障がいのある方に対する情報保障について  誰もが、必要な情報を適切な形で速やかに入手でき、意思を表明できる手段があることは、人が自立して社会参加を実現していくうえで必要不可欠なことです。  しかし、障がいに対する配慮がなければ、障がいのある方とない方との間で得られる情報の格差が広がり、障がいのある方は、必要な情報の取得ができなかったり、情報のやりとりが十分に行えずにコミュニケーションに支障が生じるおそれがあります。    特に、平成30年6月に発生した大阪府北部を震源とする地震やその後に続いた豪雨など、災害や事件・事故などの緊急時においては、生命・身体・財産を守るために、障がいのある方にも的確に、迅速に情報伝達がなされるよう、配慮が不可欠です。  しかしながら、今回の災害への対応にあたり、障がいのある方への情報の提供に際して十分に配慮できていなかった例があり、この災害により改めて、情報保障のあり方が社会に問われています。    本府では、今回の災害を機に改めて、点字や拡大文字、テキストデータ化などの方法による情報提供や、手話や要約筆記などの方法によるわかりやすい説明のほか、広報物における複数の情報媒体(電話番号、ファックス番号、メールアドレス)の記載などによる、障がいのある方に対する情報保障の徹底を図っています。    日頃より様々な情報を発信する事業者等におかれましても、障がいのある方に対する情報保障の観点から、ホームページや印刷物、映像等により、府民等に情報を発信する際ややりとりを行う際は、ご配慮くださいますようお願いします。  とりわけ、災害などの危機事象が生じた際には、障がいのある方が情報を入手し、適切に行動できるよう、報道機関や公共交通機関をはじめとする事業者における取組みを推進いただくとともに、府民のみなさまにおかれましても、周りに困っているご様子の方がいる場合には、お手伝いができることがないかをお考えいただき、お声かけいただくなどのご協力をお願いします。    情報保障は、共生社会の実現に向け、社会のバリアを取り除くために欠かせない取組みです。社会を構成するみなさま一人ひとりのご理解と具体的な行動を、ぜひともよろしくお願いします。   平成30年8月           大阪府障がい者差別解消ガイドライン 第2版 事例編 抜粋  2 障がいのある人に対する情報保障 (1)情報保障の重要性  すべての人にとって、商品を選択したり、公共サービスを受けたりする場合など、日常生活のあらゆる場面で、情報を得ることは日々の暮らしに必要不可欠です。特に、障がいの特性により、コミュニケーションが難しい場合の情報保障は重要です。  障がいのある人がサービスを利用する際には、手話を含む言語だけでなく、点字、音声、拡大文字、筆談、実物の提示や身振り、触覚など、情報提供やコミュニケーションに関する配慮が求められます。   (2)情報保障の配慮の姿勢 情報の重要性を認識し、障がいのある人が障がいのない人と同じように情報提供が受けられるよう工夫します。 障がいのある人の意向を尊重し、できる限りの配慮をします。 障がいは個々人で違うため、このガイドラインを参考にしつつも柔軟に対応し、どのような配慮が必要か考えて行動します。 障がいのある人の立場に立って、わかりやすく、丁寧に情報提供します。 (3)情報保障の対応例  すべての対象分野において、必要な情報を得られるようにすることは、誰もが暮らしやすい社会を築いていくために極めて重要です。   情報保障に関する対応とは、例えば、 説明文書の点字版、拡大文字版、テキストデータ、音声データ(コード化したものを含む)の提供や必要に応じて代読・代筆を行うこと。 手話、要約筆記、筆談、図解、ふりがな付文書、分かち書きを使用するなど、本人が希望する方法でわかりやすい説明を行うこと。 文書を読み上げたり、口頭による丁寧な説明を行うこと。 電子メール、ホームページ、ファックスなど多様な媒体で情報提供、利用受付を行うこと。   などが挙げられます。    このガイドラインでは、上記の例以外にも、具体的な場面に即してイメージできるように、それぞれの分野において記載した「望ましい合理的配慮」のうち、「主に意思疎通に関する配慮」に関する事例を記載しています。情報保障に関わる合理的配慮を行う際の参考にしてください。