ダム建設

更新日:2021年1月8日

ダム建設

ダム建設は、洪水調節、流水の正常な機能の維持、下流河川の環境改善を目的としたロックフィルダムを建設する工事で、試験湛水を行った後、令和5年の完成を目指しています。

ダム建設の施工箇所は下の図のとおりとなっております。

全体図


ダムは、高さが76.5m、堤頂長(ダムの一番上の長さ)337.5m、堤体積222.5万㎥で、ダム周辺の山から採取したコアと呼ばれる水を止める粘土質の材料と、採石場から購入したロック材という岩石などを使って造ります。

ダム堤体















ダムについています

断面図

安威川ダム建設の現在

堤体
平成30年6月末に基礎掘削が完了し、周辺から盛り立てを開始し、ダムの堤体を建設しているところです。
また、地下水の水脈を断つため、堤体の地下にセメントミルクを注入する『グラウチング』も行っております。

ダム軸左岸側より。中央の『ダム軸』の左右から盛り立てを行っています。
ダム軸に沿って、『監査廊』の施工も行っております。
通常は、ダム軸右岸側より建設の状況をご覧いただけます。
詳細はこちら から。

左岸道路から【令和2年12月撮影】

ここで豆知識!

監査廊とは、完成したダムの内部を検査し、水漏れ・ひび割れなどの不具合が発生していないかを確認するためのトンネルのことです。
安威川ダムでは、ダム堤体の両岸にかけてトンネルを施工しており、令和2年度12月時点で全長445mのうち、426m(96%)施工完了しております。

施行中の監査廊(赤枠内が監査廊のトンネル施工の様子)➡   施工完了後はこのようになります。
監査廊施工監査廊完成
【令和元年10月撮影】                      【平成31年2月撮影(施工完了した箇所)】

転流工
ダム堤体の工事を行うためには、安威川の水を迂回させておく必要があります。迂回させるための仮排水トンネルを作るのが転流工工事です。(以下、仮排水路トンネルを転流工と表現します。)

ダムの左岸側(東側)の山の中に、内径7.1mの仮排水トンネルを作っており、20年に1度の大雨を流すことができる設計になっています。

転流工

写真は転流工建設当時です。

建設中【平成26年6月撮影】


安威川は写真左側から右側へ流れていました。
写真右側の締切工事を行ったことで、写真中央の転流工に川の流れを転流しました。
呑口【平成27年9月撮影】


転流工下流から撮影した、安威川の水が流下している状況です。
安威川は以前は写真の左から右へ流れていました。
吐口【平成27年9月撮影】


ダム完成時には転流工を閉そくし、内部に設置した『放流管』で、『環境改善放流』などを行います。
下の図のように『放流管(青色で着色した部分)』を転流工の内部に施工します。
また、放流管の周囲をコンクリート(赤色で着色した部分)でまきたてます。
放流管


常用洪水吐き
大雨が降った際に下流への流量を調節するための施設です。
安威川ダムではトンネル型式を採用しています。

安威川ダム資料館の展望広場から撮影した写真:赤色で着色した部分の内部に「常用洪水吐き」が整備されています。
常用洪水吐き【令和元年11月撮影】
ダム湖の平常時の水位である「常時満水位」を保つために、常用洪水吐きは呑口部を常に開口(ゲートレス)します。
そのため、ダム湖の水位は常用洪水吐きの呑口より高くならないようになります。

トンネル式の常用洪水吐きは、全国的にもめずらしい構造となっており、実物の1/40スケールで模型を制作してトンネル内の流速や流況等を確認し構造を決定しました。
形状の複雑な部分については、3Dプリンタを使用し、下の写真のような模型を制作しています。
常用洪水吐き
【令和元年12月撮影】

トンネルは、平成30年4月23日に貫通しました。
詳しくは「ダム建なうっ!」平成30年4月号をご覧ください。
【過去の連載】「ダム建なうっ!」はこちら

現在、常用洪水吐きでは、トンネル覆工が行われています。
常用洪水吐きは、ダムとして水を溜める機能を保つため、通常の道路トンネルとは異なり
地山の地下水をトンネルに引き込む構造になっていません。

ここで豆知識!

ダムの常用洪水吐きの施工は、通常のトンネル設計とは異なります!
通常は、山中の地下水をトンネル内に引き抜き水圧がかからないようにします。
ダムの常用洪水吐きでは、引き抜いてしまうと水が抜けてダム湖に水が溜まらないので、試験湛水ができません。

※「試験湛水」とはダムが完成した後にサーチャージ水位(ダムが貯水できる限界の水位)まで水を溜め、その後常時満水位まで水位を調整し、問題がないか確認する試験のことです。


このため、常用洪水吐きの中に地下水などが入らないようにトンネルの内部を防水シートで覆ったり、
その上からコンクリートを打ち込むことで土の中から染み出す地下水などがトンネルの内部に入り込まないように施工を行います。

まず、下の写真のような移動式の足場で、防水シートの敷設や覆工コンクリートの鉄筋を組み立てます。

移動式足場【令和元年11月撮影】

次に、コンクリートを打ち込みます。
下の写真のような機材を使い、打ち込む作業を行います。
この機材は「スライドセントル」という、トンネル用の移動式型枠です。
トンネル内を移動し、順番にコンクリートを打ち込むことができます。

スライドセントル【令和元年11月撮影】


取水施設
安威川ダム建設を行っている安威川ダムJV工事事務所からダム建設を眺めた写真です。
左岸道路建設のために足場等を組んで工事を進めています。
また、ダム湖の水を下流河川に流す『フラッシュ放流』を行うために『取水施設』を建設しています。

取水施設【令和2年12月撮影】

ここで豆知識!

『フラッシュ放流』とは
ダムは大きな出水を減らしますが、同時に日頃生じる小さな出水も減らしてしまうため下流河川の環境が変わってしまう懸念があります。そのため、人工的に小規模出水を起こして川底をかく乱させ、ダムより下の河川の生き物の活性化を図ります。

安威川ダム建設の今昔と未来

桑原大橋から見る、ダムの昔と今、そして未来をのぞいてみましょう。

着工前の状況です。
(平成26年6月時点)
当初


掘削に先立ち工事の範囲の樹木を伐採した状況です。
(平成26年11月時点)
中間


周辺のロック材の盛り立てと各種施工が進んでいる状況です。
(令和2年12月時点)

桑原大橋から

完成イメージ図です。

完成予想図

このページの作成所属
都市整備部 安威川ダム建設事務所 建設課

ここまで本文です。