大阪府障害を理由とする差別の解消の推進に関する条例施行状況の検討について(提言)   令和2年3月 大阪府障害者差別解消協議会   1 はじめに  国連の「障害者の権利に関する条約」(以下、「障害者権利条約」という。)の締結に向けた国内法制度の整備の一環として、平成28年4月、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(以下、「障害者差別解消法」という。)が施行された。  この法律は、すべての国民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障がいを理由とする差別の解消を推進することを目的としたものである。  従来の「障がい」の捉え方は、心身の機能の障がいのみに起因するとする、いわゆる「医学モデル」の考え方を反映したものであった。一方、障害者権利条約では、障がい者が日常生活又は社会生活において受ける制限は、心身の機能の障がいのみに起因するものではなく、社会における様々な障壁と相対することによって生ずるものとする、いわゆる「社会モデル」の考え方が貫かれている。  障害者差別解消法に定められた合理的配慮は、この「社会モデル」の考え方を踏まえたものであり、障がい者の権利利益を侵害することとならないよう、障がい者が個々の場面において必要としている社会的障壁を除去するための必要かつ合理的な取組みであり、その実施に伴う負担が過重でないものである。  障害者差別解消法は、障がい者に対する不当な差別的取扱い及び合理的配慮の不提供を差別と規定し、行政機関等及び事業者に対し、差別の解消に向けた具体的取組みを求めるとともに、普及啓発活動等を通じて、障がい者も含めた国民一人ひとりが、それぞれの立場において自発的に取り組むことを促している。  特に、法に規定された合理的配慮の提供に当たる行為は、既に社会の様々な場面において日常的に実践されているものもあり、こうした取組みを広く社会に示すことにより、国民一人ひとりの、障がいに関する正しい知識の取得や理解が深まり、障がい者との建設的対話による相互理解が促進され、取組みの裾野が一層広がることを期待するものとされている。  大阪府(以下、「府」という。)は、障がいを理由とする差別のない、共に生きる大阪の社会をめざすため、障害者差別解消法の施行に伴い、平成28年4月に「大阪府障害を理由とする差別の解消の推進に関する条例」(以下、「条例」という。)を施行した。  府は、条例に基づき、広域支援相談員の配置や、知事の附属機関である「大阪府障害者差別解消協議会(以下、「解消協」という。)の設置、解消協の下に組織した合議体における相談事例等の分析・検証など、条例に基づく相談及び紛争の防止又は解決のための体制整備をすすめるとともに、法の趣旨の普及や障がい理解を促進する啓発活動に取り組んできた。  平成30年度をもって条例施行から3年が経過したことに伴い、令和元年度、条例附則の施行後3年を目途とした見直し検討規定を踏まえ、知事の附属機関である解消協において、条例の施行状況を検討し、課題や対応を整理したうえで、条例の運用上の取組みや必要な方策について意見を取りまとめた。  検討内容をここに整理したので、府におかれては、本提言を踏まえ、条例の施行状況について検討を加え、その結果に応じて所要の見直しを行っていただきたい。  (参考)  解消協において、計6回にわたり条例の施行状況を検討。  項目1 相談及び紛争の防止又は解決のための体制の整備  (1)広域支援相談員の機能  (2)府による市町村への助言等の機能  (3)大阪府障害者差別解消協議会の機能  (4)合議体の機能  項目2 啓発活動  (1)府民に対する啓発について  (2)事業者に対する啓発について  項目3 事業者による合理的配慮の提供  検討にあたり、府で実施された、府内1,000事業者を抽出したアンケート(以下、「事業者アンケート」という。)や、事業者団体及び障がい者団体へのアンケート(以下、「団体アンケート」という。)の結果を踏まえ、事業者による合理的配慮の提供について広く意見を聴取。事業者アンケート及び団体アンケートの結果概要については、参考資料として本提言に掲載。   2 大阪府障害を理由とする差別の解消の推進に関する条例施行状況の検討について  項目1 相談及び紛争の防止又は解決のための体制の整備について  (1)広域支援相談員の機能について  条例第7条第1項規定に基づき、府は、平成28年4月より広域支援相談員を配置している。広域支援相談員の職務については、同条第3項において、以下の3点について規定されている。  ア.相談機関(相談事案に対応する市町村の機関)における相談事案の解決を支援するため、必要な助言、調査及び相談事案に関する関係者間の調整を行うこと  イ.障がい者等及び事業者からの相談に応じ、相談機関と連携して、必要な助言、調査及び相談事案に関する関係者間の調整を行うこと  ウ.相談機関相互の連携の促進を図り、並びに相談事案に係る情報の収集及び分析を行うこと  府は、平成30年度に設置した「大阪府障がい者差別解消条例運用状況に関するワーキング」で整理した「平成30年度大阪府障がい者差別解消条例に関する運用状況について」(以下、「平成30年度条例運用状況の整理」という。)で、以下のとおり自己評価している。  「広域支援相談員は、条例上の対応の対象範囲外の相談(障がい者差別につながりかねない不適切な行為や、障がい者等が不快・不満に感じるような行為等)にも、当事者の思いに寄り添いながら丁寧に対応してきた。また、相談事案に関し、組織内で情報の共有化を図るための日報の作成や、定期的なミーティングによる事例検討など、広域支援相談員間の連携強化により、円滑な相談対応と対応力の向上に努めてきた。条例施行後3年が経過し、このような取組みや事例の蓄積、合議体からの助言により、広域支援相談員の対応力は向上しつつある。今後、相談事案の増加と複雑化・多様化に伴い、より高度な専門性や調整力を有する人材の確保と育成を図っていく必要がある。」      解消協では、府の自己評価を踏まえたうえで、広域支援相談員が障がい者差別解消をすすめるうえで、その職務を果たし、機能してきたかを整理した。  ア.広域支援相談員が果たしてきた機能・役割について  広域支援相談員が受け付けた相談への対応状況などから、広域支援相談員は有効に機能していると考えるが、広域支援相談員の入れ替わりに伴い、相談対応の質の低下や変化が懸念される。  府の相談対応の質が担保できる仕組みとして、広域支援相談員の体制整備の充実が求められる。今後も広域支援相談員同士の交流や事例検証の取組みを継続されたい。  また、相談対応の質の担保として、合議体による広域支援相談員への助言機能に加え、相談員OBによるスーパーバイズの仕組みを設けることが考えられる。  イ.広域支援相談員の相談対応における限界について  障害者差別解消法が、行政措置によって実効性を確保する行政法的アプローチを採用していることから、行政が紛争解決を行うことにはそもそも限界がある。       以上2点について、以下、二通りの意見があった。  (ア)広域支援相談員が行う調査協力に係る義務規定を新たに追加することで、広域支援相談員が紛争解決の機能を有効に果たせるようにすることが求められる。ただし、規定は、事業者を指導したり、調査に協力しない場合に罰則を適用するものではないことや、事業者に過度な負担が及ばないよう、調査対象等を明確に規定することが必要である。なお、条例第5条(事業者に対する府施策への協力に係る努力義務規定)は、極めて一般的・理念的で原則的なルールを規定したものである。  (イ)事業者が広域支援相談員の活動に非協力的であるがために解決が見込めない場合でも、あっせんでの紛争解決の仕組みが条例に規定されていることから、調査協力義務規定は不要である。また、規定には法的効果がなく、知事による勧告・公表のように実効性を担保するものではない。  (2)府による市町村への助言等の機能について  条例第4条第1項では、府は市町村との適切な役割分担のもとで相談及び紛争の防止又は解決のための体制を整備するものと規定し、第6条規定により、市町村との連携で相談等の体制整備や啓発活動を実施することとしている。  具体的には、府は市町村に対し、情報の提供、技術的な助言その他の必要な支援を行い、住民に身近な相談窓口である市町村において相談事案の解決が図られることを基本としている。  府は、平成30年度条例運用状況の整理で、以下のとおり自己評価している。 「府は、市町村に対し、相談への対応姿勢等についての情報伝達を積極的に行うとともに、相談対応力の向上に向け、市町村の個々の状況を踏まえた意見交換の場を設定するなど支援に取り組んできたが、事例や対応ノウハウの蓄積が十分とは言えない。」    解消協では、府の自己評価を踏まえたうえで、広域自治体である府が市町村に対する助言等の機能を果たしてきたかを整理した。  ア.市町村との連携や支援のあり方について  広域支援相談員が受け付けた相談者の内訳として直接相談が非常に多い(約8割)ということは、各市町村の相談窓口が十分に機能していない可能性があり、市町村における相談体制の更なる整備が求められる。具体的には、相談支援など障がい福祉サービスを行う様々な事業者・関係機関と連携した取組みなどが考えられる。  府は、市町村に対して専門的な助言や好事例の提供、市町村同士の交流の機会の創出、特に相談担当者の交流や連絡会議の開催などを通じて、市町村の取組みの格差を埋め、すべての市町村で取組みの促進が図られるよう、市町村支援等の方策を充実させていく必要がある。  また、府が市町村の課題等を把握し、解消協の場で市町村への支援や連携の方法などを市町村とともに検討することも考えられる。  一方で、障がい者にとっては、顔見知りである市町村職員には相談しにくい場合も想定されるため、府の広域支援相談員にも相談できる仕組みは継続すべきである。  (3)大阪府障害者差別解消協議会の機能について  府は、条例第8条第1項規定に基づき、障がいを理由とする差別の解消の推進に関する事項について審議するため、障がい者、事業者、学識経験者等で構成する解消協を知事の附属機関として設置している。  解消協は、条例施行後、毎年数回程度開催し、相談体制等の整備や相談対応状況、啓発の取組みなどについて審議をしている。また、5人の構成員で構成し、あっせんや広域支援相談員への助言という機能を担う合議体を解消協の下に組織している。    府は、平成30年度条例運用状況の整理で、以下のとおり自己評価している。  「合議体は、5人の構成員で構成し、あっせんや広域支援相談員への助言という機能を担う一方、解消協は、障がい者差別解消の推進に関する事項に関する協議等の機能を有しており、それぞれが異なる役割を果たしてきた。また、解消協は、法に規定される「障害者差別解消支援地域協議会」(以下、「支援地域協議会」という。)の機能も兼ね備えており、この機能の一部は、合議体による助言・検証により果たしてきた。今後、広域支援相談員に対する助言を担う合議体、その母体となる解消協が、支援地域協議会としての機能を果たすために、どのような役割が求められ、その責務をどのように果たしていくことができるのかを検討することが必要である。」    解消協では、府の自己評価を踏まえたうえで、解消協がその機能、特に支援地域協議会としての機能を果たしてきたかを整理した。  ア.支援地域協議会としての機能について  支援地域協議会としての機能を有する解消協は、他都道府県の支援地域協議会と比較すると、事例の共有はすすんでいる。  今後は、府政に対して意見を述べるだけではなく、法の支援地域協議会設置の趣旨を踏まえ、解消協に参画する構成員が地域の差別解消のネットワークとつながり、地域や業界で起きている埋もれた差別事案を、紛争に至る前に、行政と連携しながら、意識啓発などを通じて解決できるような取組みが求められる。  また、解消協の運営のあり方として、グループディスカッション等により、障がい種別や分野、場面ごとに、地域や広域、障がい者や事業者の立場から様々な視点で障がい者差別解消に向けてどう取り組んでいくかを検討することも必要である。    (4)合議体の機能について  府は、条例第8条第5項規定に基づき、解消協委員及び専門委員から選任される合議体を組織し、同項に基づき、以下を取り扱うこととしている。  (ア)法第8条第1項に規定する事項(事業者による不当な差別的取扱い)に係る紛争事案を解決するためのあっせん  (イ)広域支援相談員が行う職務に関する助言  これまであっせんに至った紛争事案はないが、もう1つの機能である「助言・検証実施型合議体」が広域支援相談員への助言を行うとともに、条例に位置付けられた合議体の職務の一つであるあっせんを効果的に運用できるよう、あっせんの求めがあった場合を想定しながら、合議体での検討をすすめてきた。  府は、平成30年度条例運用状況の整理で、以下のとおり自己評価している。 「合議体における委員の多様な議論の積み重ねと個々の事例を深く掘り下げた分析は、府の障がい者差別解消の取組みの推進に向けた貴重な財産となっている。一方で、相談事案の複雑化・多様化などを背景に、広域支援相談員が相談対応にあたって合議体からの即時助言を求めるケースの増加が想定され、今後、広域支援相談員の対応力の強化に向け、合議体による助言や検証の取組みを継続しつつ、広域支援相談員への助言を一層有効に機能させていくための手法の検討が必要である。」  解消協では、府の自己評価を踏まえたうえで、合議体がその機能を果たしてきたかを整理した。  ア.あっせん実施型合議体について  あっせんは、障がい者、事業者双方に建設的対話を促す場として非常に効果的である。  当事者が話し合いで合意できない場合、合議体が解決策の案を作り、双方がその案で合意すれば、それがあっせん案になる。このことにより、広域支援相談員が行う当事者間の調整よりも、一歩踏み込んだ紛争解決が可能になる。  あっせんの対象に、事業者による合理的配慮の不提供を加えるべきかについては、広域支援相談員による対応には限界があることから、努力義務であるか、法的義務であるかを問わず、合理的配慮の不提供をあっせんの対象に加えるべきであるという意見があった。  しかし、合議体によるあっせんが知事の勧告・公表という事実上の制裁を伴うことがありうるため、努力義務である合理的配慮の不提供をあっせんの対象にすることは難しい。  よって、合理的配慮の不提供をあっせんの対象にするためには、合理的配慮の提供を法的義務化する必要があると考える。  なお、現行においても、合理的配慮の不提供により、不当な差別的取扱いに至る事例はあっせんの対象にすることとしている。  イ.助言・検証実施型合議体について  合議体は、事案に応じて、解消協委員・専門委員から会長が指名する5名をもって構成することで、様々な意見を踏まえながら判断の安定性を確保する仕組みである。基本的な考え方を委員間で共有することは必要だが、今後も現行の仕組みのまま、合議体を運用することが望ましい。  項目2 啓発活動について  (1)府民に対する啓発について  府は、条例第4条第2項及び第6条規定により、障害者差別解消法第15条に規定する啓発活動を、相談及び紛争の防止又は解決のための体制の整備とともに車の両輪の一つと位置付け、取り組んできた。  府は、平成30年度条例運用状況の整理で、以下のとおり自己評価している。  「府では、障がいを理由とする差別の解消は、全ての府民が共に社会の一員として解決すべき社会全体の課題であるとの認識のもと、障がいを理由とする差別の解消について、府民の関心と理解を深めるためのガイドラインの作成や、障がい者団体や関係団体、行政が連携した「大阪ふれあいキャンペーン」など、様々な啓発活動等に取り組んでいる。多様な主体との連携による周知機会の創出や、府民の行動につながるような企画内容の充実が重要であり、今後も、府民の障がいや障がい者に対する理解を一層深めるために、関係機関等と連携をすすめるとともに、より効果的な周知・啓発手法の検討が求められる。」      解消協では、府の自己評価を踏まえたうえで、府民に対する啓発のあり方を整理した。  ア.府民の障がいに対する理解の促進について  府民の障がい理解が十分ではないと考えられる。  解消協が有する支援地域協議会の機能を発揮しながら、障がい者差別解消に向けて、地域と連携しながら、啓発のあり方を考え、取り組んでいくことが必要である。  子どものころから障がい理解や共生社会づくりの意識を醸成することが必要である。学校教育は、障がい理解の促進に大きな役割を持つことから、教育と連携した啓発の取組みがより一層求められる。具体的には、学齢期から障がい理解に関する主体的・体験的な学習をすすめることや、障がい者と接する機会を増やしながら、保護者や地域とともに障がい理解の促進につながる取組みを行うこと、子どもたちの学びを深めるための教員への研修等の機会の充実などが考えられる。  また、障がい者に対しても、合理的配慮の概念等の法理解に関する更なる啓発が必要である。  (2)事業者に対する啓発について  府は、平成30年度条例運用状況の整理で、以下のとおり自己評価している。  「条例施行を見据えてガイドラインを策定するとともに、施行後、新たな取組みとして、障がい者を講師として事業者に派遣し、障がい理解を深める出前講座の実施や、汎用性のある研修プログラム(DVDなど)の開発・周知による事業者の研修実施の支援により、事業者の障がい理解や差別解消に向けた自主的な取組みの促進を図ってきた。しかし、合理的配慮の概念は社会全体に十分に定着しているとは言えず、建設的対話を通じた合理的配慮の提供の必要性を広く社会で共有し、浸透させることが重要である。今後も、事業者に対するガイドライン等を活用した啓発とともに、事業者が自ら障がい理解を深める取組みを行うような支援の充実が求められる。」  解消協では、府の自己評価を踏まえたうえで、事業者に対する啓発のあり方を整理した。  ア.事業者における合理的配慮の概念の浸透状況について  事業者アンケートの結果(参考資料1)から、事業者の障害者差別解消法(合理的配慮の概念)の浸透度は不十分であると考えられる。一方で、過重な負担がないにもかかわらず配慮を行わないことは差別であるという認識は浸透していると言える。  障害者差別解消法や条例施行後、努力義務であるため合理的配慮を提供しないという事業者は見受けられず、大半の事業者は、努力義務であっても社会的責任としてできる限り対応していると考えられる。  イ.事業者に対する啓発の取組みへの評価と今後求められる取組みについて  障がい者に接する現場の従業員に障害者差別解消法の理念等をどう浸透させるかが課題であり、今後は、解消協が有する支援地域協議会の機能(ネットワーク)を活用しながら、浸透方法を検討していくことが求められる。  具体的な手法として、事業者が、合理的配慮という抽象的でわかりにくい概念や合理的配慮の提供の望ましい事例を具体的に理解し、取り組めるよう、事例検討を通じた研修への支援が考えられる。また、解消協で、分野ごとの差別事例を検証しながら、差別が起こらない環境や構造をどう作っていくかを検討し、業界に啓発していくことが考えられる。併せて、商品・サービス分野や公共交通機関分野など場面に応じて対象を絞った啓発物の作成も考えられる。    項目3 事業者による合理的配慮の提供について  条例制定にあたり、大阪府障害者施策推進協議会に設置した差別解消部会において、事業者による合理的配慮の提供について、以下のとおり整理している。  (ア)事業者も一方の当事者であり、同じ共生社会をめざす一員という認識で取組みをすすめる必要がある一方で、中小企業、とりわけ規模の零細な企業にとって、過重な負担とならないよう経営状況等にも配慮した慎重な検討を求める意見がある。  (イ)特に、新しい概念である合理的配慮は、法律上、努力義務とされている趣旨を踏まえつつ、零細企業を含む事業者に対し、広く概念自体の周知と十分な浸透が重要であることから、事業者の納得を十分に得ながら、一歩一歩、差別解消の取組みを社会に定着させていくことが大事である。  以上の部会での整理を踏まえ、府では、事業者による合理的配慮の提供は障害者差別解消法と同様、努力義務としている。  なお、条例附則において、「法第8条第2項に規定する配慮の実施状況について特に留意するとともに、必要があると認めるときは、この条例の施行後3年以内においても速やかに当該配慮の義務付けの在り方も含めた見直しを検討するものとする。」と規定されている。  解消協では、上記条例附則の規定に基づき、事業者による合理的配慮の提供の法的義務化を整理した。  ア.事業者による合理的配慮の提供の法的義務化について  (a)合理的配慮の提供の法的義務化の意義や社会的・法的効果  条例制定にあたっては、合理的配慮の提供が法律上、努力義務とされている趣旨を踏まえつつ、零細企業を含む事業者に対し、広く概念自体の周知と十分な浸透が重要であることから、条例においても努力義務とした経緯がある。  この経緯を踏まえたうえで、義務化の検討にあたり、義務化する根拠を以下のとおり整理した。  障害者権利条約では、合理的配慮の提供は、公民の区別なく、法的義務と定められていること。  障害者差別解消法では、行政機関等は合理的配慮の提供を法的義務と規定されているが、同じ内容のサービスを提供するにあたり、実施主体が行政機関か事業者かで、配慮を区別すること自体が極めて不合理であること。  努力義務である現状では、建設的対話の働きかけが困難になる事例が想定され、合理的配慮の提供に不可欠な建設的対話を促すためには、努力義務では極めて不十分であること。  SDGsに基づいた取組みや大阪・関西万博に向けて国際基準を満たした共生社会づくりが求められていること。  障害者差別解消法の理念等の浸透と障がい者差別解消のためには、啓発以外での仕組みや取組みの充実が求められていること。   なお、整理にあたっては、以下の点も考慮して検討した。  合理的配慮の概念が浸透していることは、義務化の前提条件ではない。  他都道府県や茨木市では条例により義務化しているが、特段の支障や課題は生じていないと考えられる。  障害者差別解消法では、地方の実情に応じて、条例による「上乗せ」「横出し」を認めている。  事業者アンケート(参考資料1)及び団体アンケート(参考資料2)の結果では、義務化への賛成意見(「どちらかといえば賛成である」を含む)が8割から9割程度となっている。      また、義務化による効果については、以下のとおり整理できる。  事業者が合理的配慮の提供を社会的責務として受け止め、建設的対話への姿勢、障害者差別解消法の理念等の理解が深まるという社会的効果があること。  広域支援相談員による調整以外に、あっせんという、建設的対話を促すための紛争解決の仕組みが整う法的効果があること。    ただし、法的効果については、上述のとおり、あっせん対象になるという点で義務化の意味はあるが、現行においても合理的配慮の不提供による不当な差別的取扱いはあっせんの対象としている。また、努力義務であっても行政指導の対象であり、それにより紛争解決の方法を見出すという条例の基本的な考え方は、努力義務でも法的義務でも変わらないため、義務化による法的効果は必ずしも大きいとは言いきれない。  このことから、義務化の効果としては、障害者差別解消法の理念等の浸透という啓発効果(社会的効果)に重点があると考えられる。     なお、あっせんを含めた紛争解決については、以下の2点を考慮する必要がある。  (ア)義務化により合理的配慮の不提供もあっせん対象に加わることになるが、あっせんの効力の及ぶ範囲と限界について、解消協の認識を一致させておくべきである。  (イ)府条例に規定する紛争予防や解決の仕組みは、府が当事者間の建設的対話を促し、柔軟・現実的な方法を見出していくものであり、過重な負担に該当するか否か、合理的配慮の不提供か否か、法的責任を事業者に問うか否かの判断を行うものではない。  また、条例制定時に、障害者差別解消法を補完するものとして合理的配慮の提供を努力義務とした以上、条例改正により法的義務化する立法趣旨を明確化し、府民に説明することが求められる。    (b)合理的配慮の提供の法的義務化による事業者への影響  義務化により事業者に影響が生じるのか、義務化すると仮定した場合にどのような施策を講じるべきかを検討した。  事業者への影響については、過重な負担のない範囲での提供という前提条件の規定があることから、義務化により事業者の負担が大きくなるということはないと結論づけられる。   しかし、事業者アンケート(参考資料1)及び団体アンケート(参考資料2)の結果から、事業者の不安や課題として、合理的配慮の提供の範囲や過重な負担の基準が不明確であること、他者との公平性を失するのではとの懸念や当事者等の安全性を失するのではとの懸念、現場での柔軟なルール変更の難しさなどが挙げられる。  よって、義務化の検討にあたっては、課題等を解消するための具体的な取組みを検討し、実行していくことが求められる。  まず、事業者が最も不安や課題を感じている点が、合理的配慮の提供の範囲や過重な負担の基準が極めて曖昧なことである。  合理的配慮については、これまでの事例から、若干ではあるが、障がい者が、合理的配慮ではないと考えられることを、合理的配慮として申し出る例が見られるという意見があった。  合理的配慮とは、障がい者の機会平等の確保のための変更や調整であり、配慮や思 いやり、手伝いという概念ではなく、事業者による「善意」とは異なるものである。具体的に合理的配慮とは何かということを社会全体に周知していくことが必要である。  次に、過重な負担については、業種や規模、状況や場面等でその都度異なることから、基準を明確に示すことは困難である。そのため、行政には、過重な負担も含め、合理的配慮の提供に関する事例を積み重ね、事例ごとの考え方を事業者に対し周知することが求められる。  上記のほか、事業者が合理的配慮の提供にあたって課題と考える点として、他者との公平性を失するのではとの懸念や当事者等の安全性を失するのではとの懸念、現場での柔軟なルールの変更の難しさが挙げられる。  これらは、過重な負担とは考えにくい合理性の問題であり、公平性に関しては、障がいの「社会モデル」の考え方に立ち、障がいのない人と機会平等を確保するために合理的配慮を提供することは社会の責務であること、安全性に関しては抽象的・一般的な安全上の理由だけで障がい者の社会参加の機会を奪ってはならないことの理解が必要となる。  今後も、事例ごとに対話を積み重ね、その事例をガイドラインにより提示し、周知していくことが求められる。  また、事業者アンケート(参考資料1)や団体アンケート(参考資料2)の結果から、事業者のなかには、合理的配慮の提供と、不特定多数の障がい者を主な対象として行われる事前的改善措置(環境の整備)とを混在して捉え、義務化に慎重な意見を述べている者がいる。 合理的配慮と、障害者差別解消法で「実施に努めること」とされている環境の整備は異なる概念であることを、事業者により一層、啓発していくことが必要である。  ※事前的改善措置(環境の整備)について  いわゆるバリアフリー法に基づく公共施設や交通機関におけるバリアフリー化、意思表示やコミュニケーションを支援するためのサービス・介助者等の人的支援、障害者による円滑な情報の取得・利用・発信のための情報アクセシビリティの向上等をさす。  なお、事業者のなかには、義務化について国の動向を踏まえた慎重な対応を求める意見がある。この点に関しては、事業者の姿勢から建設的対話がすすまなかった事例が現にあることを踏まえると、努力義務のままでは実効性が担保されないことから、国の動向を待たずして義務化し、建設的対話をすすめるための取組みを具体的に検討していくことが考えられる。  (c)合理的配慮の提供の法的義務化に伴う条例上の仕組みや取組み  (i)罰則規定について  罰則については、障害者差別解消法が事業者の自主的な取組みを促していること、建設的対話による解決を図ることを踏まえた取組みにそぐわないこと、罰則規定により事業者の活動に過度な制限をもたらす懸念があること、条例で知事の勧告・公表という実質上の制裁措置が規定されていることから、条例には規定していない。  罰則規定については、知事の勧告・公表によってもなお、問題が解決されず、著しく公益に反する事態が具体に生じた場合には検討する余地があるが、現時点ではそのような事態はなく、今は社会に障害者差別解消法の理念等を啓発していくことが重要である。  罰則という手法ではなく、障がい者が社会参加できるようにするために今後何が必要かを検討することが権利救済のあるべき姿であり、罰則規定は現時点では不要である。  なお、今後、罰則を規定する必要性が生じた場合は、再度検討してはどうかとの意見があった。  (A)条例に基づく取組みについて  義務化にあたっては、事業者任せにすることなく、府として状況に応じた柔軟な支援・対応を行うことを内外に示すことが必要である。 具体的には、事業者による合理的配慮の提供を直接・間接に支援する仕組みの整備が必要である。例えば、合理的配慮の提供にあたっての補助制度の創設、合理的配慮の提供に積極的に取り組んでいる事業者の表彰制度などが考えられる。  また、当面は府による広域的な仕組みの構築が必要となるが、将来的には基礎自治体が主体的に運営することができるよう、府による市町村への財政措置も含めた支援制度の構築も検討いただきたい。  支援制度の一つとして、義務化に伴い広域支援相談員の業務範囲が拡大することが想定されるため、相談体制の更なる整備にも取り組んでいただきたい。  また、事業者が合理的配慮の提供を社会的責務であると肯定的に受け止めることができるよう、既に法的義務となっている行政機関等における積極的な取組みを広く周知・広報するとともに、事業者の積極的な取組みを評価・交流していく機会を設けていただきたい。  支援地域協議会の機能を併せ持つ解消協は、義務化によって、これまで以上に障がい者差別のない地域づくりに積極的に関与すべきである。具体的には、解消協が支援地域協議会としてのネットワークを有効に活用し、地域に埋もれている差別事案を掘り起こし、行政と連携しながら障がい者差別解消の取組みをすすめるとともに、解消協での審議等を通じて事業者や障がい者に対する更なる啓発に取り組むことが求められる。  なお、本提言では、条例附則に基づき、条例施行状況の検討と、事業者による合理的配慮の提供の法的義務化について意見を取りまとめているが、今後も実態に応じて継続して見直し検討を行う必要がある。  また、各則、障がいの定義や、障がい者への偏見・無理解、現に起きている差別事象について部局間で連携して取り組むことを早期に条例に明記すべきであるとの意見もあった。 ?   3 まとめ  検討の結果、条例に基づく車の両輪の一つである「相談及び紛争の防止又は解決のための体制の整備」として条例に規定した、広域支援相談員や解消協、合議体の仕組みはうまく機能していると評価できる。  その点においては、条例を改正する必要性はないが、条例に基づく相談等の体制の更なる整備、充実に向けて取り組んでいくことが求められる。  具体的には、府の相談対応の質が担保できるよう広域支援相談員の体制整備や、すべての市町村で取組みの促進が図られるよう、市町村支援等の方策を充実させていく必要がある。  また、広域支援相談員は、相談事案の当事者それぞれの立場を理解した上で、より良い解決をめざして、当事者間の建設的対話を促し、具体的な解決策を提案している。そのためには、当事者からの信頼を得ることが不可欠である。広域支援相談員の活動に実効性を担保する仕組みを設けるか否かについては、相談内容の複雑化・多様化や対応困難な相談事案が生じる可能性を踏まえたうえで、相談体制の強化に資するかという観点から、今後も十分に検討いただきたい。  解消協については、解消協委員各自が有するネットワークを活用し、市町村や府と連携しながら、障がい者差別のない地域社会づくりに向けて、地域住民や事業者の意識を喚起する取組みを推進するなど、支援地域協議会の機能強化に向けて協議会のあり方を検討する必要がある。合議体については、今後、広域支援相談員の対応力の強化に向け、合議体による助言や検証の取組みを継続しつつ、あっせんの効力の及ぶ範囲や限界を整理しておくことが求められる。  車の両輪の一つである「啓発」についても、条例を改正する必要性はないが、府民の障がい理解が十分とはいえないことから、学齢期からの障がい理解の推進に引き続き取り組まれたい。また、事業者の障害者差別解消法の浸透度が不十分であることから、今後は、分野ごとの差別事例の検証やそれに基づく周知啓発等の浸透方法を検討していくべきである。  これらの啓発にあたっては、前述のとおり、解消協が有する支援地域協議会としてのネットワークも活用しながら、多様な主体と連携した取組みが欠かせない。  以上が現行条例の施行状況を検討した結果である。     次に、条例附則規定に基づき、障害者差別解消法第8条第2項に定める事業者による合理的配慮の提供の法的義務化について検討した結果を述べる。  SDGsに基づいた取組みや大阪・関西万博に向けて国際基準を満たした共生社会づくりが今、求められている。義務化には、障害者差別解消法の理念等の浸透という啓発効果があり、そのことによって、事業者が、社会的責任として合理的配慮の提供を当然のこととして考え、自主的な取組みが促されると考えられる。これらの点や、義務化に賛成する意見が多い状況も踏まえると、義務化の方向で検討をすすめるべきである。  また、事業者には、義務化について、合理的配慮の提供の範囲や過重な負担の基準等の様々な不安や懸念があり、慎重な検討を望む意見も多いことから、義務化にあたっては、これらの不安や懸念を解消するための具体的な取組みを併せて検討し、実行していくことが必要である。  事業者のみならず、障がい者や府民に対しても法の理念等をより一層周知し、社会を構成する一人ひとりが障がいを理由とする差別のない地域社会を築いていくよう取り組んでいくことが求められる。そのためには、解消協あるいは各市町村が設置する支援地域協議会が主体となって、差別事案の掘り起こし等の相談対応や啓発に取り組むなど、行政や各関係機関がより一層、連携しながら、施策を重層的に講じるべきである。  なお、令和2年3月時点で、障害者政策委員会において障害者差別解消法の見直し検討に向けた審議がなされているところである。今後も、国の動向も踏まえながら、大阪・関西万博に向けた社会づくりの必要性や府における障がい者差別解消の実態に応じて、継続して条例の見直し検討を行う必要がある。  参考資料1 1000事業者に対する合理的配慮の実施状況等に関するアンケート結果の概要  1 アンケート実施概要  (1)目的  事業者の合理的配慮の実施状況や浸透状況などを把握するために実施  (2)対象  大阪府内に本社のある事業者から無作為に抽出した1000事業者  (3)回収  363事業者(回収率36.3%) 以下、業種ごとに事業者数の内訳を示す。なお、卸売業・小売業等には情報通信業、金融業・保険業、学術研究・専門技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、その他サービス業を含む。  卸売業・小売業等 91、運輸業・郵便業 21、不動産業・物品賃貸業 33、教育・学習支援業 84、医療 58、福祉 72、回答なし 4   (4)方法  郵送による配布・回収(督促を実施)  (5)期間  令和元年10月18日〜11月8日  2 アンケート結果概要(抜粋)  アンケート結果の詳細は、大阪府障がい者差別解消ホームページに掲載しています。  障害者差別解消法の名前も内容も知っている事業者は109、回答総数の30.0%  障がいのあるお客様と接する機会がよくある、たまにある事業者は229、回答総数の63.1%  合理的配慮の申し出を受けた経験のある事業者は117、回答総数の32.2%  過重な負担がないにもかかわらず配慮を行わないことは障がいを理由とする差別にあたるかについて、どちらかといえばそう思う事業者又はそう思う事業者は301、回答総数の82.9%  合理的配慮の申し出15事例に対する望ましい対応例について、可能であれば対応する又は対応すると考える事業者は、すべての事例で8割から9割  合理的配慮の提供の義務化について、賛成である又はどちらかといえば賛成である事業者は280、回答総数の77.1%。反対である又はどちらかといえば反対である事業者は76、回答総数の21.0%  ああ賛成理由および反対理由は以下のとおり。複数回答あり。ああ  賛成理由 「過重な負担のない範囲」での対応のため  反対理由 業種・規模等による違いや状況で対応が困難な場合があるため、施設・設備の改修等、物理的に難しい場合や費用負担が重すぎる場合があるため、過重な負担の判断基準が不明確であるため               障害者差別解消法に関する社員等への教育・研修を実施したことのある事業者は70、回答総数の19.3%  参考資料2 事業者団体・障がい者団体に対する合理的配慮に関する意向把握アンケート結果の概要  アンケート結果の詳細は、大阪府障がい者差別解消ホームページに掲載しています。  1 主な意見  1.事業者による合理的配慮の義務化への賛否  以下、事業者による合理的配慮の義務化への賛否について、事業者団体と障がい者団体の回答数を記載します。また、事業者団体は事業、障がい者団体は障がいと略して記載します。  (1)賛成である  事業 8、障がい 20  (2)どちらかといえば賛成である  事業 14、障がい 4  (3)どちらかといえば反対である  事業 2、障がい 1  (4)反対である  事業 0、障がい 0  (5)回答なし  事業 2、障がい 1  2.義務化賛否の理由(一部抜粋 回答を要約して記載)  (1)事業者団体  合理的配慮の提供は事業者として取り組んでいくべきものだが、義務化には、合理的配慮の内容や過重な負担の基準を具体的・明確に示すことが必要であり、抽象的表現での義務付けは慎重に扱うべき。  努力義務規定でも対応している。むしろ、義務化により、義務違反時の罰則や処分規定が必要となり、それを意識するあまり日々の活動が委縮するおそれがある。  障がい者への対応は事業者の自主性を最大限引き出すための政策誘導を推進すべきであり、行政が一律なルール化により矯正することは慎重であるべき。  SDGsで障がい者への配慮が掲げられていることから義務化は妥当ではあると考えるが、障害者政策委員会での議論を踏まえた慎重な検討が望ましい。  義務化により、(社会の法等に対する)関心と理解を深めることにつながると考えられる。一方、事業者も様々であり、状況によっては円滑なコミュニケーションが図れない場合等もあることから、双方に考慮した検討が必要。  過重な負担のない範囲で合理的配慮を提供することは、法の趣旨に沿った対応である。  義務化の検討にあたっては、事業者への合理的配慮の概念の浸透状況や義務化されている他都道府県での運用状況等を勘案した慎重な検討が必要。特に、過重な負担の基準が不明確であることや、事業への影響、係争に発展する可能性や義務違反に伴う社会的信用の失墜の恐れなど、事業者が抱える懸念、リスクが大きいことから、具体的・慎重な検討が必要。  既にできる範囲内で対応していると思うが、過重な負担の基準が不明確であることから、紛争に至る事案も懸念される。  義務化により障がい者の意見ばかりが通るようになると、今まで積極的に取り組んできた事業者との間に壁ができ、逆効果になることも想定。慎重に検討すべき。  努力義務規定でも対応しており、義務化により、設備改修や増設、スタッフの増員等が考えられ、その対応ができない施設が多く出てくる。  障害者権利条約批准国であり、府としては、障がい者差別解消にしっかり取り組む姿勢が求められる。 努力義務では具体的な社会変化が見られないことから、法的義務の検討は必要であるが、過重な負担の基準の明確化や補助等も含めて全体的なコンセンサスを得る努力が求められる。  法の趣旨の浸透が十分とはいえない段階であり、義務化により大きな負担を求められるのではないかと懸念。共生社会の実現には、努力義務のままがいいという考え方もある。  現行法上でも取り組んでおり、義務規定でも特段支障はない。ただし、施設整備に関して過度の負担を求めず、条例に反した場合の罰則規定は定めないでいただきたい。  国の対応指針により基本的な考え方や具体例等が示されており、義務規定での対応も可能。  努力義務規定では事業者の理解・取組みが進まない現状に鑑み、義務化により更なる進捗が図られると考える。  過重な負担のない範囲での対応であることや建設的対話の意識を常に持つ必要があること、他都道府県でも条例で義務化されていることから、府条例での義務化も自然な流れ。ただし、義務化には、正しい理解への啓発や相談体制整備が不可欠であり、慎重な検討が望ましい。  義務化には、事業者が客観的に判断可能な、具体的事例を含むガイドラインの作成が必要。  努力義務規定の方が現実に相応するが、条例をさらに進んだ内容とすることは評価。ただし、過重な負担のない範囲という考え方は必要。  合理的配慮の解釈や理解が十分社会に浸透しておらず、過重な負担の判断に懸念がある。  合理的配慮の事例の蓄積と内容分析をしっかりと行い、事業者・障がい者双方への十分な情報提供が不可欠。また、法見直し検討の動向を見た上での検討でも遅くない。  合理的配慮を強制するのではなく、その概念を認識することで当然に配慮ができる社会が望ましい。  合理的配慮を念頭に置いた場合の対処法に設備改修が必要となれば大きな負担になる場合があり、事故発生時の対応や、すべての障がい者の特性を理解したうえで配慮を行うことは難しく、紛争に至る場合の影響などが懸念される。  義務規定に抵触しないことのみを目的とする、又は委縮し、心の通わない形式的な配慮になることを懸念。  合理的配慮にあたり、事業者の規模や業務内容等への配慮も必要となる。環境が整わないまま強制的に進めることで、事業者が罰則を逃れることのみに終始し、条例の趣旨に反して差別を固定化してしまう恐れがある。 過重な負担の定義が曖昧で一線を引くことは困難であるため、十分な検討が必要。  官民一体で取り組むことに賛成するが、義務化が難しい場面も想定されるため、更なる事例の検討と提示が必要。  社会での障がい者への対応は十分とは言えず、努力義務規定のなかで更なる浸透を図るべき。また、配慮に当たっての補助が必要。  義務化には、経過措置や財政的な援助、技術的な指導体制等が必要。  (2)障がい者団体  義務化により事業者の合理的配慮の理解や具体的な内容把握への姿勢が変化する。そのうえで、当事者間が建設的対話をし、共に課題を解決しようと考え、努力することが重要。  努力義務では実効性が担保されない。  努力義務では事業者の努力だけに依拠し、合理的配慮が有名無実化する。義務化によって法の理解が広がる。ただし、事業者が負担を感じては何も解決しないため、過重な負担のない範囲という規定は必要。  社会的障壁の除去を積極的に進めるためには重要。  義務化により、「合理的配慮の不提供は差別である」という認識のもとで改善を求めることができ、条例で分かりやすく定義付けされる。「過度な負担」の基本的な考え方もしっかりと判断され、結果的に差別解消につながる。  義務化により意識は高まるが、合理的配慮という概念が不明瞭で伝わらない。  過重な負担の基準が曖昧であり、その前提での義務化は理解しにくい内容になることを懸念。  障害者権利条約の規定から義務化は必要。その際、義務規定である行政機関での対応の検証と事業者への情報提供や、義務化が実質的に機能するため事業者への支援策も必要。雇用促進法における過重な負担の基準なども参考にしながら、具体的な基準を示すべき。  合理的配慮がより一層行われるために義務化が必要。  努力義務では配慮しなくてもよいという意識になる。地域から徐々に合理的配慮を広めるために、府条例での義務化は有効であり、義務化は事業者が法や合理的配慮について考えるきっかけとして大きな効果。ただし、合理的配慮の範囲や過重な負担の基準を明確化することが必要。  曖昧な「努力」に委ねることは、障害者権利条約の掲げる差別の禁止の主旨にふさわしくない。障害者差別解消法の制定目的は、障害者権利条約に定める「差別の禁止」の基本的な精神を追求することにあり、その理念を誠実に実行するためには、条例による義務化が必要。  過重な負担のない範囲という規定があるため、努力義務である必要性は少ない。  義務化により合理的配慮の提供が広がることが期待。  障害者権利条約では合理的配慮の不提供も差別の一つの形態であり、障害者差別解消法は障がいに基づく差別の禁止を担保するための措置として制定されているため、義務化には賛成。だし、過重な負担の妥当性をどう判断するかの課題が残る。  義務化により合理的配慮の取組みを進めることは一つの方法だが、国・自治体からの経済的な支援が必要。事業者の主体的対応を促進するため、「合理的配慮とは何か」から始めて政策に関する議論が必要。その上で、国・自治体からの経済的助成も勘案した合理的配慮への対応があたりまえにできる社会を構築していくことが望ましい。  障害者権利条約では合理的配慮の不提供が差別にあたることが明記されており、障害者差別解消法では行政機関等は義務とされていることから、事業者に対する義務化は望ましい。 その際、義務規定である行政機関等が重ねてきた努力・対応や義務化による変化を明確に示すことで、事業者が具体的にイメージできる環境の整備が必要である。また、合理的配慮の提供は、事業者としての社会的責任を果たすうえで当然であるとの認識が前提であり、その認識は自主的な努力と経験に裏打ちされて形成・深化していくものであることを踏まえる必要がある。そのうえで、相談対応体制の充実や、合理的配慮措置への補助制度の創設など、事業者への必要な支援策を講じていくことが必要。義務化は即時的な効果を及ぼすものではないことを踏まえ、義務化にかかわらず、合理的配慮を浸透させるための各種条件を整備することが課題であり、条例が意図する効果を上げるための施策を重層的に講じることで、義務規定が空文化しないように配慮することが必要。  合理的配慮の提供が過重な負担に該当する場合は免責されるため、努力義務により2重の免責要件を設ける必要性はない。条例で義務化している都道府県でも支障が発生しておらず、合理的配慮の提供が当たり前として検討・実践される環境整備が必要。努力義務は、事業者の間違った理解と対応を助長。義務化は、障がい者に対する拒絶感が強く、建設的対話を拒否する事業者に毅然とした姿勢を示し、合理的配慮や差別についての理解が乏しい事業者には対話を重ね、理解を深めていくことができるなど、有効に働く。また、差別を許さないという府の姿勢や考え方をはっきりと示すためにも義務化は必要。義務化により、事業者、府民、他自治体等にも合理的配慮の理解を広め、合理的配慮の実践が広がっていく社会の実現につながる。  義務化により多くの事業者が法を再認識し、理解を深めることにつながるとともに、障がい者にとっても、配慮の申し出にあたっての心理的バリアを取り除くことができる。  参考資料3 大阪府条例第三号 大阪府障害を理由とする差別の解消の推進に関する条例  (目的)  第一条 この条例は、障害を理由とする差別の解消の推進に関し、基本理念を定め、府、府民及び事業者の責務を明らかにするとともに、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成二十五年法律第六十五号。以下「法」という。)第十四条に規定する相談及び紛争の防止又は解決のための体制の整備(以下「体制整備」という。)並びに法第十五条に規定する啓発活動(以下「啓発活動」という。)の実施に関し必要な事項等を定めることにより、障害を理由とする差別を解消し、もって障害の有無にかかわらず、全ての府民が暮らしやすい共生する社会(以下「共生社会」という。)の実現に寄与することを目的とする。  (定義)  第二条 この条例の用語の意義は、法の定めるところによる。  2 前項に定めるもののほか、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。  一 相談事案 法第八条に規定する事項に係る障害者及びその家族その他の支援者(以下「障害者等」という。)並びに事業者からの相談の事案をいう。  二 相談機関 相談事案に対応する市町村の機関(市町村から当該相談事案の対応を委託されている機関を含む。)をいう。  (基本理念)  第三条 障害を理由とする差別の解消は、全ての府民が共に社会の一員として解決すべき社会全体の課題であるとの認識の下、行わなければならない。  2 障害を理由とする差別に関する相談及び紛争の防止又は解決に当たっては、相談事案の当事者が互いを理解し合い対等の立場で話し合うことで、当該相談及び紛争の防止又は解決のための手段及び方法を考えることを基本として行わなければならない。  3 啓発活動の実施に当たっては、障害及び障害者に対する理解を深めることが障害を理由とする差別を解消し、共生社会を実現するための基礎的な取組であることを旨として行わなければならない。  (府の責務)  第四条 府は、市町村との適切な役割分担のもとで、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、体制整備を実施する責務を有する。  2 府は、基本理念にのっとり、障害を理由とする差別の解消について、府民の関心と理解を深め、府民が適切に行動するための指針を作成し、その普及に努めるとともに、必要な啓発活動を行う責務を有する。  (府民及び事業者の責務)  第五条 府民及び事業者は、基本理念にのっとり、障害及び障害者に対する関心と理解を深め、自己啓発に努めるとともに、府が実施する障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。  (市町村との連携)  第六条 府は、体制整備及び啓発活動に当たっては、市町村と連携してこれらを実施するよう努めるものとする。  2 府は、市町村が体制整備及び啓発活動を実施しようとするときは、市町村に対し、情報の提供、技術的な助言その他の必要な支援を行うものとする。  (広域支援相談員)  第七条 府に広域支援相談員を置く。  2 広域支援相談員は、障害を理由とする差別の解消に関する知識経験を有する者のうちから、知事が任命する。  3 広域支援相談員は、次に掲げる職務を行うものとする。  一 相談機関における相談事案の解決を支援するため、必要な助言、調査及び相談事案に関する関係者間の調整を行うこと。  二 障害者等及び事業者からの相談に応じ、相談機関と連携して、必要な助言、調査及び相談事案に関する関係者間の調整を行うこと。  三 相談機関相互の連携の促進を図り、並びに相談事案に係る情報の収集及び分析を行うこと。  4 広域支援相談員は、中立かつ公正に、前項各号に掲げる職務を行わなければならない。  (協議会への諮問等)  第八条 知事は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する事項について、必要があると認めるときは、大阪府障害者差別解消協議会(以下「協議会」という。)に諮問し、その意見を聴かなければならない。  2 協議会の委員は、障害者、障害者の自立と社会参加に関する事業に従事する者、学識経験のある者、事業者を代表する者その他適当と認める者のうちから、知事が任命する。  3 協議会に、専門の事項を調査審議させるため必要があるときは、専門委員を置くことができる。  4 専門委員は、学識経験のある者その他適当と認める者のうちから、知事が任命する。  5 協議会は、委員及び専門委員のうちから協議会が指名する者をもって構成する合議体(以下「合議体」という。)で、次に掲げる事項を取り扱う。  一 法第八条第一項に規定する事項に係る紛争の事案(以下「紛争事案」という。)を解決するためのあっせん  二 広域支援相談員が行う職務に関する助言  6 協議会は、法第十七条に規定する障害者差別解消支援地域協議会の機能を併せ有する。  7 委員及び専門委員は、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。  (あっせんの求め)  第九条 相談事案に係る障害者等は、法第八条第一項の規定に違反する取扱いを受けたと認める場合で、第七条第三項の規定により広域支援相談員が対応してもなおその解決が見込めないときは、知事に対し、紛争事案の解決のため、あっせんを求めることができる。ただし、当該あっせんの求めをすることが当該障害者の意に反することが明らかであると認められるときは、この限りでない。  2 前項の規定によるあっせんの求めは、障害を理由とする差別の解消が、行政庁の処分により解決されるものであるときは、することができない。  (あっせん)  第十条 知事は、前条第一項の規定によるあっせんの求めがあったときは、合議体にあっせんを行わせるものとする。  2 合議体は、前条第一項の規定によるあっせんの求めがあったときは、当該あっせんの求めに係る紛争事案が法第八条第一項の規定に違反する取扱いに係るものでないと認めるときその他あっせんを行うことが適当でないと認めるときを除き、あっせんを行うものとする。  3 合議体は、あっせんを行うために必要があると認めるときは、紛争事案の関係者に対し、あっせんを行うために必要な限度において、必要な資料の提出及び説明を求めることその他の必要な調査を行うことができる。  4 合議体は、紛争事案の解決のため必要なあっせん案を作成し、これを紛争事案の当事者に提示することができる。  5 あっせんは、次のいずれかに該当したときは、終了する。  一 あっせんにより紛争事案が解決したとき。  二 あっせんによっては紛争事案の解決の見込みがないと認めるとき。  6 合議体は、第二項の規定によりあっせんを行わないこととしたとき又は前項の規定によりあっせんを終了したときは、その旨を知事に報告するものとする。  (勧告)  第十一条 協議会は、次のいずれかに該当する者に対して、当該あっせんに係る紛争事案を放置することが著しく公益に反すると認めるときは、知事に対し、必要な措置を講ずべきことを勧告するよう求めることができる。  一 前条第二項の規定によりあっせんを行った場合において、正当な理由なく、あっせん案を受諾せず、又は受諾したあっせん案に従わない者  二 正当な理由なく、前条第三項の調査を拒み、妨げ、又は忌避した紛争事案の関係者  三 前条第三項の調査に対して虚偽の資料の提出又は説明を行った紛争事案の関係者  2 前項の規定による勧告の求めがあった場合において、知事は、必要があると認めるときは、当該勧告の求めに係る者に対して、必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。  (公表)  第十二条 知事は、前条第二項の規定による勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。  2 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該公表に係る者に対し、あらかじめ、その旨を通知し、その者又は代理人の出席を求め、釈明及び資料の提出の機会を与えるため、意見の聴取を行わなければならない。  3 知事は、第一項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ協議会の意見を聴かなければならない。  (規則への委任)  第十三条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。  (罰則)  第十四条 第八条第七項の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。  附則  (施行期日)  1 この条例は、平成二十八年四月一日から施行する。  (この条例の見直し)  2 知事は、この条例の施行後三年を目途として、この条例の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に応じて所要の見直しを行うものとする。  3 前項の検討に当たっては、法第八条第二項に規定する配慮の実施状況について特に留意するとともに、必要があると認めるときは、この条例の施行後三年以内においても速やかに当該配慮の義務付けの在り方も含めた見直しを検討するものとする。  (大阪府附属機関条例の一部改正)  4 大阪府附属機関条例(昭和二十七年大阪府条例第三十九号)の一部を次のように改正する。   次の表の改正前の欄に掲げる規定を同表の改正後の欄に掲げる規定に傍線で示すように改正する。(略)  参考資料4 大阪府障害者差別解消協議会委員名簿(令和2年3月現在)  以下、氏名、所属及び職名の順に、委員及びオブザーバーを記載します。(五十音順)  (委員)  大竹 浩司 公益社団法人大阪聴力障害者協会会長  大野 素子 公益社団法人大阪府精神障害者家族会連合会副会長  小椋 秀男 日本チェーンストア協会関西支部事務局長  小田 浩伸 大阪大谷大学教育学部特別支援教育専攻教授  河ア 建人 一般社団法人大阪精神科病院協会会長  坂本 ヒロ子 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会理事長  塩見 洋介 障害者(児)を守る全大阪連絡協議会 特定非営利活動法人大阪障害者センター事務局長  柴原 浩嗣 一般財団法人大阪府人権協会業務執行理事兼事務局長  関川 芳孝 大阪府立大学大学院人間社会システム科学研究科兼 地域保健学域教育福祉学類教授  橋 あい子 一般財団法人大阪府視覚障害者福祉協会会長  辻川 圭乃 弁護士  堤添 隆弘 社会福祉法人大阪府社会福祉協議会地域福祉部 権利擁護推進室室長  寺田 一男 一般財団法人大阪府身体障害者福祉協会会長  豊田 泰隆 株式会社KOTOYA代表取締役社長  南條 正幸 関西鉄道協会事務局長兼専務理事  西尾 元秀 障害者の自立と完全参加を目指す大阪連絡会議事務局長   久澤 貢 社会福祉法人大阪府社会福祉協議会セルプ部会副部会長  前川 たかし 一般社団法人大阪府医師会理事  藪本 青吾 大阪私立学校人権教育研究会 障がい者問題研究会委員  (オブザーバー)  大阪法務局人権擁護部第二課長  大阪労働局職業安定部職業対策課長  近畿運輸局交通政策部消費者行政・情報課長  市長会代表市 担当課長  町村長会代表町村 担当課長  (ゲストスピーカー)  田垣 正晋 大阪府立大学大学院人間社会システム科学研究科兼地域保健学域教育福祉学類 教授  福島 豪 関西大学法学部教授   参考資料5 大阪府障害者差別解消協議会開催状況及び議題等  以下、開催日、議題等の順に記載します。  第8回、令和元年5月27日、議題1 大阪府障がい者差別解消条例施行状況の検討について(審議の進め方など)、議題2 令和元年度 合議体の運営について、議題3 その他(平成30年度大阪府広域支援相談員対応状況等について、府内市町村の状況について)  第9回、令和元年7月8日、議題1大阪府障がい者差別解消条例施行状況の検討について(広域支援相談員の機能について、大阪府による市町村への助言等の機能)  第10回、令和元年9月18日、議題1 事業者等に対するアンケートの実施について、議題2 大阪府障がい者差別解消条例施行状況の検討について(大阪府障害者差別解消協議会の機能について、合議体の機能について、府民の障がいに対する理解の促進について)  第11回、令和元年11月25日、議題1 大阪府障がい者差別解消条例施行状況の検討について(事業者による合理的配慮の提供について)  第12回、令和2年1月31日、議題1 大阪府障がい者差別解消条例施行状況の検討について(事業者による合理的配慮の提供について)、議題2 大阪府障がい者差別解消条例施行状況の検討にかかる提言素案について  第13回、令和2年3月2日、議題1 大阪府障がい者差別解消条例施行状況の検討にかかる提言案について、議題2 障害者差別解消の取組みと相談事例等の検証報告書案について(相談事例等の共有)