参考資料1−1 大阪府障がい者差別解消条例施行状況の検討 論点整理について   1.相談及び紛争の防止又は解決のための体制の整備  以下、障がい者施策推進協議会差別解消部会の整理(平成27年8月)(以下、【部会の整理】とする)、平成30年度条例運用状況に関する整理における大阪府の自己評価(以下、【自己評価】とする)、条例運用状況に関するワーキングの意見(以下、【ワーキング意見】とする)、解消協で審議する論点(以下、【解消協論点】とする)の順に記載します。  (1)  【部会の整理】  地域・既存の相談機関等における解決を支援する仕組み  府に広域専門相談員を配置して、地域・既存の相談機関等における解決を支援する。  広域専門相談員は、相談機能とともに当事者間の調整による最終的な紛争解決機能を担う。  たとえば、地域・既存の相談機関等に対する助言、当事者に対する調査、当事者間の協議や関係機関の調整、相談機関の連携促進、相談事案の収集と分析が業務として考えられる。  予算や人数の面で十分に対応できる体制の整備が必要。  広域専門相談員のアドバイザー体制の構築が必要。  相談内容が幅広いため、関係機関相互の連携体制として相談の支援ネットワークが必要。  【自己評価】  相談員は、条例上の対応の対象範囲外の相談(不適切・不快・不満な行為等)にも、当事者の思いに寄り添いながら丁寧に対応。また、相談事案に関し、組織内で情報の共有化を図るための日報の作成や、定期的なミーティングによる事例検討など、相談員間の連携強化により、円滑な相談対応と対応力の向上に努めてきた。条例施行後3年が経過し、このような取組みや事例の蓄積、合議体からの助言により、相談員の対応力は向上しつつある。  今後、相談事案の増加と複雑化・多様化に伴い、より高度な専門性や調整力を有する人材の確保と育成を図っていく必要。  【ワーキング意見】  市町村の相談体制の質を向上させるという相談員の役割と効果は大きい。  行政(相談員)が紛争解決を図ることの限界は存在。  事業者への制裁を設ける場合、合議体によるあっせんとの2層構造の意味合いが失われる。  事業者の協力義務を条例で規定することも一つだが、第5条との整理が必要。  【解消協論点】  1.広域支援相談員の機能  @広域支援相談員の相談対応における権限の限界及び相談員がより活動しやすくなるための仕組み  A広域支援相談員の対応力・調整力の向上 (「(3)合議体の機能「@合議体の助言機能の向上や判断の安定化に向けた取組み」と重複)  B広域支援相談員と市町村との関わり方(「(2)大阪府による市町村への助言等の機能」と重複)  (2)  【部会の整理】  地域・既存の相談機関等における解決の仕組み  一義的には、市町村で整備された相談体制により対応し、府は、困難事例や広域的な対応が必要な事案を取り扱うのが適当。  市町村における体制整備にあたって  ・市町村の中で、社会資源の状況等を踏まえながら、相談体制を確立・整理。その中で、たとえば、市の障がい福祉担当課など中核となる窓口を明確にする。  ・様々な地域・既存の相談機関等を市町村レベルでどのように連携し、府の広域的な相談体制にどのようにつないでいくのか明確にする。  市町村における体制整備に向けた府の役割  ・地域における相談体制のイメージや一定の考え方を市町村に対して示すことが必要。  ・たとえば、府が担うべき相談員の人材育成や質の向上に関する役割として、相談対応に必要な情報の市町村との共有化が考えられる。  【自己評価】  府は、市町村に対し、相談への対応姿勢等についての情報伝達を積極的に行うとともに、相談対応力の向上に向け、市町村の個々の状況を踏まえた意見交換の場を設定するなど支援に取り組んできたが、事例や対応ノウハウの蓄積が十分とは言えないのが現状。  市町村には、相談事例のキャッチ力や対応力の向上が求められており、府としては、ガイドラインをはじめ、市町村との意見交換の場などを通じて、さらに多くの事例を発信していくことが必要。また、これらの支援を進めることにより、市町村で受理する相談事案の増加が想定され、相談員の活動は、これまでに比べて市町村への後方支援にシフトするものと考えられる。市町村との関係を構築しながら、助言や広域的な調整、具体的な情報提供により、困難な相談事例への対応を支援することが必要。さらに、障がい者差別解消を効果的に推進するために、より多くの市町村で支援地域協議会が設置されるよう、今後も広域自治体として、市町村での取組状況の把握や情報発信が必要。  【ワーキング意見】  市町村の権限に関する条例規定は困難で、市町村との連携や支援のあり方を検討すべき。  府の役割は、勉強会などの場を通じて、市町村に差別事案の「気づき」の視点や観点を示すことにある。  府は、相談機能が有効な市町村の事例の周知や、積極的な助言など具体的な働きかけが必要。  府は、機能している支援地域協議会の取組内容や成果を周知し、設置促進と充実を支援すべき。  【解消協論点】  2.大阪府による市町村への助言等の機能  @市町村との連携や、府による市町村に対する支援のあり方  ・市町村職員の差別事案のキャッチ力・相談対応力の向上  ・支援地域協議会の設置促進  (3)  【部会の整理】  府の支援によっても、地域・既存の相談機関等における解決が困難な場合に、より専門的・中立的な立場から対応する仕組み  府に合議体を設置する。合議体は、障がい者側からの申し立てを受けて、調査を行い、あっせん案を提示する。  合議体は、学識経験者、障がい当事者、事業者等から構成する。  不当な差別的取扱いに係る事案は、広域専門相談員による調整で解決できない場合に、最終的に合議体で対応。  【自己評価】  合議体における委員の多様な議論の積み重ねと個々の事例を深く掘り下げた分析は、府の障がい者差別解消の取組みの推進に向けた貴重な財産。  一方で、相談事案の複雑化・多様化などを背景に、相談員が相談対応に当たって合議体からの即時助言を求めるケースの増加が想定される。今後、相談員の対応力の強化に向け、合議体による助言や検証の取組みを継続しつつ、相談員への助言を一層有効に機能させていくための手法の検討が必要。  【ワーキング意見】  合議体による助言や分析は、相談員の対応力向上につながっており、継続すべき。  合議体には、裁判所のような実効的な紛争解決の権限がなく、限界がある。  即時助言の手法としては、合議体の構成人数を減らし、機動的に開催する方法がある。  専門家の非常勤雇用は、個人からの助言であり、透明性の確保や明確な責任の所在、合議体が有する助言機能との整理が課題。  【解消協論点】  3.合議体の機能  @合議体の助言機能の向上や判断の安定化に向けた取組み  A紛争解決のための仕組み(あっせん)のあり方  (4)  【部会の整理】  合理的配慮の不提供に係る事案を対象とするかについては、以下により、今後の相談事案の集積や国の動向等を踏まえて、検討。  ・合理的配慮の中身は、当事者間のコミュニケーションの中で決まってくるものであるため、第三者による判断は難しい。  ・合議体のあっせんは、法的な強制力をもつものではないが、実効性の確保のための措置とあわせて考えると事実上の強制力をもつので、法律上義務付けられていない合理的配慮の不提供に係る事案まで合議体が踏み込んで判定していくのは、なかなか難しい。また、根拠規定を作ったとしても、技術的に、グレーなところを判定できるのか、難しいという課題がある。  ・事業者側からすると、合理的配慮は新しい概念なので、企業サイドも万全の体制とはなっていない中、懲罰的な指導よりも、建設的なアドバイスを行う姿勢で臨んでほしい。  ・法では、合理的配慮の不提供に係る事案も助言・勧告まではできる。現実的には、不当な差別的取扱いに係る事案や合理的配慮に係る事案は区別しづらく、合理的配慮がどこまでできるかにかかわって不当な差別的取扱いにあたるかどうかということが多いことから、切り分けることができない。  【自己評価】  なし  【ワーキング意見】  現在も合理的配慮の不提供により不当な差別的取扱いに至ると考えられる場合はあっせん対象。  合理的配慮の提供が努力義務である以上、あっせんの対象に加える実益があまりない。  合議体は、相談員とは異なる解決方法の提示等ができる可能性があり、意味はある。  合理的配慮の提供を法的義務とすることの是非を検討した方が良い。  努力義務のままとし、事例を積み重ねたうえで義務化した方が良い。  【解消協論点】  Bあっせんの対象範囲の拡大  (5)  【部会の整理】  「障害者差別解消支援地域協議会」  合議体とは別のものとして、相談事例の収集・分析、情報交換などの役割が考えられる。  【自己評価】  合議体は、5人の構成員で構成し、あっせんや相談員への助言という機能を担う一方、解消協は、障がい者差別解消の推進に関する事項に関する協議等の機能を有しており、それぞれが異なる役割を果たしてきた。また、解消協は、「支援地域協議会」の機能も兼ね備えており、この機能の一部は、合議体による助言・検証により果たしてきた。  今後、相談員に対する助言を担う合議体、その母体となる解消協が、支援地域協議会としての機能を果たすために、どのような役割が求められ、その責務をどのように果たしていくことができるのかを検討することが必要。  【ワーキング意見】  支援地域協議会としては、合議体が助言・検証を行うことでその機能の一部を果たしている。  合議体での課題や施策の方向性に関して、解消協で取り扱う会議運営を検討すべき。  現在の解消協は、取組みを主体的に行うネットワークとしては、十分に機能できていない。解消協委員が、地域で新たなネットワークや社会資源を開発する社会的な活動を展開できるよう、解消協のあり方検討が必要。  解消協は、地域づくりの一つとして差別のない社会構築の方策を検討する役割も担っているので、解消協が有するネットワークを活用し、委員各自が主体的に啓発に関わることが望ましい。【再掲】  【解消協論点】  4.大阪府障がい者差別解消協議会の機能  @「障害者差別解消支援地域協議会」としての機能  A解消協・合議体の役割の整理  (参考)市町村支援の取組み(H30年度検証報告書)  市町村ワーキング:「大阪府障がい者差別解消ワーキング」を設置し、年3回程度実施  市町村勉強会の開催:府内市町村職員を対象に、基礎知識の習得、実務の理解、取組に関する情報共有  出張情報交換会の実施:相談員が各圏域に出向き、相談員による研修を行うとともに、市町村同士の情報交換を実施  市町村ヒアリング:地域協議会の設置や運用に関する意見及び課題を聴取。   2.啓発活動の促進  以下、障がい者施策推進協議会差別解消部会の整理(平成27年8月)(以下、【部会の整理】とする)、平成30年度条例運用状況に関する整理における大阪府の自己評価(以下、【自己評価】とする)、条例運用状況に関するワーキングの意見(以下、【ワーキング意見】とする)、解消協で審議する論点(以下、【解消協論点】とする)の順に記載します。  (1)  【部会の整理】  啓発活動の推進  障がいや障がい者に対する理解を深めることがもっとも重要な、かつ基礎となる取組み。  障がい者に対する啓発も重要。  差別の問題の根底には障がいや障がい者についての理解の不足があり、事業者を含め府民全体の意識が変わらないことには根本的な解決とはならない。  府ガイドラインを活用した周知が重要。  啓発に当たっては、行政だけでなく、事業者を含め、府民や障がい者団体にも担うべき役割がある。  新しい概念である合理的配慮は、法律上も努力義務とされている趣旨を踏まえつつ、零細企業を含む事業者に対し広く概念自体の周知と十分な浸透が重要であり、企業や経営者の納得を十分に得ながら、一歩一歩、差別解消の取組みを社会に定着させることが大事。  【自己評価】  @啓発活動の実施に当たっては、多様な主体との連携による周知機会の創出や、府民の行動につながるよう企画内容の充実が重要。  今後も、府民の障がいや障がい者に対する理解を一層深めるために、関係機関等と連携を進めるとともに、より効果的な周知・啓発手法の検討が求められる。  A合理的配慮の概念は未だ社会全体に充分に定着しているとは言えず、建設的対話を通じた合理的配慮の提供の必要性を広く社会で共有し、浸透させることが重要。  今後も、事業者に対するガイドライン等を活用した啓発とともに、事業者が自ら障がい理解を深める取組みを行うような支援の充実が求められる。  【ワーキング意見】  @(現状)  法や条例が事業者や府民に期待する役割の浸透が不足。  障がい者が法を理解するための工夫が必要。  連携について、市町村の好事例・課題などの把握や庁内各部局向けの視点が不足。民間事業者も含めて、現状の丁寧な整理と一層の推進が必要。  府民の行動につながる施策が不足。  (今後)  既存事業や広報物の評価及び周知手法の検討と再考が必要。  ターゲットを絞り、可能な範囲で量的評価と効果測定が必要。  20歳未満への啓発手法を検討し、将来の社会・経済活動の担い手に新しい価値観を。  障がい者に対し、法により障がい者は権利を有していることを周知するための啓発が必要。  各連携主体の取組状況の「見える化」が必要。   教育や、特に府民の関心が高い防災や環境、日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)等の分野も見据えるべき。  「地域社会には様々な人がいて、自分は何をすべきか、自らの問題として考える」地域レベルの仕掛けづくりが必要。  解消協は、地域づくりの一つとして差別のない社会構築の方策を検討する役割も担っているので、解消協が有するネットワークを活用し、委員各自が主体的に啓発に関わることが望ましい。  A(現状)  不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮についての本質的な理解には至っていない。  合理的配慮の概念が事業者に浸透したことを、何をもって示すのかの整理が必要。  合理的配慮の理解促進については、定量的な評価は難しく、定性的な評価をした方が良い。  事案がない事業者団体で新たに差別解消研修の実施は難しい。  (今後)  障がい者差別に「気付く」研修が必要。  研修実施は方法、事例、資料提示や講師派遣といった行政による動機付けが必要。  既存ツールの整理と行動につなげる啓発が必要。  観光・量販店、公共交通など対象を絞った啓発と、事業者のノウハウや媒体を活用した啓発の検討が必要。  【解消協論点】  5.啓発活動の推進  @府民向け啓発活動のあり方  A事業者向け啓発活動のあり方  (参考)啓発の取組み(H30年度検証報告書)  大阪ふれあいキャンペーン:障がい者団体及び関係団体、行政が連携し、障がいに関する基本的な事項を学ぶ「ふれあいおりがみ」を府内全小学3年生に配布、障がいのある人に対する配慮や工夫などを学ぶ「ふれあいすごろく」を府内全小学校に配布。  共に生きる障がい者展:障がいや障がい者への正しい理解を目的に、障がい者の自立と社会参加の促進をテーマとして開催するイベント。  心の輪を広げる障がい者理解促進事業:心のふれあい体験をつづった作文募集(小・中・高・一般)やポスター募集(小・中)。作文及びポスターの最優秀賞・優秀賞受賞者には知事表彰。受賞者の作品集を府内学校に配布。  大阪府障がい者等用駐車区画利用証制度:公共施設や商業施設などにおける「車いす使用者用駐車区画」と、車いす使用者以外の移動に配慮が必要な方を利用対象とする「ゆずりあい駐車区画」の両方を整備  ヘルプマークの周知・普及:援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう作成されたマーク  心のバリアフリー推進事業:府内企業等における障がい理解の促進や差別解消に向けた研修等の自主的な取組みへの支援   3.その他  以下、障がい者施策推進協議会差別解消部会の整理(平成27年8月)(以下、【部会の整理】とする)、平成30年度条例運用状況に関する整理における大阪府の自己評価(以下、【自己評価】とする)、条例運用状況に関するワーキングの意見(以下、【ワーキング意見】とする)、解消協で審議する論点(以下、【解消協論点】とする)の順に記載します。  (1)  【部会の整理】  実効性の確保のための措置(勧告、公表、罰則)の必要性について  罰則は、法の趣旨(事業者の自主的な取組みを促すこと、話し合いによる解決を図ること)を踏まえた取組みにそぐわないことや事業者の活動に過度な制限をもたらす懸念があることなどから、適当でない。  知事の権限として、勧告または公表の権限を定める。その場合、具体的な要件や手続等を条例で定める必要がある。  【自己評価】  なし  【ワーキング意見】  行政(相談員)が紛争解決を図ることの限界は存在。【再掲】  事業者への制裁を設ける場合、合議体によるあっせんとの2層構造の意味合いが失われる。【再掲】  事業者の協力義務を条例で規定することも一つだが、第5条との整理が必要。【再掲】  【解消協論点】  なし  (2)  【部会の整理】  事業者における合理的配慮の提供の取扱いについて  周知が不十分であるなか、条例で、合理的配慮の法的義務化や公表など企業に対するハードルをいきなりあげることは慎重にすべき。【再掲】  新しい概念である合理的配慮は、法律上も努力義務とされている趣旨を踏まえつつ、零細企業を含む事業者に対し広く概念自体の周知と十分な浸透が重要であり、企業や経営者の納得を十分に得ながら、一歩一歩、差別解消の取組みを社会に定着させることが大事。【再掲】  【自己評価】  なし  【ワーキング意見】  (意義・効果)  事業者の合理的配慮の浸透度合いと、義務化の議論を結び付けて考えることは妥当なのか。  法が権利条約を、条例が法を具体化していることを踏まえると、権利条約では合理的配慮の提供が義務であれば、条例でも義務化すべき。  義務化によって、事業者の社会的責任が周知され、合理的配慮の提供に向けた体制整備や取組みが進むという点で社会的意義は大きい。  義務化の前段階として、合理的配慮の概念の浸透や紛争解決の仕組みの充実に向けた取組みが重要。  事業者の過重な負担の免責があり、あっせんに司法権限がないため、義務化に期待するほどの法的効果はない。義務化の検討に当たっては、社会的効果と法的効果の両方の検証が必要。  法改正があれば条例改正しやすく、義務化は法改正を踏まえた対応とするのも一つ。  (事業者に与える影響及びその内容)  事業者に意見聴取しつつ、合理的配慮の浸透状況や事業者への社会的影響を踏まえて判断することが必要。  過重な負担を求められない以上、法的義務、努力義務に違いはない。  事業者には、合理的配慮の提供範囲や過重な負担の基準に関する不安や懸念の声があり、合理的配慮を誤解している節もある。  義務化に当たり、ガイドライン改訂や事業者への啓発、解消協・合議体の役割整理が必要。  障がい者と事業者が建設的対話をするために、府が対話の中核的役割を担うべき。  義務化しても、行政の調整等で建設的対話を促すという条例の性格は変わらない。  条例で差別事例を明示することで差別の範囲が限定されて解釈される懸念。  【解消協論点】  6.事業者による合理的配慮の提供について  @事業者における合理的配慮の概念の浸透や実施状況  A現行の規定(努力義務)において、合理的配慮の概念の浸透と提供に向けた取組みや仕組み  B(現行の規定(努力義務)での取組みや仕組みでは限界がある場合)義務化の検討・意義・効果  事業者に与える影響及びその内容  (3)  【部会の整理】  合理的配慮の不提供に係る事案を対象とするかについては、以下により、今後の相談事案の集積や国の動向等を踏まえて、検討。【再掲】  ・合理的配慮の中身は、当事者間のコミュニケーションの中で決まってくるものであるため、第三者による判断は難しい。  ・合議体のあっせんは、法的な強制力をもつものではないが、実効性の確保のための措置とあわせて考えると事実上の強制力をもつので、法律上義務付けられていない合理的配慮の不提供に係る事案まで合議体が踏み込んで判定していくのは、なかなか難しい。また、根拠規定を作ったとしても、技術的に、グレーなところを判定できるのか、難しいという課題がある。  ・事業者側からすると、合理的配慮は新しい概念なので、企業サイドも万全の体制とはなっていない中、懲罰的な指導よりも、建設的なアドバイスを行う姿勢で臨んでほしい。  ・法では、合理的配慮の不提供に係る事案も助言・勧告まではできる。現実的には、不当な差別的取扱いに係る事案や合理的配慮に係る事案は区別しづらく、合理的配慮がどこまでできるかにかかわって不当な差別的取扱いにあたるかどうかということが多いことから、切り分けることができない。  【自己評価】  なし  【ワーキング意見】  (広域支援相談員や合議体等条例上の仕組み)  義務化した場合、条例を根拠に事業者との調整が可能となり、あっせんにも支障はそれほどない。  構成員間で合理的配慮の不提供か否かの判断が異なることは、ある程度やむを得ない。  あっせんには司法権限がないなど限界があることも含め、義務化を検討すべき。  合議体構成員の資質向上や判断の安定化に向け、合議体の仕組みの検討が必要。  【解消協論点】   広域支援相談員や合議体等条例上の仕組み