最近の消費動向

更新日:2009年8月5日

最近の消費動向(19年12月期、個別ヒアリング)



  個人消費は、10月は気温が高かったことから秋物商品が不調であったが、11月は中旬から冷え込み、雑貨や食料品が好調となった。12月は暖冬だった前年を上回る暖かさで、冬物の重衣料を中心に不調であったことから、10〜12月の大型小売店全体の売上高は前年を下回った。 当研究所では、消費動向を把握するため、百貨店、スーパー、ホームセンターを対象にヒアリング調査を行った。  今回ヒアリングを行った百貨店A社とスーパーB社の19年12月の売上げは前年同月を下回った。また、ホームセンターC社の19年9〜11月の売上げは、前年同期を上回った。

百貨店

A社  
19年12月の売上げは前年同月比2.2%減少した。

 これは、気温がなかなか下がらず、防寒の重衣料が不調であったためである。

 品目別にみると、衣料品は前年を下回った。紳士服・洋品では、ビジネススーツは好調であったものの、コートやブルゾンの重衣料が不振となり、不調であった。クリスマスギフトとして革小物とバッグは好調であったが、ネクタイは前年を少し下回った。婦人服・洋品では、ワンピースは好調が続いているものの、コート、セーターなどの重衣料が不調で、前年を下回った。海外の有名ブランドを扱う特選ブティックでは、クリスマスギフトやボーナスでの自分へのプレゼントに、ジュエリーや雑貨が好調であった。子供服・用品では、お出かけ用のドレス、スーツは好調であったが、ジャケット、コートは不調だった。その他衣料では、呉服は振袖が好調で、寝具・寝装品も好調であった。

 身の回り品では、アクセサリーは前年並みであった。婦人靴、ハンドバッグは不調であった。季節雑貨のうち、タイツは好調であったが、手袋やマフラーは不調であった。

 化粧品は、国産ブランドが好調で、外資系ブランドは前年並みであった。クリスマス限定商品や、スキンケア化粧品が好調であった。

 スポーツ衣料・用品では、ゴルフウェアとランニング関連用品が、女性の利用が増え、好調が続いているが、ダウンジャケットが前年までの好調の反動減となり、部門全体では不調となった。旅行用品は好調であった。

 家庭用品は、特選洋食器のクリスマス限定品が好調であったが、カーペットやオーダーカーテンが不調で、部門全体では不調であった。

 玩具は、TVゲーム機本体が前年までの好調の反動減で不調となった影響が大きく、クリスマス用の輸入木製玩具は好調であったが、全体として不調であった。文房具は手帳が好調であった。時計は高額品が好調であった。ランドセルは10月の販売開始からの好調が12月も続いている。

 食料品は前年をやや下回った。生鮮食料品と総菜は前年並みであった。洋菓子は好調であった。クリスマスケーキは、予約販売は好調であったものの、12月24日が祝日であったため、当日の店頭販売が前年より下回り、全体では前年並みであった。お歳暮は、早期割引の大きい10月に受注が前倒しになったため、11月、12月は前年割れとなり、期間全体では前年を下回った。品目では、数の子などの正月向け食材が前年を下回り、洋菓子は前年を大きく上回った。おせちの予約販売は好調であった。

 1月の売上げは、2日の初売りやバーゲンは好調で、婦人洋品や身の回り品の好調は続いているものの、防寒衣料が若干苦戦していることから、前年をやや下回ると見込まれる。 


 スーパー

B社  19年12月の売上げは前年同月比1.6%減少した。

 これは、暖冬と言われた前年よりも少し暖かく、冬物の衣料品が不調であったためである。

 品目別にみると、衣料品は不調であった。婦人衣料では、合繊のジャケットは好調であったが、他はロングコート、カットソー、ボトムスが不調で、前年を下回った。紳士衣料では、スーツ、ジャンパーは好調であったが、カジュアルシャツ、セーターなどは不調で、前年を下回った。子供服は、女児のスパッツ、ハーフパンツは好調であったが、子供服全体では不調であった。肌着は、婦人のカラータイツは好調であったが、他は不調で、前年を下回った。

 服飾は前年を下回った。靴は前年を下回っている。インポートバッグ、トラベル用品は好調が続いている。マフラー、手袋などは、クリスマス期間は好調であったが、月全体では前年を下回った。

 食料品は前年を上回った。農産物は、野菜が相場高、果物は相場安で、売上げは前年並みであった。野菜は、白菜など鍋物用野菜を中心に好調であった。果物は、売上げの大きいみかんの相場安の影響が大きく、不調であった。畜産物は好調であったが、水産物は不調であった。鍋物用の純鮮魚は好調であった。牡蠣は、前年は食中毒の心配による買い控えのため不調であったが、持ち直し、好調となった。

 加工食品等は好調であった。値上げ報道のあったインスタントラーメン、マヨネーズ、食用油が好調であった。すでに値上げされている食パン、乳製品は、前年を上回った。ビール、ワインなど酒類は好調であった。

 その他の商品では、化粧品等が好調であったが、余暇・ホビー、家電製品などが不調で、全体では前年を下回った。

 余暇・ホビーは、TVゲームのソフトは好調であるが、TVゲーム機本体が前年から半減し、TVゲーム全体で前年を下回っている。手帳は好調であったが、ツリーなどクリスマス関連は不調であった。自転車は好調が続いている。

 家電製品は不調であった。省エネタイプへの買い替えが続くエアコンは好調であった。加湿機能の付いた空気清浄機が好調であった。携帯電話などの情報通信機器、石油暖房器具、昨年好調だった冷蔵庫、洗濯機が不調であった。

 化粧品は好調であった。中でもカウンセリング化粧品が特に好調であった。健康食品は、数年前のブーム以降前年割れが続いていたが、持ち直してきて前年を上回った。

 住居関連では、調理器物などダイニング用品は好調であったが、毛布など寝具・寝装品は不調であった。家具、インテリア用品は不調であった。

 日用消耗品は前年を上回った。掃除洗濯用品、キッチン洗剤などが好調であったが、園芸関連は不調であった。カイロは前年を下回っているが、湯たんぽは好調であった。紙製品、ラップ類の単価が上がっており、売上げは前年を上回っている。

 クリスマス関連では、財布や子供用マフラー、子供用バッグは好調であったが、ツリーや電気装飾、アクセサリーは不調で、ケーキも前年を下回った。

 ランドセルは単価の高い商品が人気で、好調であった。学習机は、12月限定の割引をしたため好調となった。

 おせちは、予約おせちは前年を下回ったが、年末に店頭で販売するパックの単品おせちは前年を上回った。

 1月の売上げは、日曜日に冷え込んだり雨が降ったりして、衣料品と住居関連品が不調で、前年を下回ると見込まれる。  


 ホームセンター

C社  19年9〜11月の売上げは、前年同期を上回った。

 これは、11月の上旬まで暖かく、園芸関連用品が好調であったほか、11月中旬から冷え込み、季節商品も売れ始めたためである。

 DIY用品は好調であった。9月、10月が暖かく、例年なら売上げの落ち込む苗や鉢植え植物、園芸関連用品が好調であった。11月中旬に冷え込んだため、防寒用の作業着、帽子、手袋も好調となった。DIY資材は、前年並みであった。

 家庭用品も好調であった。日用雑貨が好調であった。季節商品では、なかなか冷え込まなかったため、石油ファンヒーターや石油ストーブ、電気カーペット等の暖房器具は不調であったものの、窓の隙間風を防ぐための商品や、湯たんぽなどの小物は好調であった。加湿器も前年を上回った。医薬品は、取扱店舗が増えており、順調に増加している。

 レジャー用品も好調であった。ペット関連用品は、ペットの大きさやペットの体調に合わせてペットフードの種類が増え、好調が続いている。自動車関連用品は前年並みであった。

 今後の見通しは、前年同期並みと予想される。

 同社では、他の業態の小売店に比べて、同じ品質のものが安くて豊富にある、との特色を活かし、今後も売上げを維持していきたいとしている。仕入れは極力価格が上がらないよう抑えているものの、素材商品の値上がりにより仕入れ価格が上昇するものもあり、それについては付加価値を加えるなど工夫して商品価値を高め、お客様に納得してお買い上げいただけるように努めている。客単価については、下がり続けていたものが、ここ1〜2年は下げ止まり、上向いてきている。新規店舗の出店による売上げのかさ上げのほか、既存店でも季節に合わせた品揃えや魅力のある店頭レイアウト等の工夫により、お客様に選ばれるよう努めていくとしている。


大阪府の消費に関する経済指標



このページの作成所属
商工労働部 商工労働総務課 企画グループ

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