資料1−2 大阪府障害を理由とする差別の解消の推進に関する条例の制定について(平成28年4月施行)  障害者差別解消法(平成25年6月制定、平成28年4月施行)  障がいを理由とする差別を解消し、もって共生社会の実現をめざす  障がいを理由とする差別の禁止(不当な差別的取扱いの禁止:行政機関等、事業者は法的義務)(合理的配慮の不提供の禁止:行政機関等は法的義務、事業者は努力義務)  差別を解消するための支援措置:国、地方公共団体(都道府県、市町村)の責務を規定(相談、紛争の防止・解決の体制整備(第14条)、普及・啓発活動の実施(第15条))  背景(国内外における障がい者の権利の実現に向けた取組の進展)  平成18年 障害者権利条約が国連で採択(平成26年批准)  平成23年 障害者基本法の改正(差別の禁止を基本原則に)  平成25年 障害者差別解消法の制定  平成28年 障害者差別解消法の施行    課題  依然として、理解不足等により、障がい者が生活のなかで嫌な思いをしたり、差別を受けたと感じたりしている現状がある(平成25年10月〜12月 差別と思われる事例の募集 計691件)。  障害者差別解消法には、「相談、紛争の防止・解決の体制整備」や「啓発活動の実施」に関し、具体的な定めがなく、地方公共団体の取組に委ねられている。  経緯  (1)大阪府障がい者施策推進協議会差別解消部会での検討  平成25年11月から平成27年12月 計17回開催  平成26年9月 府への「提言」とりまとめ(何が差別に当たるのかについてガイドラインの策定、相談、紛争の防止・解決の体制整備、啓発活動のあり方について)  平成27年8月 「これまでの議論の整理」とりまとめ(相談、紛争の防止・解決の体制整備の具体的方策、実効性の確保のための措置・条例の必要性について)  府独自の体制整備・措置の根拠となる条例の制定が必要  (2)大阪府障がい者差別解消ガイドラインの策定(平成27年3月 第1版)  (3)平成28年4月1日 条例の施行  これまでの議論の整理 抜粋  まずは、府ガイドライン等による普及啓発が重要で、条例でも、啓発の重要性を規定すべき。  法施行時に条例が必要で、その内容は体制整備等、法を補完するようなものにすべき。  周知が不十分であるなか、条例で、合理的配慮の法的義務化や公表など企業に対するハードルをいきなりあげることは慎重にすべき。  差別の定義、相談員の調整、紛争解決機関の助言・あっせん、知事の勧告・公表、啓発の責務などが内容として考えられる。  「上乗せ・横出し」の視点で法の曖昧さや不十分さを地域の実情に照らして具体化することが課題。  法施行にこだわらず、施行後の国の動き、府内の相談対応状況や障がい者・事業者の意見等を踏まえて、より内容の検討を深めるべき。  目的  障がいを理由とする差別の解消の推進に関し、基本理念を定め、府、府民及び事業者の責務を明らかにする。  障害者差別解消法第14条の「相談、紛争の防止・解決の体制整備」並びに第15条の「啓発活動の実施」に関し、必要な事項等を定める。  障がいを理由とする差別を解消し、もって共生社会の実現に寄与することを目的とする。  条例は、事業者における差別の禁止に係る相談事案を対象とする(府に係る事案は職員対応要領の対象)。    概要  相談、紛争の防止・解決の体制整備  広域支援相談員  府民や事業者にとって身近な市町村の相談機関における相談事案の解決を支援し、また、相談機関では解決が困難な広域的・専門的な相談事案を取り扱うため、府に広域支援相談員を置く。  大阪府障害者差別解消協議会  大阪府障害者差別解消協議会(附属機関)を置き、協議会における合議体が、広域支援相談員による対応を行っても解決しない事業者における不当な差別的取扱いに係る事案についてあっせんを行うとともに、広域支援相談員に対する助言を行う。(同協議会は、法第17条の障害者差別解消支援地域協議会の機能を担う。)  勧告・公表  行政措置による実効性の確保として、事案を放置することが著しく公益に反すると認められるときに限定し、知事による事業者に対する勧告、公表を規定する。  啓発活動  啓発活動が条例の目的を達成するために最も大切な取組であることを基本理念で規定する。  府民の理解と関心を深め、府民が適切に行動するための指針(大阪府障がい者差別解消ガイドライン)の普及に努めるなど必要な啓発活動を行うことを府の責務とする。  市町村との連携  市町村との適切な役割分担のもとで体制整備を実施することを府の責務とする。  府は、市町村と連携して体制整備等を実施すること並びに市町村に対し情報提供や技術的助言等必要な支援を行うことを規定する。  見直しの検討  施行後3年を目途として、施行後の状況について検討を加え、必要があると認めるときは所要の見直しを行う。  検討に当たっては、事業者における合理的配慮の実施状況に特に留意するとともに、必要があると認めるときは、施行後3年以内においても速やかに事業者における合理的配慮の義務付けの在り方を含めた見直しを検討する。  「大阪府障がい者差別解消ガイドライン等による啓発活動」と「条例による相談、紛争の防止・解決の体制」を「車の両輪」として差別解消に取り組む。