解し合うこと」、「対話すること」、「考えること」〜 「何が差別に当たるのか」「合理的配慮の提供で望ましい対応とは?」について基本的な考え方のほか、「商品・サービス」「福祉サービス」「医療」「住宅」「教育」「公共交通機関」の分野別に具体的な事例等を掲載したガイドラインを平成27 年3 月に策定しています。(令和3年3月 改訂第3版を策定済み) インターネットで閲覧できます。 https://www.pref.osaka.lg.jp/keikakusuishin/syougai-plan/sabekai-kaisai.html 障がい理解ハンドブック 『ほんま、おおきに!!〜ひろげようこころの輪〜』 障がい者への必要な配慮を障がい特性ごとにわかりやすく紹介しています。 (平成28年3月作成 令和5年3月改訂) https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/1203/00142034/honmaookiniR5.pdf 障がいのある人への接客のヒントがここに! 多様な障がい特性に対応したモデル施設 国際障害者交流センター(ビッグ・アイ) 障がいのある人もない人も、さまざまな人が、ここで出会い、交流し、よろこびやしあわせをともにする…そして、あらゆる人が心の中に持っている「観たい」「聴きたい」「やってみたい」「感じたい」を実現できるところです。全館バリアフリーの充実した施設と設備、ホスピタリティあふれるサポートでお待ちしております。 〒590-0115 大阪府堺市南区茶山台1-8-1 TEL 072−290−0962 / FAX 072−290−0972 https://big-i.jp/ 最寄駅/南海電車・泉北高速鉄道和泉中央行で「泉ケ丘」駅下車して約200m ご存じですか?「ヘルプマ一ク」 援助や配慮を必要としている方のためのマ一クです。このマ一クを見かけたら、電車内で席をゆずる、困っているようであれば声をかける等、思いやりのある行動をお願いします。 平成28年度大阪府合理的配慮対応促進事業 発行:大阪府福祉部障がい福祉室 〒540-8570 大阪府大阪市中央区大手前2丁目 TEL 06-6941-0351 FAX 06-6942-7215 制作:ビッグ・アイ共働機構 〒590-0115 大阪府堺市南区茶山台1−8−1 TEL 072-290-0900 FAX 072-290-0920